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一天地六のブログ一覧

2023年01月07日 イイね!

安心を売り、安心を買う関係のはずなのに・・・

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という内容で投稿しましたが、ディーラーに質問を挙げていたところ返答が来ました。
ただし実車を点検したわけではなく、考えられる可能性という話です。

まずそのディーラーの顧客で私と同じ症状が出ているRP5型のオーナーが
他に2名いるそうです。

可能性のある原因として、燃料タンクの内部断面がW字型になっているためにガソリンの残りやすい箇所とすぐに無くなってしまう箇所があること、
残量を計測するセンダーユニットは1個しかないため
ガソリンの残量や偏り方によっては正確な残量計測ができずCPUに誤った情報が流れ、実際のタンク残量がメーターに反映されないのではないか?
というものでした。

私が以前乗っていたGB型フリードでも4WDモデルは燃料タンクがプロペラシャフトをまたぐ形状になっているために、ガソリンがあまり減っていない状態で給油すると
タンク内の空気が上手く抜けないため満タンまで入る前に給油機が止まってしまう
という口コミを見たことがあります。

私のRP5の燃料タンク周りの画像を掲載しますが
内部がW型というのは円筒形の窪みの部分のことでしょうかね?

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実害が出るような形状にわざわざ設計しているとは思えませんが
W字型というのが内部でどの程度の高低差なのか不明ですが
オイルパン内のバッフルプレートのように液体の偏りを防ぐための形状だとしたら
工夫が仇になったようなものですね。
eHEVだけではなくガソリンターボで同様の症状が起きている方はいらっしゃるのでしょうか?


ではどのようにこの問題に対処してくれるのか?

1ヶ月ほど車両を預かり詳細な検証と点検を行いますが
その際の燃料代は私の負担になる。
とのことでした。
つまりタンク内のガソリンが切れる寸前まで走るのか単にエンジンを回して件の症状が起きるまで検証するのか、それともタンクを外してガソリンを捨てポンプやセンダーユニットを点検交換するのか?
手段は不明ですが、リコールになっていないのでほぼ実費になるという意味ですね。

非常に面倒な工程の割に構造的な問題ならば点検や交換をしても解決しない公算が大きいですし
ディーラー側でもあまりやりたくないというのは見え見えでした。

代車は用意してもらえるでしょうが、1ヶ月以上ステップワゴンが無いのは
介護世代の私にとって好ましくありません。
実は父が現在入院しているのですが、今月中に退院できるとなれば
その後の通院も含めて、送迎は必至だからです。
また点検に伴うガソリン代がオーナー負担というのもご時世的に困りますね。
だっていくら掛かるか全く読めないのですから。

というわけで点検は諦めて、燃料計が1/3になったら給油するなど
早め早めを意識するしかありません。
最近は遠出をしないので高速道路を使うことがめっきり減りましたが
ステップワゴンでロングツーリングに不安が募るようでは宝の持ち腐れです。


リコールや無償点検の類が出ていないので、たまたま私の車両がおかしかったのかと思いましたが同じディーラーで他にも2名いらっしゃるということは
全国規模だと意外と同様の症状が多数報告されているかもしれませんね。

燃料補給のタイミングは人それぞれですが燃料高騰の解決が見えない情勢ですし
給油の頻度を減らしたいのは皆同じではないでしょうか?
私も遠出をする予定がなければなるべくガソリンを使ってから給油するようになりました。

それにしてもフリード4WDの件といい、ろくな検証もしないで設計したのでは?
と思わざるをえないです。
それともこの程度の事案は問題ですら無い公差の範囲内だとでもいうのでしょうか?
ホンダ以外のメーカーでも「なぜそんなことが?」と目を疑う事案が発生していることは
周知の事実ですが、燃料を燃やして走る機械である以上、一番大事なインフォメーション元は
フールプルーフな設計を心掛けて欲しいものです。

Posted at 2023/01/07 20:25:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | マイカー | クルマ
2022年12月27日 イイね!

壊れてる?

