2024年06月09日
認証不正について思う事。
自動車会社が認証試験で不正ということで…。
個人的には、非常に違和感を感じます。
なんの違和感かって…。
試験と確認作業を一緒くたにしていることです。
そうしたい気持ちも良く分かるのですが…、でも試験条件を変更しては意味ないでしょと。
例えば、マツダのエアバッグの件。
まあ、自動車メーカーの仕事しているわけではないですから、あくまでもニュースや会見動画を見た限りではありますが、なんでそれした?って思ったんですね。
品質改良車で、ボディ骨格を変えていないから、自然起爆ではなく時間指定起爆にしてしまったってやつですね。
なんでも設計基準値のより合わせた試験にしたかったのだとか。
この時点で意味わかんなんだけどね。
起爆センサの仕様書を見たわけではないんだけれど、多分センサだからある程度のロット誤差みたいなものはあると思うんです。
A~Bの範囲とか、何%の誤差とか。
一応仕様書通りと乗員保護が出来ると考えたうえで設計するわけですけれど、設計の段階でそれが正しいかどうかを確認するために実際にやってみると思うんです。
センサのばらつきを考慮して、意図的に条件が悪い方でテストするために、今回の場合で言う時間指定起爆(つまり模擬テスト)をすることはあると思います。
最低でもこの条件をクリアするのを確認できれば、ばらつきはそれ以上の値だから問題ないみたいな。
一応、設計段階でそうはいっても、念のため模擬テストで確認しておくか?ということでやったりするんです。
で、それは後々、何か問題があった時に、こちら側に問題がない(つまり今回の場合だとセンサ側の問題であって、受け側の問題ではない。)と言うための証拠と言いますか、資料になるわけです。
だって、実際衝突して乗員保護が出来なかったときに、まずはメーカーが疑われるわけですが、設計通り作ってるのになぜ?って設計者は言われるわけです。
その段階で、いやいや通常のテストに加えて、センサの仕様書上の最悪値と同等かそれ以上でもテストしているから、センサ側の問題でしょ?って言えるじゃないですか。
なので、私自身も良くバイトでやります。
しかし…。
じゃあ、最終確認(今回でいうところの認証試験)でそれをやるか?と言われたら、やりませんて。
一つは、一応チキンになって最悪値で事前に模擬テストしたわけですから、別にセンサでテストしても問題ないでしょうし、なんならセンサの方がクリアしやすいでしょう。
特に、今回の場合、実際にぶつけてのテストであれば、1台潰すわけですから、センサを潰すなんて高々しれているわけで。
もし、不合格でも、センサおかしくね?で済むわけです。
同骨格だから大丈夫というのはわかりますが、ぶつかってから起爆して保護されるまでの連続性があるかと言われれば、起爆のところでぷつりと切れてしまっているように感じるんですね。
あくまでも証拠としての事前模擬テストは確認であって、実試験ではないわけです。
模擬テストっていうと、高校受験の事前テストって感じの言葉ですがw
模擬テスト合格したからって、高校試験免除されるわけじゃないでしょ?って感じかしら。
また、もう一つの点火時期の補正をカットしてたという事の方は、正直同情します(^^;
そりゃ、走行中と試験時で走行風が無いのは当たり前ではありますが、これは通常風洞の中で試験するんでしょうかね?
どれだけの設備規模の風洞があれば実現できるかわかりませんが、そこいらの出力テストに使ってる送風機程度じゃ再現は難しい様に思います。
風洞があってきちんとシミュレートできるのに、それをせずに点火時期の補正をカットしていたなら駄目ですが、設備的要件が厳しすぎての話であれば、ちょっとそれは…理想過ぎて大丈夫そう?とは思います。
もう一個は、ヤマハのエンジン出力落としてたやつね。
なんでも試験機器をマフラーにつなぐためのパイプジョイントが、溶けちゃうとか。
で、溶けちゃうと試験できないから、エンジン出力を落としたとかって事みたいですが。
てか、買ってもらえよ耐熱性の高いパイプジョイントをw
だいたい、会社なんて普通には買ってもらえないことが多いんですから、こういうときほど買ってもらいやすいと思うんですけれどね。
こんなんじゃ、試験できないし出荷できないから影響大きいので買ってくださいよと。
アホな経営者なら何とかしろよとか言うんでしょうが、普通の感覚してれば買ってくれると思うんですけれど。
どの事案もそうですが、試験条件は変えちゃダメなんです。
出来なかったら、出来ねーよ!と理由を言うべきですね。
たまに、基準より厳しく試験してるから問題ないとかっていう場合もありますが、それは裏で隠し持っておく(さっき言った問題があった時に大丈夫という証拠として持っておく)ものであって、実際の試験で使用するものではないと思うんですよね。
例えば、下請けなんかでお客さんが提示した試験方法があまりのも現実的では無さ過ぎて、えーこれ出来ないよ?って言ってお客さんに試験条件を変えてもらうことをすることはあります。
ある装置のバッテリーの持ち時間を調べるために、動作できなくなるまで3分間に1回ボタンを押して動作させてなんてのを、恒温槽でやれと言われた場合。
それも動作しているかどうかの判定を赤外線LEDが点滅しているかで確認しないといけないとか。
さすがに恒温槽内に閉じこもって3分間に1回スイッチを押すわけにいかないでしょ?w
恒温槽から出ようもんなら温度条件変わってしまいますし。
じゃあ、スイッチを押す代わりにスイッチが動作することを前提として、シーケンサでON,OFFさせてずーっと動作させようとかってなるわけです。
この場合、実際のスイッチとシーケンサとの間でぷつりと連続性が無くなるわけですが、これは勝手に試験条件を変えたわけではなく、お客さんが変更を許可したからですね。
どの事案でもそうですし、それ以外の部分でもそうですが、指定されたものではなく独自解釈で大丈夫だと思ったとかって人多いんですよね…。
私はそう思ったとか、俺はそう解釈したとか、そういうの要らねーからとかバイトしてても良く思います。
言われたことや指定されたこと通り出来ない人増えてきてますよね。
若者年寄りに限らず…。
もちろん、今回の認証不正については、会社の闇みたいな部分もあるのかもしれませんが、こういった再確認の手間や外部に与える影響を考えれば、割に合わないと思うんですよね。
変な事せず、指定通り普通にやっときゃ良いのにと思います。
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Posted at
2024/06/09 09:30:26
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