ライトノベル読後メモ７　「ガンダム　ＭＳイグルー」

今回はガンダムのスピンアウト。

「機動戦士ガンダム　ＭＳイグルー　１年戦争秘録」
（著：林譲治　2005年　角川スニーカー文庫）
「機動戦士ガンダム　ＭＳイグルー　黙示録００７９」
（著：林譲治　2006年　角川スニーカー文庫

日の目を見なかった試作兵器たちと、
その評価試験部隊にスポットを当てた作品です。

この林譲治氏のガンダム作品は、他にも
「コロニーの落ちた地で・・・」
「ガンダム戦記」
という２つのゲームノベライズを読みましたが、
いずれも、戦争をしている「部隊」の描写がすごく面白いという印象です。
ＭＳとパイロットと指揮官だけでは部隊って成り立たないんですね。
当たり前のことですが。

そういう点から林氏の作品は、これまで読んだガンダムシリーズの中で、
ヒロイックドラマと言うよりは、ミリタリーとしての楽しみ方ができる作品です。
ガンダムみたいな、色んな人たちによって色んな解釈がなされている作品群
だからこそ、こういう一風変わった作品も生まれるんでしょうね。

で、今回も同じく。
というか、評価部隊が主人公という性格上か、
より戦術、戦略的な面と、兵器の技術的な面が強く出ている印象です。

ちょっと、読んでて納得いかない、理解できない説明もいくつかありましたけどね。
また今回はミリタリー方向に偏りすぎてるのか、
登場人物の魅力って点も個人的にはイマイチ。

あと今回はひたすらジオンの面々です。
初めてＭＳを実戦投入したジオンですが、本作品でスポットを浴びる兵器は
ＭＳ以外がほとんどです。
それに、最終的にモノになるかどうかも全く未知数。
・・・まあ、その後のガンダムシリーズを考えれば、今回の試作兵器たちの末路は
推して知るべし、とでも言いましょうか。

ぽこぽこ新型が登場する影には、こういう部隊の存在も不可欠なのですね～。

ちなみに挿絵は超渋い。