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2014年03月23日 イイね!

ボルトはちゃんと締めましょう

ここ1~2ヶ月の仕事上の悩みごとと言えば、設計した部品を締結するボルト軸力が、安定しないことです。

ところで先週、ドイツの某スポーツカーメーカのスポーツカーの火災原因はコンロッドボルト緩みだったというニュースがありました。

2月の時点で火災の原因がエンジン破損であると書かれていたので、ず~っと何が原因なのか気になってました。
記事にはエンジン破損としか書かれていませんでしたが、通常はエンジン破損=レシプロ部品(ピストン、コンロッド)がシリンダブロックを突き破って外に出てくる状態のことです。

その後すぐに使用停止の案内が出ていたので、恐らく壊れたエンジンを見てすぐに原因は判明したのだと思います。

レシプロ部品が外に出てくる原因で一番最初に思いつくことはオーバーレブです。
バルブがピストンに当たって、ピストンが砕け、コンロッドが折れて、折れたコンロッドがブロックを突き破って外に出てきます。

でも今回の事象発生車はPDKなので、オーバーレブは考えにくいです。

そこで、まず最初に何が壊れたのか考えました。
1、クランク折損
2、コンロッド折損
3、ピストン破損
4、バルブ折損
5、カム折損
6、バルブスプリング折損
7、カムスプロケ破損
8、タイミングチェーン破損

1のクランク折損ならば、コンロッドも出てきますが、ポッキンしたクランクが出てくるので一発で原因がわかります。
しかもかな~りヤバイのですぐに使用中止にしたくなったのも理解できます。
さらに、今回のエンジンは9000rpmまで回るにも関わらず、クランクシャフトにトーショナルバイブレーションダンパがついていないので、捩れ振動でポッキンするのではないか?と心配でしょうがありません。

2のコンロッド折損にはボルト緩み、桿部の座屈変形、疲労による折損が含まれるのですが、これもすぐに原因がわかります。この場合ピストンはあまり壊れません。

3と4はどっちが先に壊れたのかいまいち区別がつきにくいです。
5~8は見たらすぐにわかり、いずれもバルブとピストンが当たってピストンが砕け散るので、コンロッドが出てくる原因となりえます。

しかし、不思議なことは「なぜテストでは壊れなくて、量産になって市場で壊れているのか?」です。
しかも販売後間もないので、長期間の使用による劣化が原因ではないはずです。

そこでさらに見方を変えて原因を考えました。
①設計ミス
②各部品の製造不具合
③組み立てミス
④運転ミス(オーバーレブなど)

もし、①の設計ミスならばテストで壊れているはずです。
テスト確認不足も否定できませんが、ちょっと考えにくいです。

②は少数生産のクルマということで、これも考えにくいです。
④はPDKなので考えにくい。
それに使用停止の案内を出す理由がない。

残ったのは③の組み立てミスです。
組み立てミスには二つあります。

たくさん作ったうちの一部に組み付けミスがあった。
そもそもの組み付け要領に問題があった。
組み付け要領に問題があった場合、組み立てミスというより、実際は設計ミスです。

すぐに全車に使用停止案内を出したということは、そもそもの組み付け要領に問題があったと考えられます。

組み付けにもいろいろありますが、最も重要な作業はボルト締め付けです。
レシプロ周りと動弁系(バルブ、カム)でボルト締結されている部品と言えば

1、コンロッドのロッドとキャップ
2、カムスプロケットとカムシャフト
この二つ

どちらも大事ですが、難易度が高いのはコンロッドボルトの締結なので、コンロッドボルト締結をミスったのだろうと思いました。
恐らく、事象発生車のエンジンに組まれていたコンロッドのボルトの多くが緩んでいた(回り戻りしていた)か、軸力が大幅に低下していたのが確認されたと思われます。

そして、工場で組まれているコンロッドボルトの軸力を確認したら、規定値に達していないものがあったのだと思います。
これなら、全てのクルマに起き得る事象なので、すぐに使用停止案内を出したのも理解できます。

そして、メーカからの発表もコンロッドボルト緩みでした。

原因はコンロッドボルト緩みとされていますが、ボルトが緩む原因の多くは初期締結軸力不足なので、根本の原因は組み付け時の初期締結軸力不足のはずです。
(座面へたりも考えられますが、コンロッドボルト座面はツルツルにするはず)

