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Nick@MKSのブログ一覧

2010年06月03日 イイね!

ワンオフ・カスタム・クランクシャフトの作り方 - その①

ワンオフ・カスタム・クランクシャフトの作り方 - その①今回はカスタム・ワンオフ・クランクシャフトの作り方です。

左の写真は

TRUE ONES / 4G63 * 94mm ストローク クランクシャフト

重量 : 13.3 kg



通常、クランクシャフトの基本的な形状は、V8やV6、I4やI6と言ったシリンダーの気筒数と配置、ボア間ピッチ、ブロックのメインジャーナル径やコンロッドのピン径などの寸法、フライホイールやプーリーの取り付け形状などエンジンの基本スペックにより決定されてしまいます。



また、ピストンによる爆発圧力に耐えまがら回転出力を取り出す為だけなら、クランクシャフトはもっとシンプルな形状で良いはずですが、同時に高速で回転しながらピストン・コンロッドによるレシプロ(往復)運動の振動を出来る限り減衰しなければなりませんので、複雑な形状のアームやカウンターウエイトが必要になります。

更に、強大な爆発による力と、重い車体を加減速する為の駆動系からの反力の両方をクランクシャフトは受け止めなければならないので、一番ストレスのかかるピン部両脇のアーム部分の剛性がデザイン上非常に重要となります。


★純正クランクシャフト

ところで、コスト管理の厳しい自動車メーカー純正のクランクシャフトにおいては、ある一定の安全マージンは確保してあるものの、そのエンジンに要求されるカタログ出力に対する強度、純正ピストン・コンロッド等レシプロ慣性重量に対応する振動抑制やオーバーレブ時に対する強度、エンジンブレーキやギャップ走破時の駆動系からの入力に耐えるレベルでの必要最小限の設計強度しか与えられておりません。つまり、自然吸気エンジンへの過給器の追加や過給圧アップによる爆発力の向上、また、吸気効率向上を狙ったバルブ径の拡大やレブリミットアップによる高回転化対応の為のバルブスプリングの強化ハイグリップタイヤ使用による駆動伝達力の向上等の付加的な状況は想定されておりませんので、ハイパフォーマンス化チューニングの進んだエンジンにおいては、その剛性不足により捩れが発生します。この捩れが危険共振振幅を増加し、バルブタイミングや点火時期のずれを生じ、その結果レスポンスの低下、バルブジャンプ、コンロッドのメタルやメインメタルの油幕切れトラブルによる焼き付き、コンロッドの捩れ破壊、そして最悪クランクシャフト自体の破壊を招きます。



(写真は4G63 純正クランクシャフト 重量:14.6kg)

そこで、高出力化に対応する為、剛性をアップした強化クランクシャフトが必要となります。

★強化クランクシャフトの特徴とは?

1. 静的剛性アップ

強化クランクシャフトの一番大切な項目は静的な剛性アップです。その手段として まずはクランクシャフト母材自体を靭性の高い材料に変更し、また型鍛造からより強度の高い鍛造丸棒祖材へ変更し、加工方法もウェブの形状を自由にデザインできるよう削出しだしで製作いたします。


<静的強度検討 - 爆発圧力による歪の確認>

2. 振動・捩れ対策

この静的な剛性向上対策に加え、組み込むエンジンのスペックやその使用用途に合わせて、細かいカスタム・ワンオフ仕様として、実際に組み込むピストン、ピン、リング、コンロッド等のレシプロ慣性重量に合わせてカウンターウエイト重量の低減と高回転時の振動を押さえ込む為にアンバランス率の最適化を行います。


<動的強度検討 - 共振捩れによる応力検討>

3. 剛性アップと軽量化のバランス

しかし、剛性アップだけを狙うとどうしても重量は増加していきます。そこで、綿密な静的・動的FEM強度解析を行う事により剛性の必要なアームの部分には必要な肉厚を確保し、影響の少ない部分においてはとことんまで肉を削ぎ落とし軽量化を進めます。



