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ロバのEeyore(イーヨー)のブログ一覧

2012年06月30日 イイね!

マツダ技報  No11 1993  ⑪ページ

マツダ技報  No11 1993  ⑪ページ




Mazda Technical Review No11 1993 p58-59



4.操縦安定性の成果

今まで述べたサスペンション開発の結果、AZ-1の操縦安定性はシャシーコンセプトである『カート感覚』を具現化している。
図4に、操舵角に対するヨーレートの周波数応答特性を示す。155/65R13扁平タイヤ並びにロック・トゥ・ロック2.2回転との効果も相まって、低い周波数領域から高いゲインを発生しており、キビキビとした運動性能を示している。




図5に、定常円旋回の求心加速度と操舵角を示す。高い加速度まで、ニュートラルに非常に近いアンダーステア特性を維持し、最大求心加速度は、8.8m/s2 という高い限界性能を有している。




図6に、横向き加速度とロール角の関係を示す。高スプリング・レート、高減衰ダンパー及びフロントφ25、リヤφ20のスタビライザとの組合せにより、ロール率4.0×10-2rad/4.9m/s2という低い値に抑え、安全でかつしっかりした運動性能を有している。




これらの運動性能に加えて、アンチダイブ及びアンチスクォット・ジオメトリの採用によるピッチング・アクションの抑制、動的パッケージングとの相乗効果により、AZ-1は、クイックでダイレクトなハンドリング特性を実現することができた。
また、実験段階においてADAMSによる机上検証を並行して行った。これにより、サスペンション・ジオメトリやコンプライアンス等の調整が円滑に行われシャシー開発に大きな成果を上げた。図7に、ADAMSのフル・ビークル・モデルを示す。




5.市場実績のある部品の有効活用

シャシー部品は、スズキ株式会社のアルト系で使われている市場実績のあるサスペンション・システムの中から多数活用している。これは、一つの完成されたシステムを分解し、各部品の機能を分析し、それらを再構築することにより全く新しいシステムを生み出し、そのシステムから新たな性能と価値を導き出すという思想である。
フロント・サスペンションでは、ロアアーム、ストラット・ダンパーの基本構成部品を活用した。ナックルについては、ステアリング・タイロッドとの結合部を変更し、ステアリング・ラックをフロント・アクスルの前方に配置して、AZ-1のコンセプトに合ったサスペンション・ジオメトリを実現させた。
リヤ・サスペンションはアルト系フロント・サスペンション及びパワートレイン系をそのまま使用している。それらを新設計のペリメターフレームに再配置することにより、リヤ・ミッドシップに相応しい性能を確保した。
ブレーキ・システムは、フロントはアルト系部品、リヤについてはミッドシップの質量配分を考慮し、容量をアップして新設した。
この開発手法を実現するために、企画段階から操縦安定性に関するコンピュータ・シミュレーションを行ない、市場実績のある部品の再構築により新しい性能を生み出すことができた。


6.おわりに

以上、AZ-1のシャシー系の開発を紹介した。『カート感覚』という突出した商品コンセプトを具現化するために、企画段階から設計、実験、生産領域まで多くのチャレンジを試みた。それによって、AZ-1に接した人々が明確にコンセプトを理解して頂けるとことまで仕上がったと確信している。

最後に、本開発にあたって多大なる御協力を頂いた社内外の皆様に深く感謝の意を表したい。





AZ-1はご存じの通り外装、内装、サスペンション・パワートレイン系等わりと多くのパーツを他車種より流用しています。
これはなにより費用対効果が高いから採用されていると考えられますが、誕生20年を迎える今となっては、流用パーツの手に入り易さ(中古あるいはリビルトパーツ、新品社外パーツ)がAZ-1の寿命を延ばしている一因と思います。

この為、逆に考えればAZ-1専用パーツはしっかりとストックしておけば後10年20年と乗り続ける為に役立つのではと思います。



いつまでもAZ-1に乗り続けていける様に頑張りたいと思います!







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2012年10月7日、広島県安芸郡府中町マツダ本社内にて開催

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2012年06月30日 イイね!

