初代(1982年 - 1991年)
ジープの持つ優れた悪路走破性と、乗用車のような快適性を融合させた「新世代の多目的四輪駆動車」として1982年に登場。ベースはボンネットトラックのフォルテ。
当時、商用車感覚が強かった四輪駆動車市場に対し、フロントに独立懸架サスペンションを採用することで乗用車並みの乗り心地と操縦安定性を実現。本格オフローダーでありながら都市部での日常使いにも応えるコンセプトが支持を集める。デビュー当初は4ナンバーのショートモデルのみだったが、翌年にはメタルトップワゴン(5ナンバー)やロングボディを追加してラインアップを拡充。パリ・ダカールラリーへの参戦と総合優勝などの実績により、タフで先進的な「RV(レクリエーショナル・ビークル)」の象徴としての地位を確立し、日本のRVブームを牽引した。モデル末期にはデボネアVに搭載された3L V6エンジンを搭載し、贅沢路線に。
2代目(1991年 - 1999年)
初代の大ヒットを受け、1991年にフルモデルチェンジ。
「スーパーセレクト4WD」と呼ばれる世界初のフルタイム/パートタイム切替可能な革新的な四駆システムを採用。舗装路から激しい悪路まで、状況に応じた最適な駆動モードを走破性を損なわずに選べる機能性が大きな話題を呼ぶ。さらに、ABSやフルタイム4WDにマルチモードを組み合わせた高度な電子制御技術を取り入れ、安全性と走行性能が飛躍的に向上。
流麗かつ存在感のあるスタイリングと上質なインテリアも相まって大ヒットを記録。モータースポーツでもパリ・ダカールラリーで連覇を果たすなど、名実ともにSUV界の絶対王者として君臨した。3.5LV6 MIVECエンジンを搭載した「パジェロ・エボリューション」は2代目をベースにしたホモロゲーションモデル。最終モデルで3.5L V6 GDIエンジンを搭載。
3代目(1999年 - 2006年)
1999年に登場した3代目は、従来のラダーフレーム構造から一転し、フレーム一体型モノコック構造(ビルトインフレーム)へと大幅な構造転換を図る。これにより、堅牢な悪路走破性を維持したまま、大幅な軽量化と低重心化、走行安定性の向上を実現。さらに四輪独立懸架サスペンションとラック&ピニオン式ステアリングを採用し、オンロードにおける乗り心地と操縦性が劇的に進化。四駆システムも電子制御化された「スーパーセレクト4WD II」へ進化したほか、直噴ガソリンエンジン(GDI)やディーゼルエンジンの搭載など、先進の環境・走行技術を投入。悪路走破性と乗用車顔負けの上質な走りを高次元で両立させたモデル。しかし、GDIエンジンはトラブル事例が多く、クロカンブームの終焉、さらには三菱のリコール隠し問題も重なり、2代目ほどの評価は得られず。
4代目(2006年 - 2021年)
2006年に登場した4代目は、3代目で培ったビルトインフレーム構造と四輪独立懸架を踏襲しつつ、基本骨格の剛性を徹底的に強化した最終世代。パリ・ダカールラリーで培ったノウハウを結集し、過酷な環境に耐えうる耐久性と信頼性を追及。電子制御制動システム「ASTC(アクティブスタビリティ&トラクションコントロール)」などの先進安全技術を標準装備し、悪路におけるトラクション性能を極限まで高めた。2008年には新開発のクリーンディーゼルエンジンを投入し、高トルクと優れた環境性能を両立。国内外で長く愛され続けたが、2019年に日本国内での販売を終了し、2021年に生産を終了して約39年の歴史に幕を下ろす。
そして、7年の歳月を経て満を持してリリースされたのが、今回の5代目。
原点回帰なのかは分からないが、今回は初代と同様にボンネットトラック(トライトン)がベース。ただ、リアサスは新設計の5リンクリジッド+コイルスプリングとなる(トライトンはリーフリジッド))。
尚、4代目までのビルトインフレームボディは踏襲されず、トライトン同様の独立フルフレームボディに戻った。結果、ボディが若干大きくなったこともあって、車重が120kgほど増えてしまった。
初代から連綿とパジェロを製造してきたパジェロ製造は既に解散となったため、今回はトライトン同様にタイにあるMMTh(ミツビシ・モータース・タイランド)で製造される。