2022年最後になるであろう給油をしました。
ステップワゴンに給油するたび不安になるのが給油量と燃料計残量の乖離です。
残量から予想するより多くの給油量になるのが常で、
「なぜこの給油量つまり残量しかなかったのに給油警告メッセージが出なかったんだ!?」
ということも何度かありました。

例えば先月11月26日に給油した際の燃料計がこれです

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給油量は50.06L、ステップワゴンの燃料タンクは52Lですから
残りはわずか1.94Lとなりますが給油警告のメッセージは一切出ませんでした。
ちなみに取り扱い説明書にはこのように明記されています。

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燃料タンク内の残量を昔ながらのセンダーユニットで計測しているのか
今どきのクルマは全く違う方法なのかは知りませんが
警告灯の点灯どころか点滅も一度もしたことは無く
クルマに異常は無いと言わんばかり。
ですが、給油量から推測できるガソリン残量的には
明らかにおかしいですよね。

ちなみに本日給油時の燃料計表示はこちら

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ステップワゴンの燃料計は満タンで20本のバーグラフなので半分から1目盛り減った状態。
常識的に考えて52Lの半分少し=28L~多くて30Lの給油量を予想しましたが実際は約36Lの給油になりました。
半分でも26Lなのに1目盛りで10Lも消費していることになり
いくらなんでも計器として当てにならなさすぎると思います。

給油警告表示が出るのは実際のタンク残量的に走行不能になるよりも
かなりのマージンを取っていることは百も承知ですが
警告が一切出なかったことやいくら目安にすぎないとはいえ
給油量と比例しない燃料計表示についてはさすがにこれ以上看過できません。
来年早々に点検してもらおうと思いますが、ガス欠寸前が分からないので
再現できる状態で持ち込めないのが如何ともし難いですね。

Posted at 2022/12/27 16:58:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | マイカー | クルマ
2022年12月11日 イイね!

HardなRV

タイヤに刺さったビスを除去してもらうためにディーラーに行った際に
ZR-Vの試乗をさせてもらいました。

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試乗したグレードは最上級のeHEV Zです。
以前シビックタイプRの試乗を行った際にシビックeHEVも試乗しており、それとどの程度違うのか、日本市場から姿を消すCR-Vの代替となり得るのか、非常に気になるクルマです。

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外見デザインについては現状のどのホンダ車の流れとも違いZR-V独自の世界といえますが
私がオーナーになったら前後のホンダエンブレムを外して正体不明感を出したいですね。
個人的にSUVはボディ下回りを黒色で締めた方が好きなのでZよりもXの方が良いのですが
Xでは装備できないものがあるため悩ましいところです。

走り出して感じたのはベースであるシビックそのままと言っても差し支えないスポーティーさです。
シビックで感動したステアフィールの上質さは健在でした。
ノーマルモードでもグイグイ加速する様は少しやりすぎではないかと思えるほどで
アクセルワークに過敏に反応し、わざとらしさすら感じる印象です。

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ただシビックやヴェゼルに比べ運転席の穴蔵感が薄く、視界が上下にも広く斜め前方の死角が少ないのも安心安全性は高いと感じました。


気になったのはシビックに比べて揺すられ感が強く、路面の舗装状態にかなり影響される乗り心地やロードノイズです。
地上高もボディ全高も高いため物理的な重心の高さとドライバーの頭も高い位置にあるためシビックよりボディの揺すられを感じやすいのは仕方がないと思います。
ただサスペンションが硬いからゆえの揺さぶられなのでは?と感じてしまうのはマイナスです。
上下動は一瞬で収まるためダンピングがしっかり効いているのは確かなのですが
バネ・ダンパー・スタビライザー全てがガチガチなセッティングであるがごとく
路面がちょっとでも乱れているとヒョコヒョコ、ユサユサするのは上質感に欠けます。


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また舗装が荒れていると途端に音量が増すロードノイズも、頭部周辺がしっかり遮音対策されているだけに悪目立ちしています。
試乗車の装着タイヤはブリヂストンのアレンザでしたがLXではないのと、OE装着だけに
相当にスポーツ走行性能に振った調整がされているのではないでしょうか。

要はスポーツをする場所に行くための乗り物(SUV)ではなく、クルマそのものでスポーツドライビングするためのモノという側面があまりにも強すぎると思いました。
もちろん最近のSUVはそういった性質のモノが多いのは事実ですが
それならシビックで良くない?という疑問が湧いてきます。


