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2017年03月03日

ホンダが迷走しているように見える:最終回

ホンダが迷走しているように見える:最終回 2月はホンダに関するブログを五本ほど書いて、それ以外の話題には一切触れなかったのですが、なんと!一日平均3,000PVを遥かに上回るアクセスがあってちょっとビックリでしたA^_^;)。

個別の話題はそれぞれのブログを読んで頂くとして、最後にボクの目から見たホンダの問題点を一応、列挙しておこうと思います。順序はまぁ不同というか適当というか、、、(笑)。

1.スタイリング

ホンダが元気だった、というかホンダ車が輝いて見えていた時期(1980~1990年代)のホンダ車のスタイリングって、古い言葉ですが「バタ臭い」とか、市場シェアトップを争っていた当時のトヨタ車、日産車に対して、ほのかに知的な香りがあったり、若々しかったりしたものです。

昨今のホンダ車のデザインって、軽のNシリーズとかS660、ヴェゼルや新型のフリードのように上手くやっているケースはあるものの、そうで無いものの多くはデザインに問題があって、マイナーチェンジなどで大きく手を入れるケースが後を絶ちません。

先ず「ホンダ車のデザイン・アイデンティティ」が全く確立されていませんし、レジェンドやステップワゴンなど、定番外しのデザインに挑戦して販売が低迷し、フロントグリルを中心にマイナーチェンジで方向転換という軌道修正を何度も繰り返しています。

エクステリア・デザインに関しては、国産メーカーを見渡しても大きく遅れていて、相変わらずの個別最適から一歩も抜け出せていない点も問題です。

クルマをパッと見て「フィットである」「N-BOXである」ということは解っても、ホンダ車であることの共通点が何も無いというラインナップでは遠からず立ち行かなくなる(既になっている?)でしょうが、もっと危機感を持つべきでしょう。

2.サスティナビリティの欠如

絶版車種の多さが物語っていますが、売れなくなった車種を廃止するのは企業判断としては正しいとは言いつつも、そもそも売れなくなる車種を乱発するその商品企画や商品戦略に問題があると自覚すべきです。

ホンダ車は少なくとも性能面ではとても良く出来ているので、現行車種に満足している顧客は多い筈です。しかし自動車は耐久消費財であって一生モンとして大事に乗り続けることは多くの人には難しい。(少数のマニアになら可能でしょうが)

愛車を気に入っていれば、買い替えの際に愛車の最新モデルというのが最優先候補に挙がって当然ですが、それが出ないとなれば困る顧客も少なくない筈。

この現行車種を絶版にするのってボクはメーカーの顧客に対する大いなる裏切り行為だと思っているのですが、このブログを読んだ方はどう思っているでしょうか?

「でも売れなくなったクルマは仕方が無い」とは確かにそうだと書きました。しかし「そもそも売れなくならないように価値を維持、或いは向上させていくことが造り手側の責務(課題)」であって、市場のせいにするなよ!とボクは言いたいです。

特に歴史のあるブランドであるシビックの廃止とて、シビックと云うクルマの日本市場での役割が終わったのか?シビックを日本市場で売れないクルマにホンダがしてしまったのか?どっちなの?という話です。スバルのインプレッサも、マツダのアクセラだって立派に日本市場で売り続けています。

スバルやマツダに出来ることが、なぜホンダに出来なかったのか?それを真摯に、ちゃんと反省した上での新型シビック復活なのか?ボクは大いなる疑問を持って眺めています。


3.新しい価値が造れるという自惚れ

人真似をしない。新しい価値を市場に提供する。ホンダのクルマ造りの伝統であると理解はしていますし、そんなホンダ車に惹かれてファンになったオーナーも多いでしょう。ボクとて例外ではなく、DOHC-VTECにやられ、「所詮はFF」と見くびっていたTYPE Rにやられ、ホンダって凄い、と思ったものです。

しかしそれらは残念ながら過去の話で、近年のホンダ車を見るにつけ、そういった試みがどのくらい上手くいっている(思惑通りに市場の支持を得られた)かを、ホンダ自身は冷静に分析したり、反省したりしているのだろうか?と疑問に思います。

ブログの其の壱でも書きましたが、ジェイドは走りの評価も高く、その低全高を実現しながら居住空間を最大化する低床設計などのエンジニアリング面でも実にホンダらしいクルマですが、2列目をキャプテンシート一本にしてしまった点が販売の足を引っ張った節があります。ホンダはロングスライドのリムジン感覚を「新しい価値の創造」と拘りを持っていたようですが、具体的なターゲットである旧オデッセイやストリームのオーナーに支持されなければ、単なる技術者の自己満足(マスターベーション)でしかありません。

その「新しい価値」とやらを望んでいる顧客が本当に居るのか?無論、世の中に無いものを創造するからには「出してみなければ判らない」ワケですが、そもそも極めて具体的、かつピンポイントに「旧オデッセイやストリームといった低全高多人数乗りミニバンのオーナーを救済する」という目的があったのなら、彼らに2列目キャプテンシートが本当に響くのか?確認のしようがあったのでは?と思えてなりません。


4.「XXで十分」なんて云うな!