マツダ技報  No11 1993  ⑩ページ

マツダ技報  No11 1993  ⑩ページ



Mazda Technical Review No11 1993 p56-57



今回は、マツダ技報の記事の中から、AZ-1のハンドリングを司るシャーシーに付いて書かれているページを紹介したいと思います。

足回りのセッティング、操縦安定性について書かれていて非常に興味深い内容でした。





No11 (1993) マツダ技報

AZ-1のシャシー紹介   Chassis for AZ-1

相馬 宏  (企画設計部)   田畑 利行  (第一車両設計部)



要 旨


本稿は、AZ-1のシャシー・コンセプトとその特徴、成果について紹介したものである。操縦安定性のコンセプトである『カート感覚』を実現するために、
○動的パッケージング 
○クイックでダイレクトなハンドリング
に注力した。また、開発では『市場実績のある部品の有効活用』を重要テーマとして取り組んだ。これらの内容と成果について紹介する。


1.はじめに

軽自動車をとりまく環境を見たとき、自動車市場の成熟と共に基本性能の向上や装備の充実といった高性能、高級化だけでなく、用途を限定した際にひときわ輝きを増し、区別化された個性や魅力が求められるなど要望も多様化している。
車の運動性能に個性や魅力を求める場合、我々は速く走ること以上に、ドライバの操作に対してクルマから得られる確かな操作感覚が大切であると考える。
AZ-1は、これを受け、走りにも明確な個性を放つ楽しい車として開発された。ここでは、AZ-1のシャシーに関するコンセプトとその特徴、成果について紹介する。


2.シャシー系開発のねらい

AZ-1は、"趣味性"、"楽しさ"を追求したエキサイティング・マイクロクーペを基本コンセプトとして開発された。運転すること、所有することを楽しみ、感性に訴えるすべての部分を楽しむことの出来るファン・カーを追求した。
シャシー系開発では、『カート感覚』の操縦安定性の実現を狙い、次の2点に注力した。
○動的パッケージング 
○クイックでダイレクトなハンドリング
また、シャシー系、特にサスペンション・システムを構築するために、『市場実績のある部品の有効活用』を重要テーマとした。


3.『カート感覚』実現のためのハードウェア

シャシー・レイアウトは、クイックでダイレクトなハンドリング性能をパッケージングの基本から追求し、リヤ・ミッドシップを選定した。そして、ドライバがクルマに乗り込み、動き出した瞬間、直線路、コーナー、それぞれの状況でカート感覚を体感でき、速く走ること以上に操作感覚、走行感覚を大切にできる動的パッケージングにこだわった。
独自の高剛性ボデー構造とリヤ・ミッドシップの特徴を最大限に活かし、前輪44%、後輪56%の前後重量配分を達成した(2名乗車時)。燃料タンク、スペアタイヤといった重量物を可能な限り車両の中心に集め、車両の前端のラジエタもアルミ化による軽量化を行い、ヨー慣性モーメントの低減をはかった。トップクラスの低重心設計(重心高426mm)の採用と重心位置に人間を配置したことで、優れた回頭性とピッチングの抑えられた良好な乗心地感を実現した(図1)。





サスペンションは、フロント、リヤともバネ下重量が軽くコンパクトなマクファーソンストラット式を採用した。フロント、リヤともⅠ型ロアアームとスタビライザ兼用のテンションロッドで前後左右方向を支持している(図2、3)。






ロアアームのボデー側取付部及びテンションロッド挿入部には高硬度ラバーブッシュを採用し、操縦安定性の上で重要な横方向の剛性を確保している。
リヤ・サスペンションは、スチール製閉断面構造の頑強なペりメタフレームにマウントされ、支持剛性を高め、リヤ・タイヤの接地性向上に貢献している。
ステアリングラックは、パワーアシスト機構を持たないラック&ピニオン式で、クイック感を実現するためにロック・トゥ・ロック2.2回転、トータル・ギヤ・レシオ12.2に設定した。
ブレーキは四輪ディスク・ブレーキを採用した。また、オプションで4センサ・3チャンネル方式ABSシステムを設定している。
タイヤは専用の155/65R13スチール・ラジアル・タイヤを開発した。横剛性が高く、過渡的ステアに対しても卓越したロードホールディングを発揮し、ウェット時にもすぐれた路面グリップ力を両立させた。



以上明日に続きます!







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2012年06月26日 イイね!

