王滝100㎞への出場は衝動的に決めました。
本当はずっと前から『富士チャレンジ200』に出てみたいと思っていたのですが、今年はなんとなく気乗りしませんでした。準備不足で完走出来る気がしなかったというのもありますが、走る意味を真面目に考えている間に『王滝100km』に気移りしてしまったという感じでしょうか。
ロードとMTBという違いはありますが、どちらも耐久系の競技で7時間くらいかけて走るところが似ています。王滝のタイムリミットは10時間と、『富士チャレンジ200』よりもハードルは低いように思えました。
『富士チャレンジ200』はサーキットをひたすら周回しての200kmなので、単調で退屈そうで、やっぱり面白みに欠けます。一方、王滝はアドべンチャー的な要素があって、ワクワク感があり、そこが一番違う所で出場の決め手にもなったポイントでしょうか。
『乗鞍』終了から3週間しか準備期間がないので限られたことしか出来ませんが、こんどは『王滝』へ向けて準備を進めます。
まず通勤仕様のMTBを王滝仕様へ改造です。
タイヤを通勤用のスリックからオフロード用のブロックタイヤへ変更。
タイヤはネットで新品を購入(コンチネンタル X-King ProTection 26x2.2 )
ネットの評判とコンチネンタルのタイヤコンパウンドが好きなのでこれを選びました。
多分、買ってから初めてのホイールハブのOHを実施。ハブはXT。
玉受けは虫食いもなくキレイな状態で一安心。さすがMTBのハブは耐久性が高い?
定番のデュラエースグリスをたっぷりと塗布。
次回のOHは何時になるのやら… なぜか弱気。
スペアホイールのデオーレハブも後日OHを実施。
続いて振れ取りを実施。
頑丈なのか、バランスがいいからなのか、ほとんど振れていませんでした。
決戦仕様ということで、今回はゴルフクラブ用の鉛テープを使ってホイールバランスを取りました。
バランス調整後は回転中の振動が減り、回転持続時間も伸びます。
一言で表現するとフラットに回るようになり、手軽なチューニングとしてお薦め出来ます。
やり方はこちらを参考に→ https://www.youtube.com/watch?v=c5aG-iquk0E
チェーンを新品に交換するのに合わせ、汚れていたディレーラーとスプロケットをキレイにします。
スプロケットは灯油を使い洗浄。ついでに他のバイクのスプロケットも実施。
ディレーラーのプーリーが先端が尖がるくらい減っていて吃驚!
そんなに走ったのか?と
もし、このまま使い続けていたらどうなる?
非常に興味深い。
15年前に買った自転車であることをすっかり忘れていました。
本当に月日が過ぎるのが早すぎます。
一応予備のプーリーはありましたがグレード的に安物っぽかったので、他の自転車に使っている同じディレーラーから一時的にプーリーを拝借することに。
そしたらこんどは、そのプーリーがキレイに割れていて驚愕!
こんな風に割れるのか?と
一日に二度も、ディレーラーのプーリーで驚愕させられるとは…
結局、しかたなく安物のプーリーを使うはめに。肝心な所で常日頃のメンテナンス不足が露呈。
続いてハンドルグリップを新品に交換。
王滝の下りは振動がすごいようで、手の負担を考えて、ささやかですがその対策です。
安くて、フィーリングもよく、結構カッコいい、お気に入りのリッチーのグリップは1,080円くらい。
そうそう、キャリアを取り外しました。
スチール製なので、これだけでかなり軽くなります。
ついでにヘッドショックのグリスアップを実施。
ブーツを開けると中に砂がぎっしり。ブーツカバーが破れているせいです。
新品のブーツカバー、高額なのでずっと交換を躊躇っていたけど、もう入手は困難かも。
ウエスでキレイに砂を取り除き、ニードルベアリングの摺動面にグリスを塗り、破れていたブーツカバーをホッチキスで縫合して完了。
ホッチキスは文房具用の普通のやつです。紙以外にも使えて意外と重宝します。
ワコーズのフィルタークリーナーで汚れを拭き取って完成。
見違えるようにキレイになりましたブーツカバー。
ちなみにこの年代のヘッドショックはもうメーカーではOHしてくれません。ショップに持っていっても敬遠されがちで、たとえ受けてもらえても修理費が高額になりがちなヘッドショック。そろそろバイクの交換時期かも、と真剣に考えています。
ホイールが軽量で漕ぎも軽い26インチのバイクが欲しいのですが…
壊滅的状況で、この現実がいまだに信じられません。
MTB業界は規格の変遷が激しくて、しばらく離れていると全く付いていけません。
650Bとか若い頃ランドナーに使っていたタイヤサイズが復活し、響きが懐かしいよ。
まさか650Bの時代が到来するとは!25年くらい経つと確かに時代の変化を実感しますね。
オリンピックのマラソンや陸上のトラック競技を見ていてもそう思います。
ブレーキパッドは予備も含め4セット購入。タイミングを見計らって交換します。
過去色々なメーカーのブレーキパッドを試してきましたが、品質・価格・入手し易さでジャグワイヤーが最も無難でしょうか。
最後にハンドル周りの余分なものを取り外しスッキリ。
メーターと心拍計のみ、ベルもリフレクターもないレース仕様の完成です。
王滝仕様への改造は、ざっとこんなところでしょうか。
タイヤ交換しただけで、あとは消耗品の交換&メンテを行っただけですね。
このF900は元々XC向きのバイクなので余分なものを取っ払っうだけでもポテンシャルは十分高いと思います。完成車の状態で11㎏台、パーツ次第では10㎏台も十分可能で、アルミフレームのバイクとしては最新のものと重量的な差はほとんどありません。ヘッドショックは軽いのが取り柄ですし。
ただFサスのストローク60mmというのは荒れたダートでは若干不十分に感じ、ここは最低でも80~100mmは欲しいところです。まあ、Fサスが無いフルリジットよりかは断然マシですけど。
2001年当時、定価で20万以上する高級なバイクでしたが、試乗車の売れ残りで8万という格安で購入できました。好みが分かれそうな派手なオレンジ色というカラーのせいで売れ残っていた可能性が大ですが、私は嫌いではありませんでしたこの色。
当時は10万円以下の安いスペアバイクを探していただけで、キャノンデ-ルというブランドにも一切興味がありませんでした。やや緊急に必要になり、初めて入ったショップで即決し、そのままカリブに載せて持ち帰るという状況で、滞在時間わずか一時間足らずの出来事でした。
パーツのグレードが比較的良く耐久性があり、ハードテイルバイクはつぶしが利いて、地味に15年にわたって活躍してきました。今思い返してみると、いい出会いで、いい買い物をしたと思います。
これが "残り物には福がある" ですか?
スペアバイク→ たまに山道を走る→ スリックタイヤで街乗り用→ 真冬の凍結した道用→ 雨天通勤用と、大体こんな感じで15年に渡って使われ、本当にご苦労様です。
ようやくXCレーサーに最も相応しい使い方が出来そうで、なんか引退前の花道を準備してあげられたような心境です。この流れで最期は王滝で殉職というのも悪くありませんが、そうなると私がリタイヤすることになるのでそれは困ります。