そしてそこまでスポーツ性を重視していながら、アンバランスな装備も気になりました。
一番駄目なのがZに標準の本革シートです。

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とにかく表皮が硬くで張りが強すぎるためプラスチックのベンチのようで体にフィットせず、表面もサラサラでヒップポイントがやたらとずれるくらい滑りやすいのです。


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また試乗日が11月とは思えないぐらい湿度が高く気温も高かったため、エアコンONでも腰回りがジワジワと蒸れてくるのは不快極まります。
日本で本革シートを採用するならシートベンチレーションは必須です。
更に言うなら冷風が吹き出すのではなく、湿気を吸い出すタイプでなければ本当の意味でドライビングには向いていません。


汗をかいているからと冷風を当てると冷えて血行が悪くなり腰痛などを促進させます。
短時間の運転ならその場しのぎでも良いでしょうが
長時間の運転やスポーツドライビングともなれば、肉体のリラックスを如何にして安定させるかを重視した設計や装備を奢るべきです。
まだ下位グレードのXの方がファブリックシートなのでマシではないでしょうか。

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スポーツ性を促進させる走行モードの切り替えスイッチが
ボタンだらけのコンソールにあって
ブラインドタッチしにくい形状なのも良くありません。

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ホンダのボタン式セレクターは最近のポルシェのような上下3ポジションの小さなノブにして
もっと専有面積を減らし他のボタンとの明確な違いを付けることや
走行モード切り替えはステアリングに装備すべきではないでしょうか?

あくまで私見ですが、スポーツ性に振りすぎたZR-VはCR-Vのしなやかさやゆったり感は無く代替足り得ないでしょう。
またヴェゼルに対しては上質感で圧倒的でも無く、内装色もダーク系しかないためオシャレさの演出も足りません。

最近ヤリスクロスに内装に追加されたタンカラーが
初代ヴェゼルのジャズブラウン内装を彷彿とさせるのは何とも口惜しいですね。

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マツダも日産もSUVの内装にタンカラーを用意している中、先んじていたホンダのSUVが止めてしまったのは先取りしすぎていたのかとも思えます。
室内の広さやユーティリティでも大きいCR-V、小さいヴェゼルにも及んでいません。
また後方視界の悪さをカバーするモニター式バックミラーの用意が無いのもいただけません。


360度カメラを装備すると助手席側ドアミラーの耳たぶが無くなるのはヴェゼルに比べ良い点ですし、時速30km以下にならないと使用できなかった360度カメラが時速50kmでも使えるようになった(上限が何kmなのかは不明)のは実際に路駐車や右折待ちの横を通り抜ける時にとても便利だったのですが、カメラ切り替えボタンが右側コラムレバーから左側コラムレバーに変わってしまったのは左コラムがワイパーの日本車には全くもって使いづらいしこれまでのホンダユーザーにも混乱をきたす改悪ですね。

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画像は現行ヴェゼルですがステップワゴンも今までウインカーレバー先端にあったカメラ切り替えボタンがワイパーレバー側に変わっています。
ワイパーレバーは作動スピードで位置が変わってしまうためとっさの時に何も無い所を押そうとしてしまうことになりますし、先代ステップワゴンで右側にあると体に染み付いているため試乗中にカメラを作動させようとしてウインカーレバー先端を押してしまいました。
左ハンドル車とパーツを共有してコストダウンを狙ったのでしょうが
こういうとっさの操作が必要なスイッチ類はいたずらに位置を変えるべきは無いと思います。


ZR-Vはスポーツ走行性においてはこのクラスではかなりの上位に来るでしょうし
その割に燃費性能も良いはずなので、そこは褒めるべきところですが
全体的な商品性の魅力がピンポイントすぎではないでしょうか?

これは最近のホンダ車全般に言えることで、ミニバンカテゴリーで最も売れているフリードに
未だに電動パーキングブレーキやブレーキホールド機能はおろか
予約ドアロックすら用意されていません。
無くても売れてるからいいだろうでは無く、
買い手の一手二手先を行く姿勢が見えないのが問題です。
一方でN-BOXはモデル末期になって電動パーキングブレーキを採用するという念の入りようで常に商品性を錆びさせない努力が垣間見えます。だからこそ販売数No.1を死守できるのでしょう。


ZR-Vは海外ではHR-Vの名前で販売されそれは即ち初代ヴェゼルの後継車ということです。
確かにハードな乗り味は初代ヴェゼルそのままといった感じですが、HR-Vとは
ハードなレジャーヴィークルという意味では決して無いですよね?