何と言っても全長4,920mm x 全幅1,925mm x 全高1,910mmと言うことで、小山のようにデカい。もっとも、ライバルとされるランクル250もほぼ似たようなサイズ(ZXで4,925mm x 1,980mm x 1,935mm)なので、パジェロだけが取り立ててデカいと言うわけではない。
個人的に特段カッコ良くも悪くもないと思うのだが、あまりパジェロらしさと言うか、三菱の車らしさと言うのは感じられず。どことなく日産車にも見えるし、何なら中国にもありそうな感じのスタイルとも言える。ヘッドライトもボルボの亜流ではなく、丸形にしたらとも思う。LEDとは言えメルセデスGクラスみたいに丸形にできるでしょう。
最新の車らしく、インパネは大型液晶パネル2枚を組み合わせたもの。
最近流行のタン内装色は明るい雰囲気だが、質感はアウトランダーやエクストレイル並みと言ったところだろうか。最近は日本車も内装の質感は上がってきたよね。
オフロード車らしく、温度調整など物理スイッチも残されているし、コンベンショナルなATシフトノブも〇。シフトレバーの位置も右に寄せられていて、アウトランダーみたいなトンチキなことはしていない。ステアリングのチルト&テレスコピック調整が電動なのもよい。
また、ボンネットの端が良く見えるので、大柄のボディの割には運転しやすそうではある。
ペダル配置は可もなく不可もなくと言ったところ。シート中心に対して若干ペダル類が左に寄っているが、目くじらを立てるほどでもない。
この手のクルマは床が高いので、乗り降りは大変。
なので、インパネにもアシストグリップがビルトインされている。
リアシートはスライド&リクライニングが可能。
これだけの大きさなので、3列目もそこそこ使える広さが確保されている。
7人乗りに必須な、後席用エアコンも装備されている。
海外仕様と言うことで、AC220Vコンセントも付いていた。
7人乗車だとほとんど荷物は載せられないが、5人であれば人数分のキャリーケースが楽に載せられそう。
床下に巨大なスペアタイヤが収まるので、収納スペースはほとんどない。
タイヤは255/55 R20を履く。
ランクル同様、ボルトは6穴。
エンジン縦置きなのにキャビンをなるべく前に持ってくるあたり、トラックを感じるところ。
歴代のパジェロはエンジンをフロント車軸よりドライバー側に配置する、所謂「フロントミッドシップ」を採用していた。これは前後重量配分の改善だけでなく、特にショートボディにおいてはドライバーを車の中心近くに高く座らせ、車両感覚を掴みやすくする「コマンドポジション」を採るため。
新しいパジェロはロングボディしかないし、ベースとなるトライトンもダブルキャビンでかつ、荷室の長さも確保したいから、キャブフォワードにせざるを得ないのだろうけど、やっぱりパジェロらしくない。妥協が目立つ。
ショールームの人に値段を聞いてみたら、最上級グレード(スーパーエクシード)の吊るし(オプション無し)の価格が800万円弱とのこと。
見ただけの印象を言うと、長らくパジェロに乗ってきた人にとっては待ちに待った新型、となるだろうけど、デザイン的な特徴が薄いのがやや残念。
レンジローバーみたいな高級車じゃないんだから、もうちょい道具っぽさがあると良かった。
荷室に汚れ物を積んでも、水でガンガン洗えるタフさとか。
そうそう、ここは三菱本社のショールームと言うことで、他の車両も展示されていました。
そう言えばデリカD:5を初めて触った。
我が家の車庫は自分より身長の高いクルマは入らないので、この手のクルマは自動的に購入の対象から外れるため、デビューして20年近く経つのに、全く縁がなかったのです。
インパネは液晶メータにアップデートされていたが、シートの建付けが甘かったり(この個体だけか、前後にガタあり)、ステアリングのオフセットが酷かったり、ステアリングのテレスコピック調整がなかったり、ところどころに設計の古さを感じた。
でも、このクルマでないと得られないものがあるから、今でも人気なのでしょう。
三菱は子供のころから好きなメーカーなので、くれぐれも日産車の着せ替え人形ばかりにならないように頑張って頂きたいです。