
「マクロスΔ」における星間複合企業体ケイオスの情報・芸能部門に所属する戦術音楽ユニット「ワルキューレ(Walküre)」。
前作「マクロスF」の放送から8年、正式な続編であり、歌姫がユニットとして登場すること。そんな事しか分からなかった頃から期待はしていましたが、ある意味不安でもありました。
「マクロスF」が集大成的な作品であり、音楽的な部分を含め私にとって大き過ぎる影響を与えてくれた作品であった為です。河森正治総監督は常に新しい事に取り組んで来ます。一体どうなってしまうのか・・・
しかし、昨年末に超先行放送された「Mission 0.89」と銘打った第1話特別篇を観てそんな心配はぶっ飛んでしまいました。
戦闘シーンはもちろん、圧倒的な情報量なのに手描きのライブシーン。3DCGが得意のサテライトですが、拘る部分は血ヘドを吐いてぶっ倒れながら作っていた「超時空要塞マクロス」時代からブレていません。「AKB0048」の経験が活かされているんだなぁと思いつつ、新たな楽曲に心が躍り先行配信を落としてひたすらヘビロテ。
当時は新たな歌姫として8,000人から選ばれたフレイヤ役の鈴木みのりさん以外のキャストは2つの星の文字で伏せられていましたが、予想は意外と当たっていたかな?
放送開始後すぐに1stシングルが発売され、とにかく中毒性のある各曲を聴いているうちに発表されたファーストライブ。

どんな子達がどんな歌を歌うのか、非常に少ない情報しかありませんでしたが、河森正治氏の拘りが詰まった「マクロス」という作品の歌姫ですから「ライブに行かない」なんて選択肢は微塵も無く、速攻で申し込みました。
東名阪ツアーになりますが大阪から始まり、名古屋、東京という順で追加公演が東京の昼という事で全4公演、ありさすがに今回は遠征出来なかった為ファイナルにしか参戦出来ませんでした。
という訳で、既に多くのみん友さんがライブレポートを書かれております。
もちろん(失礼ながら)見ないようにしてきました。自分で感じ、書きたいからです。
「絶対」見ては「いけない」記事がたくさん上がっている・・・
私のこんな呟きをワルキューレの事だと理解して反応してくださった皆様、さすがです♪
そんな皆様は私が単なるライブレポートを書いても面白くないでしょうし、そんなものを書くとも思っていないでしょう。確かに書く気はありません。
私が今こんな事ばかり書くようになったのは間違いなく「マクロス」という作品のおかげ(?)です。
はじめに歌ありき
このシリーズ一貫したテーマ、そして河森正治という人を理解する事で見えるものもたくさんあります。そんな観点で、「ワルキューレ」について自分が思う事を書いてみようと思います。
書きながら色々な想いがこみ上げ、検証しているうちに新たな発見があったり、何度も書き直しているうちに完成するまでかなりの時間がかかってしまいました。。
久しぶりの超長文になります。自分の中で状況を整理する意味もありますので、お読みいただいたところで面白くないかも知れませんが、お付き合いいただける方の為に。
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先ずは星間複合企業体ケイオスの情報・芸能部門に所属する戦術音楽ユニット「ワルキューレ(Walküre)」について。
「マクロスF」においてヴァジュラの腸内に寄生していたフォールドクウォーツを持つ「フォールド細菌」がヴァジュラの去った後にも銀河に残り、人間の細胞にフォールドして暴徒と化す「ヴァールシンドローム」が銀河内に蔓延、これを鎮圧することが出来る「フォールドレセプター」という生体フォールド波の保有者が集められ、戦術音楽ユニットとして戦地に赴き歌でヴァールの沈静にあたるチームです。
生体フォールド波は「生」で声を届けなければ効果が激減する為、あえて危険な戦地で歌う必要があり、それを護る為のΔ小隊はパフォーマーの役割も果たしています。
恐らくフォールド細菌の所有者であるシェリルやランカを研究する事で得られた知識や技術なのでしょう。彼女達の場合、簡単に言えばヴァジュラと同じフォールド細菌を持つ事で人類が敵ではないと伝える為に歌っていました。ここが違うところです。
現在のワルキューレは5人が正式メンバーです。
フレイア・ヴィオン(14→15歳)(CV:鈴木みのり)
「歌は元気」
