FOSTEX FF165WK
フォスター電機の自社ブランドであるFOSTEXの16cmフルレンジスピーカーです。
言わずと知れたスピーカーの老舗国内メーカーで、ホームオーディオ界隈でも名の通ったブランドです。
今回はパーツレビューというよりも、自身の経験をもとに記載します。
過去一の長い文章になりましたので、製品そのもののレビューが知りたい方は最後の段落まで飛んでくださいw
数年前に、パソコンのスピーカーを自作した際に使ったのがこのFOSTEXのスピーカーでした。
今回と同じシリーズのFF85WKという8cmのスピーカーです。
パソコン用ということで卓上に置く都合上、セパレートの背の高いスピーカーを置くこともできないため、自作で小さめのスピーカーを作成する目的でした。
当時、アンプを導入しセパレートこそ最強とばかりに3wayでカーオーディオを組んでいた私は、きっとフルレンジ1発なんて大したことないだろうと思いつつ、実際にスピーカーから出てきた音に一発で打ちのめされました。
スピーカーからは、「音そのもの」が出てきました。
何を言っているのか意味が伝わらないと思いますが、興味がある方は一度、ホームオーディオのフルレンジスピーカーを聞いてみてください。
セパレート慣れしている人の耳に、フルレンジの出す音は衝撃だと思います。
セパレートはそれぞれ得意な帯域を再生するわけですが、そのうえで帯域の違うスピーカー同士の音のまとまりをつくる必要があります。
私が至高と思っていた3wayは、フルレンジを聞いて初めて、そのまとまりができていなかったと認識できました。
それぞれが得意な帯域を強調するばかりで、帯域同士のまとまりが出来ていない状態でした。
一つの楽器から出る音を3つのスピーカーがそれぞれ得意の帯域のみを強調して再生している状態というか、「一つの音にまとまっていない」とフルレンジに教えられました。
セパレートがダメということではなく、セパレートを選ぶのであれば、帯域同士のまとまりをつくり、一つの音として再生できるように調整するスキルもなくてはいけないのだと認識しました。
ここがオーディオが「沼」と呼ばれる所以で、私はさらに音響を深く勉強して…とはならず、セパレートはプロにしか扱えないものと、ばっさりと認識を改めました^^;
素人がイキって手を出すものではない、素人は手軽で簡単にまとまりのある音が出せるフルレンジでよかろうとw
以上、長くなりましたが、これがフルレンジを選ぶ理由です。
で、当然、カーオーディオもフルレンジとなります。
しかし、フロントツイーターはそのまま鳴らしているので、環境的には2way(※厳密にはセパレートはしていない)状態です。
これには理由があって、車内のスピーカーの配置を考えると、足元にフルレンジのみでは、フルレンジは低音域から高音域まですべての帯域を再生するため、どうしても足元から音が聞こえる感じが拭えません。
車内という環境において、高音域を耳元まで持ち上げるには、ツイーターが必要です。
それが現在主流となる2wayセパレートの源流なのだと思いますが、明確に違うのは、ツイーターの在り方です。
セパレートが2つのスピーカーでそれぞれ帯域を分けるのに対し、私はあくまでツイーターはフルレンジの補助として考えます。
フルレンジの周波数はカットせずに、フルレンジから出る高音域をツイーターで補助して耳に届きやすくするという発想です。
帯域を分けて、フルレンジでは出せない高音域をツイーターで出してやるということではありません。
システム的には同じように見えますが、ツイーターを設置する理由が違います。
ゆえにフルレンジを足元ではなく、もっと高い位置に持ってこれる車があるのだとすれば、フルレンジ一発でよいと考えます。
……と、偉そうなことを書いてますが、要するに純正のスピーカーシステムをそのまま使っているだけです^^;
スピーカーシステムはそのままに、単純にスピーカーのみ入れ替えたという状況です。
ネットワークもなにも、余計なものはありません。
ただスピーカーをもう少しいいものに取り換えてやるだけです。
いろいろ長々と書きましたが、カースピーカーでフルレンジというと、なかなか良いものがないのです。
セパレート主流の現在、カースピーカー用として本気のフルレンジを作っているのはPHASSくらいではないでしょうか。
PHASSの評判が良いのは分かっていますが、アンプとセットで本領を発揮するスピーカーとも言われており、そこまで含めると、とても手が出る金額ではありません。
そこで、比較的安価にフルレンジを導入するとなると、ホームオーディオのスピーカーを流用するという流れになりました。
ここからようやく商品レビューですw
既に3年半の間、車で使用していますが、ホームオーディオ用であるにもかかわらず、耐久性は問題ありません。
実際にスピーカーを持ってみると分かりますが、堅牢な作りで、フレームもガッチリしています。
また純正に比べ、より音が明快になり、聞こえなかった音まで聞こえるようになります。
低音から高音まで、まとまりのある音が自然に出て、且つ定位も出しやすいです。
ネガとしては、低音域は車に使うと考えると少し弱いかもしれません。
元々、バスレフのエンクロージャーと組み合わせて真価を発揮するスピーカーなので、車で使う以上は仕方のないところですが、私はサブウーファーを追加することで低音域を補っています。
また重量がスピーカー単体で約2kgあり、バッフルまで含めるとそれ以上の重さになります。
ドイツ車は問題ないでしょうが、ドアそのものが弱いと、重量に負けてしまうかもしれません。
まぁ、自分としては良くなったように感じていますが、アンプもナビも純正のままですし、実際のところ第三者が評価するわけではないため、あくまで個人の感想でしかありません。
しかし、自分好みの音が出るようになったと言えば、それが全てだと思います。
車やオーディオは自己満足できるかが一番大事な部分なので、自分が良くなったと思えるのであれば、それは正解だと考えます。
フルレンジスピーカーは、セパレートで疲れた人、セパレートに悩んだ人、特にセパレートしか聞いたことない人には、ぜひ一度お勧めしたい選択です。
最後にスピーカーの仕様データになります。
インピーダンス 8Ω
最低共振周波数 50Hz
再生周波数帯域 fo~21kHz
出力音圧レベル 92dB/W(1m)
入力 90W(Mus.)
mo 9.5g
Qo 0.34
実効振動半径(a) 6.5cm
マグネット質量 848g
総質量 1.95kg
※価格はスピーカー4つの合計金額です。
購入価格 | 46,200 円 |
---|
入手ルート | その他 ※FOSTEX オンラインショップ |
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