最近ワタシの周りはなぜか大排気量MTな話題が多いのですが(笑)、やはりMTを効果的に楽しむなら小排気量に勝るものはありません。
FIAT500もアバルトモデルの廉価版としてMTを出してきましたし、NISMOマーチもMT版が登場してます。
自動車先進国のカタマリである欧州は小型車には必ずMTをラインナップに加えてます。
日本車はなぜかさっさとMTに見切りをつけてAT、CVTが跳梁跋扈しております。
ラインナップにMTがない小型車が普通で、MTがあること自体貴重ですよね。
欧州でMTが持て囃される理由は、コスト意識や経済観念がコチコチな人種だからという一面もあります。
しかしその反面、両手両足で限られたパワーを使うという「操縦の面白さ」を知ってるからだとも思うのです。
自動車先進国ならではの2面性ですが、自動車を自転車かバイクの延長と考えると納得ですね。
自動車後進国はクルマを居間、もしくは応接室の延長と考えるようです(笑)。
そんなわけで、ジャパニーズスタンダードとも言える軽自動車のMTに載ってみました。
ワタシが軽のMTに乗るのはサンバートラック以来です(笑)。
思えばコレだけ各社から雨後の竹の子のように軽自動車がバンバン新発売されてますが、MTの設定がある車種はほとんどありません。
とゆーかワンボを除く5ナンバー部門では皆無?なんでしょうか。
ちょっと前まではエッセとかミラジーノもMTがありましたが、今はどうなんでしょう?
N-ONEだってN-BOXだってekワゴンだってMT無いですよね?。軽業界はここまでMT離れが進んでいるというちょっと怖い現実なのです。
もっとも今はMTよりも効率の良いCVTが主流です。MTでわざわざクラッチを踏んで手で変速してもCVTより燃費は劣るというのが通説。
確かにそうかもしれません。ただ、ベルト任せのCVTより信頼性があることは確かです。なんせ中身は物理的に手動で動作するものだけですし(笑)。
そんなこんなで今日ご紹介するミラ代車号(笑)もバン登録の廉価版。
実にミラによく似たノリモノですが、リアシートは犬もビックリの直角で温泉宿の座椅子よりもひどいタイプ(爆)。
内装は安っぽいビニールシートでところどころボディが見える固定磁石を使うならばの超親切設計(笑)。
目の前は巨大なスピードメーターが鎮座してますが、当然随時得られる情報はスピードだけ(笑)。
右上に液晶で燃料残量が表示される今どきの超安い手法でチープにまとめあげられております。
メッタヤタラと小物入れ的な窪みがあるのは同じ部品を共用するミラの為でしょうか。
センターコンソールのスリット的なヤツなんかメクラ蓋で塞いでも構わないような気もします。
ダイハツは真面目と言えば真面目なメーカーなんですよね。
写真はダイハツのHPから引っ張ってきたもんで、実際のクルマは代車と言うこともあって汚いです(爆)。
ちょっと節度感の欠けるギアを1速に入れてクラッチを繋ぎます。
ブインとエンジンをチョイふかしてススッと繋ぐと、あれま結構元気よく発進するではないですか(笑)。
サファリ君のMTやランサー君のMTに較べて何か違和感があるかと思いきや、発進についてはまったく無問題の動力性能です。
そのまま引っ張らずに2速へ、何の問題もなく加速します。
トルクもちゃんと下から出るのか、それとも単に軽いだけなのか、、、このカンジは後者だと思います(笑)。
3速で少々引っ張ってみますが、ビヨ~ンというダサバイクのようなエンジン音(笑)で快調に伸びていきます。
タコメーターがありませんので何回転廻ってるか解りませんが、このエンジンは思ったほど高回転型ではないようです。
「ビョモー!!ブイイ~!!(だめだあ!)」と聞こえてきたところで4速へ(笑)。
一般道上限法定速度はあっちゅう間に超えてますが、さらに伸びようとするところで勘弁してやってアクセルを抜き、5速へ。
平静を取り戻してシューンと穏やかにエンジンは廻ってますが、100km/hでたぶん3000回転ちょっとぐらいでしょうか。
直進安定性も軽自動車としては良いレベルで、軽量車にありがちなヒョコヒョコ左右に動きたがる動作もありません。
