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ROTARY OF FAMEの愛車 [マツダ コスモ]

整備手帳

作業日:2015年8月15日

VOL.1 機関OH~こんな潮時の迎え方はNGです~

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 ショップ作業
難易度

上級

作業時間 12時間以上
1
今から丁度30年前、機関をOHした際、今後どれだけ長く乗れるか自ら検証しようと思い、今日まで乗ってきました。年間の走行距離こそ少なめでしたが(年間2000キロ~2500キロ)、その継続は不測のメカトラブルにより終焉を迎えました。実はかなり前から温間時、油圧が規定値より低めであるのは掌握はしていました。これは長くベアリング(メタル)無交換で乗っているからオイルクリアランスが摩耗により過大に広がったものと推察していました。機械式油圧計をあえて装着したのも監視強化の一環だったのでしたが・・・・・・最高速度もカタログデータをしっかりマークするし(~2009年まで)、燃費も良好でしたので、オイルメンテさえしっかりすれば続行問題無しと判断していたのですが・・・振り返りの記述なので言えますが、実はこの時、機関の中では、すでにとんでもないことが起き、進行していたのです。(某テレビの医学番組のくだりと同じです)。
2
コスモスポーツのオイルプレッシャー警告ランプは0.3㎏/㎠以下で点灯します。もう25年以上前から、温間時はアイドルから1400rpm以上にグリッピングしないとランプが消灯しない状況でした。前回OH時に、当時手配したメタルが納期遅延し、見切り施工したツケと見ていました。そして、ここ1年半前から、5速ギヤでの駆動時でのトルクの低下も感じていました。最初は緩やかに、そして今年の2月以降は加速度を増して進行している事を感じていました。30年も乗ってるし、さすがにOHをしておかねば・・・と考えていた矢先、桜が散りきったある日の事。高速道路上で巡航中、同乗者の会話に弾んでいて、ふと何気に油圧計に目をやると指針がゼロ!路肩に緊急停車。オイルが抜けたのか?点検するも量、温度とも異常なし。配管もOK、アイドルのまま油圧取り出し口のニップルを緩めるとジュワーとオイルが湧き出す。ゼロ指針だがわずかに油圧はあるようだ。ニップルを締めて30分程アイドルさせてみる。安定はしている。各計器も油圧計以外は正常値だが・・この状態(指針ゼロ)で結構な時間高速を走ってしまったのではないか(+o+)・・・
3
オイル切れ(干上がり)ならもうとっくに焼き付いている。ローター内部の冷却にも支障をきたし、過熱により水温も上昇するはずなのだがそれもない・・・。とはいえ非常事態なのは間違いない。ともかく高速道降りる、ローダー呼ぶか、ソロソロと自走か、躊躇しているうちに家の近くまで来てしまった。あと200メートル、信号待ちで突如スローも大きく乱れだす。吹かさないとエンスト確実の乱れだ。バキューム(負圧)も大幅に指針が上下している、値自体も低い。ガレージにたどり着く。エンスト。再始動できない。セルは回るがこのセルの音・・・まさか・・・圧縮を測ってみた。フロント側の1室は4.7!、残り2室は計測不能!血の気が引く。リア側はもう測る気もしない。最後は片肺で家まで頑張ったのか・・。気が付くと何故か禁煙していたはずのタバコを買ってきて吸っていました。「逝った」。空虚な時間をしばらく車内で過ごしたあと、ぼんやりとバッテリーのマイナス端子をはずす。チコチコ鳴っていた時計が止まり、後はシーンと静寂になった世界に、工具箱に投げ込んだ工具が「チーン」と響いたのでした。
4
この昇天のタイミングを、もう潮時、節目の到来(OVER)として迎えいれるのか、それとも続行(CONTINUE)にするか、ループする思考状態が続きました。でもこういう形の潮時は大いに不満です。直すことにしました。自分でやってみようかとも思いましたが、コスモ用10Aは組んだ経験はありません。総合的に考えてプロメカに頼むことにしました。
①OHに必要なストック部品はそこそこ保有はしていましたが、割って
  不測の事態(予想外の部分の損壊等)の対処にリスクが大きい。
②バンザイお手上げ状態(ギブアップ)での機関再生依頼はみっとも
 ないし、引き受けてくれる所の門はさらに狭まると見込まれる。
③体調を考慮するとエンジン脱着等仰向け作業は避けた方が無難。
④組み上げ後のナラシ(オイル焼)実施等は住宅密集地では迷惑  
プロに頼める所は自分なりの候補としては関東一カ所、中部に一カ所浮かびますが、以前より知り合いでもあり、自分が通える行動半径内にある☆さんの所に修理をお願いすることにしました。持ち込み日を相談後、ローダーで移送しました。
内部はどれほどのダメージだろうか?道中、荷台のコスモを振り返り見る。
5
後日エンジンを割った日。重症でした。ベアリング(メタル)が壊滅的でした。ステーショナリーのベアリングは前後とも最悪。リア側でほぼ抜けきった油圧は、圧送の最先端のフロント側を、固着はしてないものの、焼き付き状態に。ケルメットメタルは全周第3層目までズル剥け、ギアの縁にはメタルが溶けだし流れ出している。エキセンを挿すとガタガタに動く。規定クリアランス0.04mm~0.07mm(限度0.1mm)どころかここまで摩耗するとエキセン自体が爆発燃焼時に反対側に逃げ、バタツキ暴れてローターも動き、正常なシーリングができず圧縮がでない。誰が見ても客観的に見ればこのメタル状態は、ずさんなオイル管理の末路の「RE乗り劣等生」仕様。そうではない過保護管理だったのに?・・・・日頃の行いと現実のギャップに今はぐっと唇をかみしめるしかありません。「オイル無しで以前乗りましたか?」「メタルを交換してきちっとオイルクリアランス出せば油圧は回復するよ」と言われたものの、どうも腑に落ちない。一体全体?
6
真っ黒なローター。割る直前の燃焼状態に影響されるとはいえ・・・、アペックスシールはスプリングストローク半ばでななめ固着状態のものもアリ・・・。ローターサイド面も吹き抜けが・・・。
リアローターのべアリング(メタル)は摩耗はもとよりガタによる打ち付けと共振発生によるものか、剥離破壊が始まっている。ガタガタである。これが本当に2009年までカタログデータの最高速をマークできたエンジンの内部なのか?変わり果てた姿に絶句する。
7
そして、絶対大丈夫であろうとタカをくくっていたローターハウジング2枚は再使用NG。プラグホールにクラックが入り始め、ポーラスメッキの剥離も一部確認。耐30年の疲労か、マルチスパークCDI装着の弊害だったのか、今回の断末魔のシールのバタツキ打ち付けが原因だったのか、は不明。オーバーヒートやプラグ熱価不適はなかったのですが・・・・これ以上使うとクラックが冷却路とつながりクーラントが燃焼室に入ってしまいます。・・・・・・もはや交換以外に治療方法はありません。とっておきの「虎の子」を持ち込みました。
8
エキセンは鍛造製で表面は浸炭焼き入れが施されているので以外にも摩耗は極めて少ない。使えなくもないが、ベアリング選択しても先端ジャーナル部の適正クリアランスが作れるか?心配だったのでこれも「虎の子」を用意。持ち込みました。持ち込んだエキセンはロータージャーナル部のオイル穴が回転方向に前方に移動した後年のタイプに変更。もうこの際だから小物も含めて、なんだかんだストック部品を持ち込みました。

