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◇画太郎◇のブログ一覧

2024年03月14日 イイね!

『借りぐらしのアリエッティ』

『借りぐらしのアリエッティ』2010年・スタジオジブリによる映画。
なんとなく地味な印象だが、意外にもスタジオジブリ作品のなかでは興行成績は上位に位置する。
監督は生え抜きの若手、米林宏昌。
スタジオジブリは宮崎駿・高畑勲の後継者不在で、外部から実力者を招聘してもだいたい宮崎駿と衝突して降板する。
そんななか若手育成方針中だったスタジオジブリで米林宏昌がするするっと出てきてこの作品の監督をするが、米林は数年後『思い出のマーニー』の監督を務めたのち退社する。

当時スタジオジブリはじめ日本のアニメが国際化するなか、当初から海外での公開を意識した内容という印象を受けるが、実際に『借りぐらしのアリエッティ』は海外での興行成績がジブリ作品のなかでは高い。

イギリスの作家、メアリー・ノートンの著書『床下の小人たち』を原作として、翻案・脚色された作品であり、人間の屋敷でものを借りながら隠れ暮らす小人の一家や、小人の少女アリエッティと人間の少年翔の交流を描く。

私個人的には職業柄、労災が気になるせいか、アリエッティと翔の交流がこの作品の見どころなのは重々承知だが、ハルさんというお手伝いのやばいBBAが余計なことして小人たちの生活を危険にさらすのが神経に障ってしゃあない。
Posted at 2024/03/14 07:39:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2024年03月11日 イイね!

『サスペリア』

『サスペリア』1977年・イタリアのホラー映画。

華奢でおとなしく、たよりない感じの女の子がアメリカからドイツのバレエ名門校に入学するが、到着した当初から奇怪な殺人事件が次々起きる。

観てる側はなんで連続殺人事件が起きててターゲットがこの人なんだろ、とわけがわからないので、B級ホラー映画にこういうのありがちだよねと思いつつ「何これ…」という感じで観てしまうが、ホントに最後の20分くらいでピターッとパズルがはまってくる。
…なんとなく、姿のわからない殺人犯によるスリラーだと勝手に思いこんでいたが、この映画実は怪奇趣味のオカルト映画で、現場ではオカルト現象が今まで続いていたのだ。

殺人のターゲットが自分になったことを察した主人公の女の子は、黒幕の正体である「魔女」の存在を知り、いままでのたよりなさとはうって変わったような機知と勇気で事件の根源を絶つ。

ラスト、炎で燃え上がるバレエ校をあとにしてホッとした女の子は笑みを浮かべるのだった。

大味なB級ホラーと思わされたが実は製作者が少女趣味の世界観(「白雪姫」「不思議の国のアリス」あと日本の少女漫画をイメージしている)を緻密に計算していたことに観終わったあと気づかされる。
Posted at 2024/03/11 21:21:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2024年01月31日 イイね!

『沈黙-サイレンス-』

『沈黙-サイレンス-』2016年公開、遠藤周作の小説『沈黙』を原作としたスコセッシによる映画。
スコセッシは1991年から『沈黙』の映画化を構想していたが、諸事情により長期に渡って棚上げし、他の映画製作を優先せざるを得なかった。
構想から25年後、スコセッシが74才のとき、ようやく映画化が実現する。

遠藤周作の原作に非常に忠実で丁寧な造りこみの名作が完成したが、興行成績は伸び悩んだ。
興行成績が伸び悩んだ原因は、ひとつは「信仰」というテーマが重すぎ、さらに上映時間161分の長尺が最近の観客に敬遠されたこと、もうひとつは原作へのリスペクト、過去の日本映画へのリスペクトが強く、結果的に「スコセッシらしくない」印象をマニア層にも持たれたことではないかと思っている。

17世紀、江戸時代初期、キリシタン弾圧化の日本に渡来した宣教師が信仰を棄てるまでの物語。
ただ、宣教師は確かに表面的には信仰を棄てているが、「信仰とは何?」という本質に気づくまでの物語でもある。

原作リスペクトがかなり強く、小説の内容を映像として忠実に再現しているが、構想が長期間に渡った結果、スコセッシが遠藤周作による原作の内容を十二分に理解して消化した過程も見てとれる。
西洋人にとってのキリスト教が、日本人よりも「信じるべきもの」としてごく自然に存在している結果、信じるべきものを棄てろと迫られたときに人はどうすればよいのか?というひとつの信仰を超えていく普遍性が全篇に強く出ている。
Posted at 2024/01/31 05:00:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2023年12月29日 イイね!

