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蛋白異常（高総蛋白、低アルブミン、高グロブリン）が認められたグレイちゃん、以前からの腎不全療法食と皮下輸液で１ヶ月を経過したので受診しました。

10月4日に採血した血清蛋白分画検査の結果は、αからγ分画までのグロブリンの内γ-グロブリンが上昇していました。



免疫グロブリンが存在する分画はβからγ分画で、高グロブリン血症の多くはこれら免疫グロブリンが反応性あるいは腫瘍性に産生されることにより引き起こされます。

・単クローン性（Monoclonal）高γグロブリン血症

免疫細胞の一つのクローンが同じ型の免疫グロブリン分子を産生すると、単クローン性高γグロブリン血症になります。
分子が全く同一なので、βもしくはγ分画で、狭い帯として泳動されます。
多発性骨髄腫やリンパ性白血病、リンパ腫に特徴的な所見です。
猫では猫伝染性腹膜炎（FIP）でこの特徴的な単クローン性高ガンマグロブリン血症を認めることが一般的です。


・グロブリンの増加のパターン例
　①肝硬変，慢性肝炎･･･γグロブリンが増加し，βグロブリンとγグロブリンが重なり合う。
　②膠原病（ＳＬＥ，慢性関節リウマチなど），慢性感染症･･･γグロブリンが増加する（幅広い丘状を示す）。
　③多発性骨髄腫，マクログロブリン血症･･･増加したγグロブリンが，鋭いピークを示す。
　④ネフローゼ症候群･･･アルブミン減少，γグロブリン減少，α2グロブリン増加をみる。


ですので③に該当するパターンと思われます。



今日の病院内検査では

総蛋白（TP）　9.8 → 9.9 （基準値5.7-7.8）
アルブミン（ALB）1.4 → 2.4　（基準値2.3-3.5）
A/G比（アルブミン／グロブリン）は0.2 → 0.32（基準値0.5-1.0）

とアルブミンが基準値へ上昇、グロブリンは低下したものの高値です。


腎不全の方は
クレアチニン（CRE）2.3 → 1.9 （基準値0.8-1.8）　と快方です。




多発性骨髄腫など致死的疾患を疑う数値らしいですが、快食快便、運動も正常で先生も驚かれていました。


初めて見るグレイちゃんのレントゲン写真、左右腎臓に数ミリの石灰化が認められる以外、骨、内臓に異常なしでした。

腹水、胸水もなし、胃腸には食物とガス、糞便がタップリ写っています。

残る検査はウィルス検査や細胞検査もあるのですが、予防接種まで様子見としました。