→VOL.2 機関OH~原因は判明したが経緯は永遠のミステリアス ~につづく

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この記事へのコメント

2015年10月31日 12:20
こんにちは。 とても参考になりました。

私のコスモは、今のところエンジンに異常は見当たりませんが、気を付けたいと思います。もし何かトラブルが発生したら、北陸に凄い方が居られるようなので、そちらに持ち込みたいと考えています。
コメントへの返答
2015年10月31日 20:45
こんばんは!VOL.2では根本の原因を報告予定でいます。コスモスポーツでは稀なケースみたいです。ほんとうは近々に30年以上乗ってこの内部(優秀)を見込んでいたのに、今年に入って急降下!その原因も次回ご報告します。家族会議で大ゲンカの末の強行採決OH敢行でした(*_*)。人もコスモも健康第一です。北陸の名医は初めてお聞きしました。その機会の折は教えてください。コメントありがとうございます。
2015年10月31日 12:49
ご無沙汰でした、

何とか無事にエンジン修理が出来そうでなによりでした。
作業日の日付が8月15日になっておりますね、PCの日付設定がズレていると思われます。^^
コメントへの返答
2015年10月31日 20:56
こんばんは!こちらこそご無沙汰しておりました。安否確認をいただいた方もおりました(笑)。一時は博物館奉納の話も浮上しましたが・・・・シナリオを強引に変えました。そんな最終回は考えていなかったもので・・・・作業日は正確にはエンジン降ろして割ったのが盆前。撮影が8月16日です。投稿は単日しか入力できないのでアバウトです(*^_^*)。コメントありがとうございます。
2015年10月31日 23:59
こんばんは♪

ここ暫くコスモスポーツ便りが無かったので気にはなっていたのですが・・・
お身体も万全では無いように伺っておりましたので休養されてるのだと思ってました。
まさかこのようなことになっていたとは・・・(>o<)

30年以上も連れ添った愛機ならこのまま降りるのは忍びないです!!
また快調に走るコスモスポーツを見るとご家族も理解してくれるのでは・・・(汗)
虎の子の部品で既に快音を響かせてると事思いますがもう少し愛機との時間を愛しんでください(^o^)/
コメントへの返答
2015年11月1日 7:50
おはようございます!
実はそうだったのです。皆様には全く音沙汰無しで申し訳なく思いました。昇天した時から抜け殻の様になってしまったのです。パラレルワールドの別の世界に迷いこんだのではないかと・・・・日頃の行いと現実のギャップの大きさ、厳しさに打ちのめされたようです。今年の異常な暑さも身に応えましたが、何とか乗り切りました。やはり快音と、あの排気ガスのニオイがいつもそばに無いとダメみたいです。いつまで乗れるか(車でなく自分の理由で)判りませんが、乗れるだけ乗ろうと思っています。ありがとうございます。<m(__)m>

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「チェックマンの機械式油温計を縁あって入手 ただ表示デザインがコスモ既存計器のそれと親和性がないので改造したい 昔カセットテープのケース内の見出しを黒インレタで作るの流行りましたが、ネットで調べるとホワイトインレタは絶滅みたい コスモの計器の一部を解体して移植するか悩むところです」
何シテル?   05/16 10:46
ROTARY OF FAMEです。よろしくお願いします。1968モデル(後期型 初期生産モデル)を愛用しています。ロータリーエンジンのフィールを満喫、感謝してい...
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