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2017年07月30日 イイね!

【ひでよしより】おじちゃんとおばちゃんへ

【ひでよしより】おじちゃんとおばちゃんへひでよしは、いるよ。
私たちの心のなかに、お庭に、お勝手口の簀の子のうえに。

ちょこん、とお座りして、眩しそうに目をしばたかせて。
そして、ちょびっと照れたように小首をかしげて。

可愛い可愛いひでよし。




ひでよしはいつか生まれ変わって、私たちのところへ、きっと帰ってきますよ。





【ひでよしからの手紙】

 おじちゃんとおばちゃんへ

 昨日からたくさん、ありがとう。

 短い間だったけど、ぼくは、おじちゃんとおばちゃんのお家にお世話になって、本当に良かったです。
 おいしいごはんを沢山いただいて、優しく頭をナデナデしていただいて、そのうえ『ひでよし』なんて、素敵なお名前をつけていただいて。

 おじちゃんとおばちゃんに出会うまで、ぼくは、人間は怖いばかりで、ぼくたちをいじめる、悪い生き物だと思っていました。

 でも、おじちゃんとおばちゃんに優しくしてもらって、ぼくは、少しだけ人間が好きになりました。

 ぼくはノラのくせに、けんかが苦手で、ごはんをめぐって争いごとをするのが大の苦手。
 ぼくは、あったかい陽だまりで、そよかぜに吹かれてお昼寝するのが大好き。

 ぼくは、強い子にはなれなかったから、長生きはできなかったけど、その分、おじちゃんとおばちゃんから、たくさんたくさん、幸せをいただきました。

 ぼくたちノラは、ひとりで生きて、ひとりで死んでいくのが普通です。
 ぼくのおとうさんもおかあさんもそうだったし、じいちゃんやばあちゃんも、そのまたじいちゃんやばあちゃんも、みんなひとりで生きて、ひとりで死んでいったそうです。

 でも、ぼくが死んでいくとき、おじちゃんとおばちゃんは、ゆっくり眠ろうとするぼくに向かって、たくさんたくさん、もう終わりのないくらい涙を流して、ずっとぼくのことをなでていてくれました。
 ぼくはそれがとてもうれしくて、なんだかこころがとってもくすぐったかったです。

 他のイエネコさんたちが旅立つときも、こんなふうにしてもらったんだろうなあ、と思うと、なんだか誰かにじまんしてみたくなりました。

 ぼくはこれから、お空に向けて旅に出ます。
 雲のお舟に乗って、ふうわり、ふうわりと、神様のところへまいります。

 そして、神様のところへたどり着いたら、神様に、こうお願いするつもりです。
 もしもぼくがいつの日か、生まれ変わることがとできるなら、今度生まれてくるときは、大好きなおじちゃんとおばちゃんの子供になりたいです。

 ぼくは、その日がくるのが、ぼくのお願いを神様がかなえてくれる日が、今からとても楽しみです。

 おじちゃん、おばちゃん、
 ぼくの大好きな、おじちゃん、おばちゃん。
 ぼくのお願いがかなう、その日まで。
 その日まで、お元気で。

 おじちゃん、おばちゃん。
 そろそろ、まいります。

 あったかくしてくれて、本当にありがとう。
 おじちゃんとおばちゃんと過ごした、この春と夏のこと、あたたかいぬくもりの時間のこと、ぼくは忘れません。

 さようなら

ひでよし
Posted at 2017/07/30 01:18:31 | コメント(1) | トラックバック(0) | ともだち | 暮らし/家族
2017年07月29日 イイね!

【ごめんね、ひでよし】前のエントリに寄せて~懺悔のモノローグ~

【ごめんね、ひでよし】前のエントリに寄せて~懺悔のモノローグ~ ちょっと事態が変わったので、綴っておく。









 実は前のエントリ『日本を取り戻すために~前編・恨(ハン)のこころ~』の話は、本エントリのテーマに絡んでいて、後編で結実させるためのまでのネタなのだ。

 勿論、『ひでよし』が来なくなったのは本当のこと。
 勿論、ご近所さんの駐車場で彼が、まったりしてるのを目にしてたのも本当。

 でも―
 確かに、『ひでよし』と私の関係が変わったのは、第三者目線で見たら、つまり表層的な現象として見たらホントのことなんだけど…私の心情変化は、ブログとは真逆。

 実は私、週のはじめ―『ひでよし』が来なくなった日から、もう毎日、気が気ではなかった。

 明けても『ひでよし』、暮れても『ひでよし』。

帰宅するや否や嫁に向けて話す言葉は、「(今日は)ひでよし、来た?」
 『ひでよし』が我が家に訪れた折必ず使っていた〝別荘〟―主なき犬小屋。今は亡き柴犬の、終の棲家―を覗き込んでは、がらんとしたその中に、溜息を洩らす。
 この一週間の私は、あまりに情緒不安定― 〝恨(ハン)〟どころではない。

 「ひでよし、ひでよし・・・」途方に暮れているばかり。
 食事は喉を通らず、仕事にも支障が出る有様。
 今日も日暮れギリギリに帰宅、スーツの上だけ脱ぎ捨てると、スラックスに革靴のまま、エサを片手に『ひでよし』を探しに行こうとした。
  
 さすがに見かねた嫁、「そんなに気になるなら、ウチに連れて来なさい」

 で、午後10時前・・・往来ひとつ無い住宅地の路地、見当のつく場所に向け、私は喜び勇んで出向いた。

 やっとウチの子にできる…!
家の中に入れて、一緒に暮らせる!!