ホンダの技術者の口からこういった言葉を聞いて、ボクは何度も残念な気持ちになったことがあります。
「FFで十分」
「(ATは)5速で十分」
「(フロントサスペンショッは)ストラットで十分」
「自然吸気で十分」
etc。。。
どこまで本音か知りませんが、例えばホンダが作る後輪駆動のクルマに乗ってみたいと切望しているファンが居たとしたら、ホンダの技術者から「FFで十分」というセリフを聞いた瞬間に、どんなにガッカリするか、彼らは想像したことがあるのでしょうか?

後輪駆動という話題は飽くまで一例ですが、世の中のアッパーミドル以上のセグメントのクルマで、人気があったり高く評価されるメルセデスやBMWなどは後輪駆動であり、国内でもトヨタや日産もそのセグメントでは後輪駆動車を作っています。同セグメントのクルマを欲しいと考えるホンダのファンが、レジェンドやインスパイア、アコードと言った車種が「後輪駆動であったならどんなに素晴らしいか!」と考えるのは至極真っ当な話です。

そんな彼らに「FFで十分」などといった言葉を浴びせることの無神経さをどう考えているのか?

逆にそういったセグメントの車種を後輪駆動に転換できない事情があったにせよ、ホンダにはSH-AWDという打ち手が1990年の初頭には既に手の内にありました。「FFで十分」ではなく「FFは云うに及ばずFRよりもコレは素晴らしいんです」と言って出していれば、もしかしたら多くのホンダファンが納得したかもしれませんが、そうしませんでした。

「XXで十分」かどうかを判断するのは顧客です。本当に十分かどうかを示すのが造り手側の責務であって、FFのTYPE RやDOHC-VTECのようなクルマや技術を示せたときだけ

「FFで十分(専用設計や後輪駆動のスポーツカーより速くて楽しいでしょ?)」
「自然吸気で十分(過給機付のエンジンより速い上に燃費も良いでしょ?)」

と言えると思うのです。逆にそれが出来ない以上は他社製品に対する単なる負け惜しみであり、ファンを失望させるだけの無神経な発言だと自覚すべきです。


5.F1やモータースポーツをやっている意味

ボクはホンダがモータースポーツを大切にしていることも、鳴かず飛ばずでもF1で頑張っていることも応援していますょ。しかしモータースポーツをやっている意味と、それが商品の性能やラインナップにどう関連するのか、改めてそこは考えるべきではないかと思います。

F1などの過酷なステージに挑戦する意義は、別にスポーツカーを作ることが目的ではなく技術者を鍛えることに本質があるのをボクは理解しています。だから規格という制約が厳しい軽自動車の開発にF1の経験を積んだエンジニアの実力が活きる(決められた制約の中で性能を最大化する。規格の抜け道を突くw)というのがF1に挑戦する意義の一例であると。

しかし多くのファンにはそんな理屈は伝わりにくい。

N-BOXシリーズがF1チャレンジの賜物だと説明されて、頭では理解出来てもやはりピンとは来ないものでしょう。

本質はそれとして、F1やモータースポーツ活動を重視しているが故にこんなクルマが作れる、それがもっとも解り易いのはスポーツカーであったり、スポーツグレードであることは明らかです。

スポーツカーを多く、広範囲は価格レンジに用意しろ!とは言いません。それはとても難しいことだと知っているから。

しかし例えば多くの量販車種のスポーツグレード、オデッセイのアブソリュートやステップワゴンのスパーダ、ジェイドやフィットのRSといったグレードになら、ホンダのモータースポーツのエッセンスを埋め込める筈です。

そこに今、「クラス最強」というホンダらしさはあるのか?

それが無いから、多くのホンダファンが「ミニバンや軽ばっかりに力を入れやがって!」と文句を言うのではないかと思います。別に全車種にTYPE Rを用意しろなどとトンチンカンなことを云う気はないですが、他社にだって普通にある「標準車よりちょっぴりスポーティ」な程度で、F1やモータースポーツに力を入れているホンダの姿勢が、商品を通じて表現出来ているのか?考えるべきだと思います。

とまぁツラツラ書きましたが、ホンダの関係者が見てくれるかどうかも解りませんけど、ボクが新車を買う経済力がある内に、一台くらいは「これ、マジで欲しいかも?」と思わせてくれるようなクルマが出て欲しいと切に願っています。これが日本市場に入っていたら、結構アテンザとどっちにするか悩んだ筈なんですけどね(^_^;)。