しかし、普通に考えれば、テスト車と同じように量産でも締め付けしていれば、問題はないはずなのに、なぜミスったのか?
これが問題です。

本当の原因詳細は今後も出てこないと思いますが、ここでは僕の推測を書きたいと思います。
今回のようにレーシングカーに近いクルマのエンジンの場合、ボルトの締結をトルク法ではなく、伸び管理による締め付けをすることがあります。(某H社のタイプRとか)
※伸び管理はこちらの東名パワードのHPをご覧ください。(PDFで重いです)
さらに、普通の市販車でも塑性域で締め付けることが多いので、より軽く作りたいレーシングカーでは間違いなく塑性域締め付けをしていると考えられます。

塑性域締め付けでは、ねじ面の摩擦係数とボルト降伏点が変わらない場合、伸びを測定すればほぼ軸力を測定していることになります。
実際はねじ面の摩擦係数もボルト降伏点もバラツキがあるのですが、トルク+角度締めよりも軸力バラツキを小さく管理することが可能です。

ここで何をやらかしてしまったのか?
1、締め付けの管理を伸び管理から他の方法(スナッグトルク+角度)に変更した。
2、潤滑剤を変更した。

たぶんこのどちらかをテスト時と量産時で変更したのだろうと思います。
そして、その確認を怠ったか何か間違えた。
コンロッド側の問題も考えられないこともないのですが、恐らくコンロッドの製造メーカはF1などでも使われているパンクルなのでそんなヘマはしないと思います。

某トイツメーカはボルト締め付けに関する知識がないとも思えないので、もっと難しい問題かもしれないし、あるいはただのテスト確認不足かもしれませんが、ボルト締結部品の設計をする身としては非常に考えさせられるニュースでした。

早く解決するといいですね。
Posted at 2014/03/23 03:06:07 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2014年03月17日 イイね!

サーキットシミュレーション合わせ込み例

F1オーストラリアGP面白かったですね!
それにしても可夢偉は残念!!
やっぱりブレーキバイワイヤとか信用なりませんなぁ。

昨日の合わせ込みの説明ではわかりずらかったと思うので、順番にグラフを作ってみました。

赤:SLS AMG GT3(これが合わせ込みの対象)、青:シミュレーション、緑:EK9シビック

①上段:まずはべースのシビックと相関が取れていることを確認します。
②下段:車重とギア比を決め、加速カーブを見ながらパワー補正値を調整します。
 車重は実際の値か推測値を使います。
 ギア比は最高速+5km/hくらいまでカバーできればなんでもよいです。
 今回は4.785から4.1に変更して富士の最高速267km/hまで対応できるようにしました。


③上段:最高速を見ながら走行抵抗合わせ、減速カーブを見て減速Gを調整します。
もてぎのダウンヒルストレートのように、下っているところは加速カーブが合わないので、平坦なところで合わせます。
ダウンフォースの効いているクルマの場合、揚力設定0の時点では高速部の減速カーブが合わないので、そこは揚力設定時に確認します。
④下段:最低速度に着目し、横Gを調整します。
路面のバンク角影響を受けるため、バンク角が小さいところで合わせます。


⑤上段:中高速コーナを見て揚力を調整します。
⑥下段:低速コーナ立ち上がりを見て、加速Gを合わせます。


予め走行ラインが出来上がっている場合は、上記のように簡単に各数値を合わせ込むことが可能なのですが、走行ラインの合わせ込みが十分でない場合は、一度各数値の合わせ込みをおおよそ行って、その状態で走行ラインを調整し、再度各数値の合わせ込みをするという繰り返し作業になります。

実際に合わせ込みをすると、設定値を変えてもほとんど変化がない場合があります。
特に加速Gはあまり変化しないので走行ラインで調整すべきか、加速Gで調整すべきか悩ましいところです。
しかし、走行ラインは車載映像から大体のラインがわかるので、走行ラインを正として、加速Gを調整するのがわかりやすいと思います。

補足:走行抵抗は180km/h、揚力は100km/hでの値です。
2014年03月15日 イイね!

サーキットシミュレーションのススメ

ついに2014年F1開幕です!
今年のF1はエネルギーなんちゃらシステムがついていて、複雑極まりないのですが、どこのチームも開幕に間に合わせてきたのはさすがF1チームです。

今年は燃料規制が厳しいので予選で速くても、決勝でペースを維持できるとは限らず、決勝も最後まで目が離せなそうです。

さて、そんなF1チームでも使われているサーキットシミュレーションですが、これを走行会で誰もが使えるようにしたいというのが、僕の野望であります。

僕が2003年にもてぎチャンピオンシビックレースの手伝いを始めたときには、データロガーを使っているチームは2~3チームしかありませんでしたが、現在は当たり前のようにみんな使っています。

