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◇画太郎◇のブログ一覧

2026年07月21日 イイね!

泥の河/宮本輝

泥の河/宮本輝1977年発表、宮本輝のデビュー作。

昭和31年の大阪、安治川の河口で暮らす少年が、川に浮かぶ舟で暮らすおさない姉弟とひと夏の交流を持つ。
姉弟の母は舟のなかで男性客をとって生業を続けている。
父親はいない。
交流を続けていたある日、少年が舟に遊びに行くと、弟のほうは河の蟹に油を含ませて舟べりに並べ、次々に火をつけていった。
姉のほうは燃えて這い回る蟹が近寄ると、こともなげにつまんで投げやった。
…少し異常な感じに子供ながら気づいて、少年は舟の家族と距離を置くようになるが、どこか消し難い友情は残っている。
そんなさなか、姉弟たちの舟は、岸を離れて動き出す。
違法行為を行政にとがめられて、べつの場所へ逃れてゆくのだった。
少年は舟を追いかけて走りだし、大声で呼ぶが舟からはしんとして返事がなく、少年からしだいに遠ざかって消えてゆく。
Posted at 2026/07/21 22:30:44 | コメント(1) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2026年07月21日 イイね!

COMPLEX

COMPLEXコンプレックス。
吉川晃司と布袋寅泰によるロックユニット。
作詞がだいたい吉川晃司で作曲がだいたい布袋寅泰。
1988年~1990年にかけて活動。
自由気ままにロックをやりたい吉川と職業意識・プロ意識の高い布袋の気が合わず、結成してからすぐ対立が始まり、商業的には成功したが短期間の活動に終わった。
その後、2011年・2024年に単発で再結成している。

布袋寅泰のギターサウンドについては同郷の後輩・BUCK-TICKの今井寿が「ギターサウンドだけど、エレクトロ感、テクノ感がある」総じて「洗練されたB級感」と評している。

Posted at 2026/07/21 16:00:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 音楽 | 音楽/映画/テレビ
2026年07月14日 イイね!

郷土人形

郷土人形そういえば母方のばあちゃんがとんでもない量のこけしを蒐集して戸棚に陳列してたな、とふと思いだし、なんとなくこけしをゲットする。

こけしは江戸時代後期から東北地方の温泉地において湯治客に土産物として売られるようになった人形玩具。
だいたい赤い色が使われているのは、当時天然痘が流行っていたので、天然痘除けのまじないらしい。
こけし以外にも日本の郷土玩具は同じ理由で赤く塗られているものが多い。
もともと子ども向けの人形だが、玩具が発達していき子どもの興味が他へ移りだすと、しだいに大人の蒐集家向けになっていった。

こけしとは関係ないんだが、太平洋戦争前、アメリカと日本でお互いの人形を送りあう交流が大きな規模で行われていた時期があった。
当時、日本移民がアメリカで低賃金で働くことによってアメリカ人の反日感情・差別感情が高まっており、それを憂えたアメリカ人宣教師が相互理解の目的で始めたイベントで、日本では渋沢栄一が共感してイベントにたずさわっていた。
…うまくいってたイベントだったが、渋沢栄一死後、イベントにたずさわる者の思いもむなしく日米関係がますます悪化。
日本では戦時中、アメリカから送られた人形を竹槍訓練の標的にするなど野蛮人みたいなことをした結果、ほとんどの人形が消失した。
現在では「横浜人形の家」などに一部が保存されている。
いっぽう、日本からアメリカに渡った人形のほうは戦時中もわりと大切に扱われたようである。
Posted at 2026/07/14 22:03:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | モノ | 趣味
2026年07月06日 イイね!