ウィンダミア王国出身の新メンバーでメインヴォーカル。30年程度しか生きられないウィンダミア人として、精一杯生きており、幼少時に地球人から貰った携帯音楽端末に入っていた歌に魅了され、歌う事で人を幸せに出来ると知り、ワルキューレ入りを果たす。しかし母国を敵として戦わなければならなくなり、しかも自分のフォールドレセプターがハヤテと共鳴してヴァール化を促進してしまう事を知り、歌えなくなってしまうほどに悩む。最終話に向けての決断がマクロス定番の悲しいものにならなければ良いのですが・・・
演じる鈴木みのりさんは歌姫オーディションで8,000人の中から選ばれた若干15歳の新人です。「マクロスF」が大好きで、May'nさんや中島愛さんのようになりたいとずっと思ってきたとの事で、応募もやたら早かったとの事。
河森氏いわく、初めて見た時からフレイアそのものだったとの事。この子が居ればこのオーディションは成功するだろうと確信していたそうです。
カナメ・バッカニア(22歳)(CV:安野希世乃)
「歌は命」
ワルキューレのリーダー。初期からのメンバーで元エースヴォーカル。アイドル時代も経験していますが上手く行かずに引退しています。自分の歌が誰かの生きる意味になっていると知り、挫折も困難も乗り越えてきました。Δ小隊との連携時にマネージメントもこなします。
安野希世乃さんと言えば自分の中では「冴えカノ」の加藤ちゃんとか、「うしとら」の真由子のような優しい中にも芯があるイメージが強いのですが、歌も歌えるんですよね。
しかし本来は美雲の声役でオーディションを受けており、美雲が決まった事で急遽「美雲」「フレイア」と被らない声であるカナメ役として白羽の矢が立ち、その場で歌を覚えて合格したとの事。
マキナ・中島(18歳)(CV:西田望見)
「歌は希望」
きゃわわなダイナマイトボディで凄腕のメカニックというとんでもない子。マクロスで「中島」と言えば「愛」ではなくてこの場合は「ゼロ」の整備士。恐らく孫娘でしょう。中島飛行機の四式戦闘機「疾風(ハヤテ)」からしてフラグ有りかと思ったりもしましたが・・・
西田望見さんの経歴は浅くメインキャストは初との事。5人の中ではムードメーカーらしいのですが、今後に期待出来そうですね。
レイナ・プラウラー(15歳)(CV:東山奈央)
「歌は愛」
超天才ハッカーとして電子戦を得意としています。ケイオスにハッキングをかけて捕まりスカウトされました。寡黙で毒舌。マキナと喧嘩ばかりしていましたが、今では大の仲良し(いや、それ以上w)。
東山さんがここに居る事でメンバーが締まりますね。歌の実績もありますし、振り付けなどもすぐに覚えてメンバーにディレクションをするほど。
やはり「マクロスF」が大好きで次作は関わりたいと思っていながらも、歌姫は一般から公募されるので無理だと思っていたそうです。
美雲・ギンヌメール(3歳)(CV:小清水亜美 / 歌:JUNNA)
「歌は神秘」
ワルキューレのエースヴォーカルでフォールド波の数値は別格に高い。いつも単独行動で素性が知れず、ミステリアスな存在でしたが実はヴァールに対抗する為に作られたクローン。なので3歳。
その歌はプロトカルチャーの遺跡を通し「風の歌い手」ハインツに接してしまうほど。結果、使い物にならなくなってしまったハインツの代わりにロイドに「星の歌い手」としてさらわれてしまう。まさかラスボスにはならないと思いますが・・・
美雲役は特に難航したそうで、結局シェリルのように声パートと歌パートを分けることになりました。しかしシェリルとは違う声である必要がある。
JUNNAさんは最年少歌姫ということになります。彼女は元々アニメに興味が無く、マクロスも知りませんでした。オーディションを自ら受けたのではなく、別ルートでの紹介だったそうです。その圧倒的な歌唱力があってこそ、美雲というキャラが成立し、ワルキューレ、そしてマクロスΔという作品の骨格が成立したと言っても過言ではないでしょう。
実はライブで明かしたのですが、JUNNAさんはこの役を断るつもりだったそうです。しかし周囲の熱意によりマクロスという作品に関わる事での可能性を理解し、今では歌える事に感謝しているそうです。
そうなると役に適した声という事で小清水亜美さんが選ばれた訳ですが、違和感なくハマっていますよね。現代の中森明菜やアン・ルイスのようなイメージ。そうして出来たのが『いけないボーダーライン』です。
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こうして、全く個性の違う5人が集められました。
