新世代の電動減衰力コントローラ
EDFC ACTIVE
「すごく運転がしやすくなった!」
「子供が酔わなくなった!」
といった声を多数いただき、ありがとうございます!
しかし、今でこそ高い評価を頂いておりますが、
2年以上をかけた開発期間中はまさに試行錯誤の連続だったのです・・・
そこで!
プロジェクト発足から発売に至るまで、企画担当者として携わってきた
私「スギ」が
EDFC ACTIVEの過去の開発風景を振り返ってみたいと思います♪
【Gおよび速度感応制御 動作テスト】
基盤丸出しの、まだ産まれたばっかりの
EDFC ACTIVEです。
ってか、当時はまだ名前も決まってませんでしたっ(汗)
「加速&減速Gに対するレスポンスはどうなのかな~?」
とか、
「傾けて装着しても正確なGを測定できるのかな~?」
といったようなことを、PCでログをとりながら検証を行っています。
じつは当初、Gセンサを搭載する予定は無く、GPSによる車速制御のみで企画を進めていました。
ひとまず
初代EDFCを改造し、車速による制御のみをプラスして試乗してみたところ、
「速度による自動調整だけなら他にもあるし、面白みが足りない。」
「速度が上がる毎に減衰力が硬くなるようにセッティングした場合、
スポーツ走行のブレーキングで速度が落ちるほど減衰力がどんどんソフトになってしまい使えない。」
といった問題点が浮き彫りとなりました。要は、つまらないのです。
そこで、
「では、Gセンサを搭載して、加減速Gに応じて減衰力を調整してやればいいんじゃないか?」
という案が急遽浮上。
ただし、当初はその効果について皆、半信半疑だったのです。
案の定、最初に試乗したサンプルはレスポンスが悪く、期待外れの出来。
しかし、
「レスポンスをあと少し改善できれば、行けそうだ!」という感触はありました。
そしてテストと改良を繰り返し、出来あがってきたサンプルを試乗してみると・・・
「これ、おもしろいね!」
加速やブレーキングに即座に反応し、違和感の無いスムーズな乗り味が実現できたのです。
【ワイヤレス化の検討】
2002年の発売以来、好調なセールスを続け大ヒット商品となった
初代EDFCでしたが、
「すごく便利なんだけど、コントローラからモーターまでの配線を4輪分引くのが面倒なんだよね・・・」
という声が多かったのもまた事実。
そこで、新しい
EDFC ACTIVEに、絶対に盛り込みたかった機能がこの
「ワイヤレス」でした。
上記のイラストは初期の検討段階のものですが、
室内に設置するコントローラに無線送信機を、
前後それぞれに配置するモータードライバユニットには無線受信機を内蔵することで、
3つのユニット間の配線を省き、
「取付作業自体を簡単にしよう!」というのが目的です。
しかし、ワイヤレスと聞くと
「混信してしまうのでは?」 とか
「誤動作してしまうのでは?」
という不安を抱く人が多いのも事実。実際テイン社内でも反対意見はありました。
そこで、最新鋭の無線技術を投入し、
全てのモータードライバユニットに個別のID(なんと1677万通り!)を持たせることで、
混信の心配がなく、非常に信頼性の高いワイヤレス通信システムを完成させたのです。
初公開!
ワイヤレスシステムを搭載した
EDFC ACTIVEの初期試作サンプル。
手前の基盤がコントローラ側、奥の基盤がモータードライバ側です。
この後、モータードライバ側を金属の箱で覆い、10メートル以上離して通信が問題無いかテストをしたり、
海外にわざわざ持ち込んで、電波の強い携帯電話で誤動作しないかテストをしたり、
寒冷地に持ち込んでテストをしたり・・・と、様々な試験を繰り返したうえで量産化されているんですよ♪
と・・・、開発秘話はまだまだたくさんあるのですが、今日のところはここまで。
それでは次回、
”開発秘話 ~EDFC ACTIVE~ 第2話”
をお楽しみに!
EDFC ACTIVEの企画~発売までをストーリーにした、
「小説 新型EDFC」も合わせてご覧くださいませ♪
byスギ
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EDFCシリーズ | 日記
Posted at
2013/05/23 17:31:13