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2010年08月31日

耕して天に至る ~しらびそ高原ドライブ~

耕して天に至る ~しらびそ高原ドライブ~







8月最後の日曜日、ストレス解消に長野県南部の“しらびそ高原”に行ってきました。

ここは日本を2分する中央構造線(=フォッサマグナ⇒語源は自分で調べてみよう)の袂にあります。
最近でパワースポットなるもののブーム(実にクダラン)で有名になった、分杭峠の南にあります。

ここは嘗て、日本列島はアジア大陸の一部であったことを示す貴重な遺産であり、また、遥か昔地球に落ちてきた隕石落下の爪あとであるクレーターがあったりと、地質学或いは天文学的な話題にはこと欠かないのですが、バイク乗りにとっては交通量の少ないツイスティロード、長大なダートロード、満点の星空、南アルプスにまで至る紅葉の大パノラマ、そして温泉(塩のお湯!)と、日帰りツーリングにはもってこいのエリア。
私も年に数度はオンバイク、或いはオフバイクで、“探検”に訪れます。

今回はここをハマーン様とともにエキシージで訪ねました。
目的は、“避暑”と“癒し”。
都会のうだるような暑さを避けて、高原の涼風にのんびりトレッキング、気に入ったところでお昼寝、そんなシチュエーションを求めた、ちょっとしたショートトリップです。

しらびそ高原へは、長野県飯田市東南端、R152の東側、上村から入ることにします。
まずは腹ごしらえ、定番のお蕎麦、『そば処 村の茶屋』へ入ります。
ここのお蕎麦は地の野菜や山菜、そして食べられる木の葉っぱなどをあしらえた天ざるがオススメ。
私は大盛、ハマーン様は普通。二人で2600円、安いしボリュームたっぷり。
お店をきりもりする村のお母さん達お手製のお漬物もとっても美味。
他にもこのあたりは鹿肉や熊肉の料理も美味しいので、夕食にも困らないのがいいところ。

お腹一杯になったら次は“天空の里”、上村へ。
国道をそれて細い村道を登っていきます。
途中には湧水があり、このお水で喉を潤すのも良いです。軽くて冷たくて、この水で味噌汁なんか作ったら美味しいでしょうね。
急斜面の杉林のなか、グングン高度を稼ぐと、そこは“下栗の里”。
ガードレールも無い崖沿いの細道を進むと、突然視界が開け、正面に南アルプスの厳然とした佇まいが開かれます。

右手には千数百メートルの眼下遥かにまで急斜面が続き、そこには機械では決して耕せない小さな畑がまばらに拓かれ、そこでは今でも村の人たちが大切に作物を育てています。
深すぎるほど深い谷を挟み、数千間を隔てた向こうの山々にまで、ポツリポツリと民家が文字通り斜面にへばりつくように佇んでいるのが目に入ります。
その向こうの青空には、入道雲に突き刺さるように幾筋もの巻き雲が・・・この山国には、何時の間にか秋がすぐそこまで訪れていました。
ここは“日本のチロル”と称されるそうですが、本当に、このスケールと、文明の入る余地の無い生活ぶりには、何度訪れても感嘆の声しか出ません。
この暮らしを次の世代に繋げていくことは、大変な事だとは思いますが、できれば貴重な日本の原風景として残したいものです。

神々しいまでに屹立するアルプスの峰々と、それに守られるかのような下栗の里の息吹に晒されていると、ふと考えてしまいます。それは、我々は毎日の暮らしの中でものすごく大きな時計を抱えてしまっている、ということ。
我々は、その時計のあまりの大きさに遮られ、遠くを見ることもできず、いつも足元の小さな小石を見ては一喜一憂しているだけではないか?
ここでの暮らしは、流行やグルメとはほど遠いけれど、陽光の照り方や、遥かな山容の彩り、絵筆を進めるように濃淡を変える空の色など、小さな時計を持つことでしか見ること・聞くこと、匂うこと、そして触れることのできない何かを、間違いなく伝えつづけているのです。

そんな思いに後ろ髪を引かれつつ、目的地のしらびそ高原に向けてエキシージは走ります。
途中、こんな場所ならではなのか、或いはこんな場所では珍しくなのか、白いエリーゼ111Rと合流、オーナーさんは私と同じお店でそれを手に入れられたとのこと。
青い空と白い雲、青いエキシージと白いエリーゼの佇まいは、まるで小さな野花のようです。

