どうも、毎月2回ぐらいアライメント作業をしている薔薇です。
走行前のセットアップではもちろんですが、現地で何かを弄った時は帰宅してからセットダウンで再度計ります。
後述しますが、測定だけであれば簡易的にやる方法もあり、ケースバイケースで使い分けています。
最近では友人に頼まれてアライメント作業をする事もあり、謝礼を頂くようなこともあるのでそれなりにちゃんと作業をしようと、道具&やり方をコツコツと改善しています。
今は閉鎖してしまったブログでも断トツのアクセル数だったこのネタですが、ある程度体系的にまとめていなかったのでちょっと頑張ってまとめてみようと思います。
かなりの長文が予想されます。覚悟してくださいwww
それと玄人さんも多くみていると思いますので、ここはこうしたらどう?という突込みは大歓迎です。
【前提】
これから書く方法で測定できるのは、基本的にトー、キャンバーです。
またあまりにアライメントがぐちゃぐちゃになっている車両、また事故車などでそもそものメンバー位置などがずれている場合などは上手くいかない可能性がありますし、他の理由もあり一度はちゃんとテスターに載せて一定の情報を手に入れてから進めると良いと思います。
それとアライメントでは数値をあまりに追いかけるのにはあまり意味がありません。
神経質なタイプの方はまずこの点を頭に入れた方がいいですw
ちなみに個人的には、キャンバーは15分未満の差は誤差です。少なくとも僕には分かりません。
フロントのトーもハンドルが動くのでトータルトーを考えておけば、片方ずつの数値をシビアに追ってもあまり意味がありません。
一番シビアにやるべきはリヤのトーかな?と個人的には思います。
【道具】
使う道具は
①ある程度強度があって車両に固定しやすい2mぐらいの棒を2本
僕はアルミの角パイプを使っています。
1mぐらいの15角のパイプに、2mの12角のパイプを突っ込んでスライドできるようにします。
それを2セット作り、車体の幅から少し広い長さで2本をマーキングして、その場所にヤスリで溝を切っておきます。
幅の広さは車体より広すぎると糸と車体の間が広くなり誤差が大きくなりますし、あまりに狭いとその後の調整がしにくいです。
という事で2本作ります。
②0.5mmの水糸。
これより太いのが建設現場では一般的かもですが、次項の物差しで数値を読み取る関係上0.5mmの方がいいです。
僕が使っているのはこんな奴。
③物差し
僕はこんなの使ってます。
④レーザー水準器
Amazonとかで安いのでいいです。水平線と垂直線が出せればOKです。
⑤スリッププレート
絶対必要か?といわれると絶対ではありませんが作った方がいいです。
これはタイヤの下に敷いて使います。
僕は100均のプラスチックまな板みたいなものを2枚重ねて間にグリスをたんまり入れて使ってます。
クリアファイルとかゴミ袋とかでも使えますが、凸凹している所だとゴミ袋のような薄い物はイマイチでした。
こんな風に使います。
ジャッキアップから下ろした時、アライメント調整した時にタイヤがスムーズに動かないと正確な数値が出ませんからね。
基本的には以上です。
【測定場所について】
さて測定に入るわけですが、測定する場所は水平が出ている場所が望ましいです。
というか後述するキャンバー測定をする場合は水平が出ていないと数値がずれます。ま~車体の傾きを別に測定して補正すればできないことはありませんが、あまりに傾いていると車高も変わってくるので問題です。
横方向の傾きが無ければ前後方向は多少傾いていても、キャンバー&トー共にあんまり問題ない気もしますが…
という事で先ほどの④のレーザー水準器を使ってタイヤを置く場所の水平を取りましょう。
測定だけであれば適当な板などを地面に置いて重ねて水平をだせばOKです。僕はべニア板を置いてます。
調整もしようと思うとある程度厚みがあって車体の下で作業を出来るようにした方がいいともいます。
また調整の際に前後方向に動かしたいので板も長めに作った方が宜しいかと…。
僕はこんな定盤台を作ってます。
これは昔の写真などで付いていませんが、後で出て来る現状写真を見てもらうと前後方向にアングルで延長しているのが確認できます。
溶接で作ってから、これ前後に動かしたら落ちるじゃん…となりましてw
レーザーを当てて水平を出します。
昔はブロックおいてやってました。
写真を見ると色々と試行錯誤しているのが面白いですね♪
どんな方法にせよタイヤの下が水平になればOKです。
それと調整した時に前後方向に動かしてタイヤやブッシュを馴染ませることもあるので前後方向に動かせるとなおよしです。
【前準備】
ある程度水平が出ている所で事前に車高を計っておきましょう。
上で作った水平台にジャッキアップせずにそのまま乗せられるようなら、乗せてから計るのが一番です。
これは一度ジャッキアップしてしまうと下ろした後に落ち着くまで正確な車高が出ないからです。
ここで計った車高数値を元に、定盤台に乗せるとか調整する為に一度ジャッキアップした後などは、下ろした後の車高がこの数値にちゃんと戻っているか確認してください。
これを怠ると全然違う数値になります。
まー1mmぐらいは戻らないことが多々ありますが…w
で、その落ち着かせるために特にキャンバーが付いているとタイヤが外にかなり移動しないと本来の車高になりませんので、⑤のスリッププレートが必要なわけです。
多分プレートを入れてもすぐには落ち着かないので、サイドシルやトランクなどに体重をガンガンかけて車体を揺すったりして落ち着かせましょう。
【キャンバー調整】
これは説明するまでもないので簡単に…w
車体を水平にしてレーザー水準器で垂直線を車体の横に飛ばして、ホイールの上と下との数値を読み取り、その二つを引き算して上と下の差を出し、あとは計算すれば角度が分かります。