5人の声はそれぞれがしっかりと主張しており、ハイレゾで聴くと誰が欠けても成立しないことが良く分かります。
そして肝心な楽曲ですが、この作品の音楽を語るのに欠かせないのは
「FlyingDog」のサウンドプロデューサー福田正夫氏の存在です。「マクロスF」で言えば菅野よう子さんのポジションですが、違うのは自身で製作するのではなくあくまでもプロデューサーという事です。実はこれが大変重要なのです。つまり河森総監督の想いを受け止め各方面に発注し、コントロールする立場です。
福田氏と言えば「ARIA」「たまゆら」「あまんちゅ!」等サトジュン作品には欠かせない存在ですが、「輪廻のラグランジェ」「琴浦さん」「いなり、こんこん、恋いろは。」「M3」「幸腹グラフィティ」「アクエリオンロゴス」等、関わって来た作品を考えると「マクロスに関わるのは初めて」なんてとても信じられないくらい、私にとっては親近感のある方という事になります。
しかし今までのマクロスと違い多くの方が楽曲製作をする事で一貫性が無くなるのでは?という心配が出てきます。河森氏の想いを福田氏がどれだけ共有し、形にしてくれるのか。
「超時空要塞マクロス」のようにしっかりと芸能界を描き、歌手をプロデュースする形だったり、自身が作詞作曲をしたり、小さな船団単位で同一人物が楽曲を作るのとは違い、「マクロスΔ」は全銀河単位の「星間複合企業体ケイオスの情報・芸能部門」という設定ですから複数の音楽家が居て、音楽性に幅があるのは当然であります。
実はワルキューレの楽曲がアイドルユニットのように豊富なのは、どのような曲がヴァールに効果的か試行錯誤している為でもあるのです。
それでもマクロス初期からのファン、「F」からのファン、そして新たなファン、幅広いファンに支持されているのには確固たる理由があるからだと思います。
聴くほどにクセになる楽曲の中毒性
確かに今までのマクロス作品とは違う手法ですし、今までに無かった曲ばかりですが、そこには河森氏の
「温故知新」という拘りがあります。
過去を振り返らず一度精査し、常に新たな事にチャレンジする河森氏ではありますが、それだけでは飽きられてしまいます。新しさの中にも懐かしさを感じるもの。それが将来的にも歌い継がれるものだと思います。
その答えが「歌謡曲」なのです。
歌謡曲は時代を越えて歌い継がれていますし、実際に昔の歌を古いとは感じず、むしろ新しく感じる事さえあります。無意識のうちに脳内に焼き付けられており、安心して聴く事が出来、歌う事が出来るものだと思います。
ワルキューレの楽曲は「歌謡曲」です。
確かに「いけボ」はコモリタさんだけに初期のSMAPのような印象を感じますね。他の曲も目的に応じて福田氏が各作家にイメージを伝え依頼し、その中から選択してもらうはずが全て河森氏に気に入られ、そこから更に幅を広げて行きました。
楽曲が固まり、配役が決まり、レコーディングが進んで行くに従い、その出来栄えで新たな発見があって脚本や演出に手を入れるのは河森氏の拘りです。
当初の設定はメインヴォーカルを美雲とフレイアが歌い、他3人がバックコーラスを担当するはずでした。そもそも歌が本職ではない声優さんですからね。
しかしこれが嬉しい大誤算でした。
歌に関してメインの2人は新人ですし、初レコーディングですからまだまだ洗練されていません。それであのクウォリティーでしたが、実は他の3人も想像以上にしっかり歌えたのです。と言うより、歌えるようになって行ったのです。
初期に作った『ルンがピカッと光ったら』のサビですが、本来コモリタ氏は5声のハモリにしたかったそうですが、難しいと考えてユニゾンにしたとか。ところがレコーディングが進んで行くうちに全員歌が上手いと気付き、後に「アルバムver.」として録り直したとの事。
この成長は「1stOP曲」と「2ndOP曲」の差、そして「1stアルバム」と「2ndアルバム」の差としてハッキリ表れています。
1stはツインヴォーカルが多いですよね。シングルver.とアルバムver.も単なるアレンジの差ではなく、声の重なり方が違っています。
2ndのほうが確実に難易度が高く、元々変調を頻繁に繰り返したりとトリッキーなワルキューレの楽曲ですが、ヴォーカルが5人に振り分けられたり、5人でハモったり高度な技術をこなせるようになっています。
この成長が無ければ『絶対零度θノヴァティック』は生まれなかったでしょう。