マツダ技報  No11 1993  ⑨ページ

マツダ技報  No11 1993  ⑨ページ




Mazda Technical Review No11 1993 p53-55


AZ-1のボデーの紹介も今回が最後です。最も注目のガルウィングドアについての開発レポートになります。意外と知らないダンパーについても記載されています。それではどうぞ。



  4.ガルウィングドアの開発

4.1 ガルウィングドア採用の狙い

ガルウィングドアは、
①低重心を実現する精悍なウェッジシェイプ&ローシルエット
②高剛性ボデー及び高い安全性確保の為の大断面サイドシルの採用
という条件下で乗降性を確保する為に採用したものである。
これにより斬新な個性を売り物としたAZ-1の大きなセールスポイントとなった。

4.2 ガルウィングドア基本構成

ガルウィングドア回りの主要構成部品は前後のヒンジ、ラッチ、2本のステーダンパ及びウェザーストリップから構成される(図11)。



ヒンジはドアが上下に開閉する様ルーフ部へ前後一列に配置した。
扇動部にはテフロンブッシュを採用して防錆やドア開閉耐久性能を向上させ、スムースなドア開閉フィーリングを実現した。
ラッチは、ドア下端中央部に配置した。
ステーダンパは乗降時邪魔にならない様前後ピラー上部へ配し、夏場・冬場での操作に影響のない様に配慮してフリクションを設定した。
ウェザーストリップはシール性能と乗降時の干渉プロテクターを両立させる為キャビン側にレイアウトする構造とした。

4.3 ガルウィングドアの開閉寸法

ガルウィングドアの開閉寸法は、図12に示す様にドア開閉時地上から1700mm、開閉時の張り出し量を車両最外側から320mmとしてゴンドラ式パーキングでの駐車を可能とした。



4.4 重点開発項目

(1)シール性能
ガルウィングドア回りのウェザーストリップは
①ウェッジシェイプ&ローシルエットデザイン
②居住空間の確保
③ドア剛性(断面)の確保
から限られたスペース内でシール性能を満足する構造の選定が必要であった。
その為ウェザーストリップの取付部構造は図13の様な構造を採用した。



このタイプは、ウェザーストリップの取付部からの水侵入に対して不利である為ウェザーストリップ内部へシーラントを注入する構造を採用した。更に当部へ多量の雨水が流れ込むことを防ぐ為にドア外周モールにレインレール効果を持たせたリップを設定した。

(2)ダンパー性能

ステーダンパーは一般的に
①夏場ドア閉時に操作力が重くなる。
②冬場ドア開時に操作力が重くなる。
という相反する問題点を持っている。
ステーダンパーレイアウトでは、寒冷下でドアが落下しない様安全面に最重点を置きステーダンパのオフセット角度等に工夫をし相反する条件を両立させた(図14)。



(3)安全性

①側突対応
ガルウィングドア内部にサイドインパクトバーを設定することで高い安全性を確保している(図15)。



②脱出性
ガルウィングドアは転覆時ドアが開かないという配慮すべき問題点がある。
AZ-1は、実車にて転覆試験を行ないフロント・バックウィンドウガラス及びドアガラスが破損することを確認した上で転覆時室内から脱出可能な空間を確保できるようにした。

5.おわりに

以上、AZ-1で採用した3つの目玉技術について紹介した。
これらは、AZ-1のコンセプトを実現するうえで重要な役割を果たしたものと確信する。
今回の開発で得たノウハウは非常に多い。今後、これらの技術にさらに磨きをかけ、次期開発車に展開していきたい。
最後に、当技術の開発・商品化に御協力をいただいた社内外の関係各位に、紙面を借りて厚くお礼申し上げます。






ガルウィングドアの開発には今までになかった苦労があったようですね。ウェザーストリップのシールにもいろいろ工夫があるんですね。ドアの外周モールにレインレール効果を持たせるリップなんてついていたんですね。戻ってきたら確認しなきゃ。

また、転覆時にドアが開かないという問題は、開発時実車を数人で転覆させ検証したんですね。
転覆時、リアウィンドウを割って脱出。あるいはドアが少しでも開けば(ラッチが開けば)ドアを押すとドアフレームが曲がってそこから脱出できるようになっているようです。

以前ダートトライアルの練習をしていた時、砂煙で前が見えなくなり側溝に落ちて横転した事があります。フロントガラスが割れて砂塵が車内に入り何にも見えず、4点式シートベルトでコ・ドライバーと2人でしばらく逆さまになったままぶら下がっていました。(キルスイッチですぐに電気は遮断。火災が起きていないか焦げ臭いにおいがしないか、お互い痛い所はないか2人で声を出して確認)

砂塵が落ち着いて車内が(ヘルメットをかぶっていた為)見えるようになってから、二人とも怪我もないことを確認して、ベルトを外してゴロンと(もちろん割れたガラスで怪我をしない様に確認して)車の天井に降り脱出を試みます。側溝に横転してはまってしまった為、左右ドアが開かず割れたフロントガラスから車外に出ました。

クルマでひっくり返ると意外と気が動転してドアが開かないだけでパニックになってしまうことがあると思いますから、車両が停止したら深呼吸して気を落ち着かせるのもいいかもしれません。2人以上乗員がいたら声を出して確認するのもいいですね。

