【はじめに】
先日某氏に財政問題を書くことをお約束し、昨年末は皆さんに『ローマ文明とジャパン・ペシミズム』を書くことをお約束した。
しかし、現状未だこれらは実現していないが、せめてブログだけでも週一で書いておこうと、ここに記すことにした。
【時事.com】
多忙時でも、私は最低『やまと新聞』全般、『時事.com』の経済欄、そして『産経新聞』と『日経』は読むことにしている。
そういうわけで、本日も仕事が終わって家に帰り、ごはんの前に時事.comを開くと、なんだかどっかで見たようなアルファベットのletterが目に付いた。
しかも関連動画がご大層にもYOUTUBEにアップされている。
そう、僭越ながら私の所有している“ロータス エヴォーラ”の名が・・・あの『時事通信』に掲載されている。しかも動画付きで、だ。
私は驚くと同時に、些か心配になった。
ワールドワイドなパブリシティを旨とする時事通信にロータスの名が出るとしたら、どうせロクな話ではないのではないか?
いよいよC/F不足で不渡り出しちゃったとか、親会社のB.R.E.ハイコムが特亜に株を売却したとか、またまたとんでもないリコール隠しが発覚したとか、ネガな事件が起きたのではないか・・・?
なにせ、あの“ロータス”である。しかも“エヴォーラ”ネタである。
エヴォーラ・・・通称“ブリュンヒルデ”。
私としては“The Ultimate Analogue and Emotional Mover ”として、最大限の賞賛を以って迎え入れた一台であるのだが、巷では“ロータスらしくない”とか、“(ミニバンエンジンで)牙を抜かれた”とか、“重い”とか、“遅い”とか、“安っぽい”とか、“女々しい”とか、“ポルシェ様に喧嘩を売るなんざ10000000年早い”とか・・・所謂不人気者扱いとなっている。
その“エヴォーラ”を、まともなネタで、天下の“時事通信”さまが取り上げる筈がない。
【ロータス・エヴォーラ】
私は恐るおそる、画面をスクロールした。
曰く、『ロータス、フラッグシップカー「エヴォーラ」=第33回輸入車試乗会』。
VIDEO
(以下、2013/02/15 時事.com 動画ページより引用)
2月5日から3日間にわたり神奈川県大磯町で第33回輸入車試乗会(日本自動車輸入組合主催)が開催された。90台を超える新型、人気のモデルが出展され、時事ドットコム編集部は6日、小雨のなかロータス・エヴォーラに試乗。軽量ボディに搭載されたハイパワーのミッドシップエンジンが生み出す切れ味鋭い加速、バランスのよいハンドリングを堪能した。
2009年にロータスの新モデルとして登場したエヴォーラ。一目見ただけでドライバーを魅了するグラマラスなスタイルを持つ。コンパクトなボディながら2+2の室内空間を確保。ミッドシップにレイアウトされたトヨタ製3.5リッターV6エンジンと軽量のボディが生み出す加速は、時速100キロまで約5秒で達し、最高速度は260キロを超える。車とドライバーの一体感を増す、バランスのよいハンドリングも魅力の1つだ。
車両本体価格は、892.5万円から(2+2シーター)。
(引用終わり)
・・・とりあえずロータスが倒産したわけでも、シナに買い取られたわけでもなさそうだ。
私は安堵の溜息をつくと同時に、ぬるくなったサントリー黒ウーロン茶を一口に飲み干した。そして・・・そして、ニヤけていた。
そこらの三文記事ではなく、天下の『時事通信』が取り上げてくれることはオーナーとしては嬉しい。というか、滅茶苦茶嬉しい。
いっそのこと『超人大陸』とか『チャンネル桜』なんかで取り上げてくれたらもっと嬉しいし、更に言えば“青山繁晴先生(※愛車はエリーゼである)”あたりがメタンハイドレードと白樺に絡めてリポートしてくださるなら、更に嬉しいが・・・まあ、そこまで望むのは無理か・・・それでも、素直に喜んでおこう。
これが『共同通信』だと大変複雑な心境になるのだが、その理由は賢明な保守志向諸氏には言わずともお解りいただけることだろう。
【指摘】
しかし改めて保存した動画をじっくり見てみたところ、私の心にぼんやりとした疑義が生まれてくる。
そしてそれがなかなか拭いきれない。
疑義・・・それは、“時事通信は本当に好き好んで、エヴォーラを記事にしたのだろうか?”というものだ。
もしそれが第三者による恣意的な理由で取り上げられたと言うのなら、それは私(みんカラ登録でただ一人のエヴォーラSオーナー)にとって屈辱的なものになる。
恣意とは・・・それは、“この記事はLCI(ロータスの正規インポーター)による在庫処分宣伝”というものだ。
換言すれば、時事通信という権威ある通信社を利用して、LCIは決算対策の在庫調整を進めようとしているのではないか?という疑問でもある。
その理由を以下に示す。
ひとつは、この記事が掲載されたタイミングだ。
いうまでもなく今は2013年2月である。そして、LCIの親会社(VTホールディングス:以下VTLという)の決算月は3月である。親会社としては3月には在庫を処分し、C/Fの潤沢性を株主にアピールする必要がある(※VTLはヘラクレス上場)。
そして、LCIの在庫・・・頭痛のタネとなっているのがエヴォーラだ。
エヴォーラは現在、2010年モデルおよび2011年モデルの在庫を叩き売りしており、当然ながらLCIはこれを捌くことをVTL側より強く求められている筈である。
一見華やかな記事の裏、そこには、こんな背景が見え隠れしているのではないか?
