画像のやつね。
今日、お昼くらいに管理者から連絡が来て、「運営から材質の取り下げ依頼が来たから、取り下げたよ。」と。
管理者管理なので、私が直接把握しているわけではないのですが、画像の取付リブにおいて、一部の材質で複数のクレームが来ているとのこと…。
もともと、私としては素材的にはステンレスかアルミを想定していました。
当時、材料の値段が安かったこともあり、お手頃な価格で入手出来ていたので。
もちろん、業務用プリンタの精度誤差を考慮して、ガイドライン通りに作ったのですが、後々素材の値段が上がったので、必ず接着することを前提にナイロン系を追加したのです。
で、今回問題になったのは、PA12ガラスファイバーでした。
PA12はナイロンです。
このナイロンに、ガラスファイバーを混ぜ込んだもので、ナイロンの柔らかさとガラスファイバーの強度が合わさったものですね。
試作するにあたり、ステンレスとPA11を使用しました。
PA11もナイロンで、PA11とPA12の違いはメチレン基が一つ違うだけ。
試作したものは、実際にストライカーに取り付けて確認済です。
PA12GBとは、PA12にガラスビーズを混入させたもので、意図としてはガラスファイバーと同じような目的ですね。
PA12GBは実際に装着された方(想定していないFDだけど。)がいるので、取付には問題がなかったのだと思います。
ちなみに、寸法取りはFCのストライカーからです。
FC用として作ったので。
今回、クレームの内容までは来ていない(管理者にも来ていない)ので、どういったクレームなのかは把握していませんが、あるとすればストライカーに嵌めるときに千切れた…くらいでしょうか?
接着することが前提なのは、説明書きもされているので、接着しなくてとか、接着不良でドアロックと一緒に回っちゃって千切れちゃったは、ちょっと論外だと思うので。
もともと、私個人的には樹脂系を追加したくはなかったのですが、管理者からの提案で追加されていました。
逆に金属系は、ストライカーに押し込まないといけないのですが、実際に現状使っていますが、特に問題は起きていません。
ストライカーの頭は、若干ストライカーの直径より太いんです。
そのため、ステンレスとかアルミだと最初入らないのですが、ぐっと軽く押し込むと入るんです。
PA11やPA12,PA12GBだと撓むので、普通にすっと入るんです。
PA12GFも撓むはずなので、挿入に苦労するとは思えないのですが…。
PA11やPA12,PA12GBと同じ、PA12GFで問題が起きたとすると、同じ素材なのに?と思ったのですが…。
実は、使っているプリンタに違いがあります。
私が良く使うナイロン系というと、PA11,PA12,PA12GBは
MJF(マルチ・ジェット・フュージョン)というもの。
HPが作っている業務用3Dプリンタですね。
詳細な解説は
こちら。
簡単に言うと、インクジェットプリンタですね。
で、それに対してPA12GFは、SLS方式の3D造形です。
詳しくは
こちら。
レーザーによる方式です。
MJFではクレームが来ていないので、SLS方式で3D造形する際に、同じ性質の素材でも何らかの違いがあったのかもしれません。
設計ガイドライン的には大きな違いはなく、どちらも寸法上はガイドラインに合わせてあるのですが、先ほども可能性として書いたように、両サイドのリブをつなげるブリッジが千切れちゃったのかもしれません。
本当はね、あそこのブリッジは当初もっと幅と厚みを持たせたかったんです。
前のブログに失敗した画像があるかと思うのですが、ドア側のロック側付近の構造に当たらないようにするとなると、ぎりぎりまでブリッジを細くしないといけません。
ナイロン系で作るとブリッジがふにゃとなるので、そうすると接着で強固に付けることが必須になるのです。(リブ自体はふにゃっとはしないけど。)
特に、この時確実に脱脂してナイロン系対応の接着剤じゃないと強固にはくっつかないので、そこは対応してほしいところ。
クレームの詳細がわかりませんが、3Dプリントの方式の違いによって、同じナイロン系の素材でも性質に違いが出てしまったのかもしれません。
MJFとSLSには若干の違いがあって、SLSは若干反りとか異方性があるようなので、寸法的にマイナスになったところがあるか、歪になってしまったかが考えられるところでしょうか。
特に、SLS方式の方が安価だったので、購入された方が多かったのかもしれませんし…。
というわけで、SLS方式によるナイロン系素材は取り下げになりました。
今後は、他のものもSLS方式は避けようかな…。