サーキットシミュレーションはデータロガーに比べると必要性は低いのですが、近い将来は走行会でも使われるようになると思います。

ということで、今回はサーキットシミュレーション活用の例を紹介したいと思います。
前回紹介したスーパー耐久 ベンツSLS AMGのもてぎシミュレーション結果を使って、富士スピードウェイでのシミュレーションをしてみます。

ところで、僕がサーキットシミュレーションで毎回行っている”合わせ込み”という作業があるのですが、何のことやらわからないと思うので説明します。

合わせ込みとは、実測値とシミュレーションの計算結果の差が小さくなるように、各種定数を設定する作業のことです。

各種定数とは
①タイヤ摩擦円の大きさ(横G最大値、加速G最大値、減速G最大値)
②揚力
③出力カーブと走行抵抗
④走行ラインの曲率半径

それぞれの合わせ込み方法を説明します。
①と②は同時に合わせ込みをします。
タイヤの摩擦円の大きさですが、これはタイヤの種類で決まるので、こちらの値を目安に設定します。
減速Gは横G×0.9、加速Gは横G×0.8くらいで初期設定をして、実測に合うように調整します。

低速(70km/h以下)は①のタイヤ摩擦円、高速(100km/h以上)は②の揚力で合わせ込みをします。

③出力カーブはカタログやメーカ公表値を使いますが、走行抵抗と両方を変更して加速時の速度変化カーブが大体同じになるように補正値をかけます。

まずは、走行抵抗を0にして、低速側を出力の補正値で合わせます。
高速は、走行抵抗を0にすると実測よりも最高速が出過ぎるので、最高速が同等になるように走行抵抗を設定します。

④、走行ラインは非常に難しいです。時間もかかります。しかも一番大事です。
 方法は2つあります。
 ①実測の走行ラインに合わせる
 ②実測の速度に合わせる

もちろん、正しいのは①です。
しかし、GPSロガーで得られる走行ラインが必ずしも正確であるとは限りません。
従って、①の実測ライン②の実測の速度からのズレが小さくなるように設定します。
とくに各コーナの最低速度に差がでないように曲率半径の最小値を決めることが重要です。

順番としては
1、それなりの走行ラインを作る(最小旋回半径は僕の設定した目安に設定すると後が楽です)
2、直線部分で出力補正値と走行抵抗を設定する
3、低速コーナで横Gの大きさを設定する
4、高速コーナで揚力の大きさを設定する
5、1~4を3回くらい繰り返す
6、走行ラインの精度を上げる

2~5は数値を入れるだけなので、10分くらいで合わせ込みが完了します
問題は5の走行ラインです。
ここは分割数だけ数値を入れなくてはならず、何度もやり直さなければならないので、時間がかかりますが、淡々と作業します。

という作業の結果得られた2012年もてぎ走行時のSLS AMGの各種設定値は
①タイヤ摩擦円の大きさ
 横G最大値:1.32G
 減速G最大値:1.3G 
 加速G最大値:1.2G
②揚力
 140kgf@100km/h
③出力カーブと走行抵抗
 出力カーブ:EK9×2.7(500ps相当)
 走行抵抗:220kgf@180km/h

これらの数値と、FD2シビックの実測走行ラインとS2000RRの合わせ込み走行ラインと作図法で作成した走行ラインを組み合わせた走行ラインでシミュレーション計算しました。

結果
赤:シミュレーション結果、青:2013S耐決勝2周目実測


シミュレーションのラップタイム:1’42”67
2013決勝2周目のラップタイム:1’44”411

ちなみにこのときの予選タイムは1’42”143です。

シミュレーションと実測の速度変化のカーブを見るとほぼ合っているので、走行ラインの設定としては問題なさそうです。
車載映像の走行ラインを見ても、おおよそ合ってそうです。

差のあるところをみると、1コーナのブレーキが実測の方が緩いです。
他のところは差が小さいので、2周目で様子を見たか、タイヤが温まってなかった、燃料が重かったのだと思います。
車載映像を見ると最低速度地点も奥になりすぎていて加速開始が遅れているようです。

100Rは路面にバンクがついていて、いまいち実測とシミュレーションが合わないのですが、1500m付近から1700m付近にかけて緩やかに減速するという走り方は合っていると思います。