一人娘のぬこ(♀18歳)とは、仲良くできるだろうか?
  寝床は当分の間、玄関の土間かな?
 家出したりしないかな?

  交錯する思いと足取りが、見事に一致する。
  街灯が明滅するたび、自分の影が、アスファルトで揺れる。
  住宅街の庭木が黒く、影絵のよう。

喜びと不安が、交互に訪れる。
 早足、立ち止まり、また早足。

  家並みの隙間、表通りを走る車のヘッドライトが、まるでストロボライトのよう。

  この先、その角―そこを曲がれば―居た!!

 思ったとおり、いつものご近所の、いつもの駐車場。
  湿った夏の夜風吹くコンクリ敷きのうえ、目を細めてまどろむ、『ひでよし』。

  「ひでよし…ひでよし!」
声をかけてみる。
   
  反応なし―また無視された。

  毎度のことと、今度は手にしたポリ袋から、彼お気に入りのドライフードを取り出し、鼻先に与えてみる。

反応なし―ピクリともしない。

  ・・・おかしい。

  「ひでよし!!!!」

大声で名を呼ぶ。

  ・・・薄目ひとつ開けない。

  ―気がついたら、私は彼を抱き上げ、我が家に向けて駆け出していた。

  抱えあげたその軽さに驚いた。
  来訪のあった毎日、日々柔らかさを増していったあの茶虎の毛並みの感覚が、まったく伝わってこない。 
   私の腕のなか、ぐったりと折れる四肢。
   かさついた手触り、開かぬ瞼。

   この数日間、ロクに飲まず食わずでいたのは明白。
   このままでは・・・このままでは! 

 「ひでよし」が死んでしまう…!!!!!!!!


  ―深夜にも拘らず、事前に嫁から連絡を受けていた医師は、診察台に灯火をつけて、私たちを待っていてくれた。

  郊外の動物病院。  
    
  レントゲンの画像を示し、「ひでよし」の症状が説明される。

  極度の脱水症状。
  胸部に大量の水、ないし膿が溜まっている。
  荒い呼吸、箱座りさえできぬほどの、衰弱。
  
  血液採取。
  強心剤投薬の後、麻酔。
  今夜一晩、マスクを通しての酸素吸入。

明日(といっても既に今日だが)他の医師が揃い次第、胸部にカテーテル投入を行い、肺に溜まったものを排出させる。
  同時に採取した血液を機器にかけ、猫エイズその他感染症の検査。

  その前に―正直、明日を迎えられるか?

  空気が、重い。
  力が抜ける。
  独りではないことだけが、救いだった。

  家に帰る。
  長い夜。
  眠れない。

  今頃「ひでよし」は、マスクをつけ、バルーンに囲まれた酸素室で、ひとりぼっち。

  どれほど怖かろう。
  どれほど心細かろう。

私は自己満足のために、人間の思いあがりと共に、明日をも知れぬ…けれども野良として逞しく生きてきた生命を、今わの際に、どん底に追い込んでいるのではないか?
  どうせ長くはない生命なら、せめて野良のまま自由に、心の赴くまま、穏やかな終焉を与えてあげれば良かったのではないか?

ひでよし。

  ごめんね。
  あと3日、早くオマエを連れて来ていたら、こんな思いはさせなかったのに。
  ごめんね。
  気がついてあげられなくて。

  ごめんね。ごめんね。ごめんね…!!!!!

  「不思議だね。」
  べそをかきながら、嫁が言う。
  「実はね、あなたが書いた『ひでよしがこない』っていうタイトルのメール…同じ中身のやつが何度も、何度も、私のところに来ていたの。正直、気味が悪かったわ…あなた、おかしくなっちゃったのではないかって。でも・・・」

  「でも?」
  抑揚無く、唇が動く。

  「あの沢山のメール、もしかして、『ひでよし』からのSOSだったのかな?新しいメッセージがあった訳じゃないのに、何度も来てたんだよね…不思議。」 

  途端、視界が歪んだ。

  ひでよし・・・ひでよし!!!

おまえ、苦しかったのか!?
  苦しくて、辛くて、寂しくて…それで言霊になって、私たちに伝えてきてたのか…
  ありったけの思いを!!!!!!!!

  泣いた。
二人で、泣いた。

  ごめんね、ひでよし。

  ―現在、午前2時50分。
  キーを打つ私の傍ら、ぬこ(18歳♀)が丸くなってスヤスヤ眠っている。
  だが、私は…眠れない、眠れるわけがない。

  溢れる思いをいなす術すら知らず、私はいま、このエントリを綴っている。

  ごめんね、ひでよし。
Posted at 2017/07/29 03:22:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | ともだち | 日記

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何シテル?   09/19 00:51
平成30年2月現在、 【四輪】 家車…モデル末期、叩き売りのアウディA4 AllroadQuattro。 使用用途は主に近所のスーパーへの買出し、...
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