
ネタがネタだから、大変僭越に聞こえるかもしれないが、まあ聞いちくり。
以前のブログにも書いたが、私は長野県から新潟上越エリアに狂ったように出没している。
なぜそんなにその辺りを訪れるかというと、昔から兎に角、雪嶺を望む山里の風景が大好きで、それを味わうにはこのエリアを“単車”で訪れるのが最適に思われるからだ。
なかでも、木曽開田エリア、飯田上村からしらびそ高原を経て大鹿に至るエリア、乗鞍から野麦峠のエリア、長野市大岡、小川村、美麻村、中条村、飯綱、鬼無里といった山村集落エリア、新潟県新井、戸狩、妙高や黒姫のエリア・・・。

こういったあたりについては、“日本の原風景”を求め、国道から市道村道、田んぼの中から山の林道獣道まで、かなり、かな~り綿密に走り込んできた。
このような日々を、これからもずっと味わって生きていきたい。
単車でのひとり旅、そりは私の生き甲斐なのれす。
しかし、単車というのは、特にオフロードバイクで獣道なんかを走ると、兎に角疲れる。
疲れ度合いでいうと、例えば、晴天無風気温23℃くらいの条件で、エヴォーラで山岳ロードを1時間くらい流す場合の疲れ度数を〈1エヴォーラ〉とした場合、エキシージで同じ山岳ロードを(休憩取りつつ)1時間真面目に走る→3エヴォーラくらいとなる。
これが更にロードバイクだと6~7エヴォーラくらいであろうか。
極めつけはオフロードバイクで、これで獣道アタックや藪コギを30分もすると、私のエヴォーラ値は一気に50、いや80位に跳ね上がる。

この時点では、私の心臓はバクバク状態、吐く息はゼハゼハでゲロの一歩手前…いや、2回くらいは吐いたこともある。汗は滝のごとく滴り落ち、血行がよくなって指先がジンジンとなり、グローブの中で指はふやけ、真冬でもポカリ1.5リットルは確実に飲み干す。
・・・何が言いたいのかというと、つまり、バイクの本気走りは疲れるのだ。
で、走り終えた後、つまりごはんと就寝についてであるが、若いときは自炊の後テントで野宿も良かった。
が、単車で無茶をすると2日後位に全身がボロボロになるようになり、ロードバイクに乗ると革ジャンに重さを感じるようになった昨今、遠出をしたらやはり温泉に浸かって温かいごはんをいただき、ふわふわのお布団に潜り込みたい、という欲望が頭をもたげてくることは、きっと誰にも否定はできない筈だ。
そうなると、常宿が欲しくなる。
思い立ったら気軽に出かけることができ、泊まるにもハズシがなく、しかも安く、トイレも野◯ンせずに済み、夜分徘徊する野獣の足音にも怯えずに済み、晴天の夜の底冷えで鼻水を垂らすこともなく、突然の雨で寝床ごと浸水する・・・などという凶事など、何ひとつ心配しなくて良い、自分だけの世界。
ごはんも“食パンにインスタントカレーをぶちまける”、などという野蛮なものではなく、ほこほこの白いやつにお魚やお肉がついたりして・・・或いは、せっかく作ったキノコ鍋のなかに、ランタンの灯りに吸い寄せられた巨大な蛾が墜落してきたにも関わらず、空腹のあまりそれさえも食糧にみえてがっつき、噛み切った瞬間に、むせかえるような苦みに苦痛さえ感じることも無く・・・。
極めつけは、チェックイン時には若くて綺麗なねーちゃんが、“◯◯様、お待ちしておりました(はぁと)”なんて笑顔で出迎えてくれたら・・・私はもう、年甲斐もなく胸をときめかせてしまいそうである。
(『あぶない刑事』の館ひろし ばりに・・・)
“今夜、どう?”