そして、ライトニングホールの追加により慣性重量の一部となるピンの部分を更に軽量化できる事により、それとバランスをとるカウンターウエイトの重量を低減する事ができます。同時に剛性に影響の少ない回転軸中心部分に近い部分のウェブ形状を極限まで絞り、更にスプリントレース仕様ではメインジャーナルの中心部に貫通穴を設定することにより全体としての軽量化を図ります。

4. 耐摩耗性の向上

プラズマやガス窒化等の熱処理の変更・追加により、ピンやメインジャーナル部分の硬度を上げ、更にハンドラッピングやマイクロポリッシングにより面祖度を上げる事により対磨耗性の向上も狙います。



また、チューニングの方向性により、硬質クローム処理による更なる耐摩耗性の向上や、WPC処理による圧縮残留応力による対クラック性の向上と極限までのフリクションの低減を追及します。

5. オイル潤滑性能アップ

ノーズフィードのオイルラインなら問題はありませんが、通常のクランクシャフトのオイル供給は、ブロックからメインジャーナルのオイル穴を経由して、コンロッドメタルへと供給されます。よって、コンロッドメタルの油膜・幕圧安定化の為、メインジャーナルのホールは出来るだけオイルを掻き込む様に、そしてピンジャーナルのホールは安定的にオイルを吐き出すように、オイル穴の位置・角度・形状の最適化を行います。



仕上げ時にダイナミックバランスを正確に取りますが、その際も純正クランクシャフトのようにカウンターウエイトにやたらと穴を開けるのではなく、ウエイト部分の最外周を削る事により、オイル撹拌抵抗を出来る限り低減する為、表面を平滑に保ちます。





量産ブロックを使用するエンジンでも、剛性の高い軽量クランクシャフトを使用することにより、よりパワフルでよりスムーズなエンジンに仕上げることが可能です♪


Posted at 2010/06/03 18:30:56 | コメント(3) | トラックバック(0) | MKS 最新情報! | クルマ
2010年06月03日 イイね!

Toyota WTCC に参戦 !?

Toyota WTCC に参戦 !?いよいよTMGがまた動き始めるみたいですね!

写真は2009年にWTCCに出場と噂された Auris ですが、2011年からは 1.6L 4気筒直噴ターボがレギュレーションかされておりますので、使用エンジンは 1ZR-FAE +ターボとなるでしょう。

そうなるとTRD-Jにてエンジン開発の可能性も...♪



もしHVが参戦可能となったら、話題的には LEXUS CT200h が狙い目となるでしょうね!




今後の動向に期待です♪




↓短いですけど、面白い動画。



Posted at 2010/06/03 10:13:18 | コメント(4) | トラックバック(0) | レース関連 | クルマ
2010年05月23日 イイね!

レースビデオ / World Challenge - 2010 Long Beach Race

レースビデオ / World Challenge - 2010 Long Beach Race もう1ヶ月以上前のレースですが、
ロングビーチGP のWorld Challenge のレースのビデオが
World Challenge のサイトにアップロードされましたので、
ご紹介いたします。





World Challenge TV / Toyota Grand Prix of Long Beach 2010

http://www.world-challengetv.com/#/races/179

ロングビーチGPは年に1度ロングビーチ市の海沿いの市街地を封鎖して行われる、
入場者数10万人を超えるカリフォルニアで一番大きなモータースポーツイベントです。

4/20/2010 の日記
にこのレースの件はご紹介いたしまして、
このレースに出走しているレースカーの写真もばっちり撮ってまいりましたので、
こちらもご覧ください。

このレースを行っている場所はロングビーチ市の海沿いにありまして、
ヨットハーバーやショッピングモール、水族館、コンベンションホール、ホテルなどが立ち並ぶ、
普段はとても綺麗なドライブコースなのですが、
毎年4月のこの時期だけは通りを全てフェンスで閉鎖し、
一般車の進入を遮断したストリートサーキットに変貌いたします!

