【ボスポラス海峡封鎖】
前エントリで述べたように、もしトルコのクーデーター派が〝ロシアの後押しを受けていない〟とした場合―
ボスポラス海峡をクーデター派が押さえると、ロシアの輸出に大きな影響が出る、と私は考えた。
しかしそれはロシアだけの問題ではない。
それは同時に、黒海と大西洋やアフリカを結ぶ交易ルートの拠点である、ウクライナの経済に影響が出ることを意味する。
ロシアが輸出ルートを失うと、困る。
ウクライナが貧乏になると、困る。
それは皆も同じだ。
以下、その理由を書こう。
【ロシアの問題】
前エントリーで私は、
『ロシアは世界最大の天然ガス輸出国であり、小麦の輸出は世界第四位。そのなかでも当海峡は最も重要な輸出路である』
と書いた。
小麦、である。
ただでさえ円安政策(というか、円高じゃない政策)を採用してる日本。
そこへ小麦の世界的供給不足が起きたら、コストプッシュで値上がり必至。
以下、2016年2月13日付ロシア誌スプートニク
『ロシアは2016年世界最大の穀物輸出国になるかもしれない』より
曰く『今年、世界の農産物市場は著しい変貌を遂げる。世界の大多数の通貨の対ドルレートが下がったために、米国産の小麦は輸入国にとってはあまりに高値となる一方で、逆にロシアの農産者はルーブル安のおかげで世界市場で新たなポジションを獲得するチャンスを得る。』
曰く『「今日、我々が穀物を輸出する先は100カ国。(中略) 例えばナイジェリア。(中略) そのナイジェリアからロシアの穀物生産者が締め出したのは圧倒的シェアを誇っていた米国産穀物だった。このほか南アにも穀物供給が行なわれている、ロシア産穀物はラテンアメリカでも知名度が高く、メキシコでもそうだが、これは文字通り米国の鼻先に位置する国だ。」』
―引用終わり
そう、ロシアは世界4位の小麦輸出国。
今回、その輸出ルート(海路)が、トルコ軍クーデター派に占拠された。
そして現在、世界中には、各国金融緩和でカネが余りまくっている。
ファンドは、マネーゲームは、間違いなく〝買い〟に入る。
この拡大版↓が、週明けに市場を席巻するだろう。
以下、2014年12月19日付日経
『小麦7カ月ぶり高値 国際価格、ロシアに輸出規制観測』より
曰く『小麦の国際価格が上昇した。主要生産国のロシアでルーブル安を背景にした小麦流出への規制策を政府が打ち出すとの見方から、ファンドが買い圧力を強めた。』
―引用終わり
大変なことだ。
【拙宅とロシア】
小麦が値上がりする。
たいへんなことだ。
小麦を使ったごはんが、食べられなくなるのではないか!?
からあげも、
パン粉を使うから、とんかつも食べられなくなる。
絶望的な気分に陥った私は、仕事に出た嫁にメールを送った。
以上、原文まま。
私 『ロシア、どうするんだろ?
小麦がなくなると、ごはんがこまる(※1)。
唐揚げがつくれなくなる。
昨日の唐揚げが、私にとって最後の唐揚げなのかもしれない(※2)。
小麦のない唐揚げ、つくれる?』
嫁 『なんのことかわかりません』
・・・非常に冷たい返事だった。
※1 ボスポラスを通って地中海に出る交易ルートは、主に欧州とアフリカがメインである。別に日本の食卓から小麦食材がなくなるわけではない
※2 昨夜の拙宅夕食は〝とりのからあげ〟だった
【私とウクライナ】
私と、というより、正しく言うと〝ウホッ!(※3) を除く世界中の全男性とウクライナ〟である。
ウクライナが貧乏になると、未だくすぶるクリミアはじめ、国内のロシア帰属派とムスリム、或いは西欧帰属派の対立に火がつきやすくなる。
想像して欲しい。
この国で、オデッサ辺りの港町で戦争があったら、どうなるか?
ロシア系の民族主義者やムスリムが食うに困り、暴力を振るうのは、怖い。
ムスリムなんかがISとつながったら、ヤバい。
暴力を振るわれて泣きを見るのは、いつも女子供だ。
ISなんかに同化政策とられたら、全世界の男性にとって、その損失ははかりしれない。
諸氏は覚えているだろうか?
ティモシェンコたんを―
ナタリアたんを―
彼女たちだけではない。
ウクライナは、世界最強の〝純粋種美人国〟なのだ。
どっかの切削生産人造化物国(※4)とは、ワケが違う。
彼女たちがISの餌食になるなど、私は勿論、諸氏には耐えられないことだろう。
※3 ウホッ!→この↓画像を見て、心中になにか熱いモノを感じてしまう人たちのこと
※4 切削生産人造化物↓
【所感】~カミーユ・ビタンの台詞を用いて~
「ボスポラス海峡は、ボスポラス海峡はごはんなんだ!ごはんは、この宇宙を支えているものなんだ!それを、それを…!こうも簡単に失っていくのは、それは、それは、非道いことなんだよー!」
「ウクライナは、ウクライナは美人なんだ!美人は、人生の活力なんだ!それを、それを…!こうも簡単に失っていくのは、それは、それは、非道いことなんだよー!」
・・・諸氏も、私と共に祈ってくれ。
いつまでも、からあげを食べられるように。
いつまでも、美人の国が栄え続けるように。
【追伸】
12:01付 産経より
『エルドアン氏はその後、テレビ局へのビデオ通話で、国民に「街頭へ出てクーデターに反対の意志を示せ」と呼び掛け、対決姿勢をみせた。』
―オイ!国民を盾にするな!!!!!!!!
それでも―
美人は何をしても許される。
【0716 17:09 追伸】
ほぼ終わりましたな。
Posted at 2016/07/16 14:00:04 | |
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