https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180627-00010001-autoconen-bus_all
全文引用します。
赤字、
赤太字は読んでいてとてもうれしくなった箇所。
俺だけじゃないんだ、と安心した。
トヨタ クラウンがフルモデルチェンジ、伝統のセダンは新型で大幅変更
日本を代表する高級セダンのトヨタ クラウンが、2018年6月26日にフルモデルチェンジを受けた。初代モデルを1955年に発売して以来、60年を超える伝統があり、新型は15代目になる。
長い伝統があるのは名誉なことだが、今のセダンは保守的なカテゴリとされ、クラウンではユーザーの平均年齢が65~70歳と高くなってしまった。そこで新型は、若返りを目的に思い切ったフルモデルチェンジを受けている。
概要2018年6月9日に掲載した新型クラウンのプロトタイプ試乗レポートでも述べた通りで、特に大きな点としては、バリエーションが大幅に変更されたことが挙げられる。
先代型は豪華指向のロイヤルサルーン、スポーティなアスリート、ロングボディで後席の足元空間を広げたマジェスタという3種類のシリーズを用意しており、フロントマスクのデザインも異なったが、新型は1種類に統合されている。
エンジンは直列4気筒2リッターターボ、直列4気筒2.5リッターハイブリッド、V型6気筒3.5リッターハイブリッドの3種類になる。先代型が設定したV型6気筒2.5リッターと、3.5リッターのノーマルエンジンは廃止された。
駆動方式は後輪駆動の2WDを基本とするが、2.5リッターのハイブリッドには4WDも設定した。
グレードの基本構成は実用装備を充実させたS、豪華指向で後席の電動リクライニング機能などを備えたG、スポーティなRSが基本で、3種類のエンジンにこの3グレードが組み合わせられる。さらに2リッターターボ専用のグレードとして、価格が最も安いBもある。
このほか2リッターターボと2.5リッターハイブリッドでは、Sにリアクロストラフィックオートブレーキなどの安全装備を充実させたS・Cパッケージがあり、RSには前述の安全装備などを装着するRSアドバンスが用意される。
それでも安全装備はパッケージオプションとしても装着可能だから、やや選択に悩みそうなグレード構成ともいえるだろう。
新型クラウンはデザインを大幅刷新、ユーザーの若返りが狙い
新型クラウンのボディサイズは、全長が4910mm、全幅が1800mm、全高は1455mmだ。先代ロイヤルサルーン&アスリートとの違いはわずかで、全長が15mm伸びた程度にとどまる。ただしホイールベース(前輪と後輪の間隔)は異なり、新型は2920mmだから70mm拡大された。
この違いはボディの前側に反映され、新型ではフロントピラー(柱)/ドアパネル/ペダルに対して、前輪が70mm前方へ押し出された。先代型に比べると、ボンネットの長さを強調している。
ボディ後部の形状も変わり、リアウインドウを寝かせて、トランクフードが短くなった。いわゆるファストバックスタイルで、ロングノーズ・ショートデッキと呼ばれる形状だ。サイドウインドウが3分割される「6ライト」になる。
新型クラウンの外観を横方向から見ると、BMW 4シリーズグランクーペに良く似ている。4シリーズグランクーペも6ライトだが、ワイドに開くリアゲートを備えた5ドアハッチバックだ。新型クラウンは伝統あるセダンなのに、外観はセダン離れしており、これも若返り対策のひとつになる。
欧州車感覚を強めた内装
インパネは広がり感の伴う形状で、細部にステッチが入り、質感を高めた。インパネの中央には、上側に8インチの遠視点ディスプレイ、下側にもエアコンの作動状態などを示すモニターが並ぶ。スイッチ類は比較的高い位置に装着されて操作しやすい。
