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イイね!
2018年03月16日

定位の上下って・・・?③ 声楽音源編 

 「2チャンネルオーディオには,上下の定位は存在しない」のかという疑問。

 ただ,改めてここで確認したいのは,自分が書いていることはあくまで

 「I think」または 「 I feel」ということなので,そういうもんかと思っててもらえばいい。こういうことを真面目に研究されている方もいるわけなので,そういう方に異論を唱えているんじゃないってことだ。

 ところで,「音場」と「音像」についての捉え方だけははっきりさせとかなくちゃ。
 まず「定位」というのは「音像定位」ともいうやつで,歌なら人(口),楽器なら楽器の形が,耳で聴いて浮かび上がる像のことだ。
 対して,「音場」というのは,いくつかの音像が存在している空間,響きの届いている範囲という感じだ。ヴォーカルがソロで歌っている場合,広大な音場の中に音像が一つ,ということもある。
 いろんな考え方があるかもしれないが,今回はそういうことで話を進めていきたい。

 次にあげるのはまさにそういう曲が入った珍しい音源だ。縦方向の「音場」の広がりがすごい。

 マニアの間では有名な「カンターテドミノ」という,教会収録での宗教音楽のアラカルト。全体として空間情報の多い優秀録音だが,その中で一番わかりやすいのが,ソプラノソロがアカペラで歌う2曲だ。ソロの音像がダッシュボードあたりにあるが,教会の天井付近への響きは,ルームミラーをはるかに超えて斜め60度くらい上方まである。教会らしく「縦長」の音場である。奥行方面へも響きがすーっと溶け込んでいくさまは圧巻。
 これを挙げてきた理由は,特に教会収録の音源には,こういう曲は普通にあるという事で,その一番わかりやすいのがこれだということだ。
 で,これに「定位」が加わるのがこれだ。


 キングスカレッジ合唱団の聖歌集。イギリス最大級の大聖堂の天井の高さが,まあまあ捉えられた録音だ。その中でポイントは,ただ「音場的」に高さが出ているのではなく,「音像」が上にあるよい例が存在する。「アレグリ作曲のミゼレーレ」だ。モーツァルトがらみで有名な曲だが,それについては割愛。この曲はアカペラなのだが(オルガンの音がない分,響きの行方が分かりやすい),一節歌うごとに,合唱団とは別動隊の「ソリ(ベースもテナーもいる)」が,ワンフレーズ歌うのだ。ソリたちは,オルガン席なのか,バルコニー的なところなのか,とにかく高い場所,そしてはるか遠くに完全に定位する。そういうふうにもともと作曲されているらしいのだ。ボーイソプラノの信じられないようなハイトーンは,車内のルームミラーより上の位置から聴こえ余韻はそのさらに上方に展開する。続いて本隊の合唱団が歌いだすのはダッシュボードの上あたりだからよくわかる。
 「ミゼレーレ」はいろんな合唱団が取り上げているのだが,どこもたいていこういう「上方配置」にしているので,お試ししやすい音源だと思う。

 次はこれ。


 ヴォーンウィリアムスの交響曲第3番「田園」だ。これの第4楽章の冒頭と最後に,ソプラノソロのヴォカリーズが出てくる。女神的な感じなのだろう,総譜にどんな指示があるのか知りたいが,テレビで見た時は舞台とは別な,会場の高ーい席から歌っていた。何か意味があるのだろう。
 
 このCDは普段何の違和感もなく聴いているのだが,今回改めてそういう耳で聴いてみると,やっぱり高い場所にいる。ソプラノが高音で声を張る時特有の,天井方面へ音が廻る感じは,正しく天国の響き。この録音の場合は,ソロの歌い出しはルームミラーのあたりだ。
 ただこれは,知識としてもう「ソロは上」という先入観があるから,そういう耳で聴いているのかもしれない。

 これらの音源を並べて来て,ふと気づいたことがある。ソロが歌っている「高い場所」というのは,言い方を変えれば「天井に近い場所」ということになる。建物は6つの壁に囲まれた箱だ。音源が,箱の中心で歌うのと,いずれかの壁に寄って歌うのとでは,声が多少「壁寄りの色」が付いたものにならないだろうか。
 ステージの左の壁近くで歌うと,それなりの音色になるのと同様に,「天井の近く」つまり,「上の壁寄り」で歌えば,「上の壁に寄っている音声情報」を含んだ歌声になるのではなかろうか。
それを自分は認識して「高い!」と知覚しているのかも?

 定位や音場を知覚させる要素は,音量だけではないことは既に知られている。位相・周波数特性・残響などがあるらしいが,左右の「音量の差」に比べればそれほどはっきりした効果を生まないらしい。しかし,である。

 効果の程度に差はあれど,「全くない」ということはありえないそうである。

 次は,さらにあからさまに摩訶不思議な音源をアップしたいと思う。

                           (続く) 

ブログ一覧 | 音楽 | 音楽/映画/テレビ
Posted at 2018/03/17 21:44:25

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この記事へのコメント

2018年3月18日 23:00
ヴォーンウィリアムスのCDですが、マルチチャンネルのSACDですね。

SACDプレーヤーで、さらにマルチチャンネル対応のアンプで聴くと、2chより、より忠実に、録音の高さや音場が出るかもしれませんねぇ~。ぜひマルチででも、聴いてみたぃものです。。
コメントへの返答
2018年3月19日 0:12
 SACD環境を持ってる人,身近にいません・・・・うらやましぃー!!

 どんなんなんでしょうかねぇー?

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