
暇つぶしにと横浜美術館に行ってまいりました。38年生きてて、美術館に入るのって生涯たぶん2度目です。
「ようするに美術鑑賞なわけだなー」となにも考えずに館内に入ったんですが…。
入った瞬間「う…」となる。
自分、場違いすぎるんじゃなかろうか。
なんかね、隅のいたるところに係員らしき女の人がいるんですけどね、「あらあらこの人、てんでシロウトだわ、何しに来たのかしら」って思われてそうで、挙動不審になることこのうえない。
まわりを見回すと、みなさん、なんというかその、アート、って感じでして…。
「私は美術には疎いかもしれないが、文学に多少造詣のあるものである」
「私は美術には疎いかもしれないが、文学に多少造詣のあるものである」
「私は美術には疎いかもしれないが、文学に多少造詣のあるものである」
と、3度心のなかで唱えますと、不思議といい具合に暗示がかかりまして、そうするとスッと雰囲気に溶けこみましたです。
とはいえ、いきなりふだんクルマばかりで心得の無いものがヘタに入ると、やはりたいてい挙動不審になってしまうのではないでしょうか。
そこで自分なりの美術鑑賞のスタイルをアドバイスしておきます。いいですか?
まず作品の前で腕組みしてみる。
さて、この時点でふだん「ひゃはー」ってクルマ見る調子でがに股過ぎたり、内股になってたりしませんか?
スッとまっすぐ立ってみる。
で、ここからが大事ですよ?ハイ、足をクロスさせる。
作品の前で腕組みして足をクロス。これでけっこうさまになり、「お、知ってんな」って風情が生まれます。
で、次。腕組みした手を片方あごの下に持っていきます。
ハイ、ばっちりです。これだけでちゃんとアーティストのように見えるから不思議です。
挙動不審になったらお試しください。
まぁ作品に魅きこまれると、勝手にそんな感じになってましたけどね。なぜか。
で、今回は「魅惑のニッポン木版画」ってのをやってまして、なかなかスゲーなと思いました。
なにぶん美術に関してはズブのシロウトですので、あえてググったりせず、ありのままに感じたことを述べてみます。
江戸~明治期、日本で大衆画として広く普及していた木版画ですが、その精緻さと世界観には目を見張るものがありました。
ところが大正期のものになるとなぜか「グッ」とこなくなるんですよ。当時、西洋美術が日本国内に流行して木版画にもその影響が出るわけなんですが…、ちょっと何を訴えたいのかわからない。
ふと作品の前に立ったときに言葉にできないがハートにずどんと刺さって、しばらく動けない、ってのが無いんですよ。
そういうとき、むしろ西洋の人が旧来の伝統的な日本の木版画を日本国内で始めるんです。
そこに映し出された日本的光景は先人のオマージュであって、特に目新しいものではない。明治期の大家と較べれば明らかに見劣りするんですけど、そこには日本の先人への素直なリスペクトが感じられるんですよ。
当の日本人が西洋に傾倒し自ら捨ててしまいそうになったニッポンの木版画をリスペクトし救ったのは不思議にも西洋人だという…。
それから戦後、現在にかけて、木版画は洋の東西を越え、壮大に発展していくわけですが…。
とにかくシロウトなのでよくわからんですが、スゴかったですわ。
Posted at 2014/05/22 04:12:47 | |
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