19:05 車掌アナウンス。「これより乗務員が電車の下に溜まった雪を除雪します。運行再開が大幅に遅れる見込みとなります。大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
このアナウンスを受けて、先程まで非日常的な状況をキャッキャと騒いでしたJKも、周りの大人たちも自分たちが深刻な状況に置かれていると自覚して、茶化す人間は皆無となった。
しかし乗務員が除雪って、運転士と車掌の2人しかいないはず・・・、物理的に無理ではないかと正直思っていた。
19:40 司令室からの声が漏れ聞こえてくる。
「代替輸送が・・・」
全く動く気配はない・・・、マジで降ろされそうな感じがプンプンしてくる。
私は思った、なぜ先ほど停車した1つ前の駅に後進しないのだろう?
なぜ前に進む選択肢しかないのだろうと・・・
人が前を掘ったところで積雪量がどんどん増ている。終点の長岡駅までの区間をラッセル車で雪を飛ばさない限り同じことが繰り返されるではないか?そんなの小学生でも分かりそうなこと・・・。
20:00 電車が止まってから1時間が経過した。イライラが募り乗務員に詰め寄る乗客も増えてきた。
20:10 除雪を終えた車掌が外から車掌室に戻ることが困難なくらい積雪があり、運転席から車内を通って車掌室に戻ろうとするが、詰め寄る乗客に行く手を阻まれる。
ここでフッと思った。新津駅までは下り線とすれ違うこともあったが、そこから先、一度も電車とすれ違っていない。
信越線が完全に麻痺していると悟った。
20:15 車掌アナウンス
「除雪作業はあと10分程度の見通しとなっております。ただしこの時間に関しては前後することもありえますのでご了承ください。本日は大変なご迷惑をおかけしまして重ね重ねお詫び申し上げます」
真向かいのJKが「このまま降り続いて明日の試験飛べばないかなぁ~」とかなりのんきなことを言っている。
それだけそこまで悲壮感を持った乗客はいなかった。
20:50 10分程度と説明を受けたが、ここでようやく除雪が終わり、警笛が鳴らされ発車することに。
この時点で改札を通ってから6時間以上が経過していた。本来なら1時間で長岡まで行けるのに・・・。
21:00 ゆっくり少しづつ進んだものの、また雪が詰まって動けなくなる。
悪い予感は的中した。
このあたりから報道でも立ち往生の状況が伝えられているようだった。
21:10 後方の車両から見た目ヲタクくんが運転席に近づき強くノックする。
「いつになったら動くのか?」
運転士 「これから除雪を行いますので今しばらくお待ちください。状況が分かり次第ご説明申し上げます」
正直数人がスコップで掘ってところで、巨体の電車がどうこうなるとは思えない。進行方向の溜まった積雪を全て退かさない限り問題は解決しない。司令室はどういうつもりなのか?現場の乗務員が判断できる権限もなく、司令室の判断次第ではドツボにハマる臭いがプンプンします。
運転席のある先頭車両に人がどんどん集まってきている(私、たまたま先頭車両に乗っておりました)。
乗客の皆さん、前方の様子を伺いたい心理が働いているようです。
20:15 車掌アナウンス
「現在2名で除雪にあたっています。帯織駅までなんとか動かし、そこから代替輸送を計画中との情報が入っております」
2 2人で除雪・・・、分かってはいたがそれは物理的に無理でしょ!
なんで応援を呼ばないのか不思議である。
21:18 突然乗客のスマホが一斉に警報音が鳴りだした。なんだ、こんな時に北のかりあげクンがミサイルでも飛ばしたか?(三条方面への大雪による特別警戒警報が出たようだった)
21:20 外の様子を窓越しに伺う。ここまで積雪が多くなると前にも後ろにも動けない。
21:40 先ほどのヲタクくん、また運転席をドアを強くノック。
「あとどれくらいかかるの?」
運転士 「今、車輪の状態を写真で撮って判断を仰いでいる状況です」
この空気を読めないヲタクくんに他の乗客のイライラが増幅する事に・・・。
21:45 車掌アナウンス
「道路の状況も悪く、バスによる代替輸送ができない可能性もあります」
ヾ(・∀・;)オイオイ マジかよ。
21:50 酸欠なのか具合の悪い人が出始めてきた。
この頃からトイレットペーパーが底をつき始める。
無理もない、本来最長でも1時間程度の乗車なので、在来線のトイレを使う人なんてほとんど見たことがない。
JRもそれなりの用意しかないのも当然。
21:55 車掌アナウンス
「運転試験をしたが動きませんでした。再度除雪作業に入ります」
だからぁ~、除雪車なんで来ないのよ?
こんなこと続けていたら朝までかかってしまうわ ハァ━(-д-;)━ァ
少し動いては雪が詰まる・・・、バカでも分かりそうなもんだけど・・・。
22:00 KYヲタクくん、またまた運転席のドアをノック。
「もう歩いて帰るので降ろしてください」
運転士 「軌道上を歩くことはダメなので・・・、申し訳ありません」
当たり前の対応・・・、そこに後方車両からキリっとした男性2名が運転士に声をかける。
「我々は県警のものです。なにかお手伝いできることありますか?」
運転士 「確認を取ってみます。もしそのときはお声かけさせて頂きます」
おぉぉ~、格好いい!対して自己中のヲタクくんときたら・・・、周りから冷たい視線が浴びせられるがKYなので気にしない ( ̄▽ ̄;)
このころ報道ステーションで映像がOAされているとの情報が入る。
とにかく電車の周りは吹雪いているのが窓越しでも分かる。
22:10 アナウンス
「前面の除雪は完了しました。これから側面の除雪にかかります」
「また2名の除雪要員がこちらに向かっております」
2+2=4 o(_ _;o) マジカ・・・
なんで行政とかに救援要請しないのだろう?
22:25 アナウンス
「応援の作業員が線路伝いに歩いてこちらに向かってきております。その応援を乗車させてから運行再開を試みます」
人海戦術じゃ無理じゃね?
22:40 イライラがつのり小競り合いも見受けられるようになる。トイレにいった男子高校生が元に場所に戻るとき、中年男性にぶつかってしまう。中年男性が高校生に掴みかかり、「人にぶつかっておいて一言もなしかよ、おい!」
高校生 「(小さな声で)スミマセン)
中年 「分かればいいんだよ」
皆さん精神的に相当ヤバイです。
23:00 車掌アナウンス
「司令室より、水と食料の手配をかけるので、これから正確な人数を車掌がカウントしてまいります」
こ これは完全に長期戦になってきた 汗 ━(il`・ω・´;) ━タラァァ~ン
ここから先は皆さんがニュース等で報道されているのでご承知の通りです。
司令室もここまで大きな事案となれば上層部の判断を仰いだに違いありません。
このあとJR新潟支社の会見内容と、実際車内でアナウンスされた内容がどれだけ乖離していたかを検証していきたいと思います。
ちなみにKYヲタクくん、その後も30分毎に運転席のドアをノックし続けひんしゅくを買っていましたが、本人は動じていないようでした ( ̄▽ ̄;)
※まだ体調が万全ではないので、続きは明日以降にさせて下さい。スミマセン。