『ロッキー』

『ロッキー』1976年、シルベスター・スタローン主演・脚本の映画。
監督のジョン・G・アヴィルドセンはボクシングを題材にした『ロッキー』のあとに空手を題材にした『ベスト・キッド』をヒットさせ、『ロッキー』同様、続編が製作された。

同じシルベスター・スタローン主演・脚本の『ランボー』もそうだが、最初の作品はテーマ性が高く、続編は娯楽性重視になっている。
『ロッキー』は大ヒット後に4つの続編が製作されたのち『ロッキー・ザ・ファイナル』で再びテーマ性の高いものに回帰して幕を閉じている。

1960年代後半~1970年代前半、アメリカではベトナム戦争をきっかけにして若い世代中心に屈折した感情が渦巻き、それは映画にも反映した。
この年代のアメリカ映画は「アメリカン・ニュー・シネマ」と呼ばれ、暗くハッピーエンドを拒否するような内容が流行した。
『ロッキー』も当初、屈折したラストを想定していたが、脚本のラストを読んだシルベスター・スタローンの奥さんが「やだよこんな男」と言ったのをきっかけに、ボルテージの高まるラストに変更された。

15歳で夢を持ってボクシングを始めた主人公は芽が出ないまま気がつけば30歳を迎える。
フィラデルフィアで社会の下層から抜け出せないばかりか、闇金の取り立てをやって生計の足しにするなど、不本意にも人生から完全に転落する瀬戸際に追いつめられている。
ただ、主人公のロッキーはもって生まれた正直さ、優しさを失っておらず、内気で人との交流が苦手なことからやはりロッキー同様、不本意な人生を送っているエイドリアンという女性との交流を深めていく。
ふたりの未来にはなかなか光が見えないと思われたが、…ふとしたことからチャンスが舞いこむ。
ある事情から世界チャンピオンのアポロがロッキーに試合を申し込んできたのだ。
「絶対に勝てない」とは思ったが、アポロと戦ってもしも15ラウンドまでリングに立てていたなら…。
ロッキーは全身全霊をこめて戦いに臨む。
それはロッキーの人生を賭けた戦いだった。

「アメリカン・ドリームって言葉忘れたか?」
…屈折したアメリカン・ニュー・シネマによって結局は低迷していたハリウッドは目を覚ます。
相前後して、ジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』、スピルバーグの『ジョーズ』、リドリー・スコットの『エイリアン』など、人生の困難に果敢に立ち向かう人間を描いた映画に観衆は熱狂し、本来のアメリカらしい明快さとエネルギッシュな姿勢を取り戻したハリウッド映画は空前の繁栄期に入る。

ロッキー同様、超低予算のこの映画を製作する前までまるで無名でながいあいだくすぶっていたシルベスター・スタローンは、この後スターダムを昇っていく。
Posted at 2023/12/29 05:33:58 | コメント(1) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2023年11月24日 イイね!

『東京物語』

『東京物語』1953年の小津映画。
尾道から老夫婦が東京の子供たちを訪ねるが、子供たちはみな都会の生活に追われて忙しく、老夫婦をうまくもてなす時間がとれないまま帰郷させてしまう。
帰郷後に母親の体調が急変し、子供たちはみな郷里の尾道に集まる。
このときに家族という共同体がもはやゆるやかに解体していたことに気づかされるが、淡々とした描写のなかに「しかたないけど、これでいいんだ」という哀愁と温かさが残る。

この映画で見られ、他の映画でなかなか見ることのできない、完全に調和した世界は現在に至るまで国内外で高い評価をされる。
言いかえれば多くの映画監督に影響を与え数々のオマージュを生み出したこの映画と同じ水準の世界を持つ映画がいまだ存在しないともいえる。

小津安二郎の撮影、構成の技術と、もうひとつは当時のトップ俳優がこの映画の内容に沿う形で奇跡的にそろったという幸運な偶然からこうした唯一無二の映画ができたような印象を受ける。
小津安二郎はわりと早くに亡くなったが、出演俳優たちはみな長寿で、笠智衆、杉村春子は『東京物語』以降も亡くなる直前まで現役でいた。
ヒロインの原節子は1960年代に人気絶頂のまま表舞台から去って隠遁生活に入り、伝説的な存在となる。
Posted at 2023/11/24 02:44:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ

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「クリプトンが初音ミクというキャラクターを創っていなかったらYAMAHAのVOCALOIDはそれまで失敗続きだったので消滅していた可能性が高かったらしい。」
何シテル?   08/18 20:00
おもしろきこともなき世をおもしろく-高杉晋作
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