幹線道路から交差点を曲がるのに、軽くブレーキングを残してハンドルを切り込んでいきます。
既に左手は5→4→3と落して役目を終えハンドルに添えられてますが電動パワステの為、操舵力が重いとは感じません。
キュキュキュっとフロントが逃げる音が僅かにしてハンドルにガクガクっとアンダーステアの状況が伝わってきます。
アクセルをフッとわざと抜くと、ギュイッと内側に舳先が向きますがタックインと言うほどの挙動でもなく終始安定。
その刹那、ギャップに乗った後輪が唐突にガバッ!というカンジで滑ります。
リアの追従性はあまり宜しくないようですが、そういえばコレが貨物車だということに気付きました(笑)。
そのまま細い路地を徐行するも、右足と直結された動きは車体の微妙な加減速を可能にします。
MTならではの安全性能です。余計な動きをしない、ということがこんなに安心なんだと思う瞬間です。
またこーいうシーンでの2速のギア比がちょうどイイですねえ。
ダイハツさんいい仕事してます(笑)。
「もし自分でコレ買うならばまずはタコメーターを付けるな。位置が難しいな。
そのあとこのスピーカーまで内蔵しちゃってるナイス過ぎるFMAMラジオをCDチューナーに取り替えよう。MTにはゴキゲンなBGMが必要だ。
シフトノブはデルリン削り出しの丸型だな。アレ握ってるだけで楽しくなるよな。」
と、楽しい妄想さえしてしまうような良車なのですよ。
小さくてよく出来たエンジンに軽量な車体とMTの組み合わせ、やっぱり最強ですな(笑)。
また軽自動車に軽量スポーツバージョンが帰ってくる事と、MTの復活を強く望みます。
地方都市の路地には軽自動車の大きさがちょうどいいようです。

お色は2色もご用意してございます。
こちらのシルバーなどは高級ホテルのエントランスにも映えます(笑)。
しかし、面白いなあ(笑)。
ワタシさっきまでクラウンと言うエアコンの効いた応接室でふんぞり返ってお盆(ハンドル)を回していたのです(笑)。
フロントガラスに映る景色はなんか別世界的で、路上を走ってることをリアルに感じられません。
それがなんということでしょう!?(笑)。
クソ暑いミラバンに乗り換え左手で棒を搔き回し、遮音も何もない全部の音がリアルに伝わって、自分の動かした結果の振動は全て自分へもれなくフィードバックされてきます(笑)。
エアコンが多少効く頃に窓を閉めてみますが、それでも変わらぬこの臨場感、というよりは現場感(爆)。
クルマって、そういえばこんな風に面白かったんだよなあと思い出しました。
ミラバンに比べればサファリMTですらAT的に感じてしまいます。
世の中優れた製品がたくさん出回ってます。
ATもその一つですよね。安楽だけど効率が悪くて燃費や動力性能とのバーターの代名詞でした。
しかしCVTになってからというものの、非効率だったトルコンは発進だけ使われる程度でロックアップされ問題は解決。
無段階変速+自動制御技術は限りある変速段のMTを逆に非効率にするほど洗練されてきました。
おかげで今はCVTのほうが燃費が優れているというカタログ値となってます。スゴイ時代です。
でも、だからと言ってMTを撤廃するのはちと早計じゃないかと思うのです。
MTはスポーツ行為だと思うのです。両手両足使って車でスポーツする道具なのです。
なので、文字通りのスポーツカーやそれ風のグレードには復活を望みたいですし、オプションでギア比やファイナルも選べると嬉しいですよね。
MT乗りには椅子の色やマットの柄なんてどーでもいい事です(爆)。
両手両足を使う事はボケ防止にもなると思います(笑)。
現在の石油事情として、確かに燃費も重要です。
燃料喰わなければそれだけ距離を走れますし、安価にいろんな所へ行けます。
でもその行く過程も楽しいものにするには、MTは欠かせないファクターだと思うんです。
アルトワークスのような尖がったスポーツKカーのMT、復活を強く望みます。
意味のない64馬力自主規制もやめちゃいましょう。燃費も20km/L走れば良しですよ。
当時のワークスRSの7~8km/Lは勘弁ですが(爆)。