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ヴェゼルの兄貴分でありCR-Vの抜けた穴を埋めるという役目がある日本においては
今のままの商品力だけでは「ヴェゼルがあるからいいや」になりそうな気がしてなりません。
Posted at 2022/12/11 17:40:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ
2022年09月16日 イイね!

ファイナルR

新型シビックタイプRの試乗を行ってきました。
当日は私の他にも多数試乗の予約が入っていたようで
やはりタイプRの潜在的なニーズはまだまだあるのではないでしょうか。

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FL型のデザインはシンプル・イズ・ベストを追求した80年代ホンダデザインを彷彿とさせ
私には非常に突き刺さる好きなデザインです。

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画像で見るより遥かに張り出したブリスターフェンダーも違和感なくボディラインに溶け込んでおり
「判る人には解る」感がたまらないですね。

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ステー付きのリアウイングだけ後付け感があるのが残念ですが
性能追求第一主義なのでこうならざるを得なかったのでしょう。
それよりリアワイパーを省かなかったのが称賛に値します。
公道を走る市販車である以上、視界の確保に関係する装備は絶対に省略してはいけないと
個人的に思いますし、町中など低速域ではどんな撥水剤を塗っていても
ウィンドウの水滴はワイパーのひと拭きには敵わないのです。


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朝一で洗車をしたのですが3回ほどの試乗でブレーキダストまみれになったそうです。
タイヤ代がゾッとするサイズですが・・・


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まるでオートバイのようなL字エルボーのエアバルブが
さりげないスペシャル感を醸し出していますね。
専用品だとしたら量販店でタイヤ交換した場合どうなるのでしょうか?


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初代タイプRを彷彿とさせる全て真っ赤なフロアカーペット!
当時はこれみよがし的で苦手でしたが今となっては立派なキーアイコンですね。


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液晶パネル表示になったメーターも黄色い針が初代タイプRの系譜を感じさせてくれます。
スピード表示のフォントが小さく細いのが老眼の私には辛いですが・・・


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+Rモードのみで選べるバーグラフタコメーターも80年代デジタルメーターを彷彿とさせますが
視認性は雲泥の良さでした。



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座ってしまえば派手なレッドが視界に入ってこないので運転に集中できるコックピット
先代に比べてシフトレバーが体に近くなったようで
1・2・3速に入れやすくなったのは朗報です。


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少し惜しいのはブレーキペダルが左寄りで右足の移動量が多いのが残念ですね。
クラッチペダルは想像より軽く、ペダルストロークの奥の方でクラッチミートするので
半クラッチや断続クラッチもやりやすく、渋滞や駐車場での微速でも苦にならないと思います。



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試乗はいつもの環状2号線の一部で、後に試乗予約が控えているので1回だけでしたが
一般道の速度域でも十分に素晴らしいドライブフィールを与えてくれました。


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特に先代から良くなったと感じたのはシフトレバーの操作感です。
体に近くなったので左肘が伸びることなく操作できるのと妙なゴリッとした硬さが無く
力を入れずにスムーズなギヤチェンジが可能になりました。

ただしニュートラル位置が分かりにくく、
自分ではNに戻したつもりが3速に入っていたようで
信号待ちで停車した時にエンストしてしまいました。

それと走行モードの切り替えスイッチが
ブラインドタッチしにくいのが気になりました。
走行中に切り替えるのは直線走行でもよほどの慣れが必要ではないでしょうか。
ステアリング右側スポークに着ければ
左手はシフトレバーに集中できると思うのですが。


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サスペンションのバネもダンパーも相当に締め上げられているはずなのですが
スポーツや+Rモードでもお尻から頭に抜ける突き上げがほぼ皆無なのは標準モデルのシビックには無い美点です。
専用シートの座面クッションの構造や電子制御ダンパーのおかげだと思うのですが
絶対的に引き締まった乗り心地ですが、突き上げの無さという意味では
タイプRが一番納得できる良い乗り心地だと個人的には思います。


