孤高の人

日本アカデミー賞をこの作品が取ってもおかしくなかったと思っています。

タイトルの孤高とは、自らの信念により自分の決めた道を進む主人公を指します。最初は医療系サスペンスドラマなのかと思いましたが、良い意味で見事に期待を裏切ってくれました。

まず主役である堤真一の存在感が良い。無骨な骨太の役をやるとぴったりとはまるので、同性から見ても惚れてしまいます。それに加えて夏川結衣・余貴美子の存在が厚みを増す。

ストーリーは、地域医療に漠然と疑問を持つ看護師である夏川結衣が、堤演じる赴任してきた外科医と出会う。その外科医の患者に対する真摯な行動に共感し、自らも成長して行く。「手術とはセーターを編む様なものだ」と語り、オペ中にBGMを流す外科医（何の曲かは伏せますが）。

あるオペがきっかけで病院を去ることになった堤に対し、夏川結衣が最後に走り寄って言いたかったこと・・・。とても胸が熱くなりました。

この一週間は暗い気持ちで過ごしていました。被災現場で頑張っている大勢の方々に混じり、医療関係者の方々の苦労は想像を絶すると思います。私は医療現場がどの様なことになっているかはわかりませんが、この様な映画を思い出して陰ながら応援をしています。