キングピンベアリング交換
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昨年末にスリーシーズン目のスタッドレスに履き替えたらジャダーが尋常じゃないのでキングピンベアリングを交換する事に。
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年明けから必要な部品を発注して必要な部品が揃いました。部品手配前にジャッキアップしてタイヤの上下を持ってキングピンのガタを確認すると左右共にガタを確認、特に左側のガタが大きかったです。またこの状態でブレーキを踏んでもガタに変化はないのでハブベアリングにはガタは無いと判断して今回はハブベアリングの交換は見送りました。
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ジャッキアップする前にエアロッキングハブのボルトを緩めます。
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作業をし易くする為にキャリパー、パット、ローターを外します。
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キングピンと共締めになっているブラケットからバキュームホースとABSセンサーのクランプを外します。この時キングピンの取り付けボルトも緩めます。
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ナックルアームからタイロッド、リレーロッドのボールジョイントを外します。
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ナックルシールを止めているボルトを外します。
左側のボルトを外すとナックルシールの中から水が出てきました。作業前日に下廻りの泥や砂を落とす為に高圧洗浄機で洗ってはいますが下廻りを高圧洗浄機で洗うのは年に一度ぐらいです。分解前にナックルシールの当たり面を見ても特にオイル漏れの兆候やサビの発生はありませんでした。
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エアロッキングハブを外してドライブシャフトからスナップリングとスラストワッシャーを外します。スナップリングの右側の穴が大きいのはおそらくライン上で組み付けを行う時にスナップリングの裏表を間違わない様にする為に片側の穴を大きいしているのだと思います。市販の26サイズのスナップリングと比較すると厚みが純正の方が0.5mm位厚く右側の穴が大きいのでは無く左側の穴を小さくした特注品が純正部品になります。因みスナップリングは面取りしてある方が奥側になり面取りされていない方を表側(スラストストップ面)になる様に組み付けます。今回使用したスナップリングプライヤーは33年前にBaja1000で遠征した時に居候先のLAのペップボーイで購入した物が役に立ちました。
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キングピン上下を外すとナックルがそっくり外れます。アッパー側のキングピンベアリングは完全にお亡くなりになっていました。思っていた以上に酷い状態でした。💦
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外したナックルの中を確認すると水が入ったせいか一部にサビが確認できました。幸いにもハブベアリングの中へは水の侵入は無さそうなので一安心しました。ジムニーでオフロード走行して川渡りなどをすると間違い無くキングピンベアリングは元よりハブベアリングまで水が入る可能性が多いのでオフロードメインで使用する場合にはそれなりのメンテナンスも必要ですね。
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ナックル内部のグリスを綺麗に拭き取りサビを落としてキングピンの取り付けボルト穴とナックルシールのボルト穴もタップでさらって清掃しました。
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ホーシング側のナックル内部のグリスを拭き取りベアリングアウターレースを打ち抜きます。打ち抜く際には26mmのソケットがサイズ的にドンピシャでした。
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古いドライブシャフトオイルシールを外して新しいオイルシールを斜めにならない様に注意しながら面一まで打ち込みます。
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新しいアウターレースを打ち込みます。
キングピンベアリングはベアリングユニットとアウターレースはセット品なので組み合わせを間違えない様にマーキングをしておきました。
またジャダー防止用にキングピンベアリングにプレロードをかける為のシムが出ていますがドライブシャフトを入れる前にキングピンベアリングとナックルを仮組みして0.2のシムを入れてベアリングの締め代を確認してみましたが0.2mmのシムでもナックルとキングピンの取り付け面に0.5mm以上の隙間が空く為プレロード過多になる為シム調整はしない方が良いと判断しました。事実、グリスアップしてドライブシャフトを入れ、ナックルシールを取り付ける前にキングピンを締め付けていくと締め付ける前と締め付けていく過程では徐々にプレロードがかかっていく事が確認できました。
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因みに今回ベアリングのカタログを調べるとシール付きのベアリングがある事が分かり試しにアッパー側にシール付きのベアリングを使用しました。シール付きにする事で上部からの水の侵入に対しては多少効果があると思われます。ただ基本的には水が入らない様にする事が重要ですね。
逆にロワー側にシール付き使用するとグリスの保持には効果があるけど水が抜けにくくなる事も考えられるのでシール無しを使用しました。
外したベアリングを確認するとロワー側のベアリングにはグリス切れも無く痛みもそんなに酷くはありませんでした。
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ナックルシールを組み付ける前にナックルの隙間が埋まる様にエクスタースーパーグリスA(ちょうど3)を詰め込みました。(写真はグリスを詰める前です)
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今回使用したナックルシールはスズキのDラーでもJB64用を使用しているとの事なのでJB23の対策品ではなくJB64用を使用しました。
品番は45120-81A11(JB23対策品は45120-81A10)
違いはアウターリテーナーが2分割か一体物かの違いでフェルトシールが追加されています。
またナックルシール組み付けの際にインナーリテーナーの切り欠き位置とアウターリテーナーの切り欠き位置が重ならない様にインナーリテーナーの切り欠き位置を少しずらして切り欠き部には液体パッキン(スリーボンド1215)を塗って組み付けナックルシールを組み付けた後ナックルとナックルシールの隙間にも同じ1215を塗りアウターリテーナーとナックルの合わせ面と切り欠き部にも1215を塗って防水処理をしました。これは取り外したナックルシールとインナーリテーナーナックルシール側のサビが酷く明らかに水が入った痕跡があったからです。当然キングピンの取り付け面とキングピン取り付けボルトにも1215を塗り防水処理を施しました。
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ブレーキ、エアロッキングハブを元通りに組み付けました。
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タイヤを取り付けジャッキダウンする前にハンドルの遊びの調整も行いました。ジャッキアップした状態でタイヤを左右に振る事でハンドルの遊びが確認できます。ロックナットを緩めセンターボルトを締め込むと遊びが少なくなりますが締め過ぎは良く無いので注意が必要です。
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ロックナットはバンパーの隙間からメガネを入れると作業がしやすいです。
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ジャッキダウンしてホイールナットとエアロッキングハブのボルトをトルクレンチで締め付け作業完了です。試運転の結果ジャダーは無くなりこれでしばらくは安心ですね。
今後は2〜3年、3万km〜4万kmで定期的なメンテナンスも必要になりそうです。今回は新車で購入して6年目、7.2万kmでの作業となったけれどおそらく新車から4〜5年で少なからずキングピンのガタが出始めていたと思われます。今回色々と防水対策を施したので次回のメンテナンスの時に対策の効果を確認したいと思います。
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