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イイね!
2020年06月22日

尾白川渓谷が終わった

山梨県の中でも特に自然に恵まれたところに北杜市というところがあります。
一説には、日本でもっとも住みたい町No.1とも言われていますが、
甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳に囲まれ、水も空気も大変に綺麗な場所です。

そんな北杜市で、
私がお気に入りの場所の1つが、尾白川渓谷です。
山梨に転居してきて、自動車免許を取り、
青いインプレッサで走りまくってたころですから、
約20年前に初めて訪れて、一瞬で虜になってしまいました。

以後、毎夏の様に訪れては、その自然の豊かさにいろいろなことを思い巡らせ、
これほど豊かな自然があることに感動していました。


2016年です。

花崗岩の砕けた大小の石が織りなす、
幾重にもかさなったせせらぎと、
川縁まで張り出した木陰が、
川面にエメラルドグリーンの美しさを作り出します。

花崗岩由来の白い砂浜が川底や中洲などのあちこちにあり、
岩石には苔が生して、
豊かな流れにたくさんの生き物が住んでいました。


2016年です。

流れも緩急があるので、
どこを撮っても絵になる構図が無数に見つかり、
いくら写真を撮っても飽きません。
360度、感動に包まれていました。

子供も安心して沢遊びができるので、
長男を連れて沢登りをしたことも何度もあります。

この渓谷は宇多田ヒカルが出演していたSUNTORYの
南アルプスの天然水のCMにも登場します。
↑youtubeにありました。

登場する大きな滝が千ヶ淵という滝です。
この滝が何とも勇壮で、霊的な美しさを持っています。
宇多田さんも川の真ん中の石に立って、滝を眺めていますが、
残念なことに、もうこの様な景色は見られなくなってしまいました。

その理由は、遊歩道の設置です。
実は、昨日、この尾白川渓谷に遊びに行ってきました。
そして、愕然としたのです。

え、なにこれ・・・



吊り橋から千ヶ淵まで軽装の観光客を誘導するためでしょうか、
車が一台通過できそうなほどの立派な遊歩道ができていました。

たしかに、もともと半分崩落したような遊歩道しかなかったのです。
でも、こんな遊歩道を設置する意味がどこにあるのでしょうか。

崩れた足場の悪い遊歩道か、または沢登りをしないと到達できないような
そういう滝でよかったはずです。

以下、2016年撮影と2020年撮影の比較写真をどうぞ。
(ちなみに、2016年の撮影機はi phone5sです。
 2020年はi phone 7 plusです。
 5sで撮影しても、こんなに綺麗なんです。)


2016年です。

吊り橋から上流川です。
大抵はこの吊り橋から見下ろした渓谷のあまりに美しさに
「わぁーっ」と感嘆の声がでるものです。


2020年です。

「え、なにこれ?」
川の左岸が埋め尽くされてしまいました。
美しさは消えました。

川面を比較するとわかりますが、
川幅が狭まった分、流れが急になりました。
川へも降りれなくなり、沢遊びなどできません。

とても憩いを感じるような空間ではなくなってしまいました。


2016年です。

吊り橋から下流側です。



2020年です。
川の流れは単調で不自然な段丘が付けられ、清流の美しさはなくなりました。
川底をさらったのか、不自然な形の岩石だけが残ります。
美しかった岩石は遊歩道の材料にされたのでしょうか。
中洲の木立もなくなりました。
遊歩道の設置に伴い、木陰がなくなり、荒廃した河原となっています。
こんなところには生き物も住めないですし、人も憩いを感じません。


2016年です。
中洲には大小の石があり、砂浜がありました。中洲には木が茂り、木陰がたくさんあることで、涼しい風が吹き抜け、湿度は保たれて、豊かな植生がありました。


2020年です。
ほぼ同じ場所だと思いますが、単調な流れがあるだけで、木陰は消えました。
流れが急で危険です。


2016年です。
川幅が十分にあったため、沢登りができました。
息子も大いに楽しんでいます。
岩から岩へ落ちないように乗り移ったり、
時には流れに足を取られたり、滑って転んで、びしょ濡れになったり。

川の楽しさも怖さも学べる貴重な場所でした。


2020年です。
ほぼ同じ場所だと思うのですが、川の左側が埋め立てられたため、
流れが急になり、せせらぎが消えました。
美しさなど微塵もありません。
子供も遊ばせられません。
そもそも遊歩道から高低差があるため、川へ下りられなくなりました。



せせらぎはなくなり、何も面白味のない、用水路となりました。
こんな味気のかけらもない川へ変えられてしまいました。
写真映えするような場所などもはやありません。

せせらぎも淀みも何もなくなりました。



不自然に積み重ねられた巨石が川縁に並びます。
もう渓流の美しさはありません。
ただただ人工的で残念な感じしか伝わりません。
失われてしまったものの大きさが伝わりますでしょうか。



あまりの荒廃っぷりに言葉を失います。
川は完全に死にました。
こんな不自然な川には、もはや、
訪れる価値がありません。

遊歩道を設置した場所は、冒頭の写真のような

この様な場所です。

岩肌には苔が生し、冷たい湧水が脈々と湧き出ていて、
それは本当に美しく、何物にも変えがたい場所でした。

ここを延々と埋めたのです。


川の流れは急になり、
せせらぎは消失、
砂浜は流出、
川の浄化作用も消失、
木陰は川面に落ちることなく、
何とも味気ない川になってしまいました。
以前は砂浜におたまじゃくしがいましたし、
石をめくると水生昆虫もたくさんいました。
それも消えてしまいました。

あまりにも環境負荷の大きすぎる変化に言葉で表しようがありません。
遊歩道を通すにしても、それなりの方法があったはずです。

観光客を誘導するために遊歩道を設置したけれども、
遊歩道を設置したせいで、渓流の美しさはなくなったのでは、
観光客も来る意味がありません。

滝に観光客を誘導できれば、何でもいいと思ったのでしょうか。
この渓谷の美しさはその道程にあって、あくまで滝は1つの風景だったはずです。
あまりにもお粗末な工事に、激しい怒りと残念さを感じます。

尾白川渓谷を愛していた方々は、是非、見に行っていただきたいです。
人間が犯してしまった、あまりにもお粗末な環境破壊を。

もうあの渓谷の美しさが見られることがないのかと思うの、
あまりにも残念でなりません。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2020/06/22 16:58:55

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この記事へのコメント

2020年6月22日 21:10
これは、本当に酷い!!!
何ということをしたんでしょうか。。
怒りしか湧いてきません。こんなのは、自然ではないです。行政は責任取るべきだと思います。
コメントへの返答
2020年6月22日 23:46
きぼれさん。本当に酷いですよ。どんなプロセスでこのような行為が許されたのか、本当に悲しいです。
過去に撮影した写真を見直していたのですが、多くのせせらぎが動植物とともに埋められてしまったのかと思うと・・・
市街地の河川と同じ様な感覚で護岸工事したのでしょうかね。でも、川を半分埋め立てるって・・・あんまりです。
2020年6月22日 22:14
写真を見ると確かに…。
寂しいですね。。。
コメントへの返答
2020年6月22日 23:48
本当に酷いんですよ。
見る人が見れば、あまりに不自然で人為的に配置された岩石に、自然の雄大さなど微塵も感じないことがわかると思います。
もう、元に戻らないと思うと、本当に悲しいです。

プロフィール

「アルファード君、ゾロ目ゲットです。」
何シテル?   11/09 21:36
しばらく、アルファードとセレナの2台体制でしたが、 子供たちも成長して、自由時間が少しずつ増えてきましたので、 RX-8を増車しました。
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