私が冷静に脱出できたのは更にそれ以前、冬の北海道で凍結路面にスリップしてスピンしながら道路わきの畑に横転しながら落ちた経験があったからです。
(その時はカメラマンの親友が運転していて私は助手席)

その時の動転プリったらなかったですね(^^ゞ

真冬の北海道で吹雪の真夜中。あたりに光なく真っ暗闇。ちょっぴり『死』がちらついてビビりました(汗

横転は突然やって来ます!
皆さんもAZ-1で転覆した時の脱出のイメージトレーニングしておくと、いざと言う時冷静に行動できるかもしれません。

AZ-1では全く大丈夫だと思いますが、窓が開いている時に横転すると窓から手を出して骨折するケースが多いので、(この為、サーキット走行時は運転席側の窓を開けて走ってはいけない)横転時はハンドルから手を離さないようにするのが良いかもしれません。

まぁそんな目に合わないに越したことはありませんがアクシデントには備えておきましょう!








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Posted at 2012/06/26 22:26:35 | コメント(4) | トラックバック(0) | AZ-1 書籍 | クルマ
2012年06月25日 イイね!

マツダ技報  No11 1993  ⑧ページ

マツダ技報  No11 1993  ⑧ページ




Mazda Technical Review No11 1993 p53




3.2 表面品質の開発

プラスチックの外板は、スチールに比べ同等の塗装を施しただけでは、鮮映性、各部品間のカラーマッチング性等の表面品質が劣り、ピンホール等の品質不良も発生しやすい。
そこで、AZ-1では、以下の方法で品質を向上し、塗装の2コート化を実現した。
(1)下塗りのカラーアウト化
AZ-1では、下塗りのプライマー色を上塗りと同系色とした。(このことを以下カラーアウトと呼ぶ)
下塗りのカラーアウト化により、鮮映性、カラーマッチング性の向上、及び塗装スケによる表面品質不良の防止ができた。
又、ボンネットやエンジンフードの裏面の上塗りも廃止できた。
(2)ガラス繊維のマイクロ化
フロントフェンダに使用している材料R-RIMウレアは、曲げ弾性率の向上、寸法安定性、及び耐寒衝撃性確保のためにガラス繊維を配合している。
通常配合しているガラス繊維の大きさは、φ11μ、ℓ=120μであるが、この大きさでは、さきにのべた諸特性を維持しつつ、外板としての鮮映性を確保することは困難であった。
そこで、当社で先行開発していたφ5μ、ℓ=80μのガラス繊維を配合することにより、さきの諸特性を維持しつつ高鮮映性が確保できた。
(3)HPIP成形技術の採用
SMC(シート・モールディング・コンパウンド)部品に施こすIMC(インモールド・コーティング)は、製品表面のピンホールレス化技術として知られている。
しかし、従来のIMCは、成形過程で一度金型を開きコーティング剤を射出するため、エアの巻き込みによる表面品質の不良が発生しやすい。
又、工程が増え、成形サイクルも長くなる。
そこで、AZ-1のSMC部品には、成形過程で金型を閉じたままIMCを高圧で射出するHPIP(ハイ・プレッシャー・インジェクション・プロセス)成形技術を採用した。
これにより、ピンホールレス化の実現はもとより、エアの巻き込みによる表面品質不良の低減、及び成形サイクルの短縮が図れた。
(4)解析の充実
リヤフェンダは、流動解析、冷却解析等を行い、部品形状、板厚、及び成形条件の適正化を図ったため、成形不良による表面品質不良が撲滅できた。

3.3 外気温変化への対応

プラスチック外板は、被締結材であるスチールと線膨張係数が異なるため、通常の締結方法では外気温の変化により、各締結間で歪みが発生する。
そのため、外板のスライドが可能な締結構造を採用し、歪みの発生を防いだ。
具体的には、①段付きボルトの採用②締結部の長穴化③ラバーワッシャの設定である(図10)。



又、特に温度変化時の寸法安定性を重視する部品には、線膨張係数がスチールとほぼ同等であるSMCを採用した。

3.4 リサイクル対応

AZ-1の外板には6種類のプラスチックを使用しているが、回収時の分別を容易にするため、材料記号のマーキングを施している。
これらの中にはSMCやR-RIMなど、従来リサイクルは困難といわれてきた材料も含まれるが、現在は、微粉砕して充填剤として使用するリサイクル技術も得られてきた。
AZ-1も材料の再使用を目指しているが、ある程度の回収量が得られるまでは経済性を考慮してエネルギ回収を図っていく。




明日のガルウィングドアの開発に続きます!






