
レクサスにデジタルアウターミラーが採用されて話題になり、どんなものかと気になってました。
残念ながら未だ体験には至ってませんが、先日セキュリティーのメンテナンスでショップにスープラを預けた際に借りた代車に、ルームミラーモニターが装着されており、図らずもデジタルミラーを体験することができた。
で、結論から言うと、これは.....
あかん!
今回体験したルームミラーモニターは、室内のリア窓付近上部に装着したカメラ映像をルームミラーに投影する方式。
で、実際の視点よりも随分と高い位置からの映像だったことで、ドラポジとの関係に違和感を感じたことに加えて、焦点距離が近過ぎることで焦点合わせに時間を要するため、後方の状況把握に従来の3~4倍くらいの時間が掛かったように感じました。
鏡越しの確認であれば焦点距離は後方の対象物までの距離そのものなので、前方からルームミラーに視線を移しても焦点距離の変化は殆ど無いのですが、
ルームミラーモニターの場合の焦点距離はモニターまでの距離になります。
例えば、前方50メートルを見ていた目線から目先50センチのルームミラーモニターに目線を移すと、
焦点距離の変化量は1/100倍にまでなります。
近い距離から遠くに視線を移す場合は然程苦になりませんが、
逆に遠くから近くに視線を移す場合は目の負担が大きく、故に焦点が合うまでに時間が掛かり、
更に後方の状況把握に時間を要することになります。
ミラーの役目は後方の状況を、後ろに振り返ることなく容易に、且つ素早く把握することですので
この焦点距離の差はミラーに求められる性能・特性から著しく乖離していると言わざるを得ません。
また、鏡越しにステレオ(肉眼)で見る立体像と違い、モニターの2次元の平面映像を見ても遠近感が無く、たとえ焦点が合ったとしても距離感が掴めません。
これは鏡方式のサイドミラーからモニター方式のルームミラーに視線を移した時に強く感じ、同じ後方を観察している感が全くありませんでした。
今回はルームミラーでしたが、サイドミラーも同じ事が言えます。
レクサスの場合は、方向指示器を作動させると画角が広がり、投影像が広範囲になるそうですが、
たとえそうであっても焦点距離が変わる訳ではないので、上記の問題解決には至りません。
ミラーのモニター化は、雨天での水滴回避や夜間後退時の後方確認などの限られた状況での活用や、何かあった場合の記録用としてのカメラ化は有用だと思います。
しかし、人が持つ視力や状況把握などの能力の発揮を妨げ、運転中のリアルタイムな安全性が損なわれるのであればミラーモニターは時期尚早だと思います。
せめて、今はまだ従来のミラーと併用し、
必要に応じてモニターを使えるようにするべきではないでしょうか。。
Posted at 2019/05/07 22:45:54 | |
トラックバック(0) |
クルマ一般 | クルマ