フルで聴くとハーモニーの素晴らしさに驚かされます。コレ、単なる5声という単純なハモではなく高度なテクニックなのですよ。ハイレゾならばもっと良く分かります。
マクロスの楽曲、マクロスの歌姫というのはライブで歌う事が約束されていると言っても良いでしょう。実力が無ければライブで歌えないような曲は作りません。
この成長は「声優アーティスト」というもの起因すると思います。最初のレコーディング時はどの場面に使われるか知らないで歌っていました。もちろんアフレコも進んでいません。
役を演じているうちに当然感情を込めて歌えるようになります。レコーディング後に楽曲の意味を知る事も多いでしょう。本当の意味を知れば曲の表情が変わって行きます。
「マクロスΔ」の歌の魅力、本当に凄い理由は実際にアフレコ現場で歌録りしてしまう事かも知れません。
例えば劇中で感情と共に歌ったり、走ったり戦いながら歌う曲。あれはアフレコ現場で生で録音しているからCD音源とテンポも違うし雰囲気も全く違い、場面によっては歌い手も違ってきます。伴い役者が成長することでリアリティーが表現され、同じ曲なのに心に響く楽曲に変化するのです。
つまり音源化されていない楽曲が多数あると言う事ですね。CD音源が一番古く、感情が入っていないからフラットに聴けるものになっているという言い方もあります。
だからこそ、ライブに行って自分で感じたいのですよ!
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「ワルキューレの曲でどれが好き?」という質問に対し、私は自信を持ってこう答えます。
全部!
どれも素晴らしく順位は付けられません。ハズレなんて有りません。これが中毒性なのかも知れませんが、「マクロス」という作品は特に歌と場面には大きな関わりがあり、映像に歌を乗せるのではなく、歌に合わせた映像を作っています。と言うより同時進行というか、状況を見て河森総監督がその場で感じた通りに作り直してしまうほど拘っています。
そういう意味で捉えると、実は凄く好きな曲があります。恐らく皆様とは違う偏見かも知れませんが、いくつか私の
個人的な想いを紹介します。
『AXIA~ダイスキでダイキライ~』
この曲が好き、カナメが好きという方は多いでしょう。私もそのひとりです。
言わずと知れた前半最大の山場、「#10 閃光のAXIA」でカナメがメッサーに向けて歌った曲です。まさか撃墜されるとは・・・と思いつつ、マクロスを知っていればフラグは上がっていましたね。
「#9 限界 アンコントロール」でカナメッサーの過去が語られ、メッサーはこの歌で命を救われた、この歌を歌うカナメの存在に救われたという事を知ったカナメは逆に自分も救われていた事を知り、メッサーの為に命がけで歌った姿はとても印象的でした。
この曲がレコーディングされたのは初期です。安野さんは「とても重要な曲」という以外何も知らされずに歌いました。これがメッサーが聴いていた曲であり、CDに収録されている曲です。
ところが、「#10」でメッサーに向けて歌ったのはアフレコ現場で歌ったものです。
メッサーの為に魂を削って歌い、あの戦闘を見届けた、あの時の気持ちで歌った曲です。当然、CD版とは同じ曲であっても全く違うものになります。だからこそあの感動があり、カナメを応援する気持ちにもなったのです。安野さんの歌唱力が光りました。
だからアルバムが発売され、心躍らせてこの曲を聴いた時、「あれ?こんな感じだっけ?」と物足りなさを感じてしまったのです。。
この場面、かなり激しい戦闘にも関わらず、曲のグルーヴ感を壊さないよう、意図的にスローで雄大に描かれたそうです。
残念ながら音源化はされていませんが、ライブではこの時の気持ちで歌ってくれるでしょう。
『GIRAFFE BLUES』
この流れで当然この曲です。壮大なバラードで、各方面で一番人気の曲かも知れませんが、これも私なりの想いがあります。
『AXIA~ダイスキでダイキライ~』から『GIRAFFE BLUES』という流れには大切な意味があると思っています。
1番をフレイア、2番を美雲が歌い、最後にひとつになるのがアルバムに収録された恐らく原曲ですが、シングルのカップリングとしてそれぞれのソロver.が収録されています。
この曲は相手に対して自分の魂をぶつけ想いをつたえるような場面で使われています。時には敵に対して、時には遺跡に対して、時には信じる者に対して、そして死者の魂に向けて歌われたりします。