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またステアリングフィールの良さは標準モデルでも白眉でしたが
タイプRでも顕在で、あれだけのハイパフォーマンスタイヤを履いているのに
嫌な振動やキックバックは無く、ステアリングを必死に支えるような必要はありません。
これならロングツーリングでも疲労は少ないでしょうね。
駐車時の据え切りでも抵抗なくスムーズに回せるので高級車っぽさすら感じるのは
先代には無かった美点です。


そしてやはり主役はエンジン!!!
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これが最後の純内燃機関タイプRになるのはもはや避けられないと思いますが
このエンジンは限定的に再生産を続けるなど、亡くなってほしくない逸品です。
どこからでもトルクが乗ってくるフレキシビリティ
は公道でもスムーズな加速を可能にし
決して荒っぽい運転をする必要をさせないのは良識あるオーナーに所有してほしいという
開発陣の願いのようにさえ思います。

興味深かいのは走行モードを+Rにしても排気音はジェントルで
最近の海外ハイパフォーマンスカーに多いこれみよがし的な
下品な騒音が無いのが気に入りました。
さすがにNA時代の突き抜けるような排気音と天井知らずな高回転への痛快感は
望むべきもありませんが、中低速域でもまるで電気モーターのように
スムーズにグイグイ前へ引っ張る底の知れない厚みのあるパワーを
2Lの排気量から生み出せる現代の内燃機関技術力は失われてほしくないと思います。


試乗を終えて担当者と色々と話しましたが商談を進めているお客様も何人かいるそうですが
「2030年までには確実にお届けします。」という一言が最初に付くそうです。
こんなイイクルマを創れるのに、様々な事情で造れないというのは運が悪いとはいえ
ホンダにもスポーツカーファンにも不遇の時代です。
しかも最後のエンジン世代だというのに・・・


Posted at 2022/09/16 10:24:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ
2022年06月13日 イイね!

あと何回変身できる?

新型ステップワゴンの試乗を行ってきました。

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グレードはeHEVスパーダプレミアムラインというトップグレードです。
今回いつもの試乗コースが大渋滞していたため
特別に自宅までのルートを試乗させていただきました。
お陰で自分のRP5型との違いがよく分かり、自宅周辺の狭い生活道路や駐車場での取り回しも確認できたので非常に有意義な結果になりました。
自分のRP5型や先日試乗したトヨタノアハイブリッドS-Zと比較してのインプレッションです。


◉良かったところ

・RP5型に比べ静粛性と滑らかな走り味が向上

乗り出してすぐに気付いたのはこの点で、頭周辺の外部ノイズの侵入や
エンジンルームからの雑音が巧みに抑えられていました。
登り坂を走るときやエアコン負荷が増えたときに発電のためにエンジンが掛かりますが
そのエンジン音は聴こえてくるものの、はるか遠くに搭載されているかのごとく
音量は小さく、アコードやヴェゼルより少し耳に届きやすいというレベルになっています。

もちろん高速道路での合流など全開加速に入った時の音量は定かではありませんが
一般道のスピードレンジでもエンジンが掛かった途端にノイジーな室内空間へと変貌する
RP5型に比べて明らかに快適性と上質感がクラスアップしています。
またゼロ発進時や中間加速時の動きもグワッとした俊敏性よりもじわじわと速度が
乗ってくる感じで滑らかに加速する様はより上級感が増していると思いました。

ではノアHVに比べてどうでしょうか
走り出しの軽快さは車重が70kgほど軽いノアの方がやはり勝りますし
グンッと前に出るEVっぽさを感じさせる演出に長けていると思います。
エンジンが頻繁に回るTHS2ですが、以前レポートしたように
エンジン音や動力分配装置のうなり音はかなり小さく抑えられていて
HVインジケーターがECOゾーンに入るや否やモーター走行に切り替わるので
意識的にEV走行に持ち込みやすいのは実はノアの方ではないかと思いました。
どちらも静粛性に関しては先代よりはるかに向上しているので
走行シチュエーションの差異はあっても甲乙つけがたいハイレベルです。



