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ROTARY OF FAMEの愛車 [マツダ コスモ]

整備手帳

作業日:2015年3月8日

VOL.3 エアクリーナーケース破断修理

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

上級

作業時間 12時間以内
1
合体が完了した部分をしげしげと眺める。
筒胴部分を2重化に加工した為、厚みが大幅に増加。一方90度カラー部の厚みは接着した相手の板厚とあわせても筒胴部分の厚みより薄い。もともとこの90度曲げ部には応力が集中する部分です。
このように厚み差がつくとこの部分の応力集中はさらに増すことになります。応力分散させるためにフィレット加工することにしました。接着前にやっておくべきでしたが、寒いしめんどくさいからパスしていました、が、うまく合体できたのでやっぱりやりたくなりました。(エアクリーナーケース使用としての耐強度はもう十分確保できているのですが・・)
フィレット加工は二輪、特に自転車のパイプフレーム溶接の耐破断力アップ、応力分散加工として有名です。ノーサスの自転車はフレームで直接衝撃を吸収していますので、高級自転車ほどきれいにフィレット加工されて強度アップされているのがよくわかります。
はるか昔の小学校時代、用務員室用のリヤカーに大勢乗って遊び、パイプフレーム溶接部を破断させ、怒られた記憶があります。確かあの時見た、破断した溶接部は以前に用務員さんが一度修理したらしく溶接ビートのてんこ肉盛り状態でした。
再びハチサンを練って、肉盛り。パテやシーラーのたぐいもそうですけれど、この手の物は、硬化させていく途中に「指押し最適硬度」のタイミングが存在する。
早すぎると「やけどの水泡」をピシヤッと破る感触だし、ちょうどいいと粘度の硬度になると(足裏の水泡の豆程度)指で成形しやすい。
では最適粘度の硬度になってから盛り付ければいいかというと今度は金属面との初期接着が弱くなる。柔らかい状態で、ある程度肉厚のある盛り付けをするのは結構難しい。ちょっとずつ盛り付けようとするとヘラなり指を離すときに一緒にくっついて剥がれて穴が開いてしまう。豪快に採ってソフトクリームのように置いていく方がこういう形状の物にはいいようです。
2
外は寒くなったので今回は屋内で加熱固着(1時間)。
固まった後、無情に外に追い出され、リューターで成形。改めて定着カラー接着前にしておけばよかったと思うが、時すでに遅しこのままやるしかない・・・
時間をかけて丁寧に、おおよその形を作っていきます。第二段階は手打ち鍋の打面のごとく・・・・・
この後ヤスリとサンドペーパー(600番~1200番)で仕上げ。
全周が均等にフィレット化できたかの確認は「指ゲージ」による触診。何とか成形できました。
3
このままではキャブ接合面のパッキンをつけられないので、パッキン用のほぞ溝加工をします。
内側の筒まで勢いあまって貫通させたら全ては水の泡となるので細心の注意です。
隙間に「ハチサン」充填接着とは言え、外筒を斜めに斜塔化した関係上、内筒と外筒がぴったりの部分もあるので、削る時の抵抗を感じながらゆっくりやります。