・・・なんて。
もとい、いつでも出かけられて、屋根があって、暖かい部屋があり、ふわふわのお布団、そして美味しいごはんが出てきて・・・。
そんな、私だけの宿が欲しい。
この悩み、贅沢・・・だろう。私もそう思う。
でも、社会人になってからコツコツ貯めてきた、定期預金がもうすぐ満期になる。
勿論、嫁には内緒だ。もしも嫁にバレたら、今度こそ自宅の耐震補強やら外壁塗り替えやら、老後対策貯蓄やら、新しいPCやソファーへセットやダイニングキッチンの原資に使われてしまう。
折角会社の財形制度を利用して、給与から天引きされる形でブラックボックス化させてきたこの貯金は、私の虎の子なのだ。
このお金は、私のためにだけ存在するのだ。
もしもこの貯金がバレたら、長年かかって行ってきた裏工作も、すべて水泡と化してしまう。
ならば
遣われる前に遣う。
これしかない。
皆さんにもご記憶があるだろう。
数人で鍋を囲むとき、鍋の蓋が取り払われたと同時に、素早く肉ばかりをまとめて胃袋に流し込むヤツ。
合コンで、一番可愛い子の前の席に、ちゃっかり座ってしまうヤツ。
カラオケで、皆が上司に気遣ってなかなか歌おうとしないなか、真っ先に自分の持ち歌を披露して得意になるヤツ。
接待の席で、入り口から一番遠くに座り、一番上司から離れた席を分捕るヤツ。
タバコが吸える会議なのに、皆が遠慮して吸わないなか、一目散に灰皿を自分の前に持ってきて、美味そうに煙をくゆらせるヤツ。
打ち合わせに遅れても、見積書だけは自分で抱え込んで、駆け引きの主導権を手にしてしまうヤツ。
露天温泉で皆が湯船の周囲に浸かるなか、悠然と湯田し口の前に居座り続け、気持ちよさそうにうたた寝を始めるヤツ。
人の領土を平然と実効支配し、どんなに間違いを指摘されても、“ココはウリの土地ニダ!”といって居座り、いつの間にか自分のものにしてしまうヤツ。
世界3大宗教の発祥が、たとえ自分たちには全く歴史的因果がないとしても、有名な大学教授が“キリストはウリナラ出身ニダ”と言えば、歴史的な既成事実として万国に発信してしまうヤツ。
結局こういったヤツらが、勝者であるということを。
撃たれる前に撃て、と昔見た何かのアニメでも言っていたではないか?
遠慮は美徳ではない。
遠慮するヤツは、敗者だ。
私は、そう思った。
“世の中、やった者勝ち”だ。
要は、カネを換金不能のモノにしてしまえば、そこに奪われる脅威はなくなる。
何より、私には欲しいものがある。
“21世紀は心の時代”・・・名だたるエコノミストも、リーマン前はそう言っていたではないか!
ならば、私だって、心を豊かにできる買い物をしたって良いじゃないか!?
エヴォーラ?何すか?それ。
で、だ。
本当に良いものなら会員権、買ってもいいかなあ、と思って、この数ヶ月、私は狂ったようにリゾート会員権の研究をしている。
パンフも取り寄せた。
仕事をさぼって、顧客訪問の名目で、リゾー◯トラストや東◯リゾートの営業マンとも、いっぱい面談した。
リゾート経験豊かな、会社出入りの損保会社役員にもいろいろ教えてもらった。
みんカラのブログでも“教えてクン”と化して皆さんにリゾートの意見を伺った。
シンクタンクの担当者にクーポン券をせがみ(30枚くらいくれた)続けた。
単車に乗るのを我慢して、一生懸命嫁にプレゼントを買うお金を捻出した。
黙って犬猫のごはんのグレードも下げた。
賞与の現金支給も経理にお願いした・・・。
そのうち体験宿泊価格がユースホステル並のものについては、いくつかを試してみた。
もちろん、嫁には、出張と言っている。
だから、いつもひとりで行く。
で、今回、最後の体験宿泊を終えた。
長かった。本当に長かった。
葛藤した。私ごとき身の上の者が、こんな贅沢をしていいのか?と。
しかし、私はくじけなかった。
で、決めた。
リゾート会員権、買うじょ!
あとは、(会員権を買うには)
まだお金が(全然)足りない、
という問題をどうするか、だ。
・・・まいったな、フッ。