実はもう一点、書きたいことがあるのですが、もう十分に長くなってしまったので後日改めて。

テーマは「ちゃんと今の愛車の後釜を用意しろよ!」という文句ですがw、内容に興味のある方はイイね!をよろしくお願いします(笑)。
ブログ一覧 | ホンダ | 日記
Posted at 2017/03/03 20:59:32

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この記事へのコメント

2017年3月3日 22:39
こんばんは。こちらには初コメします。
個人的に前々から感じているホンダに対する感想ですが、1991年の御大・本田宗一郎がこの世を去ってから、どんどんホンダDNAが薄れてしまい、S2000以降のホンダ車には興味を示すことが出来なくなってしまいました。80〜90年代のホンダ車は、個性的で面白く、変にユーザに媚びていないようなホンダらしさが感じられました。CR-X(Cyberまでの)なんてFFのFerrariと評されたぐらいの個性がスタイリングだけでなく走りにもあったと思いますし、シティ(初代のターボに乗ってましたが)なんて当時のエポックメイキングなクルマだったと思います。
あとやはりCIVICをVWのゴルフのように育ててこなかったことも一因じゃないでしょうか。そう言う意味ではフィットの登場が、ホンダDNAの終わりの始まりだったようにも感じています。でも、これを単に時代の流れというには悲しすぎるように思いますし、F1も含め、まだまだ頑張って欲しいなぁ〜と古きホンダを知るオヤヂとして思う次第です。
コメントへの返答
2017年3月7日 13:25
こんにちわ。
色々と忙しくて亀レスでサーせんA^_^;)
ボクは本田宗一郎氏逝去の後にホンダDNAが薄れていった、、、という認識は無かったのですが、改めて振り返るとそう評価せざるを得ないのかもしれませんね。当然彼が他界しても彼から直接指導を乞うた人材は大勢居た筈ですが、そんな彼らも時と共に現役を退き、薄まっていくことは避けられません。そんなDNAの希薄化と2000年代に入って以降の迷走時期に関連性を見出せるかもしれません。
仰る通り、技術者の拘りはときに「解ってくれる人だけ買ってくれりゃイイ」的な思い切りの良さというか割り切りがエポックを作り出していたのがホンダだったと思います。

ただ一方で、一度出して当たってしまった商品のモデルチェンジというか「商品の育て方」は「創る」ことに対してずっと下手クソで、変わり映えしないMCで不人気にしたり、ガラッと変えて不人気になっちゃったり、といった事例が多かったのも事実だと思います。そういう目線で見ると、初代のフィットは実にホンダらしいクルマだと思いつつも、育て方はやはり下手クソwで、2代目は初代の人気の勢い(惰性)でイケたものの、3代目にガラッとデザインを変えて、う~んという感じでしょうかA^_^;)
ボクも古き良きホンダを知るひとりとして、頑張って欲しいと思っているんですけどね(苦笑)。
2017年3月22日 21:00
こんばんは、コメント失礼いたします。
こちらのブログは本当に色々考えさせられました。メーカーも、そして我々ユーザーもどうあるべきかな?なんて思ってしまいました。
さて、その中でも4の項目は「なるほど」と思いました。端的にいうとメーカーの上から目線(開発上、メーカーはそう言わざるを得ない部分もあるかもしれません)なのかな?なんて感じました。”こうありたい''というメーカー目線と、”これで良い”というメーカー目線は異なると思います。前者は発展的な目線、後者は守りの目線かと思いますが、今回のメーカーの意志は、後者なのでしょうね。この表現が変われば、また発展的になれるかと思いました。
徒然なるままのコメント、大変失礼致しました。
コメントへの返答
2017年4月4日 10:49
はじめまして。コメントありがとうございます。
仰る通りで、我々ユーザーは所詮はシロートなので、アレがイイ、これが欲しいと好き勝手な事を言います。それは多くの場合、専門家である造り手にとってはトンチンカンな意見なワケですが、彼らが「こうありたい」と望んで作ったクルマと「この程度で良い」と考えて作ったクルマには天と地ほどの違いが生じるものです。

ホンダはFF専業メーカーですから後輪駆動など容易にラインナップは出来ません。そんなことはボクのような人間には洞察出来るので、別にFFがダメと短絡的には思いませんが、世の多くのシロートwが望み、かつ他社がラインナップしているセグメントに対して「FFで十分」ではチャレンジする者として如何なものか?と思いますし、そういう姿勢はファンをガッカリさせるものだと思うのです。

まぁ駆動方式は一例ですが、制約があるが故に凄い技術力を示せた例(FFのTYPE Rなど)もありますから一概に悪い事ばかりではありませんが、その制約を言い訳に使って欲しくはないものです。

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