N-BOXにリアカメラ水滴クリーナーを装着するためにディーラーに預けたところ
作業時間が4時間かかるので代車を用意していただきました。
N-WGNカスタムLターボ
走行距離は1500km少々というバリバリの新車でした。
普段展示や試乗用に置いている車両だそうです。
N-WGNは一度マイナーチェンジを受けていて前期型のノーマルは試乗したのですが
カスタムターボは初めてでした。
4時間も空くので自宅に戻るつもりでしたが、走りの良さと自分のN-BOXとの違いに気づくなど
ついつい4時間では足りないぐらい走り倒してしまいました。
N-BOXと比較して
◎良かったところ
・発進時や中間加速時の出足の軽さ
車重はN-BOXカスタムターボの980kgに対して870kgと実に110kgも軽いので
普段の感じでアクセルペダルを踏むと勢いよく走り出すのでECONがオフになっているのかと
思った程です。
やはり軽さは最大の武器だと如実に実感しましたね。
より少ないアクセル開度で走れるなら燃費にも良い結果が出るはずです。
・静粛性はJF5型N-BOXに匹敵する
N-WGNは特に静粛性対策を謳ってはいませんが普段最も走る道路でもロードノイズの侵入や
ウィンドウガラスからの騒音などはノイズ対策を謳っているJF5と大きな差は感じませんでした。
・アダプティブクルーズコントロール(ACC)の制御がJF5より遥かに優れている
コレが最も驚いたところで、世代的に旧世代のはずのN-WGNのACCの方が
車間距離の調整に伴う加減速の制御が実に滑らかでより人間の感覚に沿っていました。
JF5はとにかく加減速の仕方が乱暴で、乗員の頭が前後に揺すられることが当たり前です。
特に渋滞追従などストップ・アンド・ゴーを繰り返す状況では自分でアクセルブレーキを操作した方が遥かにマシで発進時にエンジン回転が一気に高まり急加速したり、減速に入るタイミングも距離も先行車に対して遅すぎるのでカックンブレーキになるのが基本です。
JF5型になってホンダセンシングはカメラのみの検知になりましたがN-WGNは車線をカメラで先行車はミリ波レーダーで検知する旧型なので制御プログラムがより熟成されているのでしょうか?
とにかくJF5は早急の改良が必要ですね。
・シフトレバー横のスライド式ドリンクホルダーが便利すぎる
JF3からJF5に乗り換えて最も不便なのがコレですがN-WGNには標準装備です。
ドライバーから遠すぎず近すぎず絶妙な位置にあるし、やはり右ハンドル車は左手でドリンクを抜き差しできるのが理にかなっています。
もしJF5がマイナーチェンジでこの装備を復活させたら乗り換えても良いとさえ思います。
・上下を間違えないステアリングホイール
もうすぐJF5に乗り換えて1年になりますが未だに駐車時の切り返しで回すうちに上下が分からなくなるステアリングに対してN-WGNの旧世代ステアリングは全く起きませんでした。
JF5の2本スポークが水平配置なのが原因ではないでしょうか?
旧世代ステアリングの下1本を外した2本スポークの方がまだ上下を間違えないと思います。
・十字キー配列のステアリングスイッチの方がブラインド操作性に優れる
ホンダセンシング以外でも様々な操作をステアリングスイッチで行いますが最新世代の上下シーソースイッチとダイヤルの組み合わせより無駄なプロセスが無く触感でも分かりやすいです。
コレはゲーム機のコントローラーを見れば子供でも分かりますね。
多分ステアリングスポークを細くしたくて十字キーを辞めているのでしょうが
運転中に操作することを考えれば正解は自ずと見えてくるはずでしょう。
・テレスコピックステアリングが装備されている
わずか3センチですが手前にステアリングが引き出せるだけでドライビングポジションの安定度はかなり違います。
N-BOXでは交差点や大きなカーブを曲がる度にシートバックレストから背中が浮いてしまうほどステアリングの上部を握る時は腕が伸び切ってしまいますが、N-WGNではそういう状況には至らず背中を浮かせたりヒップポジションがズレる事は起きませんでした。
コレもJF5になぜ装備しなかったのか一番残念なところですね。
・乗り心地が優しくしなやかな走り味
車重が軽いおかげかサスペンションのスプリングレートもダンパーの減衰力もソフトな設定のようでタイヤが55扁平のわりにゴツゴツした乗り心地ではありません。
ただコレはコレで弊害のようなものがあるので後述します。
・ブレーキホールド中に異音が出ない
これは私のN-BOX固有の現象でしょうが、ブレーキホールドで停止中に大きな軋み音が出ることを以前
報告しました。
しかし今回のN-WGNでは一度もそういった異音は出ませんでした。
しかもブレーキホールド解除からの再発進でも実にスムーズでガクンという前後動も起きないので私のN-BOXが異常なのではないかと思うほどマナーが良かったです。
✖悪いところ
・全面人工皮革のシート
マイナーチェンジでカスタムはこの表皮だけになってしまいました。
試乗した日は猛暑日で外気温度は36~7℃を示していてシートに触れている背中や腿はいつまでも熱くてヒーターをオンにしているようでした。
また表皮の張りが強すぎで裏から押し返されて体にフィットせず圧迫感があり、段々と痛みまで感じてきました。
ちょうど野ざらしのプラスチック製ベンチに座っているみたいで不快以外の何物でもありません。
こんな表皮は今すぐに全廃すべきです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
・上下左右の細かい揺れが収まりにくい乗り心地
先程のソフトな足回りセッティングの弊害なのか、荒れた路面を走っている最中は細かい揺れがなかなか収まらずユサユサ、ブルブルといった動きが連続します。
また段差や舗装の継ぎ目、マンホールなどを乗り越えた時にするどい突き上げが突如として襲ってきます。
・足元フロアから常に細かい振動が伝わってくる
これはJF3型N-BOXやフリードでも感じていましたが3代目フィット世代のホンダ車共通の現象ではないでしょうか?
運転中に足裏に伝わる微振動は長距離長時間運転では意外とストレスに繋がります。
この手の揺れや振動はJF5型N-BOXでは今のところ一切感じていません。
ダンピングが効いた足回りは確かに絶対的な乗り心地は硬いのですが不快さを感じないのは
揺れがすぐに収まることと微振動が起きない故だと思います。
・新車間もないのに白濁しているゴムパーツ
これはJF3もJF5も新車間もないのにボンネットの当たり止めのようなゴムブロックが白濁していたので気になってN-WGNもボンネットを開けてみました。
ご覧のように左右とも白くなっていてココだけ中古に見えてしまいますね。
性能には関係ないパーツですがせっかく新車で購入してもこういう部分があるとがっかりするものではないでしょうか?
絶対王者のN-BOX、マニアックなN-ONE、働くクルマのN-VANというNシリーズにおいて
今やなんとなく存在感の薄いN-WGNですがいざ走ってみると実に高バランスのクルマでした。
特に軽自動車唯一のテレスコピックステアリングは運転の基本中の基本である適正なドライビングポジションが得られますから全てのNシリーズに装備すべきですね。
もし私が親の介護が必要でなければスライドドアに拘る必要も無いので
軽自動車からどれか1つを選ぶとしたら筆頭に来るクルマです。
ただ外見はノーマルで中身がカスタムターボにしますけどそんなグレードは無いのが残念です。