
さて、前のブログ書いてたら、止まらなくなってきた。いいんだよ、仕事ついでにもなるから。
【当面よかったね】
『イラン原油2割超削減 日本輸入量 邦銀制裁回避へ条件』(2月23日付 日本経済新聞より)
日米両政府は(2月)22日、米イラン制裁法を邦銀に発動しないための条件として、日本がイラン産原油の輸入量を前年比2割ずつ削減する案を軸に最終調整に入った。(中略)同法はイランの原油売却収入を封じるため、イラン中銀と決済関係を持つ大手外銀の米銀への口座開設やドル取引を制限する。
(もし日本がイラン産原油輸入の削減に応じなければ)三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガバンクが実質的に北米金融事業を停止させるを得ないおそれがある。
『イラン制裁、日欧は対象外=原油輸入削減を評価-米』(3月20日付 時事.comより)
クリントン米国務長官は20日、昨年末に成立したイラン制裁法に基づく制裁対象から、日本と欧州連合(EU)諸国の一部の計11カ国を除外すると発表した。核開発を続けるイランへの国際圧力に協力し、同国からの原油輸入を大幅に削減していると判断した。これにより、イラン中央銀行との取引を理由に邦銀が米国での活動を制限される事態は回避された。
「(イラン産原油輸入削減の)日本の考え方を反映した決定」(安住淳財務相)
「この傾向は今後も加速され、相当程度削減されていく」(藤村修官房長官)
まあ、5年前からイラン産、4割も削減してたしね。
民主のお手柄ってわけじゃないんだが・・・さも自分がやったように言ってるね。嫌な奴!
【ここまでのおさらい】
さて、そもそも何でこんな事になったのか。
イスラエルとアメリカ、イランとイスラエルの関係についてまでここではいちいち説明しない。とりあえずここ数年の流れを追ってみると…
イスラエル、イランにムカついてる→イスラエル、強硬措置も辞さず→エネルギー危機の怖れ→アメリカ困る→アメリカ、イランにジャスミン革命起こさせて傘下におさめたい→アメリカ、イランに日干し作戦たてる→イラン原油禁輸措置(制裁法)→民主安住、ガイドナーと約束、イラン産を8%に削減(4割減)する協調禁輸宣言
→(ここからが民主クオリティ)
↓
野田と玄葉、これを否定!!!!!!!!!!!!!
玄葉「現在、日本は原油需要の10%をイランから確保しており、もし日本がイラン産原油の輸入を禁じれば、同国の経済は大きな損失をこうむるだろう」
野田「(今後の)見通しを個人的に話したと思う。これから実務的な議論を踏まえながら対応を詰めたい」www
あはは、これ、あの時とそっくり!安住くん、海江田に続くスケープゴート化決定!
当然・・・
アメリカ激怒!!!!(←そりゃ怒るわな)
野田「しぃましぇん、やっぱり禁輸進めましゅ…」
で、何とかお金の流れは止まらずに済んだのだが…
【時限爆弾】
問題はまだまだ続いてる。
実は上記、
「もし日本がイラン産原油の輸入を禁じれば、同国の経済は大きな損失をこうむるだろう」は遠からず当たってる。
『イラン制裁法適用外、日本政府は歓迎』(3月21日付 読売新聞より)
日本は今後、
サウジアラビアなど他国からの調達を増やすことで、削減するイラン原油分の穴埋めを図る。(中略)原子力発電所の停止で、火力発電に使う燃料需要が増す日本にとって、イランからの原油輸入がすべて止まればエネルギー確保が厳しくなりかねないところだった。
ああ、原油も何とかなるのねそれならいいじゃんって…
んなわけないだろ!