換算するエクセルシートはネットに転がってると思います。
【トー測定】
難関はむしろこっちです。
図を作ろうと思ったのですが、ここまでで疲れてきたので文章で書きますwww
まーアライメントの基本的な考え方などはネットに沢山乗っているのでそこで勉強してください。ここで書くのはもっと具体的な方法です。
まず糸張りでトーを測定する場合、車体の横に車体と平行な糸を張る必要があります。
その糸さえ張れれば、ホイールのリムの前後部分で糸との距離を測りトー測定ができます。
つまり糸張りが難関なわけです。
僕も色々と試しましたがこれから書く方法が最も汎用性があり、作業効率がいいと思っています。
もちろん前後のハブ取り付け面(ホイールのリム部分でもいいけど)の前後差が分かっている場合は糸をその数値に合わせて張るだけでもイケるかもしれませんが、車高によって左右のその幅は変わりますし、アライメントによっても変わりますので現実的ではないです。
なので片側にだけ糸を張るスタイルは無理とは言いませんが、避けた方がいいと思います。
相対的な移動量を知りたいなど、現地で調整する一つの目安に使うなどなら全然アリですが…。
まず総論をいうと、車体の回りに長方形を作り、その左右方向の真ん中に車体を置けばいい訳です。
で、その長方形の車体前後に位置する辺は同じ長さで溝を切ったアルミの棒、左右の辺はその溝に引っ掛ける&左右同じ長さの水糸で作ります。
では作り方。
1.先ほど作ったアルミの棒を車体の前後に固定します。
この時に出来るだけ車体に対して垂直に置くこと、垂直を保つために出来るだけ離れた2点で保持する事です。
僕はリヤに関してはトランクを開けた所にあるフレームからステーを出してそこいアルミ棒を置いてます。
前は同じようにボンネット内のフレームの穴などを利用してステーを作る方がより正確だと思いますが、そこまで作れてなくて現状はバンパーの左右に当てて設置してます。
この時にもう一つ注意するべきなのは、この設置した棒に水糸を張るわけですが、その水糸がホイールの中心を通るようにしなければならないので、棒の設置高さはホイール中心と同じ高さにならないとダメです。
ここがこの方法の最大の難関かと…
僕は当初は先ほどアップした黄色いS2000の写真にあったように車体に固定せずに別に設置していました。
要はアルミ棒専用支柱を作るという方法です。
この方法でもちゃんと車体に対して垂直に置ければ別に問題ないです。ただ結構設置が難しいですw
2.アルミ棒に作った溝に水糸を張ります。
この時に左右の水糸を同じ長さにします。そして同じぐらいのテンションで貼る事…あんまりたるんでると測定できません。
僕は同じ車にしか使わないので両端をわっかにして置き、アルミ棒の溝に引っ掛けるだけです。
3.水糸が、ホイールの出来るだけ中心でかつハブ面と位置関係が同一な個所で、前後それぞれの左右差が同じ位置に来るようにします。
測定ポイントはホイールキャップが付いていて平面ならそこでいいかと…。
僕は付いていないのでホイールの中心部分で、左右とも前の方とか後ろの方を共通にして測定しています。厳密にはトーによって多少動いてしまいますが…
ドラシャの先、ホイールナットの先端などは前述の問題(ハブ面との位置関係)から使っていません。左右とも完全に同じ長さと確証があれば使用してもいいかもしれません。
この調整をする時に、先ほど作ったアルミ棒がスライドする意味が出てきます。
太い方の棒はガムテープなどで車体に固定しても中の棒はスライドしますので微調整が出来ます♪
左右前後を行ったり来たりして微調整を繰り返しましょう!
この作業も一回自分の車の前後の数値が分かれば次からはもっと簡単になります。もちろんアライメントを変えれば多少はこの数値も変化することになりますが…。
4.糸とホイールの距離を前後で測定しましょう。
角度で管理している人はキャンバーと同じく計算で角度をだせばOKです。
ミリで管理している人は、一般的にトー何ミリという時はタイヤ部分の数値で言うのでタイヤ外径部に合わせて数値を変換しましょう。
その変換表もネットに転がってると思います。
僕はリム部分の差で角度を出す表と、角度がタイヤ外径によって何ミリになるかを、よく使うホイールサイズ&タイヤサイズで変換表を作り印刷して使っています。
【最後にコツ的なものを】
①調整は出来るだけ、糸を張ったまま車体に潜って調整した方がいいです。
その方が数値確認をしながら調整出来て効率がいいですし、ジャッキアップすると落ち着くのにかなり時間がかかるから…。
調整個所によってはジャッキアップが必要な場合もあると思いますが、その際は必ず当初の車高になっていることを確認してから測定してください。
またタイヤを外すのに糸があまりに車体に近いとタイヤが外せないので注意w
②自宅の車庫などでやる場合は水平だしをした場所をマーキングして、どこにどれを置くか決めておくと便利です。
下に潜れるような定盤台を作っても、それとは別に車体をそのまま乗せられるように低い位置での水平をべニア板などで作っておくとセットダウンが楽です。
トーぐらいだとそのまま調整出来ちゃったりしますし…。
③水糸貼り終ったら、左右の高さが揃っているかは確認した方がいいかも。ホイール中心びったりでなくてもいいので左右は揃えないとダメです。
④ちょっと長文で疲れちゃったので何か思いついたら追記しますwww
以上です。
ここまでやる人はなかなかいないと思いますが、走りを追求していくとアライメントは逃げられないし、毎回ショップに出すのは時間的にもコスト的にも大変なので、自分でもできるようになるといいかと思います。
それでも年に一回ぐらいショップに出すと勉強になる気がします♪