前席の中央に装着されたATレバーが収まるセンターコンソールは、後輪駆動車らしく高い位置に装着され、車両との一体感を得やすい。それでもセンターアームレストの高さは低くなり、先代型と違って左側の肘がぶつかりにくくなった。
内装の雰囲気は、先代型でいえばアスリートに近い。先代ロイヤルサルーンのような光沢の強い木目調パネルは採用していない。従来型が日本風とすれば、新型は欧州車感覚を強めた。
居住性は前後席ともに快適だ。ホイールベースは前述のように先代型に比べて70mm拡大されたが、前輪を前方へ移したから、後席の足元空間は広がっていない。先代マジェスタがロイヤルサルーンとアスリートに比べてホイールベースを75mm伸ばし、同じ寸法だけ後席の足元を広げたのとは対称的だ。新型は外観のカッコ良さと、走行安定性の向上を目的にしている。
従って前後席の居住空間は、先代ロイヤルサルーン&アスリートと同程度だが、大人4名が乗車して長距離を快適に移動できる。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半だから、後席にオーナーが座る用途にも対応できる。
新型クラウンの価格は460万円から718万円と幅広くラインナップ
トヨタ 新型クラウンのグレード構成と価格は多岐にわたり、大きくは3種類のエンジンで分けられている。以前は、ロイヤル、マジェスタ、アスリートと固有名称化されていたが、新型ではその点が解り辛くなっている。
2.0Lターボ:460万6200~559万4400円
2.5Lハイブリッド:497万8800~601万5600円
3.5Lハイブリッド:519万4800~718万7400円
新型クラウンに搭載されるエンジンは3種類
新型クラウンに搭載されるエンジンは、3.5リッターハイブリッド、2.5リッターハイブリッド、2.0リッターガソリンターボの3種類だ。
価格が最も安いのは、直列4気筒2リッターターボ。先代クラウンアスリートが搭載したのと同じ8AR-FTS型だが、実用回転域の駆動力を高めたり、8速ATの制御を改善した。そのために新型では豪華指向のGにも搭載される。
最高出力は245馬力(5200~5800回転)、最大トルクは35.7kg-m(1650~4400回転)だから、自然吸気のノーマルエンジンに当てはめれば3.5リッター並みの性能だ。エンジン性能の数値を先代型と比べると10馬力向上した。
価格が中級に位置するのは、直列4気筒2.5リッターのハイブリッドだ。先代型とは異なり、トヨタカムリから採用が開始されたA25A-FXS型になる。エンジンとモーターの駆動力を合計したシステム最高出力は211馬力だ。
最上級に位置するV型6気筒3.5リッターのハイブリッドは、レクサス LS/LCと同じタイプになる。システム最高出力は359馬力で、加速性能は自然吸気のノーマルエンジンに当てはめると、4.5リッター相当と受け取られる。有段ギヤを装着して10段の疑似変速も可能にしており、スポーティな走りも満喫できる。その上でハイブリッドだから燃料消費量の悪化を抑えた。
燃費数値は、新しいWLTCモードで見ると、2リッターターボが12.4km/L、2.5リッターハイブリッドが20km/L(2WD)、3.5リッターハイブリッドは16km/Lだ。
プラットフォームはレクサス LS/LCがベース
新型クラウンのプラットフォームは、レクサスLS/LCをベースにする。ただしクラウンの全幅は1800mmだから、レクサスLSに比べて100mm狭く、異なる点も少なくない。足まわりは前後輪ともにマルチリンクの独立式で、これもレクサスLS/LCに準じる。
エンジンやATの制御を可変させるドライブモードセレクトが全グレードに採用され、モードの切り換えは、SやGは4種類だが、RSは7種類と多い。RSにはショックアブソーバーの減衰力を可変させるAVSも装着され、前述の走行モードに応じて硬さを切り替えられる。
新型クラウンの買得グレードは!?
