[#4] 「生まれ変わった圭オフィス車高調・タイプTE相当」 の巻
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「走行中にダンパーの底が抜け落ちた」というトラブルの続編(その4・最終話)。
前編(その3)にて、使用中の圭オフィス車高調(タイプTD&TD-II 混成仕様)を4輪ぶんとも圭オフィス(株)に送付し、異常有無の点検後に主要部分を新品に交換していただく運びとなったことは、お伝えした通り。唯一の懸念点は、「どの範囲までが新品に交換されるのか?」がいまいち不明確(つまり信用取引)であったことだ。
結果はご覧の画像の通り・・・何と驚くなかれ、新旧モデルで互換性のあるスプリング以外、「すべて」のパーツが丸ごと新品になって返送されたのだ! しかも現行最新モデルのタイプTE相当になって、である。
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スプリングは新旧モデルでスペックの変更は無く、また消耗品とも(ほぼ)言えないから、アッパーマウントからロアブラケットに至るまで、要するに車高調一式が旧モデル(タイプTD&TD-II 混成仕様)から現行モデル(タイプTE相当)に生まれ変わったと言っても良い。
アッパーマウントなど細部を観察すると、旧モデルで不満のあった箇所はことごとく改良されていることがわかった。さすが現行モデルである。
なお旧モデルでの不満事項については、本家サイト内「
http://www.asahi-net.or.jp/~mi5k-amkt/bg5_keioffice.htm」の第7章をご覧下さい。
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左の画像は、問題のダンパー底部のアップ。
現行モデルであっても基本構造(底板が特殊工具によるネジ込み式で、非溶接式であること)に変更が無かったのは少々残念であるが、この現行モデルが量産開始された時点では、私の底抜けトラブルはまだ発生していないので、市場での不具合が基本スペックにフィードバック(反映)されるだけのリードタイムが無いのは仕方がない。
ただ、私以外の類似トラブルによる見直しがあったのか、同じネジ込み式であっても、ネジ部にはゆるみトルクの大きなロックタイトの類を新規に塗布しており、「分解用の特殊工具を使ってさえも、ゆるませることは困難なほど固くなっている」とは、圭オフィス(株)の担当者さんの談。数値でのバックデータでは示されなかったので、恐らく経験則からの話かもしれず、本モデルであってもユーザーとして引き続き注意は必要だろう。
よっぽどダンパーシェル(外筒)と底板とを「点溶接」してから使用しようかと思ったのだが、圭オフィス(株)の言い分(=改善効果)がどれほど市場で再現されるのかを確認すべく、今回はあえてそのままで車輌に組み込むことにした(合いマークなどを付けて、定期的に観察することにした)。
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スプリングロアシートやロックナットの類。
旧モデルからの改良点としては、直巻スプリングとロアシートの間に、ゴム製のスプリングシートが標準添付されたことである。したがって、旧モデルで使用していたベステックスのフリクションレスシートは、今回から使わないことにした(旧モデルにて、実質的な効果があまり得られなかったと判断されたこともある)。
その他の変更点としては、テーマカラーが黄金色からアルマイト調のグリーンになった点もある。あくまで個人的かつ主観的な意見であるが、こちらの色の方が落ち着いていて旧カラーよりも好ましいと思う。
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直巻スプリングとスプリングシート、ロアシート、ロックナットの拡大画像。
スプリングはswiftに交換して使用する。旧モデルでは、レバー比がほぼ1であるにもかかわらず、暫定仕様としてあえて意図的にフロント7.0[kg/mm]、リヤ8.0[kg/mm]として組んでみたが(→詳細は整備手帳の別ページに記載、
http://carlife.carview.co.jp/UserCarNote.asp?UserCarID=29544&UserCarNoteID=35375 を参照)、今回は順当にフロント8.0[kg/mm]、リヤ7.0[kg/mm] で組む。
これができた最大の理由は、何と旧モデルよりもダンパーのストロークが約40~50mmほどアップしているためである。ダンパー本体のシェル長が拡大されたことに伴い、ストロークもアップされ、したがって車高調整範囲(主に上げる方向)の自由度が格段に向上した点が実用面での最大のメリットであると考えている。
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前後のスプリングをswiftに交換し、またリヤのアッパーマウントをクスコのキャンバー調整式に変更してAssy化した様子。
新しい車高調はまったく気持ちが良い。圭オフィス車高調・タイプTE相当である。なお、「タイプTE」ではなく「TE相当」と表記しているのは、実はフロントのダンパーには私の要望を入れていただき、市販のレガシィ用タイプTEダンパーよりもさらにストロークアップしたダンパーを特別に提供していただいたからである。いわばワンオフの組み合わせというわけだ。ちなみに、今後、仮にこのストロークアップ仕様のダンパーにガタが来て要O/H状態となった場合であっても、換えの供給体制には何ら問題無い(同等品を提供していただけること)を、圭オフィス(株)担当者さんに確認済みである。
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生まれ変わった新しい圭オフィス車高調(タイプTE相当)をBGレガシィのリヤに組み付けたところ。
なお前述の(その3)では記さなかったが、実はダンパーの脱着により「4輪アライメント調整が必要になる」との私の主張も、圭オフィス(株)に聞き入れていただいた。つまり、破損したドライブシャフト代やその交換工賃以外にも、4輪アライメント調整費用を圭オフィス(株)に負担していただいた・・・というワケだ。
もともと「ダンパーの底抜け」トラブルが無ければアライメント調整作業は発生せず、ダンパー脱着をするならアライメント調整も一連の作業として付随することになるので、費用負担をお願いできますでしょうか?と打診していたのだ。
アライメント調整工賃まで要求されるとは、圭オフィス(株)にとっては少々予想外だったかもしれないが、例えば人身事故などの重大事故が起きる前にトラブルを発見できたことや、あるいは今回の事例を市場での限度見本として次期モデル開発にフィードバックできるであろうことを考えれば、その負担は決して大きなものではないはずだと私は思っている。
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タイヤ&ホイールを無事に組み付けたところ。
画像にある通り、ノーマルビルシュタインダンパー装着時よりも車高をアップさせることも可能である。ちなみに街乗り時のホイールアーチハイトは、フロント346[mm]、リヤ364[mm] で設定している(タイヤサイズ215/45ZR17時)。これにより、コンビニなどの駐車場で縁石にマフラーをこする心配は皆無である。もちろんミニサーキット走行時には、従来同様に車高を下げることも可能である。
さて使用感であるが、ダンパーの動き始めにフリクションのような渋さ?を感じるものの、総じて街乗りではゴツゴツ感も気にならず、乗り心地の良いダンパーだと感じる(少なくとも、家にある「涙目GDA-CインプレッサWRX」よりも乗り心地は良好)。ミニサーキットでのインプレッションは不明(未だ走行していないため)。個人的には、車高を上げる方向の自由度が増えたことで、ようやく「使える」車高調になったと評価している>圭オフィス・タイプTE相当。
なお巷では、よく「社外品はオウンリスクで」と言う人々は多いですよね。私見ですが、単にパーツを装着するときだけに留まらず、本当のトラブル発生時にも「最後まで適切に対処することが出来るか否か」までをも含めて初めて「オウンリスク」だと思うのです。今回の一連の記事(整備手帳)が、その意味を考え直していただくキッカケになれば幸いです。
長文かつシリーズ4話でお伝えしましたが、圭オフィス(株)の担当者さんを始めとする関係諸氏、そしてこの「整備手帳」を最後まで読んでいただいた方々には、この場を借りてお礼申し上げます。
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