実は壮大でありながら激しく転調が繰り返されたり平坦なメロディーにするなど、かなり凝った曲でもあるのです。
私が思うこの曲最大のポイント、本当の魅力、それは「カナメ」の存在です。
カナメが居ればこそ、そしてこの曲こそ美雲とフレイヤとは違った声質であり、しかも負けないだけの主張が出来る安野さんの起用された事が発揮されている曲だと思っています。
これもまた、CD音源では絶対に辿り着けない想いです。
『GIRAFFE BLUES』には「カナメソロver.」が存在します。
「#20 衝動 エクスぺリメント」で美雲を救うべくカナメが走りながら歌ったあの曲がまさにそれですが、実はその布石は「#11 追憶 ジェリーフィッシュ」にありました。
メッサーの死に打ちひしがれているカナメに前を向かせる為、そしてメッサーの魂を沈める為、歌うことでしか感情を表せない美雲が自ら海に入り歌い始めたのが『GIRAFFE BLUES』でした。続いてメンバーも歌い始め、最後にはカナメも決意を胸に海に入り、メッサーの為に力強く歌った特殊EDでした。つまりこれもアフレコ現場で録音したもの。
あのカナメの歌声は感情が入りまくってもの凄く心に響きました。
だからこそ、今度はカナメが美雲を救う為、美雲の意識に訴えかけるように歌い、それに反応した美雲が目覚めて歌い始めたのだと思います。
安野さんが美雲役かも知れなかった事を考えると、こういう場面もグッとくるものがあります。。
カナメが居るからこそ、この曲は活きるのだと思います。正に扇の要♪
『風は予告なく吹く』
『絶対零度θノヴァティック』のカップリングとして発表された時、どのような曲か全く知りませんでしたが私は衝撃を受けました。
作詞:坂本真綾 作曲・編曲:北川勝利
この布陣でタイトルからしても、フレイアの曲であろう予測はしていました。理由は単純。
鈴木みのりさんはこの2人が大好きで尊敬すらしています。いつか北川さんの曲を歌いたいと思っていました。貰ったデモテープは真綾さんが歌っており、狂乱したとか。。
真綾さんは「F」のOP曲を歌っていました。デビュー時からの菅野よう子さんとのタッグは最強でしたが、その後は北川さんと組む事も多くライブではバンマスを務めています。北川さんは真綾さんの最大の理解者のひとりでもあります。
その2人が組んで新たなマクロスに曲を提供する。それだけでも凄い事ですが、本当に凄いのは内容でした。
真綾さんが書いた詩、これを見た北川さんが衝撃を受けたくらいですが、「ウィンダミア人」であるフレイアが今後どういう生き方、どういう選択をするのか、生々しく「死」と向き合うような内容でした。
平均寿命が30〜35年と短命なウィンダミア人。20代半ばを過ぎると急激に老化し皮膚にひびが入り剥がれ落ちるため、早婚の傾向が強く14歳のフレイアはすでに行き遅れの部類に入る。
だからこそ、1分1秒を大切に、そして全力で生きるフレイアは生き急いでいるのかも知れません。結果、命を削ってしまっているのかも知れません。後半は正にこういう事が描かれて行きます。
カシムの死を目の当たりにしたフレイアは自らの死というものを更に考えるようになり、残りの人生、何のために生きて行くのか自ら決断を迫られます。そして仲間が倒れ、遂に自らの身体にも異変が・・・
『風は予告なく吹く』と言うのは「死は突然やってくる」と言う意味と、「恋は突然やってくる」という両面の意味があると思います。その狭間で命を燃やすフレイア。大切に想う相手よりも確実に先に尽きる自分の命。どうしたら相手を傷付けずにいられるのか・・・ルンの光にも陰りが見え始めました。
この曲の歌詞をよく聴いてみるとこれら全てが語られているようにしか、私には聴こえません。
この詩を書いたのが坂本真綾さん。どこまで知っていたのかは分かりません。むしろ詳しく知らされてはいないでしょう。
この詩はマクロスという作品に関わって来た真綾さんだからこそ、自身が人生の大半を大好きな歌に捧げ、役者として捧げ、ちょうどウィンダミア人の寿命を超えた年齢になったからこそ書ける気持ちなのかも知れません。
もうひとつ面白いのが2番を歌う美雲さん。
実は怒りを込めた歌い方をしています。
この怒りはウィンダミア人の怒りかと思われます。ウィンダミアの立場からすれば、新統合軍は侵略者であり大量無差別虐殺された憎き相手。
「星の歌い手」として彼女にどんな風が吹いたのか、何に対しての怒りなのか、結末が注目です。
「ルダンジャール・ロム・マヤン」
ん?「マヤン」?