その為、ビデオを見ると良くわかりますが、
コースの外は全てコンクリートウォールで囲まれていて、
砂をまいたエスケープゾーンなんてものは一切ありません(汗)。

まさにコンクリートジャングルの中を時速200km以上で走り抜けるという、
日本では考えられないコースです(笑)。

なお、ビデオはTVで放映した1時間番組そのままなので、
スタートからゴールまで丸々1時間の内容です。
当然解説は英語のみですが画像からほとんど全ての情報はわかると思いますので、
お時間のあるときに是非お楽しみ下さい♪

Posted at 2010/05/24 10:18:12 | コメント(2) | トラックバック(0) | レース関連 | クルマ
2010年05月18日 イイね!

憧れの名車 - Toyota 2000GT

憧れの名車 - Toyota 2000GTもうちょっと前の事ですが、こちらの大先輩のクルマやさんが
珍しいクルマに乗って現れました。

その時のクルマがこれ、
Toyota 2000GT / MF10L (北米仕様 左ハンドル)
言わずと知れたトヨタファンなら憧れの1台。

007 も愛した1台です。

情報によると北米には約100台が輸入されたそうですが、
ランニングコンディションで現存する車はフロリダとカリフォルニアに
合わせて20台程度だと思われます。




大型のフォグランプは前期形の象徴です。
しかしいつ見ても美しいボディーラインですね!
こういった往年名車は是非永遠に態保存しておいて欲しいものです。

JZA80 のスープラはこのラインを非常に意識してデザインされて居ると思います。
特にリアウインドウやクオーターの処理などは、
この車両をモチーフにしたのではないでしょうか?

しかし、やはり本物には敵いませんでした。




もう20年近く前の話ですが、
初めて仕事に就いた会社の芝浦にある工場に行くと、
この2000GTが常時数台レストアの為に入庫していていました。

そこにはこの見事なフェンダーラインを手曲げで再生する職人さんがいらっしゃいまして、
その作業に良く見惚れたものです。

そんな本物の板金職人さん達が居たすごい工場でしたが、
時代の流れでそういった仕事採算レベルと合わなくなってしまい、
残念ながら後継者を育てることなくその職場もなくなってしまいました。




エンジンは YAMAHA製 3M型 DOHC 6気筒 2,000cc、
おじさんの憧れのソレックスツイン(ミクニ製)3連装!
良い音がしておりました。

最近では部品がほとんど手に入らないようで、
リビルトするのは本当に大変との事です。

そこで、まあ見えない部分なのでオリジナルにこだわらなければの話ですが、
今ならこんな憧れのエンジンでも、

レシプロ系の部品であるクランク、コンロッド、ピストンと、
バルブトレイン周りのバルブ、バルブスプリングなど、
全て現代のデザインと加工技術でワンオフで製作し、
元気に復活させることも可能です♪






またきっといつかこんなカッコいいバッジを付けた、
素敵なクルマが復活することを期待しております♪


Posted at 2010/05/18 11:17:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | California 生活 | クルマ
2010年05月03日 イイね!

R35GT-R FIA-GT1 初優勝!! おめでとう岩本さん♪

R35GT-R FIA-GT1 初優勝!! おめでとう岩本さん♪今年よりFIA-GT1に参戦中の NISSAN GT-R ですが、
2戦目のシルバーストーンでで早くも初優勝!!

初戦のいじめにもめげずがんばりました!
日本を代表するGT-R !!
アストンマーチンやマセラッティを蹴散らして
これからもがんがん行っちゃって下さい♪


おめでとう 岩本さん !!


でもまた重くされちゃいますね(汗)...


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以下 NISSAN MOTORSPORTS より参照


NISSAN GT-Rが、世界選手権初優勝
FIA GT1世界選手権第2戦(英国)レースレポート

5月2日 シルバーストンサーキット(英国)

FIA GT1世界選手権第2戦は、英国・シルバーストンサーキットで5月2日午後(現地時間)に決勝となるチャンピオンシップレースが行われ、Sumo Power GTのジェイミー・キャンベル・ウォルター/ウォレン・ヒューズ組が優勝。NISSAN GT-RにFIA GT1世界選手権レースでの初勝利をもたらした。

