生き残る従業員。

私は25歳位から建設ヘルメットをかぶり、

今まで23年間新入りを見てきたなかで、

ひとつの傾向があった。

それは「スポーツをしていたので体力には自信があります」とか、

やたら饒舌でやる気を見せていた新人が、

一日で辞めて行ったりしたのに反して、

一見やる気無さそうで、

「私体力無いです」、「俺やる気ねえから」とのたまう新人さんが、

割としぶとくて徐々に体力や技能をモノにしていくところを、

何度も見てきた。

17年前トカチに戻ってまたヘルメットをかぶった。

今度は道路工事関係だ。

今度は自分が新入りで、

先輩方にも生き残るヤツだとは思われていない感じで、

軽くあしらわれていた。

その後も正社員を目指して入ってきて、

それが叶わず辞めていった(若い)人たちを見送った。

いま会社に残っているのは、

年を取り過ぎて他に行くところが無い先輩方か、

正社員にならなくても厚生年金に入れたので、

もう満足してしまっている私ぐらいしかいない。

もしかすると世の中や組織って、

すでに動かしようのない力関係で成り立っていて、

そこに一個人がリキんで入っていってもぶつかってうまく行かなくて、

こんにゃくやスポンジみたいに力が抜けてるようで、

根性はあるような人が生き残っていくのかも。

ひとつの組織でずっと生き残るのが必ずしも正解ではないかもしれない。

辞めていった人もどこか別の、

居心地の良い場所を見つけられていればいいな。