キタねコレ♪
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さて、全曲言いたいコトはありますがここからはライブのオハナシ。
事前物販で最低限必要なものは揃えておりました。パンフも追加になったので当日並ばなくても良いことに。
夜の部でしたので、それまで友人に会い昼食は中国料理。クラゲとなったメッサーを丸呑みし・・・じゃなくて普通に食事し、ライブグッズには無いものを購入してから現地入り。


最近、ZeppTokyoばかり行っていたのでこちらは久しぶり。かなり効率よく誘導していたので待ち時間ゼロで入場。
しかしここで痛恨のミス。いつものクセでドリンク代を用意していたのに実費購入でした。良く見たらチケットにもしっかり書いてあったw
フロアにはマクロスΔ関連の商品が多数陳列され、
例のイヤモニまで受注しているとか。自分はいらんケド。。
しかしこの部長のスタンドフラワーは目立ってましたね♪
会場内には意外と早く入れたので中盤より前、かなりステージに近い位置を確保。客層は初期からのファン、若いファン、そしておにゃの子がイイ具合に入り乱れて幅広い支持を物語っていました。
開演直前、自分は2階席ばかり見ていたのでよく分かりませんでしたが左前方でヴァール化があったようです。しかし例の注意事項が始まるとすぐに鎮圧。今回はフレイアでしたが公演によりメンバーが違ったとか?内容はファンにはたまらんねw
ちなみに2階席中央には河森正治総監督はじめ、福田氏など超豪華メンバーが揃っていました。後から知るとキャスト陣はもとより「F」のアノ方達が!!
やはり後輩ちゃん達は注目されているのですよね。ちなみにお鶴さんは昼の部に来られていたとか。
しかし気になったのは河森氏が持っていた「W」のペンライト。誰が作ったかスタッフに手渡されていましたが、是非次回物販希望♪
まぁ、この形は絶対に危険物扱いで商品化はされんやろうけど。。
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ではセトリを交えながら・・・
GO!Walküre!!
01_恋! ハレイション THE WAR~without Freyja
もうなんでしょう、初めてこの曲を聴いた時からライブがあれば絶対に1曲目だと確信していたのですが、いざイントロが始まった瞬間の興奮・・・ライブでこんな想いになったの久しぶり。。
4人がせり上がり、あの決めゼリフ・・・
「4人?」つまり今日のセトリは物語りに沿って進むのですね。イイじゃない♪
さすがに4公演目、しかも本日2回目という事で動きはキレキレだし、声も凄く伸びている。これって大阪の頃と段違いではないのかな?想像を遥かに超えていました。
中でも目の前に居た奈央ちゃん、特にBメロのステップは完璧にテンポと合っていて大きな動きで堂々としていたのはさすが。
「デ・カ・ル・チャー!!!」
「もっと!」 「ぎゅっと!」 「そっと!」
もう完璧ですよwwww
そして新メンバーの紹介。フレイア登場!!
いやぁ、みのりんご、マジでフレイアそのもの♪
02_不確定性☆COSMIC MOVEMENT
この流れ、フレイアの明るさ、可愛らしさが活かされて凄く楽しい!!一気に引き込まれました。
「321!」 「Pa Pa Pa Pa・・・」 「ビリビ☆」・・・・・
スゲー楽し過ぎるっ!!
03_僕らの戦場
ここで来る?もう今日は壊れてもイイ。。。自分の中で命名「TEAM TRUE」の曲。しかも今野ストリングス。
「燃えろ! 燃えろ!」
美雲とフレイアの掛け合いが凄くカッコイイ!