・軽めながらも手応えのあるステアリングフィール

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あまりにもドッシリ重いオデッセイより軽く、拍子抜けするほど軽いノアより重い
RP5のステアリングフィールと同じ方向性の仕上がりで
少なくとも左右に切った時の手応えは感じることができます。
路面インフォメーションを逐次漏らさず伝えて来るような精緻なものでは無いのですが
何気ないカーブでもタイヤがそこにあるという反力が手に伝わってくるのは安心感があり、
かつ駐車場での切り返し時もRP5のようなゴムがよじれるような抵抗もなく
スムーズに回せるように変わっていました。



・全速度に対応したレーンキープアシスト

運転支援システムについてはノアに比べ先進性という面では見劣りしますが
片側だけでも車線を認識できますし、ステアリングアシストがいい塩梅で掛かります。
信号機のほとんどない田舎道を延々と走る場合などに役に立ってくれそうです。
水戸ICからツインリンクもてぎまでの道程などで試してみたいですね。



・アダプティブクルーズ中の減速からの停止や再加速が
より滑らかにかつ素早くなった

RP5に比べて前走車の認識が早く正確になったので、よりドライバーの意思に近い
車間距離と速度調整が可能になっているように感じました。
ただスバルのように再加速時の車間距離詰め具合の度合いまで
設定できるようになっていてほしかったですね。
 


・空調パネルの操作性が良くなった

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ダイヤルがあるだけで直感的にブラインドタッチが可能になりました。
同じ様な形やサイズのプッシュボタンが並ぶだけのRP5やノアに比べ
明らかに操作性で勝っていると感じました。
またシートヒーターの温度設定が3段階になったのも
長時間運転時の腰痛対策に役立ってくれると思います。
ただやはりステアリングヒーターは装備してほしかったですね。



・サイズアップしてもRP5とほぼ変わらない取り回し性

新型は全長4800ミリを超え、車幅も1750ミリにアップしたため
自宅周辺の狭い生活道路や2箇所の直角コーナーでの内輪差、縦列駐車の要領で
停めなければならない自宅駐車場でクルマが最も斜めを向く所で
前に電柱、後ろに自宅の垣根がそびえるために
取り回し性の大幅な悪化を懸念していたのですが想像よりも小さな杞憂で済みました。

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プレミアムラインは17インチホイールを履くために最小回転半径は5.7mと
他のグレードやRP5の5.4mはもちろん、ノアの5.5mよりも大回りになるのですが
直角コーナーへのアプローチを変えればクリアできることを確認。
駐車場に入れる時に斜めに向いた時は対角線上にギリギリのスペースしかなく
コーナーセンサーが鳴りっぱなしになりますが、慣れで解決できるレベルだと思いました。
ただマルチビューカメラ映像でバンパー前後に黒い影が出る
のはRP5と変わっていないので
ノアのようにシースルー表示やより進化した自動駐車システムなどが欲しかったですね。




◉悪かったところ


・視線移動が大きく、視認性の悪いメーター表示

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RP5やフリードのようなダッシュボード上面奥に配置されたメーターパネルに比べ
ドライバーに近く、ステアリングホイールの隙間から覗くメーターは想像以上に
視線移動が大きく、表示内容が増え、フォントが細く小さくなったこともあり
運転中の視認性は明らかに悪化しています。
以前ファーストインプレッションで指摘したとおり、ミニバンのようなアップライトな
ドライビングポジションになるクルマにとっては全くもって相容れない設計です。

この点はノアも同様でヘッドアップディスプレイがOPで用意されているとはいえ
最上級グレードにしか装備できませんし、私は昼間の運転では偏光グラスを掛けるため
ヘッドアップディスプレイは見えなくなるので役に立ちません。
トヨタはかつてエスティマでダッシュボード上面奥にメーターを配置していたのに
現行のミニバンラインナップではシエンタのみになってしまいました。
ホンダも次期フリードまでこの様な人間工学的に無意味なレイアウトを行ってしまうのか・・・



・大画面感が感じられないナビ

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11.4インチというノアの10.5より更に大きいナビ画面は表示も精彩で
老眼で近眼の私でも文字がくっきり見えるのは良いのですが
上部の黒帯部分は消すことができません。
無駄にでかい時計表示や現在地の詳細住所なんて常に表示する必要があるのでしょうか?

