さて、8月7日から8日にかけて、南信州は御嶽山の麓、『
日本一美しい村』開田高原へ行ってまいりました。私はオートバイ(KTM990SuperMotoR)で、相方は某氏の助言を受け、当初予定の飯田線をとりやめて中央線で参りました。
(こっからは私のお話)
前日までの激務からやっと開放され、朝9時に自宅出発、名古屋インターへ。
久しぶりのロング単独行、気持ちも昂ぶります、が・・・
のっけから暑い!っていうか・・・
“あ、熱ちィ~!!!”
ヂリヂリ(←こう書いたほうがわかりやすい)と針で刺されるような
陽射し、焼けて陽炎の立つ路面の
照り返し、木陰なし、ドライヤーみたいな
熱風、999ccV型2気筒という
火鉢を股の間に抱え込む、という拷問。
おまけにメッシュ素材とはいえ厚手の長袖ジャケット、皮のグローブ、フルサイズのヘルメットを被り、皮のパンツ、そしてレーシングブーツ・・・身体保護前に、
脱水症状で熱射病になるぞ・・・。
先だってのエキシージのエアコンが効かない、なんて、可愛い問題であることに気がついた。
ほんの数年前まで繰り返してたとはいえ、よくもこんなバカなこと毎年やってたもんだ。
トドメに、中央道、土岐より15キロの渋滞・・・
そんなにオレに死んで欲しいか!?
とにもかくにも、涼しい、と感じられるまで、ひたすら北を目指します。
高速降りて、走り慣れた国道19号線。
それにしても、大型車ちっとも少なくない。お盆前の最後の輸送かな?登り道が多いから、どんどん失速していきます。頼むから道開けてくれ~!!・・・と言う立場じゃないですね・・・こっちは遊び、あちらはお仕事ですからねぇ。
地元の軽トラも同様、爺ちゃん婆ちゃんがゆっくり走ってても、ナンバー見ると腹立てるわけにもいかないな。むしろ申し訳ない気持ちが・・・。ごめんね、こっちが邪魔だよね。私も自宅が観光地近く、休日の外来者の傍若無人ぶりには辟易してますので・・・心中、お察ししますです。
いっぽうで、他県ナンバーのマナー、ちょっと悪すぎじゃない!?真っ直ぐ走るかと思えば、ちょっと街中に出るとあっちフラフラこっちフラフラ。大きい車でそれやられると、前見えないんだよ!狭いところでも有名観光地ならところかまわず路上駐車するし・・・。
そ・れ・か・ら!片側一車線の道で、さっきから後ろで煽ってるミニバン!加速したくてもこの道は白バイルートで有名なんだよ!お前単車が普通に走ってたら自分がちぎられるの、わかってんの!?
さらに、さらに辛いことに・・・途中、道の駅 大桑にトイレ休憩に立ち寄ったのですが・・・駐車場で発見。
パ・ン・ク!
リヤタイヤに思いっきり釘がめり込んでます。最近は釘なんてあんまり見ないのに・・・さすが樹の国“木曽”。木造建築多いから、道に釘が落ちてても仕方ないよね。
仕方なし、その場で車体から修理キットを取り出して、修理。
プライヤーで突き出た釘の頭を引っ張り出し、穴をドライバーでこじ開けます。
途端にエアがドンドン抜けてく・・・でも、この風が顔に当たって、それなりに涼しい・・・
゚・*:.。..。.:*・゜ヽ( ´∀`)人(´∀` )ノ・゜゚・*:.。..。.:*
ひとときの清涼感。ちいさなしあわせ。
ゴムのり付けの補修材をねじ込んで、近場のスタンドで給油とエア補充。トイレのシャボネットをかけてもエア抜け無し。再び出発!
さて、腹立つことはあるものの、大岩転がる木曽川の流れを左に見て、南木曾、三留野、須原と、江戸時代の中仙道と併走しつつ、私、北上を続けます。
木曾街道11宿、
須原の集落には私が好きな家並みが続きます。
特に観光地化されていないところがいい。ゆったりのんびり、国道をそれて走ります。低い軒先、格子窓、卯建(うだつ)の残る民家。真っ青な夏空の下、これらが里山を背後に谷沿いに連なる
佇まいと言ったら・・・!
集落の所々には湧き水を受け止める水舟があり、ここで単車を止め、ヘルメットを脱ぎます。とたんに降り注ぐ蝉時雨。とどまることなく流れ落ちる湧き水を頭からかぶります。
おーっ!冷てーっ!!
後頭部から背中までびっちゃびちゃ!
気ン持ちいいー!! ヾ(*´∀`*)ノ
やっぱ、来て良かったわ~!
愛知県は三河平野が故郷の私ですが、本当ならこんなところが故郷だったらなあ。この水舟でスイカなんか冷やして、土間の残る古民家に爺ちゃんと婆ちゃんがいて、縁側でこのスイカにかぶりつく、なんてやってみたいよね!
ところで、うだつって、木造家屋が軒を連ねていた古来の町屋では、防火壁の役割をしてたんですよね。皆さん、“うだつが上がらない”の語源、
ご存じですか?
さて、小休憩をしてたら、お腹がすいてきました。
上松なる標高500mクラスの街まで来ると、さすがに少し涼しい。
ここで普通なら、木曽谷随一の名所である“寝覚の床”に立ち寄るところですが、ひとり旅のバイク乗りは、こういうことはやらないんだな。
そこからほど近いお蕎麦屋さん『
越前屋』で、とろろそばをいただきます。ここは創業以来260年の老舗、有名どころだから、選択がちょっとミーハーかな?
でも、このお店、広い土間のなかにテーブルが並べてあって、涼しいんですよ!クーラーなんかなくても、木曽川から上がってきた風が窓辺から入って、ほんわか気持ちいいです。昔の建築って、すごいなあ。電気仕掛けにしなくても、こんなに涼しいんですから・・・越前屋、おぬしも悪よのぉ~!
自動車にたとえたら、エリーゼみたいですね。
とろろそばをつるつるっと流し込み、熱気の籠もった身体を内側から冷やします。
本当に身体が湯たんぽ状態になってたみたいで、冷たいお蕎麦が胸元を過ぎ、胃袋に届くのが実感できるほど。
それにしても有名どころ、次から次へとお客さんが入ってきて、テーブル空きの順番待ちが長くなってきました。少しゆっくりしたかったのですが、仕方ない。再び、“炎天の道”へ。
まだまだ旅は前半戦、道のりと楽しみは続きます。
Posted at 2010/08/11 01:33:25 | |
トラックバック(0) |
旅 | 旅行/地域