「F」のシェリルとランカが共に戦場で歌っている姿を思い出します。この曲は他の3人は完全にコーラスなのに、しっかりバックでダンスしているのが本当に凄い。
04_NEO STREAM
優雅な3拍子で始まる、英語の歌詞がなかなかステキな曲ですね。
と、思ったら一気に転調して攻めて行く凄い曲。この転調は作中の場面転換でも効果的に使われていましたね。
実はOP候補曲だったとか。各歌唱力と相性の良さが光る、これも大好きな曲です。
ここでメンバーが下がり、レイナとマキナが残る。てコトは!
05_ジリティック♡BEGINNER
二人の仲の良いやりとりがあり、会場大興奮w
「ハロー!」
ん~なんか二人、微笑ましいね♪
06_おにゃの子girls
ここからソロパート。マキナのアイドルソング。
「からの!」を要求されるがこの曲が未発売の2ndアルバム収録なので会場の反応イマイチ?いや、即応性の凄さ。。
てか、そこコール&レスポンスだったのね。
この曲でどれだけ銀河中で課金されたコトかwwwww
07_Silent Hacker
レイナのソロ曲。これも2ndアルバムですが劇中でかなり印象的だったので、タイトルコールから声を合わせられましたね♪
クールなのにエレクトリックでカッコイイ。
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ここで「#16 ためらいバースデイ」の映像を交えてフレイアのアテレコ。
映像ではありますが
『ワルキューレのバースデイソング』は嬉しかった。
人生の折り返しを迎えたフレイア。
みんなで「おめでとう!」
そして場面は雪降る屋外へ。会場内にも雪が降る・・・
08_God Bless You
フレイアのソロ曲。北川さんらしい素敵な曲。2ndアルバム収録ですが早く聴きたい。
みのりちゃんがオーディションで歌った『ホシキラ』はこんな感じだったのかな?初めて祝ってもらった喜び、感謝、様々な感情が入って心に沁みます。。
途中でセリフも入り、本当にフレイアが居るみたい。
そして次は・・・・・
もうイントロが始まる前からペンライトをイエローにしていました。。。
09_AXIA~ダイスキでダイキライ~
あぁ、やっぱりCDとは違う。何だコレ、自然と涙が・・・・・
もう、言葉なんていりません・・・・・
てか、バックであの戦闘シーンを流して劇中とシンクロさせるとか・・・ズルイっす。。
曲が終わり
「カナメさーーーん!」という大歓声と拍手。そうなりますよ。。
そして皆の
「メッサーーーーーー!!」という歓声は天に向けていたような。。。
10_GIRAFFE BLUES
この興奮のまま当然この曲。皆静まり返ります。
今の心境で聴くと涙腺崩壊どころか心も崩壊・・・
それも当然。
フレイア → 美雲 → カナメ とリレーする「#11 ver.」だったのですから。
しかもカナメさん、というか安野さん、他の2人に全く負けていないどころか一番凄い迫力だった。実際、自分的にライブ前の印象と一番違ったのが安野さん。もっと素人クサイと思っていましたがここまで歌に芯があって凄いとは。ポニテにウェーブがかった髪型含め、優しさと強さを兼ね備えたYesNo...じゃなく安野さん、この日ファンが急増したことでしょう。
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実はここまでMCらしいものが無くノンストップでした。
ちょうど「#10、#11」と一区切りしたところで衣装チェンジの休憩タイム。
その隙をついて「空中騎士団」登場!(もちろん映像)
ロイドが宣戦布告!
『ザルド・ヴァーサ ~決意の風~』
風の歌い手ハインツの歌と共に黒いローブのダンサーが舞い踊る。
そして・・・
美雲「やってくれるじゃない」
もう何だこの演出!神か!!(いや、女神だw)
劇中の流れとしては戻りましたが、ここからが本当の「ワクチンライブ」!一気にたたみかけます!
11_いけないボーダーライン
もう、5人共テンションMAX!「いけボー」はここまでになったのか!
ダンサーは浄化され白い衣装になり踊り続けます。
12_Walküre Attack!
