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2017年11月16日 イイね!

カタルーニャのこと

カタルーニャのこと













ちょっと興味深い潮流がある。
EUもとい、ドイツ第4帝国およびその衛星国家群でのお話。
今回注目しているのは、スペインのカタルーニャ独立問題。
ここに新たな分裂のトレンドが見えてきた。

現在広く認識されているEU分裂問題は、“国ぐるみのEUからの独立”である。
それは低賃金労働者と(世間でいうところの)極右が連携して、国ごとEUから出ていこうとするムーブメント。

曰く「移民のせいで失業した」
曰く「移民のせいで社会不安」

前者については、案外当たってはいない。
そもそも移民がやってる仕事は、当該先進国ではほとんど誰もやりたがらない生産性の低い仕事であり、例えばイギリスでは、移民がやってる仕事への当のイギリス人就業率は3割にも満たず、凡そ高いものではなかった。

真に問題となっているのは、後者だ。
後者は成長とのトレード・オフのようなものだから、成長の恩恵に恵まれない人たちにはデメリットしかない。従って無制限の移民政策に対して大幅な規制をかけようとするのも正論である。
国民国家の最大の責務は、国民の生命と財産の保全であるからして、危険な移民流入へのフィルタリングはなくてはならない機能だろう。

移民による社会不安はいわば、成長のための副作用でもある。
以前綴ったが、この副作用を嫌ってBrexitしたイギリスは、今や日常生活では物価上昇にのたうち、ポンド安で国民資産は爆縮状態、めでたくシナに買い占められてる。先ごろは実体経済良くないところへ、イングランド銀行が利上げという毒薬まで呷る始末だ。
そして現在は、生活苦に耐えかねた国民が離脱について国民投票やり直しを叫び、メイ首相の弾劾運動にまで発展している。

しかしイギリスはまだいい。Brexitしても、EUへの補償金を払える体力があるのだから。

問題は、財政難でEUなしには生きられない自国を見限り、
「一人で生きていく!」と突っ張る中二病の連中だ。

それが今回の、カタルーニャ自治州独立派の連中。

曰く「俺ら金持ちだから、EUにいなくても食っていけるし!」
曰く「俺ら金持ちから税金ばかり分捕るなら、もうこの国から出ていくわ!」

こいつ等、いくら国が貧乏でも、その国を見捨てたらどうやってもこうやっても生きていけないことくらいわかんないのかね?

コイツ等の豊かさは、EUという巨大市場の恩恵があるからこその豊かさ。
コイツ等の豊かさは、EUが認めるところの、スペインという国家があればこその話。
カタルーニャがスペインを出ていくということは、即ちそれはEUからも出ていく、ということだ。
仮にカタルーニャがスペインから出ていくとしても、彼等はその行為の代償として、とてつもない経済損失を被ることになる筈。

それだけではない。
身を守る力(=国軍)もなく、決済手段たる独自通貨もなく、四方八方関税の壁だらけのなかで、カタルーニャは今まで通り生きていけるわけがない。

一説によれば、カタルーニャが独立したとすれば、スペインのGDPの20%が失われるという。しかしカタルーニャそのものの経済成長率も、独立前に対してマイナス30%にもなるという。

おそらく離脱前までに、富裕層のキャピタル・フライトが始まると思う。
その後、富の去ったスペインでは、リスボン条約でEUの恩恵を受け、同時に政府の加護を受け続けて生きてきた若年層が一番あおりを食い、貧困にあえぐことになる。

まあ、債務超過の欧州危機四天王のひとつの話だが、これは別にスペインに限った話ではない。
イタリア、ポルトガルでも、この新たな流れは出てきている。
イギリスのスコットランドも、北海油田をエサにイギリスから独立、EUに回帰しようとしている。
が、当の権益を武力もなしに、大国イギリスから奪うことは難しいだろう。

美人局というのは、十分な色気と強いパトロンがいなければ成り立たない。
今回のようなムーブメントで成功することは難しい。

しかし、このムーブメントは、我々にひとつの教訓を与えている。

それはー
過度の福祉政策は、富める者に過剰な負担を要求する。
それも度が過ぎれば、彼等は後先考えずに国を捨てることもありうる。
-ということだ。

カタルーニャは、不良債権で財政赤字真っ赤っかのスペインの借金肩代わりを、たった一地域で背負わされていたようなものだ。
それが彼等を、後先考えない独立運動に走らせてしまった。

いずれシナ、アメリカあたりもこうなっていくと思う。
そしてそれは、日本も例外ではない。

先進国に特有の、新たな分裂-経済的事由からの、独立運動。
反国家の新しいカタチとして、世界の混乱に拍車をかけかねない話だ。

既に独立は鎮静化されつつあるが、スペインがどうなるか、しばらくは見守るといい。
Posted at 2017/11/17 01:37:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 時事 | 暮らし/家族

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