左手には熊笹の生い茂る斜面と杉林、右手には急斜面から深い谷、そして遠く遥かに連なる中央構造線の峰々の濃い緑を望みつつ、ガードレールさえまばらな1.5車線の山岳林道は延々と続きます。
ここの地形と自然条件の厳しさは、道路の拡張を許さず、従って観光バスなどは殆ど入って来れないほど。それ故に、高速道路1000円、夏休み最後の日曜とあっても、たいした人混も無く、ツイスティロードは諸手をあげてエキシージを歓迎してくれました。
数え切れないほどブラインドコーナーを越え、路面に崩れ落ちた側壁の破片を注意深く避け続けて、やっと辿り着いた、標高1800メートルのしらびそ高原。

高原内たった一つのロッジ前の広場で、私もハマーン様も思いっきり四肢を伸ばしてお昼寝。
耳元には、さわさわと小川のような微風。
太陽は遠くて、しかしくっきりと銀色。
白樺の樹木は透き通るような緑葉を泳がせ、鳥たちが枝を渡りつつ高らかに囀ります。
なんか身体の中にあった、灰色のヘドロのようなものが、どんどん溶けて消えていくみたい。

来てよかった。

ハマーン様、次はテント積んで、単車で来ようか?

「気安いぞ!俗物!!」

・・・すみませんでした。
ブログ一覧 | ロータス | クルマ
Posted at 2010/08/31 01:31:55

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この記事へのコメント

2010年8月31日 18:50
しらびそはいつか行って見たい場所です!
カードレールもまばらな細い山道のコーナーは手に汗をかきそうですが、気持ちの良い景色が広がっていそうですね。

ボクがココを走れるならば、そして過去に乗った車・バイクの中で選べるならば、きっとRZ-250Rを選ぶでしょう。

できたら、テントと双眼鏡を持って^^
コメントへの返答
2010年8月31日 19:27
taketakeさんは関東の方なのに、しらびそのこと、よくご存じでしたね!
景色のスケールは富士山の須走口から5合目に出るルートもこれに匹敵すると思いますが、なにせ訪れる人の数がずっと少ないので、本当にのんびりできます。
これからのシーズンは星も綺麗なので、是非いらしてくださいね。日が暮れれば野生動物に間違いなく出会えます。
オフ会やっても良いですね。
バイクで行くなら、夏場だと2stキャブ車は高地補正機能がないと、ちょっとキツイかもしれません。嘗ての乗鞍スカイラインと同じ症状が出ます。一方でRZ-Rみたいに適度にリラックスしたポジションで、瞬発力があるヤツは楽しいと思います。私なら、SDRとか、XR400のモタードなんかで行くのが良いかな、と思います。
2010年8月31日 20:49
なんかCGみたいに綺麗ですが
間違ってアクセル踏んじゃったら
落ちていきそうで・・・・・・・
神奈川じゃ秦野から見る
丹沢って感じですね。
しらびその方が別格に絶景ですが。
コメントへの返答
2010年8月31日 21:50
最後の写真は、ほんとうにこんな感じです。
携帯カメラ撮りのブログ中の画像でかなり劣化してますが、本物は勿論ずっとキレイです。
私も元海老名市民ですが、丹沢も良いですねぇ。
特に大山の麓からのびる大山講参道の風情は厳かで好きでした。
しらびその風景は・・・うーん、そちらだと、富士見台高原から八ヶ岳を望む感じかな?
いずれにしろ、とにかく静かなところですから、是非一度足を運んでくださいね!
2010年8月31日 21:28
↑ いや~、秦野から見る丹沢ですか~!

そう言われてみると、似てます。^^
私も実家に戻る前は秦野に住んでました。^^;
DT125でヤビツ峠から、相模湖(だったはず)へ抜けて行ったこともあります。
丹沢湖から、どんどん上がって、どこかのトンネルで、余りの残雪に諦めて引き返したこともありました。
丹沢は神奈川県なのに(?)、すごい山々で、横浜とか川崎と同じ県とは思えないギャップに感慨深いものがありました。^^;