『原油輸出に対する制裁が実施された場合、イランはホルムズ海峡を封鎖し石油輸送を阻止する』(2011年12月27日 イラン ラミヒ副大統領)
さあ大変だ。
↑の読売記事、イラン原油がなくなっても、“他国からの調達増やして穴埋め”って言ってるが、ホントにできるのか?そんなこと。
以下、2月14日付 エコノミストより沢山引用
原油の代替調達には、『日本だと中東からタンカーで約3週間の輸送期間を要する(中略)代替調達先の確保と輸送のために少なくとも3~4ヶ月程度の準備期間を見込んでおく必要があろう』
…イラン、4月頃海峡封鎖って言っとるが…orz
さらに、『サウジアラビアなどが増産態勢をとったとき、市場参加者には「(中略)余剰生産力が減少する恐れがある」』と映る。
となると、原油のスポット買いが起きる。
『原油の代替供給元は確保できても、政情不安などを抱える他の産油国で供給途絶が発生した場合には、もはや対応が困難になるのではないかといった連想が市場で働き、一時的に原油相場に影響』
…これ、今な。ちなみに
日本が調達してる原油の85%は、ホルムズ海峡通ってる。
このホルムズ海峡を通って輸送される原油は平時で一日1600万バレル、サウジのパイプライン輸送力枠は一日300万バレルしかない・・・代替調達、無理だろ・・・。
備蓄…去年の秋で15億バレル、世界中の需要を満たすことができるのは3ヶ月。
こうなると、
海峡封鎖起きたら世界的に石油はメチャクチャ足りなくなる。
このことが今より詳細にテレビなんかで明るみに出たら、ガソリン、もっと高くなります。
というか、
第4次石油危機、くるぞ。
しかも、日本は現在原発停止でもともとエネルギー足りない。
ここへもってきて原油入ってこないと、石油危機どころかエネルギー危機そのものが起きるぞ。
代替エネルギーの天然ガスだって、相場は原油価格に連動する。しかも輸送用の液化設備だって殆どできてない。しかも備蓄もほとんどされてない。
『景気下押しのリスクが急拡大 高騰続く原油相場の行方 』(3月14日付ダイヤモンド オンラインより)
すでに、景気への悪影響は出始めた。(中略)原油価格が10ドル上がるとGDP成長率を0.2~0.3%押し下げるといわれるが、
米国の景気回復が腰折れすれば、世界に波及しかねない。
(中略)
1.5兆円に及ぶ1月の日本の貿易収支赤字も、エネルギー価格高騰による部分が
大きい。原発停止により原油とLNG(液化天然ガス)の輸入量が拡大したところに、価格上昇が追い打ちをかけた。(中略)円安も、この面ではマイナスに働く。「輸出が頭打ちになっている状況下で、
高騰が続けば国内経済の足を引っ張ることになる。特に復興需要が一巡する年後半に影響が露呈する
・・・3月5日、イランでは総選挙が行われた。
結果はハメネイ最高指導者の勝利に終わり、アハマディネジャド大統領は権力を失った。イランという国は基本的に食糧輸入国であり、メシのタネは原油輸出によるドルの獲得である。今回の禁輸は間違いなくイラン経済をボロボロにするだろう。
その際、食うものも食えなくなった民衆の怒りの矛先は、間違いなく政府に向かう。
そう、ジャスミン革命がここでも起きるかもしれない。
ここまで進めば、アメリカの思惑通りということになる。
そうすれば、先述のエネルギー危機も回避できるかもしれない。
しかし、だ。
今回の緊張にはもう一人、主役がいる。
それがイスラエル。
イランの核への怒りと恐怖が、いつネタニヤフにGOサインを出させるかわからない。
そうなったら、やっぱりホルムズでドンパチも起きる。
もう目の前なのだ。ネタニヤフは、オバマに「そんなに長くは我慢できんよ」と言ったらしい。
ホルムズの危機は、ガソリンが上がるだけでは済まされない。
それは
日本国内の生産機能、物流機能を長期間停止させる恐れを含んでいる。
そうなると、
エネルギー不足、食糧自給率40%切りのこの国で、私達はどうやって生きていくべきなのか?
ウチのハマーンは、裏庭潰して畑作ることを真面目に私に相談してきた。
my日本、このままでいいのか?
この国をきちんと生きながらえさせる戦略、今の民主には全く無い。
この国のトップには、もっと国益を重視した者を置かなきゃいけない。
そういう人たちを御輿に担ぐのは、他でもない私達だ。
だから、私達はもっと、政治に、経済に、国際情勢に敏感にならなきゃダメだ。
私はこれからも、こういったブログを書き続ける。
この自動車のSNSで。
だって、
自動車ライフって、安定した民主政治があって、そのうえで自由な経済活動が行われればこそ、実現できるものだから。
蛇足だけど、イランって親日国だよ。