2枚目画像は完成したほぞ溝。


何度もパッキンを試着したり、外していたら経年硬化のためブッツリと切断。(想定して対策準備はしていましたが、また工程が増えて少し落胆)。反面ほぞ溝には合わせやすくなりバッチリ加工できましたが・・・・
切れたパッキンをあてがうと1cmほどすきまが・・・・なるほどゴムの張力でつっぱっていたのか、さぞかし硬化してつらかっただろう。今までよくぞ頑張ってくれた。
4
造形としては完成。さび止め処理をすれば十分使用できますが、塗装することにしました。
曲面マスキング用の細いテープが見当たらないので、太いテープで直角に段差がついた所でマスキング。脱脂処理した後プラサフを吹きました。
5
成形加工時に練った「ハチサン」が足らなくなって、まあいいや、と思って妥協していたパイプ基部もプラサフ前に再成形しておいて正解でした。仕上がりがよくなりました。
翌日、本塗装を吹きました。
ストーブ前(表面60度)で低温焼き付け。
6
半渇きの段階でマスキングをはずします。そして再びストーブ前へ
塗装完了。乾燥後の姿。色違いの差がすさまじい。何故色合わせとまでいかなくても、もっと近似色にしないのか?と思われますがこの色を選んだ私的(わたくしてき)な理由はのちほど後述します。
最後の難易度のある作業。ちぎれたパッキンの修復にはいります。
過去の類似作業の経験から、この手の作業のポイントは2つあります。
第一に接着剤、第二に所要日数1日で済まそうとしないことです。
接着剤はずばり「セメダイン366ブラック(自動車補修業務用)」これ以外にはありません(もう1種存在しますが業務用、名前忘れました)。いわゆるカーショップによくある〇○〇ブラックシーラー、黒ゴム用接着剤ではだめでした。
今回の作業はハメタ状態で外周のひび割れ充填。(1日目)、切断して隙間のあいた部分は5回に分けて盛り付け(のべ7日)かけて修復しました。
「ハチサン」同様、指押し成形できる硬化のタイミング(ストライクゾーン)での積み重ねです。ヤケドの水泡~足裏豆の水泡の中間ぐらいの状態になったらで指で成形します。 
そのそもこの手のパッキンは工業規格品でありそうですが、リング状内溝パッキン自体がないのです(リング状外溝仕様はある)。
U字断面型を底ぬカマス方法を皆考えますが筒の内側にとびがしてはならないのでNGです。径のあうL字断面形状物を重ねて接着の方法もあります。
見てくれにこだわらなければ、キャブ側に平板リング状のフッソゴムを耐熱接着材でつけてしまう修理法もあります。まァ今回は原形を意地で補修しましたが・・・・
7
作業は完了しましたが、実は今回ほど悩んだ作業はありませんでした。
それは難儀度とは別の、この際だからエアクリーナーケース自体をレストアしてしまおうか、それとも部分修理に留めるかでした。
以前よりコーションシール等、全塗装レストアに必須品も用意はしてありました。色合わせ済みの調合色を調達していたら、部分塗りでなく全塗装、金具再メッキのフルレストアに着手していたことでしょう。
悩んだ末に修理部分のみ塗装で、経年変化の激しいオリジナル塗装を残すためにあえて色違いとしました。
そのかわり、色の選定は「ある拘り」の実証実験で決めました。色は光で決まります(太陽光、蛍光、LED等)。同じ色でも日蔭の色は濃く見えます。ケース裏面は装着時は日蔭になります。だから明るい色にすると・・・・
8
光の当たる部分の色より明るい色調をあれこれテストピースを筒部に貼り付け日蔭と日向の色の差異が最もなくなる色が今回選んだ色っだったのです。(いすゞエルフトラック純正のブルーがテストピースの色に近かったのです。画像は室内での撮影ですが(LED灯)あんなに色が違った物には見えません。同色に見えます。これなら覗き込んでも気づきません。
「実際コスモは狭くて覗けません、手鏡使用か?、誰がそんなことまでして見るのか(笑)」。成果、効果はともかく光と色変化(いろへんげ)の勉強になりました。
2枚目画像はエアクリケース内部のキャブ吸入口(修理後)、ルックスはオリジナルとまったく変化なし。(銀色部はハチサン色のまま)。
不思議な修理完了画像でエンディングです。47年の車齢と歳月を感じさせる、今となっては唯一の部分には敬意を示してそのままの姿に残してあげました。 この項終わり

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この記事へのコメント

2015年3月9日 0:07
こんばんは♪

47年の歳月に重みを感じます!!
こうしてオリジナルな部分を残すのもおつですね♪
コメントへの返答
2015年3月9日 6:56
おはようございます!

一度はエアクリナーケースを車に積んで塗料を配合してもらおうと、出発したのですが、道中で葛藤した結果、影効果のあるテンプレート色と同じエルフ(いすゞ)用ブルーを買って帰りました。賛否分かれる選択だとは思いますが、結局、車が「ここは塗るな」と「神通力」をだしたようです。(笑)
コメントありがとうございます。
2015年4月28日 7:35
はじめまして。

ネバネバものの慣らし方、
大変参考になりました。

自分も次回は上手くやれそうです。

コメントへの返答
2015年4月29日 23:44
こんばんは!
ニッチな部分をディープに描写しすぎたかな・・・と思っておりました。
参考になるという方がいらっしゃいまして<m(__)m>。ネバネバものは結構難儀しますね。(*^_^*)
コメントありがとうございます。

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「よりによってオイル交換の途中で抜き取り器のピストンが圧縮無し昇天 前回使用時に予兆はあった。即座に足車でAPへ行って2代目を購入 今度はあの丸型タンク仕様は止め筒型タイプにしました。急遽下抜き対応でも良かったのですが、上抜き慣れてしまうともう戻れないですね。付帯作業がおっくうで」
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ROTARY OF FAMEです。よろしくお願いします。1968モデル(後期型 初期生産モデル)を愛用しています。ロータリーエンジンのフィールを満喫、感謝してい...
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