体験の嵐

学校の先生をしていたころの話。

今も先生だが、今回は普通高校での話。女子高の先生と聞くと人は羨む。偏差値が高い高校だった。なかなか大変。受験指導。

東大に合格すれば何か水戸黄門の印籠を得るように思う人が多い。そんなことはない。さほどのメリットはないのに狂った親は多い。受験生本人はあっけらかん。



東大レベルになると天才とか並外れた努力家だろうと世間は思う。

努力について。
東大は頑張ったぐらいで届くところにはない。

天才について。
あまり勉強に向かない人が多い。与えられた問題を解くのが入試だ。この人たちは与えられたことには関心がない。


つまり、真面目さとひらめきの連続性が同居しなければならない。こいつらを教えるのは実に面白い。実に本質を突いた質問をする。いい加減な答えをするといつのまにか誰も質問に来なくなる。

たかが17年生きただけのものに負けるわけにはいかない。楽しい競争だ。彼女らも学問を楽しんでいる。そういう人間だけ合格していった。

努力根性忍耐がふさわしいのはその他の大学だ。


問題を見ると、いかに姑息な予備校の頑張りでは手が届かないかがわかるはず。すさまじい問題が出題される。



ところで、



そんな彼女たちを連れて出張した。出張先にあった旗。



知的好奇心が旺盛な子が多く教えがいがある学校だ。スーパー特別進学クラス。7人。それでも全員は東大に行けなかった。半数。


ところが、性的好奇心はもっと旺盛だった。

「体験」の文字に反応し、ゲラゲラ笑った。彼女らにとっては体験とは「初体験」のこと。で、その体験を嵐のようにどんどんしろと旗に書いてあるのだ。

「そんなにやりたいんだったらいつでも相手するぞ」というと、「先生ならOKよ。」

こうやってきわどい話を楽しむのよ。どんなに成績がよかろうと、中身は普通の高校生だ。



彼女らは日本を支える人間になっている。

核武装とか敵基地攻撃とか叫ぶ低能役立たずのチンピラ政治家なんかは断じていない。









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