肝心の地図を全画面表示できないため、縦方向の表示面積が小さく
進行方向への道路状況の先読みやそれに伴うルート変更などの判断材料に乏しいという
大きな欠点があると思います。
北が上を向くノースアップも進行方向へスクロールするのも私は使いますが、
東西南北どの方向にも情報量は均等であるのが地図ではないでしょうか。



・日本の気候に合わないシート表皮

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これはプレミアムラインのみの話ですがシート表皮がスエード生地になっており
体が滑りにくいのはいいのですが、とんでもなく蒸れやすいです。
試乗日が外気温29℃に達する夏日だったとはいえ車内はエアコンが効いていて
暑くも痒くもないというのに、背中や腰回り、腿裏などスエード面に接している部分は
試乗中にどんどん蒸れていくのが分かります。
いったん自宅に着いた所で車を降りて背中を触ると、汗でしっとりとしていました。

RP5の撥水撥油生地も織物とは思えないぐらい蒸れやすく暑いのですが
少なくとも前席はドライバーやナビにとって真の快適性とは何かをもっと重視した
吸汗速乾性に優れた素材や構造への変更か
シートベンチレーションの搭載を早急にお願いします。
それと400万オーバーに達するグレードならランバーサポートは内蔵してほしいですね。



・斜め前方の死角が大きい
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開発側からの発表資料によれば車内側からの視界は向上したとのことですが
RP5から劇的に良くなったようには感じませんでした。

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特に右斜め前の死角は車内側Aピラーのカバーが太くて
ノアに比べ大幅に劣ります。
せっかくフィットでピラーの配置と構造に工夫をこらし、剛性を犠牲にすること無く
視界良好なAピラー構造を実現したのに、
後発のモデルに全く活かされていないのが
開発部署ごとの縦割り構造が未だに残り
「ホンダのクルマかくあるべし!」になっていないのが残念でなりません。



・上下方向のみゴツゴツした固さのある乗り心地

これはノアの試乗でも指摘しましたが、路面の細かいうねりや段差、素材の異なるところを
通過した際の突き上げだけが悪目立ちするという現象です。
しかも時速50km以下で顕著に感じるところまで同じでした。

路面状況にもよりますが時速60km以上になればフラットな乗り心地に変わり
55扁平17インチゆえのドタドタしたバネ下の動きこそあれど、意外にも乗り心地は悪くないのですが、余計に低速域でのゴツゴツ感や足元の細かい振動が目立つのです。

先代というより4代に渡って改造に継ぐ改造を重ねてきたシャシーを使うステップワゴンと
完全新設計のTNGA世代に変わったシャシーのノアで
同じ様に低速域で固さを隠しきれない症状が出ているのは興味深いですね。
16インチホイールになるスパーダやエアーでこういった固さが解消できるのか
いずれ機会があれば確かめたいと思います。



・ゴォーーーーーーッ!!!というロードノイズが響く車内

ディーラーへの帰路は国道1号線を走ったのですが、速度が上がるに連れフラットな乗り心地に変わって行き「これなら17インチでも悪くないな・・・」と思い出した矢先に
タイヤが巻き起こすロードノイズのボリュームがどんどん大きくなっていきます。
装着されたタイヤはブリヂストントランザでRP5と同じ銘柄ですが
往路で感じた上質さや静粛性を全て台無しにするロードノイズの音量に驚きました。
RP5より向上した静粛性ですがタイヤハウス周辺やフロアからの侵入音への対策までは
そこまでお金を掛けられなかったのでしょうか?
国道1号でこれだと保土ヶ谷バイパスを走った日にはどうなることやら・・・



・運転席のスライドドアスイッチの操作性が悪い

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運転席でのスライドドア開閉は予想通り改悪でしかありませんでした。
ドアスイッチを押そうにも通常のドライビングポジションでは全く見えません。
右下を覗き込んでも見えるのは右側のスイッチだけで手探りの操作では開閉を押し間違えるぐらいブラインドタッチで明確に違いが分かる形状にもなっていません。
これでは後方を確認しながらスライドアを開閉するのは難しく
何のためのパワースライドドアなのでしょうか?
後席に誰を乗せようがスライドドアの開閉はドライバーである私が行うように決めているので
開閉スイッチの操作性の良し悪しは非常に重要なのですが
世のミニバンユーザーは大して重要視していないからこのような位置に変更したのでしょうか?



