ごちゃごちゃ言わなきゃ、いいクルマ－ホンダ・ZR-Vに乗った。

外観は★２つ。

マセラティとか、ランボルギーニとか、ポルシェ辺りの超高級SUVのディテールを、シビックベースのFFプラットフォームに載せるとこうなります、と言うデザイン。
各ディテールの出自が分からなければまずまず纏まっていると思うのだが、BMWやフェラーリのディテールをギャランベースのFFプラットフォームに寄せ集めた初代ディアマンテやGTOのような、何とも言えない違和感を感じる。要するに、オリジナルより間違いなくカッコ悪いのだ。

逆に内装は★４つ。

インパネ全体が低く抑えられ、空調の吹き出し口も薄く、幅広く見せているため、全幅1840mmあることも相まって、シビックよりも随分広くなったと感じる。また、センターコンソールやドアハンドルにボリュームを持たせた上に合皮を貼ったりして、見た目の質感がとても高い。何となく貧相になったゴルフ８よりも見栄えがする。
また、ボンネットの隅が良く見えるので全幅の割に都内でも運転がしやすい。


ドリンクホルダーはシフトレバー前方に２つ横並びに配置されているのは良いが、夜になると暗くて見えなくなるので照明が欲しい。


ドライビングポジションについては、ステアリングがドライバーに対してやや右側、ペダルはやや左側にオフセットされているのが気になるが、運転に不都合が発生するほどではない。なお、ステアリングヒータが装備されているが、使い捨てカイロ並みに熱くなるので、温度調整機能が欲しい。あと、本革シートなのだから、シートベンチレーションも欲しい。


リアシートの広さはまずまずだが、シート座面長さが足りないのと、床に対して低く座らせるので、あまり居心地は良くない。

今回乗ったのはガソリンモデルなので、エンジンは1.5L直４ターボで178ps/240Nmを発揮する。シビックに比べて出力が若干（182ps⇒178ps）落とされている。
シビックより約100kg重くなったからか（1360kg⇒1490kg）、感覚的には2L自然吸気並みの力感で、後でスペックを見てこんなに出ていたのかと驚いたくらい。
なので、遅くはないけど、もう少しパワーがあっても良いかと思う。ハイブリッドに乗ったことは無いが、パワーや高級感を求める向きにはそっちの方が良いかもしれない。

トランスミッションはCVTだが、７段の疑似マニュアルモードがあり、ステアリングパドルでマニュアル操作が可能。

市街地での乗り心地は、硬め。
路面の悪いところでは結構ガツンとした衝撃も入るし、ロードノイズも小さくはない。また、電動パワステ＋レーンキープアシストあるあるで、低速域ではほとんどステアリングフィールがない。

ただ、高速になると俄然ステアリングに締まりが出るようになり、狙ったラインをトレースできるのが楽しい。リアサスはFFらしくトーションバーだが、コーナーでもリアがガシッと安定している。なかなか頼もしい足回り。


タイヤはBSアレンザH/L33 225/55R18 98Hを履いていた。なので、この個体は上級のZグレード。

荷室容量は５名乗車で408Lだそう。
カタログを見ると90L級のスーツケースが３個入るらしい。形状もスクエアで使い勝手は良さそう。
また、ZR-Vは全グレードで電動テールゲートが標準、Zグレードではハンズフリー機能も付く。

今回は一般＋高速で70kmほど乗って、トータルの燃費は13km/Lを超えた。
年末で首都高速は湾岸線も横羽線も酷い渋滞だったが、非ハイブリッド（＋非アイドリングストップ）でこの燃費は立派。

今回借りたのはFF、非HEVのZグレードで、本革パワーシート、ナビ、BOSEサウンドシステムなどの充実装備が付いて380万円。
e-HEVになると＋35万円、4WDになると＋22万円となる。

ちなみにVWゴルフベースのSUVであるT-Rocは、一番安いグレードでも430万円。ナビや革シートを付けたら500万円オーバー。
と考えると、この中身でこの値段はお買い得と思える。