ダンロップ1個目(右)は実測の速度が低くくなっていますが、S2000RRのときはシミュレーションと合っているので、速度の落としすぎと思われます。

13コーナは上りがきついのでシミュレーションがあてにならず省略

最終コーナは実測の速度にあわせこむと最小旋回半径が小さくなりすぎるので、速度の落としすぎと思われます。

プリウス~パナソニックコーナの走行ラインは、以前作図法で設定した走行ラインを若干修正して使っています。
青線が作図法、○はシミュレーションの設定


という感じにどこかのサーキットを走った結果があれば、他のサーキットを走ったときのラップタイム、最高速、各コーナの最低速度を走行ライン別に事前検討できます。

さらに、自分と同じクルマの走行データがない場合でも、事前に各地点の速度が計算できてしまうので、走行1本目から自分の走行データと比較してどこが具合が悪かったのかがライン取り含めてわかってしまいます。

なので、とってもオススメなのですが、オススメの理由は別のところにあります。
オススメの理由は、走行ラインまたは速度変化のどちらかを見るともう一方を推測できるようになることです。

コーナの走り方を頭の中で考える人は多いと思います。
これはこれで大切なのですが、具体的に考えていない場合、実行に移すことできない場合があります。
しかし、シミュレーションの合わせ込みという作業は具体的です。
なんどもなんども走行ラインと速度変化を見ながら、区間毎の曲率半径を手入力しなければなりません。

最低速度になる地点をどこにするか?
曲がり始めはどこの地点にするか?
アクセル全開の地点をどこにするか?
自分の設定した走行ラインはコースに対してどこを通っているか?

などなど、全部具体的に自分で設定しなくてはなりません。
こんなことを考えながら1時間も2時間も一つのコーナの絵と速度変化を交互に見て検討するので、速度変化だけを見れば、どんな走行ラインで走っているのか、おおよそ推測できるようになり、走行ラインを変えると速度変化がどうなるかも想像できるようになります。

ということで、実際に自分でサーキットシミュレーションをやって、走行ラインがいかに速度変化に与える影響が大きいかということ感じてもらえたらいいなぁと思っています。
2014年03月09日 イイね!

スーパー耐久 SLS AMG S字~90度コーナ

次はS字です。

S字は全般的に差が大きかったので、走行ラインの違いが大きいと考えられます。

まずは合わせ込みをしました。
走行ラインはこちら
青:変更後、赤:変更前


差があるような差が無いような微妙な感じです。
この走行ラインを使ったシミュレーション結果がこちら
青:シミュレーション、赤:SLS実測、緑:シビック実測

走行ラインの違いがわかりずらいと思ったので、走行ラインの曲率半径もグラフにのせました。
緑点線がシビック実走、青点線が今回のシミュレーションです。

ほぼ実測とシミュレーションが合いました。
シビックのシミュレーション結果を見直してみたら、S字は全然合っていなかったので、合わせこみ不足だったようです。

最小半径だけを見ると変更前後の差が小さいのですが、距離に対する曲率半径の変化が大きく違います。そして、その差がそのまま速度変化の違いに現れています。

次はV字コーナです。
V字コーナはシミュレーションのコーナ立ち上がりが遅くなっていました。
こちらも、走行ラインを変更したところ、シミュレーションとほぼ合いました。


これも走行ラインの絵ではわかりずらいのですが、曲率半径のグラフを見るとわかるように、シビックの走行ラインは、コーナ出口側の曲率半径がダラダラと小さいままになっているので、その分前回のシミュレーションはコーナ立ち上がりが遅くなっていたと考えられます。

東ヘアピン
東ヘアピンはヘアピンの例題としてはわかりやすいです。
ここは実測の方がコーナ最低速度が低く、コーナ立ち上がりは速くなっていました。
ここも走行ラインを変更したら、シミュレーションとほぼ合いました。


走行ラインの絵を見てもわかるように、SLSは最低速度になるまでの曲率半径がやや小さく、コーナ出口の曲率半径を大きくとっているので、最低速度は低く、コーナ立ち上がりは速くなっていると考えられます。
車載映像を見ても、今回のシミュレーションの走行ラインと実際の走行ラインがほぼ同じであることがわかると思います。

90度コーナ
90度コーナは実測の方が減速開始地点が手前で、コーナ立ち上がりの加速地点も手前になっていました。


実測の減速開始地点が妙に手前になっている理由はわかりませんでしたが、曲がり始めから立ち上がりはほぼ合いました。
変更後の方が最小旋回半径が小さくなっていて、コーナ出口は半径が大きくなっているので、その分立ち上がりの加速地点が手前にできているようです。

5コーナ
5コーナはあまり差がなかったのですが、こんな感じの走行ラインです。


ビクトリーは、トンネル影響でいまいちなにが正しいのかわからないのと、シミュレーションでは切り返しが正しく再現できないので、今回の分析から外すことにしました。

以上で終わりですが、全体を見てわかっていただけたように、各地点の速度はクルマが同じであれば、走行ラインが決まるとほぼ決まってしまいます。
今回の事例のようにドライバーがプロで運転が正確な場合、速度がわかればそのクルマの性能もわかってしまいます。
ランバ・ラルの言うところの「正確な射撃だ、それゆえコンンピュータには予想しやすい」というのと同じですな。

最後にいつもしつこくて申し訳ありませんが、今回の事例、どう見ても日本式ドライビングですね!
2014年03月08日 イイね!

