
新大久保のデモ…(いつの間にかレイシスト扱いされている)正論派と、史実の検証もせずに権利権利と主張する感情論派の衝突で、双方8人の逮捕者が出た。
これについては、私は寧ろ肯定的である。
それがたとえ少数であっても、暴力による主義主張は、議会制民主主義を否定する行為そのものだからだ。
血を流すことに背を向け、平和裏に意思決定行うシステムを尊重するが故に我々は、たとえその主張が如何に整合性に満ちた、国益に沿ったものであろうと、物理的暴力による解決は望むべきではない。
今回の正論派のデモは、“平和裏かつ安全に”、“大衆に向けての意思表示”を行うため、事前申告の原則に則り、デモの名称から目的、責任者や現場担当者、コースから目的に至るまで、所謂5W1Hに基づいて行い、これらを文書にて所轄の新宿警察署に提出していたという。
しかるに、感情派の一部即ち“しばき隊”などは、これらの原則を全く守っておらず、徒党を組み、拡声器を持ち出して、(今回事前申請していれば絶対にかち合わない)ルートで正論派に対峙したという。
『新大久保デモ対立激化、8名の逮捕者が出る事態に「政治家は建前を言う前にもっと現実を見てほしい」』(6月17日付 やまと新聞より抜粋)
『新大久保において排外デモと抵抗勢力の争いが激化し、8名の逮捕者が出る事態に発展した。16日、新大久保において、「新大久保桜田祭!」が開催された。
(中略)
デモ行進が始まっても、レイシストをしばき隊による妨害行動は執拗に続き、車道側のデモ隊と歩道側の対抗勢力を分断するはずの機動隊の間隙を縫って衝突が繰り返し起こり結果的に排外デモ側4名、対抗勢力側4名、計8名の逮捕者が出た。排外デモ側は、在日特権を許さない市民の会桜井誠会長氏、対抗勢力側はレイシストをしばき隊久保憲司氏が逮捕されている。
排外デモ側に参加したある男性は「こちらは正規のデモ申請を行なって行動している。しかし相手は無許可で抗議行動を行って来る上暴力も振るってくる。デモは憲法で認められた権利であり、それを妨害するものに対し警察は断固たる処置をとるべきなのに、抜本的対策をとらないから双方に多くの逮捕者が出た。次のデモは更に深刻な結果を招くことになるだろう。』
私はここで、正論派を擁護するつもりはない。
双方から逮捕者が出たとしても、警察が基本的には“暴力装置”であり、秩序維持の名の下に大衆をアノミー化させ続けるため、“喧嘩両成敗”を行使したことも、彼等の本能から考えても(決して許せはしないが)納得できないことはない。
しかし、今回の件は明らかに(個々に無秩序な行為を繰り返した)感情論派だけでなく、警察の側にも不備がある。
何故なら、冒頭にも記したが、正論派は所与の手続を全うし、しかも警察からの“要請”に基づいたルートにおいて、警察からの“指示に従って”行動したことが明らかにされたうえで“暴力行為”を被ったからだ。
彼等の“安全”を警察が保障しない以上、彼等自身が反撃という暴力行為に訴えなければ、そもそも彼等自身の言論の自由をだれが保障するというのか?
『新大久保デモでの大量逮捕者発生について、新宿警察署幹部インタビュー』
(6月18日付 やまと新聞より抜粋)
『16日に東京・新大久保周辺で行われた排外デモは、デモ側、対抗勢力側あわせて8名の逮捕者を出すことになった。この件について新宿警察署幹部にインタビューを行った。
やまと新聞「新大久保、新宿周辺で継続してデモを取材しているが、不思議に思ったのは、昨日のデモ関係者は、対抗する勢力に対してカウンターをする際も、警察の指定した場所をきっちり守って、警察の指示した場所だと思うが、カラーコーンの囲いの中に収まって行動している」
警察「そのとおりだ」
やまと新聞「整然とは言わないがある程度秩序を守って抗議行動を行なっているという印象を私は持っている。しかし対抗勢力側は、見ていると自由にやっていて挑発を繰り返している。そのへんのバランスはどうなのか。それは許されるのか」
警察「いいのかといえば、対抗勢力側は勝手に集まってきていて、デモ側はきっちりデモ申請を出してデモをやっている。いいとも悪いともいえない」
(中略)
警察「デモ側はデモだ。対抗勢力側は、彼らに言わせると、特に組織体があってやっているわけではなくて、呼びかけに応じて個々が集まってきて、ああいうデモに対する抗議をしているので、デモではない。申請ということはない」
やまと新聞「うちが取材していると、対抗勢力側を主導しているメンバーは、レイシストをしばき隊というホームページを作ったりしていて、そのへんの主要メンバーが連携し先導しているのだが、それでも個々の話ということか」
警察「一応そうだ。集まっている人間に聞くと、勝手に集まってきてやっているということだ。特に何かを訴えるデモとはちょっと違う。対抗勢力側は隊列を組んでいるわけではない。デモ側は、4列縦隊で隊列を組んで行進しなさいということをやってもらっている」
やまと新聞「そうすると、例えば排外デモ側も呼びかけで個々に集まってやるのだったら歩道で拡声器を使っても良いということか」
警察「いいというか・・・・・」
やまと新聞「でも実際対抗勢力側はそれが通っているではないか。そうなると排外デモ側もそうしろということか」
警察「いや、デモ側はきちんと許可をとらないと出来ない」』
…ハア!?である。
いかなる政治形態を謳うにしても、おおよそ民主主義国民国家を名のるのであれば、“国民の生命と財産を守る”のが、警察の義務であろう。
平たく言えば、“暴力事件に発展しない”ための暴力装置、それが警察である。
これを捨てた段階で、彼等には公僕たる資格なし。
職業警察官諸氏には、あの震災のあと見せてくれた“純粋たる意思”を思い出して欲しいものだ。
Posted at 2013/06/20 11:28:04 | |
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