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Posted at 2012/06/25 23:54:30 | コメント(1) | トラックバック(0) | AZ-1 書籍 | クルマ
2012年06月22日 イイね!

マツダ技報  No11 1993  ⑦ページ

マツダ技報  No11 1993  ⑦ページ





Mazda Technical Review No11 1993 p51-52


マツダ技報の記事の中から、AZ-1のボディーに付いて書かれているページの続きとなります!




2.3 クラッシャブルフレーム

AZ-1のクラッシャブルフレームの開発は、下記の点に留意し、計算解析を最大限に活用して行った(図4)。



①フロントフレーム及びリヤフレーム等のクラッシャブルゾーン内の強度部材は、衝突時のエネルギを適切に吸収且つ分散すること。
②キャブサイドフレーム等のクラッシュゾーン外の強度部材は、分散荷重を強固に受け止めるとともに、ドア等の機能部品に支障を与えないだけの強度を有すること。
その結果、以下の構造を採用した。
①サブフレームをフロントフレーム下部に設置した。この目的は、フロントフレームの折れ荷重をコントロールすることと、衝突荷重をアンダボデーへ伝達することである(図5)。
②車室内にレインフォースメントを設置した。これは、前記①の衝突荷重を受け止めるとともに、サイドシルへの衝突荷重を分散させることを目的としている(図5)。



③アンダボデーは側面衝突に備え、両サイドシル間をクロスメンバ及びパイプブラケットで結合する構造とした(図6)。



④キャビンは、大断面サイドシルをはじめ、頑強な閉断面で囲んだ。又、B・Cピラーは、ロールバーとしての機能を有するよう、大型断面で三角形状を形成する構造とした(図7)。




3.プラスチック外板の開発

3.1 プラスチック外板採用のねらいと結果

AZ-1は、以下のことをねらってオールプラスチック外板を採用した。

①ユニークなデザインの実現
②軽量化の実現
③カスタマ・モービル構想の実現

①については、AZ-1の売り物の一つであり、最重点課題として開発に取組んだ。
まず、スチールに比べ、形状の制約が少ないプラスチックを採用し、さらに、従来の常識では、、製品の品質確保上、実現困難な形状も、工夫を凝らし対応した。
その結果、デザインコンセプトを完全に踏襲することができた。
②については、スチールに比べ、比重が1/4~1/8と小さいという利点をいかし、成形時の樹脂の流動性、表面品質の確保を考慮しながら、製品板厚の適正化を図った。これにより、外板のプラスチック重量は31kgと、スチールに換算した場合に比べ5kgの軽量化が達成できた。
③については、外板の締結をボルトアップ、又は引掛け構造という機械的締結構造を採用した。これにより、外板の脱着が容易になり、ユーザ独自のカラーリング、スタイリングが比較的自由にできるようになった。ちなみに、全ての外板取り外しに要す時間は30分程度である。(図8)



これらプラスチック外板の採用部位と使用材料を図9に示す。



又、代表的な外板部品の要求性能と使用材料を表1に示す。





なんかAZ-1というと、国産車No1死亡率車というありがたくない称号を当時いただいた気がするのですが、そのせいかあんまり安全なクルマというイメージは自分の中では皆無でした。

しかし、上記のクラッシャブルフレームの項目を読んでちょっと考えを改めました。
昨日の書き出し部分にも高安全性を目指すと書かれていましたよね。

そして、プラスチック外板の採用の項目では③のカスタマ・モービル構想は特筆する点ではないでしょうか!

外板の脱着が容易になり、ユーザ独自のカラーリング、スタイリングが比較的自由にできるようになった。

と書かれていたように、多くの方がこの恩恵に預かり自分らしいカスタムAZ-1をつくり上げ、楽しんでいます。
間違いなくAZ-1の魅力の一つだと思います。

ちなみに、全ての外板取り外しに要す時間は30分程度である。(図8)

と書かれていましたが、ノーマル車両を手に入れたら一度試してみたいですね。
でも30分かからずに外してしまう猛者もたくさんいらっしゃいそうですよね!






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Posted at 2012/06/22 23:19:41 | コメント(3) | トラックバック(0) | AZ-1 書籍 | クルマ

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無事に帰宅出来て良かったです、お疲れ様でした」
何シテル?   09/19 08:55
ロバのEeyore(イーヨー)といいます。 このブログはAZ-1&CARAの事をメインに書いていきたいと思います。 お見苦しい点も多々あるかと思いま...
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