2013年05月31日
ECUいじりの基本2
前回の続き
ブーストアップをすると簡単にパワーは上がります。
なんでブーストアップをするとパワーが上がるかというと空気量が増えるからです。
過給によって増えた空気量を測定し、それを元に設定された空燃比でガソリンが噴射されるっていうことです。
燃えるものが多ければそれだけエネルギー大になるというわけですね。
でも喜んでばかりはいられないことが発生します。
それはノッキング。
異常燃焼とも言われます。
ノッキングが発生するとピストンが溶けたりコンロッド破損といったりイイことありません。
ノッキングが発生する要因としては、混合気の燃焼スピードが想定しているものより速くなった場合に起こるものだと思っています。
つまり、通常よりガソリンが燃えやすい状況になった時っていうことです。
混合気の温度が高いと燃えやすくなります。
つまり夏場は燃えやすくなってしまうんです。
さらに、空気は圧縮されると温度が上昇します。
よって夏場のブーストアップはノッキングしやすいのです。
ノッキングを防止するためには温度上昇を防ぐ必要があります。
方法はいくつかあります。
まず、インタークーラーの性能を上げて吸気温度を下げます。
ZO-3号はインタークーラーに直接水をスプレーし気化熱によって冷却効果を狙っています。
あまり劇的な効果はないですが(汗)
次に空燃比を下げてガソリンでシリンダー内を冷却することです。
入ってきた空気量に対してガソリンを多くすると、燃焼に使われずに残ったガソリンでシリンダー内を冷却するらしいです。
また、ラジエターやオイルクーラー等の冷却系を強化するのもイイんでしょうね~
こうやって温度上昇を防止するわけですが、ノッキング防止策としてブースト圧を下げる、点火時期を遅らせるというのは言うまでもありませんw
あと、ハイオクガソリンはノッキングが発生しにくいといわれています。
なのでハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れるとノッキングしやすくなります。
間違ってレギュラーを入れてしまってもECUが自動で点火時期を修正してくれるので大きなトラブルはないですが、やっぱり指定のガソリンを入れるほうがイイと思います。
以上を踏まえ、エンジンに致命的なダメージを与えないように仕立てていくわけです。
それでは
どこからアプローチしていくかについて・・・
その前に5レガ純正のセッティングについてちょっとだけ私なりの解釈を述べます。
まず、空燃比は中~高回転は濃い目に設定されています。
かなり安全マージンを取っているように見えます。
が、もともと圧縮比が高めなのかちょっと薄めにするとノッキングしやすくなります。
次に、点火時期ですが結構ギリギリで設定されています。
とくに巡航運転では純正でも状況によってはノッキングが発生します。
ただ、ノックセンサーが付いているので、ノックが発生したら即座に点火時期を遅らせて連続してノッキングしないように制御されています。
また、学習機能によって前回ノッキングが発生したポイントに近づくとあらかじめ点火時期を遅らせる機能も持ち合わせております。
それでもノックが発生するようならば、自動で空燃比も濃い目になりエンジンに致命的なダメージを受けないように制御されているわけです。
親切ですね~
でも、やっかいなのはエンジンを切るとそれまで最適化された点火時期や空燃比の設定がリセットされ安全マージンMAXの状態に戻ってしまうということなんですよ。(IAM)
いくら暖機運転してもある程度負荷をかけて走らなければ点火時期も空燃比も最適化されないっていうことです。
では、通常のECUリセットはどうかというと、アクセルペダルのフィーリングはかなり変わります。
それと、ATのシフトアップポイントもECUリセット直後はレブリミット付近まで回転が上がりますが、しばらくするとそれよりも100~200rpmぐらい下の回転でシフトアップするようです。
現在わかっている段階ではこの2点です。
ちょっと話がそれましたが、元に戻しまして・・・
ではどこからイジる?
第1段階
まずリミッター関係でしょうね~
スピードリミッター、エンジン回転数リミッター、ブーストリミッターあたりですね。
あと、電子スロットル(DBW)でアクセルフィーリングを変えればトルク感の違いによりチューンナップしたと錯覚を起こします(笑)
実際、スロットルを絞っているところがあるのでデータ的にも中間トルクはアップしています。
この第1段階でも吊るしECUで売れるぐらいです(おっと・・・)
メタルキャタライザー+社外品ブローオフバルブに交換すると純正のECUでは確実に4000rpmぐらいでブーストカットが入ります。
よって、パーツ交換では少なくとも第1段階のECUの再設定が必要になります。
余談ですが、センターパイプ、リヤピースは交換してもデータ的には変化は見られませんですたw
音は劇的に迫力があったので満足していますがねw
ま、第1段階ではノッキングの心配も無いのでログを頻繁にとってって言う作業も必要ないです。
ただ、メタルキャタライザー+社外品ブローオフバルブに交換すると3速全開でブーストコントロールが利かなくなるぐらいブーストが上がってしまいます。
そうなると、ウエイストゲートの調整が必要になってくるのです。
そこで、第2段階になるわけです。
おっと!その前に・・・
排気系パーツの変更をしなくてもブースト圧の設定変更でもある程度のトルクアップは可能です。
純正+0.1barぐらいだと自動的に補正がかかるので特に何もする必要は無いと思います。
走行ログを見て目標値に達していればOK。
アンダーだとウエイストゲートの調整を行います。
あと可変バルブタイミング(AVCS)の設定で空気量を調整することも出来ます。
体積効率をみてバルタイの調整を行います。
私の場合、排気系の交換を行う前にECUをイジくっていたので排気系交換後に再設定を行いました。
これが結構メンドーです。
なので排気系を交換してからECUの設定をするほうが効率的ですね。
このあたりからノッキングの心配が出てきますね。
ノック補正がかかると点火時期がドーンと遅れます。
高回転で補正がかかると体感でもわかるぐらいトルクが落ちます。
軽いセーフモードのような状態になるので、点火時期を調整したり、燃調を濃くしたりします。
あと、あきらめてブーストを下げるとかバルタイで効率をさげるとか空気量を減らす必要がありますね。
長くなってきたので今日はこのへんで・・・
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Posted at
2013/05/31 21:18:47
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