価格が最も安いのは2リッターターボだが、2.5リッターハイブリッドも割安で、20万円少々高い程度だ。3.5リッターハイブリッドは、V型6気筒がベースのスペシャリティなユニットだから、2.5リッターハイブリッドに比べて100万円以上も高い。
そうなると選択に迷うのは、2リッターターボと、2.5リッターハイブリッドだろう。損得勘定でいえば、2.5リッターハイブリッドが圧倒的に買い得だ。2リッターターボは使用燃料が無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)で、燃料消費量も多い。2.5リッターハイブリッドの価格が約20万円高くても、4万kmを走れば燃料代の差額で価格差を取り戻せる。そこから先は、走行距離が伸びるほど2.5リッターハイブリッドがトクだ。
特に2.5リッターハイブリッドのS・Cパッケージ(515万7000円)は、安全装備も充実させて価格を割安に抑えた。以前の2.5リッターハイブリッドを搭載したロイヤルサルーンに相当するグレードだ。先代のハイブリッドロイヤルサルーンは502万2000円で若干安かったが、安全装備などは新型が先進的で、買い得感を強めた。この2.5リッターハイブリッドS・Cパッケージに、パノラミックビューモニターやパーキングサポートブレーキのセットオプション(12万5280円)、AC100V/1500Wの電源コンセント(4万3200円)などを必要に応じて加えたい。
また新型クラウンは、外観も含めてスポーティ感覚を強めた。そこで余裕のある動力性能と外観のカッコ良さを重視するなら、燃費は悪いが2リッターターボのRS(518万4000円)が推奨される。これに複数の安全装備を組み合わせたセーフティーパッケージプラス(24万6240円)を加えたい。
あるいは上級装備が気に入ったなら、同じ2リッターターボのRSアドバンス(559万4400円)も検討する。価格は約41万円高くなるが、それに見合う装備が加わる。
V型6気筒3.5リッターのハイブリッドを選ぶなら、RSアドバンス(690万6600円)で決まりだ。先に述べたとおり動力性能が4.5リッター並みに高まるから、足まわりが少し硬めのRSアドバンスでないと走りのバランスが悪い。
そしてV型6気筒3.5リッターハイブリッドは、ほかのエンジンと違ってグレードが3種類に限られる。Gエグゼクティブ(718万7400円)は後席にオーナーが座ることを考慮した法人向けのグレードで、後席の電動リクライニングやサンシェードも備わるから、パーソナルユーザーには装備が過剰になってしまう。
S(623万7000円)は価格の安さが魅力だが、3眼LEDヘッドランプやアダプティブハイビームが装着されず、最上級のV型6気筒3.5リッターハイブリッド搭載車としては、装備内容が貧弱だ。
このように一般的には、2リッターターボのRS、2.5リッターハイブリッドのS・Cパッケージが推奨グレードになり、上級指向には型6気筒3.5リッターハイブリッドのRSアドバンスが用意される。
薄れてしまった「国産高級セダンのクラウンらしさ」は、今後どうなるのか?
それにしてもクラウンは大幅な路線変更を行って走行性能を高めたが、内外装の雰囲気や運転感覚は、メルセデス・ベンツ Eクラス、BMW 5シリーズなどに近づいた。優れた商品に発展したと思うが、欧州車とは違う「国産高級セダンとしてのクラウンらしさ」は薄れてしまった。
開発者は「ロイヤルサルーンやマジェスタの設定が高齢化の一因になっている」として、グレード体系を見直した。ロイヤルサルーンは1974年以来の伝統あるグレードだから、これを廃止したのは過去との決別と受け取られる。新型への乗り換えを考えていた従来型ユーザーは、複雑な心境だろう。
そこまで意気込んだなら、若返りも図れて、なおかつ欧州車とは違う「新しい国産高級セダンのクラウン」を実現して欲しかった。例えば乗り心地だ。おおむね快適だが、RSを筆頭に硬さが残る。内装も従来型の延長線上にあり、際立って質が高いわけではない。
そうなるとかつてのクラウンは、今のアルファードのように思えてくる(姉妹車のヴェルファイアよりもアルファードの方がクラウンに近い)。内外装には欧州車とは違う日本流の豪華さが感じられ、乗り心地も快適だ。快適装備は過剰なほどに、いろいろ付いている。アルファードのフロントマスクは威圧感が強いが、昔のクラウンにも似たような印象があった。ほかの車種が大人しかったからだ。新型クラウンは、メルセデス・ベンツEクラスやBMW 5シリーズと比べたくなるが、アルファード(姉妹車のヴェルファイアを含む)には比較相手がいない。
新型クラウンは今後の変遷で「国産高級セダンのクラウンらしさ」を身に付けていくのだろう。新型は走りが良くなってもクラウンとしては未熟で、特に質感や風格の面において成長の余地を残す。
[Text:渡辺陽一郎]
Posted at 2018/06/27 23:33:47 | |
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