
さて初代ビーノ(SA10J)を購入したわけだが、発売当時のキャッチフレーズは「うちから5kmの大冒険」で、実際私もそういう運用方法を想定していた。
具体的には近所の「ラーメンショップ(通称ラーショ)」に行くときとか、…ラーショでピンとくる人にはわかると思うが、あの店だいたい交通量の多い道路沿いにあるわりに駐車場がないことが多く(というか駐車場のあるラーショってあるんだろうか)、こういうとき原付だと話が早い。
類似のパターンはうちの周辺(横浜市郊外)に多く、ご近所探検限定で効果を発揮するものとみていた。
ただ、鎌倉でビーノを引きとって自走で横浜市・瀬谷まで帰ってきたんだが、20kmくらいの距離を意外とおっさんが疲れず、なんならまだいけるくらいの感覚で帰ってこれた。
思ったより行動半径が広いかもしれない。
なぜそのくらいの距離をストレスなく走れたかというと、思ったより速く、加速でもたつかず、一般道ならだいたいクルマの流れに合わせて走ることができるため。
最近の原付・原付二種にもちょくちょく乗る機会があったんだが、最近のは停止状態からアクセルをひねっても「ん」というくらいの間がある。
さらにアクセルを開けてもなかなか加速せず「…??」と思ってからひと呼吸おくとけっこうしっかり加速が始まる感じ。
原付二種だとほとんど問題ないが、50cc原付だとけっこうきびしくなるシチュエーションが多い。
これは2ストと4ストの加速力の違いもあるが、おそらく安全性と省燃費性能を考慮していきなり飛び出さないように制御しているためでは、と思っている。
初代ビーノはアクセルひねったとたん「ばひょーん」と飛び出すが、当時の原付はこれがデフォルトだった。
アクセル・バイ・ワイヤで気持ちいいんだが、50cc原付が自分で運転する原動機付き乗り物の入り口と考えた場合、高校生くらいだと反射神経のいい子もいればどんくさい子もいるわけで、今思うとけっこう危なっかしいものに乗ってた気もするので、現在の原付くらいの加速がちょうどいいのかもしれない。
もうひとつストレスがなかった要素としては走行中、思ったより安定感が高く振動が少なかったこと。
これは以前のオーナーさんの話では、当時はメーカー間の開発競争が激しく、また国内生産で品質が高かったのに対し、最近の原付は海外生産でコストダウンし、組み付け精度も高くないためではないかとのことだった。
私のビーノは2000年製で、これは所有するクルマのゴルフⅤ、NCロードスター(この2台も今やたいがい古い)よりもさらに低年式で、現在残っているものは状態も千差万別なんだが、この個体に関してはマニアの人からマニアの人に渡ってライトレストアされており、神経質なまでに良い状態が保たれていた(私じゃちょっと無理)。
現在純正で入手できない部品がほとんどなので、部品交換は主に社外品を使っている。
そういう点ではすべて純正状態の頃と較べてしまうと性能・フィーリングで劣る点もあるらしい。
ガッツリ錆びてる個体も多いなか、錆びはほとんど見られない。
CDIはグランドアクシス100のものに変更しており、フル加速するとメーターは振り切る。
セル、キックとも始動できるが、オートチョークのキャブレターなので少しコツがいる。
このへんの始動性もかなり個体差が激しい。
私のビーノの場合、セルを押すと同時にアクセルを少し開ける(開けすぎるとプラグがかぶってダメらしい)。
「ト…ト…ト…ト」とエンジンがかかるが、ここでアクセルを戻すとエンジンが止まってしまう。
少し吹かしながらアクセルを開けたままにしておくと「トトトトト」とエンジン回転が速くなるが、ここでアクセルを戻してもまだエンジンが止まる。
「ドドドドド」と明らかに力強く脈動感をもってエンジンが回り始める瞬間が来るので、そうなったらOK。
季節によって違う可能性が高いが、今のところ始動するのに1分弱。
実はエンジンがかかるまでのこの時間が今はけっこう楽しい。
Posted at 2024/05/31 04:19:43 | |
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