それと、ハマーン様…なかなか素晴らしいプロポーションです。^^
ウチの店長には無いものを持ってらっしゃいます。

 「気安いぞ!俗物!!」

ははっ~!済みません!<(_ _)>


コメントへの返答
2010年8月31日 21:59
ヤビツ相模湖ルートって、今は舗装されちゃったみたいですね。
ちょっと前はロングダートが続いていたにもかかわらず、246の抜け道になってたり。
あのダートの多さは愛知の段戸~奥三河エリアに通じる楽しさがありましたね。
私はDT200WRでよく丹沢に走りに行きました。
本当に丹沢エリアは横浜のすぐ近くとは思えない山また山で、
種田山頭火の歌
“分け入っても分け入っても青い山”
を思い起こさせる道のりでした。

あ・・・ハマーンの写真は、当日なにしろ木陰を出れば陽射しが強烈で、とても上着など着ていられなかったので、あんな姿になっちゃったのです。
本人曰く「検閲ギリギリ」だそうで。
2010年9月1日 0:16
1枚目の写真、風景とエキシージもマッチしててキレイですね^^

何だかのんびりと過ごせたみたいで、いいですね。そばが食べたくなりました。
(ハマーン様は、なかなかセクシーなお姿^^;)

それにしても「類は友を呼ぶ」とでも言いましょうか、エリーゼさんも登場ですか。
細かいグレードはよく知らなかったので、エリーゼはほとんどどれも同じ・・・と思ってましたが、エキシージは別物の雰囲気ですね^^
コメントへの返答
2010年9月1日 11:06
あの風景に一番似合う乗り物は、あまり大きくない車やバイクかな。
ジープの幌屋根のやつとか、ラリーなんかに出てるモデルも似合いそうです。バイクならパリダカのレプリカ系とか、とにかく大きくない乗り物で、ワイルドなやつ。
エリーゼやスイスポみたいなライトウェイトスポーツも、良く似合いますね!
当日はやっぱり山岳部も日差しはひどく強くて、木陰は抜群に涼しかったのですが、陽向の暑さは、“熱いッ”って感じでした。ハマーンも耐えきれずに、日焼け覚悟であんな格好になってしまいました。せめて白い上着なら良かったのに、よりによって黒いジャケットは…“熟女”のキャミ姿、楽しんでいただけましたでしょうか?好評なら次回は、みけにゃんこの浴衣姿でもアップしてみます(笑)。
そうそう、しらびそ高原への道のりは、剣山のスーパー林道を舗装したような感じです。あれで周囲の山々が3000m級になると、そっくりかも。
2010年9月14日 21:56
こんばんは、ここ標高がたかくていいところですよね、はじめて行きました。
なんか道中の道も楽しくて、下栗の里に近づくと民家があるあたりすごい道狭かったり
して対向車にエスティマが来たときはビビりました。

ハマーン様の写真もいいですね、ファンになりそうです^^
コメントへの返答
2010年9月15日 0:00
ですよね!
しらびそは毎年、周辺のダートルートをオフバイクで走り回り、ロードバイクでR152から南下して来たときも必ず立ち寄ります。
夜はとにかく星空がキレイですね。私はここで星座の名前を覚えました。何と言っても肉眼で“昴”が見えたときは感激しました。
そうそう、下栗の道を走るときは、マナーも大切ですね。あくまでも町道なので、地元車最優先で、あくまでも“通らせていただく”気持ちで走らないと。
以前デカイ車で離合不可能なところに突っ込んでっ行って、地元のおばあさんが運転してた農作業車に向けて文句言ってたオヤジがいたけど、さすがに見かねて、単車降りて“そんなにデカイ顔したきゃ、通行税でも払ってけっ!”て言ってやったけど・・・三遠南信道が開通したら、ああいうのも増えるんだろうなあ。

ところで・・・なんかみんな・・・ハマーンをお褒めいただいて・・・あんまり褒めると、どんどん尊大になっていくので・・・どうせやるなら、“ホメ殺し”してやってください・・・。

プロフィール

「5年乗ったスピトリRSから乗り換えた。旅先でどうしてもダートを見ると心がときめくからだ。林道レベルならモタードはオフも走れる。問題はタイヤだが、純正のスーパーコルサSPはナラシ終了時に坊主になってるはず。次はスコーピオントレイルあたりにしたい。だが情報が大陸に漏れるのは必至。」
何シテル?   09/19 00:51
平成30年2月現在、 【四輪】 家車…モデル末期、叩き売りのアウディA4 AllroadQuattro。 使用用途は主に近所のスーパーへの買出し、...
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