・サングラスポケットの鏡が無くなった

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旧型にもあったヘッドコンソールのサングラスポケットですが半開きの状態で固定でき
貼り付けられたカーブミラーによって後席の様子が分かるという
子育て世代にアピールする装備でしたが
私は左斜め後方の様子を確認するために使っています。
ブラインドスポットモニターが選べないRP5でルームミラーや
左ドアミラーの死角をカバーするこの鏡は隠れた功労者なのです。
新型で無くなったのは使わない人が多かったからか
コスト削減でミラーレスにしたのか分かりませんが
ここにサングラスを入れっぱなしにしたらルーフの熱で
サングラスがおかしくなったりはしないのでしょうか?

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私が設計者ならここにもっと大型のマップランプか
パワースライドドアのスイッチを設置するでしょうね。



・欲しいボディカラーが無い

これは試乗とは関係ないのですが、クルマの購入において個人的に重要です。
身銭を切って買うからには好きな色を選びたいのが人情だと思うのですが
残念ながらスパーダもエアーも欲しい色が皆無です。
そういう時に私が選ぶのがシルバーメタリックなのですが
それすら設定が無いという始末・・・・・・・・

先日試乗したノアはレッドマイカが意外なほどに似合っていましたし、
ブロンズメタリックとダークブラウン内装は落ち着いた上質感が漂います。
セレナのオレンジやオーテックブルーも魅力的ですね。
しかし最近のホンダはメリハリに欠けたぼんやりした色ばかりが増えている気がします。
唯一、プレミアムクリスタルブルーは収縮色である青なのに曇天でもパッと目に入るという
濃いのに異常に彩度が高い発色が好きなのですが採用例が少ないのが残念です。

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もちろん色は個人の嗜好が反映されますから周りのクルマにケチをつけるつもりは毛頭ありませんが、無彩色や暗色が大嫌いな私にとって選択肢が無いのは如何ともし難いです。



総評として

・フルモデルチェンジに期待する驚きや高揚感の不足

本来フルモデルチェンジでは旧型を超えるのが最低の条件ですが
RP5に比べその向上度合が大きなインパクトを与えるほどではありませんでした。
もちろん静粛性や乗り心地は確実に良くなっていますし
予約ドアロックやブラインドスポットモニターなど旧型では最後まで採用されなかった
便利機能や安全装備が標準化されているのは喜ばしいのですが
今更珍しいものではなくそこから更に先を行く「なにか」が無いのが残念です。

デザインだけは世の中のメインストリームに対するアンチテーゼ的で
シンプルな面で構成された立体物は個人的に大好物なのですが
むしろエアー1本で勝負できるほど工業デザイン的な魅力に達していないからゆえの
スパーダの併設としか思えません。

シャシーがキャリーオーバーなら動的質感の向上は旧型でもやろうと思えば
近しいレベルにできたのではないでしょうか?
便利機能も年次改良で十分追加できたはずです。
型式がRPのままという事実からもビッグマイナーチェンジかつ
最後の変身!!といった印象が拭えないのが正直な感想です。


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最大の売りながらも戦犯にされたワクワクゲートを無くしてまで提供するものが
ただの電動テールゲートでしかもエアーにはリアセクションの寸法に収まらないから
採用できないというなんとも残念な設計・・・
私は電動テールゲートより手動で任意の位置で途中固定できる軽いテールゲートの方が
機能と金額の面からも1つのセールスポイントにできたと思いますし
むしろ見たかったのはワクワクゲートの進化版だったのですがね。


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他にも旧型より良くなったのは自立するようになった普通のリアワイパーですが
どうせならN-VANのように上部に着けてくれた方がちりとりにならずに良かったのに・・・
と落胆せざるをえない工夫の無さにがっかりです。

現状のレベルでは購入するとしたらノアHVの方になるでしょうが
無理してまで乗り換えたいクルマかというとそれも微妙です。
今後の改良次第では大化けするポテンシャルはあるはずなので
ホンダにはたゆまぬ努力を怠らずに続けてほしいですね。
Posted at 2022/06/14 01:10:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ

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