リアサスアーム　ベアリング交換

　たまたま、何の気なしにミラのボディを揺すったところ、コトコトと音が鳴っていることが発覚。
手足で車体を触りながら揺らして原因を探ってみると、どうやら右タイヤにがたつきのような異常があるようだ。
ここで怪しいのはハブベアリングの損傷ないしは消耗だが、ハブベアリングは新品に変えてから減るほど走行していないし、右リアタイヤ「は」どこにもぶつけた覚えがない。
実際にはずしてチェックしてもがたつきに結び付くような損傷の様子はなかった。
こうなると次に怪しいのはサスアームの付け根だ。

このTR-XXアバンツァートRの場合、リアサスアームの取り付け軸の根本部分にスラストベアリングが入っている。
サスペンションの動きがスムーズになるようにと設けられた、アバンツァートR専用の装備らしい。
写真は左アームだが、赤丸で囲まれた位置に入っている。
ブッシュが千切れたのであればもっと大きな問題になっているだろうということで、このベアリングの消耗が原因とみて、交換に踏み切った。

写真はイン側の詳細(左アーム)。
赤矢印の先の灰色のリング状のものがスラストベアリングである。
内部の作りは不明だが、ケースはプラスチックでできている。
リアサスアームはボディへは主に２本のボルトで取り付けられている。
下から覗き込めばおおよそどこのボルトを抜けばアームが外せるかは見当がつく。
固着しているボルトも多いが、硬いボルトばかりなので浸透剤を吹きかけるなどしてやれば問題なく分解できる。
ただし右アームの場合、写真のトーコントロールアームと一緒になっているボルトを抜くにはマフラーをはずす必要があり、やや面倒だ。
また、アーム自体の重量もかなりあるので、ジャッキでアームを支えながら作業を進めていった。
取り外したベアリングを新品と比べてみるが、ちょっと動きが悪いかなという程度で大きな差はないようだ。
クラックが入っていたり、もっとひどいことになっていると予想していたが・・・

交換後、ボディを揺すってみると、異音もガタツキ感もきれいになくなっているのが確認できた。
無荷重でははずしたベアリングもスムーズに動いていたが、組付けて荷重が加わると動きが悪くなっていたようだ。
ちなみに、足回りの異音が見つかる少し前から、ギャップを越えたり路面のうねりで大きく揺さぶられたりしたときに「ギシギシ」という音がしていて、ボディがもうダメなのかと落ち込んでいたが、これもベアリング交換と共に解消。
ギシギシ音の正体も動きが悪くなったベアリングからの悲鳴だったようだ。

今回交換した部品は、90043-69046「ベアリング」。
価格は注文当時はひとつ550円で、左右２個づつあるので一台分だと４つ必要になる。

なお、トーコントロールアームと一緒になっているボルトを回転させると、それと一緒になって回転する偏芯座金がずれてアライメントが変化してしまうため、はずす前にどの位置になっていたかをマーキングしておいたほうがよい。