レースは、フィニッシュの後に一番の波乱が待っていた。キャンベル・ウォルターとヒューズは、28周の決勝のレースを3位でフィニッシュしていた。しかし、チェッカーフラッグが振られた後、トップでゴールしたアストンマーチンが、技術規則違反のため失格。2位のアストンマーチンには、ドライブスルー・ペナルティに入るまでに時間をかけ過ぎたことに対してタイムペナルティが与えられた。このため、キャンベル・ウォルターとヒューズにシルバーストン戦の勝者として、名誉ある「RACツーリストトロフィー」が贈られることとなった。このトロフィーには、スターリング・モス、タッツィオ・ヌボラーリ、グラハム・ヒルなどの名ドライバーに並んで、ジェイミー・キャンベル・ウォルターとウォレン・ヒューズの名が刻まれる。

決勝レースを5番手グリッドからスタートしたヒューズは抜群の滑り出しを見せ、ただちに4位まで浮上。しかし、8番手グリッドのミハエル・クルムは外側に押し出されてしまい、アクシデントを避けて9位に後退した。Swiss Racing TeamのNISSAN GT-Rもスタートで順位を落とし、荒聖治が14位、カール・ヴェンドリンガーが19位となった。 2周目が終了したところで、出火したコルベットをコースサイドから引き上げる間、セーフティカーがコースに入って全車がペースダウンした。その後10周目までは、ヒューズが4位を堅守し、クルムは8位に浮上。荒とヴェンドリンガーも好調に周回を重ねた。

ピットストップ時間に入る直前には、クルムがマセラティとのアタックを見せた。両車は好バトルを展開していたが、ここにコルベットが加わり混戦に。この絡み合いでクルムとコルベットは、コースアウトしてグラベルに突っ込んでしまった。クルムは、「レースが再開してから、マセラティといいバトルになった。コルベットが後ろにいたことは分かっていたが、僕はマセラティに集中していた。次に気づいた時はグラベルの中だった。マシンがとても速くなってきたところだったので、本当に残念」と語った。

予選まで厳しい展開に耐えていたSwiss Racing Teamだったが、チャンピオンシップレースではトップ10でのフィニッシュを果たした。ピットストップ直後、ヘンリ・モサーがこのコースの最高速ポイントでコースオフ。#3 Swiss Racing Nissan GT-Rは大きなダメージを負い、モサーは医療室へ運ばれた。「何が起こったのか、本当に分からない。ハンガーストレートの終わりで、他のクルマを抜こうとしていたら、突然スピンしてタイヤバリアの中へ入っていった。マシンが完璧だっただけに、とても悔しい。僕のスティントになってから集団の中にいたので、あのポイントまで混戦していた。とてもスムーズに走れていたので、ガッカリ」と、無傷だったモサーは話した。

Swiss Racing Teamチームディレクターのエリック・コルブは、「我々にとっては非常に厳しい週末となったが、それでも、セイジ(荒)とマックス(・ニルソン)のレースは、そう悪くはなかった。 マックスは集団の中でコースに合流し早々にプレッシャーを受けることになったが、すぐにリズムを築いていいラップタイムを出し始めた。この厳しい流れの中で、彼がトップ10でフィニッシュしてくれてとてもよかった」

そして、NISSAN GT-RにFIA GT1初勝利をもたらしたヒューズは、「3位でも喜んでいたけど、優勝とは信じられない。実は記者会見の時にトロフィーを見つめながら、ここに自分の名前が入ったらいいだろうなと考えていた。だから最高のリザルトだ。タイトル争いを考えても素晴らしい結果だから、この勝利を心から喜んでいる」と語り、「英国人ドライバーのひとりとしてツーリストトロフィーを勝ち取ったこと、日産にFIA GT1初勝利をもたらしたひとりになれたことは、この上なく光栄なこと」と、キャンベル・ウォルターも歓びはひとしおの様子であった。

注:チャンピオンシップレースのリザルトは、#7の抗議により確定待ちとなっている。


Posted at 2010/05/03 14:05:35 | コメント(1) | トラックバック(0) | レース関連 | クルマ

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「トヨタのル・マン24h 向けハイブリッドマシンがついに公開! http://cvw.jp/lN9O5
何シテル?   01/25 09:53
Nickです。 米国はカリフォルニア州のハンティントンビーチ市におります。 Gerold Pankl おじさんや Barry Culvert おじさ...
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