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◇画太郎◇のブログ一覧

2024年08月09日 イイね!

『西部戦線異状なし』

『西部戦線異状なし』1930年のアメリカ映画。
前年にドイツの作家レマルクが第一次世界大戦、フランスとの西部戦線での自身の経験をもとに執筆し世界各国でベストセラーとなった同名小説の映画化。
反戦的な内容のため、のちにナチスが政権を握ってからレマルクはアメリカに亡命した。
とはいえ反戦をテーマにするというよりは、大量殺戮兵器の登場した第一次世界大戦以降の戦争では、西部戦線で独・仏双方合わせて1000万人以上の死者を出しており、そのなかで無力な一個人が国家に忠誠を誓うことの虚しさ、個より全体を優先する空気に吞み込まれていった結果、兵士の人間性が失われていくことの哀れさ、そういったものを突きつめていった先に反戦的メッセージがほの見えるというのが近い。

ドイツの学校の学生だった青年が「今こそ国家のために、若い力が必要なんだ!」と熱弁する老教師の言葉に感動し、使命感に燃え、仲間とともに西部戦線への志願兵になることを決意する。
…が、向かった戦地では一日のほとんどを塹壕掘りに費やし、そこをめがけて敵軍の砲弾が雨あられのように降り注いでくる。さらにおびただしい数の敵兵が押し寄せてくるなか、死に物狂いで塹壕を死守する。
仲間は次々と命を失うが、青年は負傷して戦線を退き故郷へ戻る。
故郷で青年は英雄扱いだが、戦場のことを何もわからないくせに知ったふうな口をきく安全圏にいる人間たちにうんざりし、居心地の悪さと不愉快さを感じる。
かつて自分が通っていた学校では、あいかわらず老教師が学生を扇動していた。
老教師に戦場での英雄譚を語ることを期待され、学生の前に立たされた青年は「来る日も来る日も塹壕掘りつづけるだけだよ。お互いの塹壕めがけて突撃され、突撃させられてばたばた死ぬ、それだけだよ」と述べて、その後再び戦地へと戻っていく。
Posted at 2024/08/09 05:22:24 | コメント(1) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2024年08月02日 イイね!

NEIL YOUNG

NEIL YOUNGニール・ヤング。
カナダのシンガーソングライターでフォークロックを中心とするが、一時グランジに寄せて行ったり、いちがいにどういった感じと言いがたいところがある。

ニルヴァーナのカート・コバーンがショットガンで自殺したときの遺書に「消え去るより、燃え尽きたほうがいい」というニール・ヤングの歌詞を殴り書きしていたが、ニール・ヤングとカート・コバーンは実際のところどこか雰囲気が似ている。

ただしニール・ヤングのほうは「行動力と実行力のある粘着」といった向きが強く、多方面にケンカを売るわりに小規模農場の支援や障害児童の支援といった活動も30年以上にわたって継続し、人物像というのも複雑でとらえがたい。
個人的になんとなく少し闇落ちした海援隊の武田鉄矢みたいな印象もある。

Posted at 2024/08/02 21:56:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 音楽 | 音楽/映画/テレビ
2024年08月01日 イイね!

日の果て/梅崎春生

日の果て/梅崎春生太平洋戦争末期、すでに敗戦の色濃いなか、フィリピン・ルソン島の日本軍は米軍に南方から一方的に押しまくられ、北部沿岸を目指して潰走していた。
そのさなか、ひとりの軍医が現地の女を連れて脱走する。
「東海岸に向かって単独で逃げれば助かる」という噂が蔓延しており、どうやら脱走後、東へ向かったらしい。

逃亡した軍医と交友のあった、この作品の主人公である将校は、上官に呼ばれ「逃亡した軍医を射殺してこい」と命令を受ける。
将校はひとりの若い下士官を伴って、軍医を射殺するため軍を外れ東方へ向かう。
…が、この将校もこれを機に逃亡して軍医と合流してしまう心づもりだった。
下士官に「俺は脱走するから、隊に戻れ」と軍医を追う道中に命じると、下士官は非常な反発心を示したのが見てとれたが、どういうわけか「私も脱走しますから、ご一緒します」と言ってついてきた。

下士官とともに軍医を追うなかでのいくつかのできごとで、ひとつ決定的な齟齬を意識した将校は「…これは、なにかを間違えているのではないか」という疑念が明確に頭をもたげてきていることに気づく。
しかし軍医はすでに一日の追跡の結果、もはや将校の眼前ともいえる場所にいるのだった。
「なにか間違いが起こる」というはっきりした意識がありながら、それが何なのか明確な答えを導きだせないまま、将校は自分の選択に懐疑を抱きながら軍医に会う。
そして最期に「ああ、こういうことだったのか…」と薄れゆく意識のなかで、どういう運命の気まぐれか極限といえるシチュエーションに自分の意識、存在がある以上、選択できるほどの選択肢がないなかで、しかしはっきりと自身の意思でできる限りの選択をしていった自分がどこで何を間違えていたのか、悟るのだった。

フィリピン・ルソン島では変わらずに密林の樹々が風にそよぎ、川は淀まずに流れ、遠い異国の地で不条理な死にかたをしたひとりの人間にまるで頓着しないようだが、主人公の意識が永久に途絶えた瞬間こそがこの物語、このひとつの世界の終わりであることは間違いない。
Posted at 2024/08/01 03:18:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味

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