個人的には、結構多くのディーゼル乗用車に乗ってきた。
・いすゞFFジェミニ :4EC1-T 1487cc 渦流室式 直4 70ps/5000rpm 13.8kgm/2500rpm
・いすゞジェミニ :4EE1-T 1.7L 渦流室式 直4 88ps/4500rpm 17kgm/2500rpm?
・いすゞファーゴバン : 4FG1 2.4L 渦流室式 直4
・いすゞビッグホーン : 4JB1-T 2771cc 直噴式 直4 115ps/3600rpm 24kgm/2300rpm
・トヨタエスティマエミーナ:3C-T 2184cc 渦流室式 直4 100ps/? 22kgm位/2200rpm
ターボ付き車は、同級ガソリン車を若干上回る豊かなトルクと燃費の良さ、軽油とガソリンの価格差も今より大きくて、音振動も改良が著しく、それなりにメリットのある時期だった。
ただ、高速道路の合流とか、負荷がかかる場面では煙幕のように黒煙が出て、ちょっと気恥ずかしい気持ちになったのも事実。
エミーナは、2005年ごろだったか、車検を取ろうと見積もったとき、40万円の数字が出てやむを得ずシエンタにした記憶がある。
このころから、新車でのディーゼル乗用車は、排ガス規制から、ほとんど壊滅的だったように思う。
S50年ごろ、中学校の技術家庭科の先生は、「空気中に窒素がある以上、NOxの発生は防ぎようがない。自動車の排ガス対策は困難を極めるであろう。」とため息をついた。
ところが、そのころガソリン車でも達成が難しかったアメリカのマスキー法を、セドリックディーゼルがクリヤする時代があったような気がする。後処理なしでは、(黒煙を考えなければ)ディーゼルのほうがクリーン、なんてこともあったのだ。
ガソリンエンジンにとって幸運だったのは、三元触媒が現れ、実用になったことだ。Air/Fuel比を理論空燃比に保てば、HC,CO,NOxはH2O,CO2,N2になる。
さて、(古典的)ディーゼルは常にAirはいっぱいに吸って、出力はFuelの量だけでコントロールする。しかも上死点近傍のわずかな時間で空気と混ざり合わなければならない。理論空燃比より空気を過剰にしておかないとすすが出てしまう。常に空気過剰の状態、しかもその比率が変わってしまう。
すすはなるべく出ないようにターボでたくさん空気を送って、噴射もコモンレールで改良してよく空気に混じるようにして、それでも出る分はDPFでとらえて、とらえきれなくなったら排ガス温度を上げて強制的に燃やしてしまえば良さそうだ。
問題はNOx。空気、つまり酸素が過剰な中で、NOxをN2とO2にするのは無理な注文だ。水のあるバケツの中で雑巾を絞って雑巾を乾かすのは不可能なのと似ている。
NOxをため込むことなら、ある一定限度まではできる。しかし、いつか飽和する。したがって、限度を見計らってわざと排気行程あたりで燃料HCを無駄に吹いて、NOxをCO2,H2O,N2としてあげなければならない。ストレスをためすぎると病気になるから発散しなければならないのだ。当然、燃費は低下する。
例の問題は、この辺を嫌ったのではないだろうか。
尿素水(ほしいのはアンモニアNH3)でNOxをN2,H2Oとする方法もある。火力発電所では以前から光化学スモッグが予想されると使用していた。尿素水は燃料消費の5パーセントぐらいだそうだ。
尿素水は250円/L~80円/Lらしいから、113円/Lの軽油は最悪12.5円/Lの尿素水コストが加わり、実質125円/Lの燃料となってしまうorz
ディーゼルによる燃費向上の絶対額の大きいトラックならまだしも、乗用車では気の重い話ではなかろうか。したがって尿素水方式でも、ずるを考えてしまうわけであるorz
マツダのSKYACTIV-Dはどうなのか。DPFはある。すすがたまったらある速度以上で元気よく走ってください、とのこと。NOxは後処理なしだって。それで国内の規制は通っているのだから立派だ。ディーゼルとしては驚異的な低圧縮比14.8がみそらしい。
デミオD(6AT)に早速試乗してみたf(+_+)☆\(-_-#)
圧縮比が低くて始動は苦労するのかと思ったら、予熱なしでいきなり始動。低圧縮でも始動性がいいのは、
この人の技術が関与しているらしい。どこかにいすゞのDNAが埋め込まれていると思うとうれしい。しかも、始動直後から意外と静か。わがPOLOのアイドリングより車内、車外ともにずっと静か。
加速。踏み込みの浅い部分では、緩慢。なんじゃこれ、と思って少し踏み込むとスイッチが入ったようににわかに元気になる。この辺は好みが分かれそう。高速の合流でぐんと加速。おお、煙幕を張らない。こんなディーゼル初めてだ。しかも、250Nmの分厚いトルクは楽々と合流に安全な速度まで達する。素晴らしい。
そして、恐ろしいことにこんな数字を出してもらっている自分がいる。
お金の工面が付きさえすれば、次はこの車だな、と思った。
試乗が終わり、少し冷静になってPOLOに戻る。
シートの出来はPOLOのほうがいい。
リニヤな加速フィールもPOLOのほうが好きだな。
そして、燃費。DEMIO-Dの燃費計は15.8km/Lを指していた。試乗車すなわち街乗り主体で不利とは思うが、驚くほどでもない気がしてきた。
POLOだって、夏場はレギュラーガソリンで14km/L程度いくし・・・。
今度はデミオDのMT車にも試乗してみる必要はありそうだ(笑)
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2015/10/23 01:40:56