ナチュラル・ウーマン/松浦理英子

ナチュラル・ウーマン/松浦理英子1987年、トレヴィルより刊行。1991年、河出書房新社により文庫化。

ビアンでマゾヒストである主人公の女(!)遍歴を赤裸々に描いている。
私のような男性目線だと、女性でしかもビアンだと世の中こんなふうに見えるのねー…、と興味深い。
同じ風景を私と同じように他人が見ているとは限らない。…というのは、昨今みなさんネットでご意見表明する時代なのでよくわかってるつもりなんだが、それでも私のような男性ロジックだと「でもそれの答えって結局ひとつなわけじゃんよ」と思ってしまうものである。
この小説読んでると、一見、同じ方向向いてるようでふだんの営みや経験が全然というか著しく違ってる人がいるわけだから、そういう自分とは一切接点がないであろう営みに覗き見趣味的な好奇心を覚えるいっぽうで、そりゃ同じ風景の見えかたもぜんぜん違ってて然りかもねー…、と思ったりする。
Posted at 2026/07/06 20:43:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2026年07月05日 イイね!

蒼き狼/井上靖

蒼き狼/井上靖1959年~1960年にかけて『文藝春秋』に連載。
1964年、新潮文庫で文庫化。
いまでこそしょーもないゴシップ誌で売り上げを伸ばすしょーもない出版社に成り下がった文藝春秋だが、かつては隆盛する日本文芸発表の旗手である先進集団だったのである。

12世紀モンゴルで父エスガイの死後、部族から見放され、味方といえば母と弟たちしかいなかったテムジンがモンゴル草原の覇者となり、チンギス・カンとして中国・中央アジア・イラン・東ヨーロッパなどを次々に征服し、最終的には当時の世界人口の半数以上を統治するに到る人類史上最大規模の世界帝国であるモンゴル帝国の基盤を築き上げるまで、その出生~遠征先での死去までを描いた物語。

実際のところチンギス・カンについては神格化されているため、チンギス・カン死後の歴史書を漁っても、現在でも史実かどうかについてはわからない部分が多いんだが、できる限り忠実にチンギス・カンとその帝国の軌跡を追っている。
チンギス・カンとともにカサル、ジュチ、ジェベ、スブタイ、ムカリといった猛将の進撃が活き活きと描かれる。

ただし井上靖の作家としての興味・関心事は「草原の覇者」として一生をモンゴル高原で安泰に過ごすことができたチンギス・カンが、なぜこのような途方もなく果てしない征服欲を持つに至ったかである。
このあたりの描写についてだけは井上靖の創作・独自性が強い。

この征服欲の原動力のひとつとしては、第一皇后・ボルテの長子・ジュチの存在である。
ジュチはボルテがメルキト族に一時的に連れ去られた後に生まれた子供で、チンギス・カンの実の子供なのか判然としない。
この出生の疑惑は母・ホエルンが父・エスガイの分捕り品であったことからエスガイの、モンゴルの正当な血筋であるか疑わしかったチンギス・カン自身とだぶるものがあり、チンギス・カンは常にジュチに対して厳しく当たり、過酷な任務を負わせる。
ジュチが遠い地で死んだときにチンギス・カンは慟哭するが、自身とジュチが正当なモンゴルの「蒼き狼」なら、世界を果てしなく踏破できる英雄であるはずという思いが彼を動かしたのかもしれない。

もうひとつは第二皇后・クランの存在である。
ボルテがチンギス・カンの遠征後も故郷の草原を守り、英雄の帰還を待つ存在であったのに対し、クランはこの世界の未知の探求にチンギス・カンを駆り立てる存在として描かれる。
クランについてだけは史実を逸脱し、井上靖は想像をほしいままにしている。
クランは遠征という名の流転のなかで、最期ヒマラヤの氷のなかに永遠に眠り続ける。
そしてチンギス・カンも最期、命数が近づくなか、故郷での安寧ではなく遠い遠征の地、流転のなかでの死を選ぶ。
Posted at 2026/07/05 08:01:38 | コメント(1) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味

プロフィール

「なんとなく砂時計買う。
シャレオツな気分にひたってカップラーメンの出来上がりを待つことができる。」
何シテル?   08/06 22:34
おもしろきこともなき世をおもしろく-高杉晋作
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