もうひとつは、なぜ“エヴォーラなのか?”ということ。
そもそも“2010年に日本で初めて発売された”エヴォーラを、なぜ時事通信は2013年の今になって取り上げるのか・・・おかしくはないだろうか?
しかも、現在メーカーである本国LOTUS CARSは、資金不足から2012年以来エヴォーラについてはまともに生産できておらず、ましてや日本向けの生産ロットなど確保できていなかった筈。
加えて、今回の動画で紹介されているエヴォーラ・・・本記事の車輌そのものも、LCIの滞留在庫なのではないか。
その理由は、以下から推察できる。
1.車輌・・・ブレーキキャリパーの色が黒=2011年以前のモデル。
2.タイプ・・・エンブレムとサイレンサー形状、ディフューザーの大きさからN.A.モデル→2011年導入の過吸器つきモデルではない。
3.ミッション・・・売れ筋のIPS(オートマ)ではない。
4.オプション・・・クルーズコントロールがついているからテックパック付き。
5.グローブボックスのEVORAエンブレムは、初期ロットモデル(2009年製造)にしかついてない。
5.駆動系・・・エンジン回転とスピードメーターの関係から、ギア比は欧州仕様のウルトラハイギヤード(2速80km/hでも加速する余力十分あり)。
・・・これらの仕様は明らかに、現在エヴォーラの売れ筋となっている2011年オートマモデルとは異なっていて、しかもマイナーチェンジ前、したがって(上記ギヤ比の問題など)日本の実情には合っていない。
つまり、本当に初期ロットのモデルだ。
車輌の広告宣伝に出すには新鮮味に欠ける。
・・・今更なぜメディアの場に引っ張り出すのか、首を傾げざるを得ない。
まあ、私の邪推といえばそれまでだが、どうもこの記事・・・時事通信が積極的に取り上げたものではないのではないだろうか?
だとしたら、なんか悔しい。
・・・まあ、自動車としての個体レベルで見れば、エヴォーラにしろエヴォーラSにしろ、未だ世界最高峰のハンドリングと乗り心地を持っているのは間違いないんだろうけど。
【リテラライズ】
・・・と、自動車についてもこのように個体レベル云々でなく、それを作る人、売る人の事情なんか考えると、色々と思うところが出てくる。
で、最後に・・・
『「尖閣国有化前からレーダー照射」 記事削除』(日本報道検証機構:2013/02/07)
朝日新聞は、2月6日付夕刊1面で、東シナ海での中国軍による自衛隊への射撃用レーダー照射が昨年9月に尖閣諸島を国有化する前にもあったことがわかったなどと報じました。これと同じ内容の記事が「尖閣国有化前から射撃レーダー照射 政府関係者明かす」という見出しで、ニュースサイト「朝日新聞デジタル」無料版にも掲載されました。しかし、当機構が確認したところ、記事掲載から約2時間後の同日午後10時ころ、記事がニュースサイトから削除されていました。この記事が短時間で削除された理由はわかっていません。(*)
7日朝、森本敏前防衛大臣がテレビ朝日の番組「やじうまテレビ」に出演し、尖閣国有化前のレーダー照射について「知りません」と答えています。日本経済新聞は、7日付朝刊で「民主党政権時代にも尖閣諸島国有化後に中国艦船からレーダーを照射された事実も明らかになった」と報じています。他方、毎日新聞は「尖閣国有化前後にも周辺海域でレーダーの照射はあったが、当時の野田政権は公表しなかった」という政府関係者のコメントを伝えています。
朝日新聞の記事では、国有化前のいつレーダー照射があったのかなど、具体的な情報は明らかになっていません。菅義偉官房長官は、7日午前の記者会見で、国有化前のレーダー照射についての質問に「そこは掌握していません」と答えています。
・・・メディアって、怖いよ。
次こそ財政ネタだな。