この曲は5人が入り組んでぶつかり合い、一体となり、戦闘と共に益々激しくなって行きます。何だか絶対に勝てそうな気がする曲ですよね。
劇場版「F」の『サヨナラノツバサ~the end of triangle』を彷彿とさせます。
13_破滅の純情
これも5人が入り組みつつそれぞれの個性が際立っている曲。
歌謡曲の典型で軽快で楽しいのに重く凄みのある曲なのは15歳とは思えないJUNNAの迫力が成せる業?とにかく凄い曲。
「いくよ」 「とぶよ」 「すきよ」 楽しい♪
14_絶対零度θノヴァティック
最初聴いた時は「何だこれ?」と思いましたが今では一番と言っても良い大好きな曲。これをライブで歌える実力が全員にあるという事。
本来はライブ用に簡易アレンジするはずでしたが本人たちの希望によりそのまま歌ったという。他の曲も5人それぞれ違う音でハモっているのですが、この曲の5人で合わせつつ途中で半音上がるような難易度の高いハモはフツーじゃない。。5人がそれぞれ個性を主張出来、相性が良いから聴き応えがあると思うのです。
これを生で聴けただけでも行った価値がある。
「ちゅきだよ~♪」(謎w
15_一度だけの恋なら
おのずと知れた前期OP曲、「TEAM TRUE」+今野ストリングス。
「届け」 「届け」 「時の」 「果てに」
「GYUN! GYUN! GYUN!」
「BANG! BANG! BANG!」
もう完全に全員ヴァール化してます!
終盤キャノンテープがぶっ飛んで大絶叫!!
自分、ちょっと手を伸ばしたらちょうど全員分掴めたという幸運♪
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ここでようやくMCらしいMCが。
JUNNAの演じる美雲も悪くないw
そしてワルキューレ・サインの交換で思い切り盛り上がったところでフレイアの突き放すようなあっさりとした一言・・・
「でも次の曲で最後なんよ。」
コール&レスポンスの練習をしようと始めたはいいが、なかなかOKが出ない。
みのりんごのツンデレが凄い!
OKが出ると髪に付けていたルンがピカっと!
それ、次回物販希望ね。
あ、そう言えばみのりんご、髪切って色も明るくなっていましたね。
16_ルンがピカッと光ったら
せーの!
「Wow woh wow woh!!!」
もちろんアルバムver.です。
「ルンピカビーム!」
曲中にアドリブで言葉をかけてくるみのりんご。あの子本当に将来怖いね♪
そう言えば曲中の叫ぶセリフ、あれはレコーディング時に河森監督が思いついて追加したとか。本当にフレイアそのものなんですよね。
皆で
「ゴリゴリアターーーーーック!!!」
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アンコール
各自のライブアレンジTシャツで登場。
自己紹介と共にそれぞれ一言ずつ印象的な言葉を全員で叫ぶ。
カナメはやっぱり「メッサーーーーーー!!!」
今日一番の大きな声wwwww
それぞれ色々な想いを語ってくれました。
てか、「AXIA」の時に皆が降っていたイエローのペンライトが桟橋シーンの「クラゲ」に見えていたとか(^^;
総括コメントは本当に涙モノ。
皆それぞれマクロスに対する想いが大変強く、涙を流しそうになりながら過去からの今を語る感謝の言葉は我々ファンのみならず2階にいらっしゃる関係者に直接伝わっている訳ですから、あれだけハッキリ言える彼女たちは本当に凄いなぁと。。
アフレコは既に終了していますし、これでツアーもファイナルですが、皆同様に「ワルキューレはこれからも続いて行く」と・・・・・
そしてまさかの「2ndライブ」の発表!
しかも横浜アリーナって一気に大きくなり過ぎでしょう!?
せめてパシフィコか武道館を挟むとか・・・
まぁ。とにかく嬉しい限りです。もちろん即チケット手配しました♪
17_恋! ハレイション THE WAR
最後はもちろんこの曲。全員揃って歌います。やはり5人揃うとパート別けがハッキリして締まりますね。フレイアが入る事で一気に楽しい曲になる。
Welcome to Walküre World!
まだ新たな伝説は始まったばかり・・・・・
マクロス、そして河森正治総監督を信じてきて本当に良かった。
終演後、皆で2階席の河森総監督他スタッフ、キャスト陣に大きな拍手と感謝の言葉。立ち上がって手を振って応えてくれました。
入場プレゼントのタトゥー・シール。テープは各1本だけ直筆メッセージがあったそうですが、さすがに取れなかった。。
某クスで購入したグッズも大正解!
だから初めからカナメさんが良いと言っていたのに♪
という訳で、長いライブレポートでした。前段は必要だったでしょ?
いつもながらお付き合いくださる皆様、有難うございました。