スーパー耐久 SLS AMG 1~4コーナ

今日は、起きてパソコンを立ち上げたところ、ネットにつながりません。
電話代を払い忘れて、電話を止められたのかと思いましたが、電話はつながるので、そこは問題なし。

何度挑戦しても、パスワードを入れ替えたりしてもダメです。
ネットに繋がらないとネットワーク障害が原因なのかなにが原因なのかさっぱりちっともわからんちんで途方に暮れていましたが、唯一携帯のネットは繋がったので見てみると、ネットワーク障害発生中!とのことでした。

のんびり待っていたら午後3時くらいに復旧しました。
ネット無しではもう何もできないということを痛感したのでした。

ネットも復旧したのでみんカラを書くことにしました。
今日は昨日の続きです。

まずは、1~2コーナを見てみます。
昨日のおさらいで、1~2コーナのシミュレーションとの差は
”実測の方が最低速度になる地点が奥で、立ち上がりが遅い”です。

とりあえず何も考えずに、実測と速度が合うように走行ラインを変更します。
赤:変更前=シビック実走ライン、青:変更後


三角マークは、最低速度の位置を示しています。

この走行ラインでシミュレーションをしたものがこちら
赤:SLS実測、青:シミュレーション、緑:シビック実測
⊿1:曲率半径追加しました。 青点線:シミュレーション、緑点線:シビック実測


ブレーキ開始から最低速度のところまでは、大体合いました。
実測の最低速度になる地点が奥になっている理由は、走行ラインが少し外側になっていることだと考えられます。(車載映像を見ると、もう少し内側を走っているっぽい)
しかし、2コーナのところ(赤丸部)は、どうにも合いません。
無理矢理合わせることも可能なのですが、その場合はおかしな走行ラインになってしまいます。

今回のシミュレーションに使った走行ラインは、そのまま無理なく走れるはずなので、実測のデータ側が理想的な状態でない、つまり摩擦円の縁に沿って走っていない状態だと考えられます。

車載映像でこの部分を見てみると、アクセル全開の前にハンドル修正をしていて、全開にできないように見えるので、恐らくアンダーステアかオーバーステア気味になったために全開が遅れたと思われます。


次は3~4コーナです。
3~4コーナの実測とシミュレーションの違いは
”実測の方が3コーナの最低速度が高く、発生地点が奥で、4コーナの加速が悪い”
でした。

こちらは走行ラインだけを下図のように変更したところほぼシミュレーションと実測が合うようになりました。


4コーナのところ(赤丸部)を見ると、加速が鈍っているところもきちんと再現できています。
なぜこういう差が発生したかと言うと、絵だとわかりにくいのですが、加速の鈍っている1250~1300m付近の旋回半径が今回の変更後の方が小さいからです。
その代わり、3コーナ(1150~1200m)は変更後の方が旋回半径が大きく、その分最低速度も高くなっています。

変更前のシミュレーションでも4コーナの加速は鈍っているのですが、今回よりも4コーナの旋回半径が大きいので影響が小さくなっています。
また、シビックの走行データを見てみると、4コーナでの加速変化がほとんど見られません。
その理由は、シビックの場合、3コーナを曲がるために必要な速度まで速度を落とすと、4コーナをそのままアクセル全開で走れるくらいまでしか速度が上がらないためです。

それに対し、パワーのあるクルマで、かつタイヤのグリップが十分ない場合は、3~4コーナのライン取り影響が4コーナの加速に大きく現れるということがわかります。
ちなみに、スーパーGTのGT500とかはドライ路面では全開バリバリだそうです。

したがって、4コーナを全開で走れないクルマの場合は、3~4コーナは2つセットで考えて、5コーナまでの区間タイムがもっとも早い走り方をいろいろ試してみる必要があります。

ということで、実測データとシミュレーションを合わせ込みをすると、走行ラインがある程度わかり、なぜそういう走り方になっているのか?とか、もっといい走行ラインはないのか?とかを考えるときにとても参考になります。

本日のまとめ
実測データのエクセル化とサーキットシミュレーションの合わせ込みを行うといろいろいろなことがわかるので、大変オススメである。

プロフィール

サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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