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小林あにのブログ一覧

2019年11月23日 イイね!

牛ノ谷峠の旧北陸本線廃線跡と牛ノ谷隧道

2019年11月23日土曜日、福井県と石川県の県境にある牛ノ谷峠に残る旧北陸本線の廃線跡と牛ノ谷隧道へと出かけてきました。

最初に訪れたのは、峠の石川県側、国道8号と北陸本線が立体交差する地点です。


現在、北陸本線は跨道橋で国道8号を越えて、右側を直進して熊坂トンネルで峠を越えていますが、昔は国道8号は越えず、左側を進んでいました。

ここから旧線の築堤を辿ってみます。築堤の上はなぜか刈払いがされています。ピンクリボンがあちらこちらに付けられているので、土地に関する調査のためでしょう。


しかし、しばらく歩いていくと刈払いは終わり、濃密な矢竹の薮が見えてきました…。甘くないですね…。ここが落葉樹の森ならば、この季節は障害物も無くて視界も良好なのですが…。


仕方がないので、ここからは左側の杉林の中を進むことにします。こちらも手入れはされていないため杉の木の下に薮が広がっていますが、日が当たらない分、いくらかはマシです(笑)。途中、ぬかるんだ斜面で滑った足が根っこに絡まり、足を捻りそうになるなど危ない場面もありました。が、気を取り直しつつ、草や低木を掻き分けながら進みます。

歩いていくうちに小さな沢筋にぶつかったので、廃線跡側を眺めてみると暗渠があるように見えます。ただ、薄暗いのでコンクリート造なのか何なのかよくわかりません。

転ばないよう注意しながら沢を降りていくと煉瓦造暗渠がありました。


小さなものですが、昔の遺構を見つけるとテンションが上がりますね。煉瓦造というのがなお良いです(笑)。暗渠の上の擁壁部分は布積みの石積みです。


しかし、本当に薄暗いので、フラッシュを焚かないとまるで夜にやって来たみたいです。


ご覧のとおりの煉瓦積み三重半円アーチです。標準的なタイプです。


奥までは見通せませんが、見える範囲はきれいに煉瓦アーチが保持されています。


内部にレールを半円に曲げた補強材が設置されています。後補によるものと思われますから、誰かがこの狭い穴を潜っていって設置したんでしょうね(笑)。

ここの暗渠の左手側には、旧国鉄の境界杭が残っていました。


境界杭のところから廃線跡へとふたたび出てみましたが、薮は全然収まる気配がありません…。


このあとも廃線跡と杉林を行ったり来たりしながら、じりじりと進んでいましたが、ついに音を上げてしまいました…。

ここから国道へと脱出です。


国道へと降り立ち振り返って見ると、立体交差のガードが見えています。


暗渠の写真を撮っていたとは言え、最初の写真を撮ってから37分でこれだけしか進めなかったとは…。

国道の歩道を歩いて峠側へと進んでいきましたが、やがて歩道が無くなりました。廃線跡も国道に削られてしまったようだったので、ここで一旦引き返しました。


もう少し峠寄りの駐車帯へと移動してきました。


今回の主目的である旧北陸本線牛ノ谷隧道の大聖寺駅側坑口の確認へとむかいます。

国道の左側には、ふたたび廃線跡の築堤が続いていますが、駐車した駐車帯の先で途切れてしまいます。途切れた辺りに牛ノ谷隧道の坑口があったと推測されています。

現存している築堤の末端部は小川が横切っています。写真はその小川の先の築堤の残存部分。


小川の中から国道を見上げています。


周りを探ってみると、小川の中に煉瓦が転がっていました。


築堤の斜面にも煉瓦を見つけました。


まずは築堤の先端部へと登ってみましたが、煉瓦を1個見つけた以外はこれという物は見当たりませんでした。

続いて、小川の中を上流へ遡ってみましたが、3つほど煉瓦や煉瓦のかけらを見つけただけで、やはりこれという物はありません。

ただ、ここにも旧国鉄の境界杭があったので、この築堤が旧線であることは間違いはないようです。


今度は国道を渡り、坑口があったと推定できる場所を見回してみましたが、何の痕跡も見つけられませんでした。

渡った先にある作業道から築堤の先端部を眺めています。


どのくらいのカーブで山の斜面へと突入していたのかわかりませんが、作業道は急坂で登っているので、写真の真ん中から左側あたりに坑口があったのではないでしょうか。

さて、牛ノ谷隧道は1963年(昭和38年)に現行線の熊坂トンネルの供用開始により廃止となりました。大聖寺駅側坑口が見当たらない理由として考えられるのは、国道8号の拡幅に際して坑門は破壊もしくは埋め立てられた。または作業道建設の際に破壊もしくは埋め立てられた。といったところでしょうか。

解せないのは、破壊・撤去に伴う煉瓦の塊や煉瓦の屑が周囲に全然残っていないことなんですよね。昔の工事で「塵一つなく」現場の廃材を片付けてしまうなんて考えにくい。そうなると土を被せて埋め立てただけなのか(周囲で山の斜面をコンクリートで覆工した場所は見当たらないので。)?

もうひとつは、小川をどのように渡っていたのか?桁橋だったのか暗渠だったのか?築堤なので暗渠が可能性大ですが、これも何の痕跡も残っていません。小川の流れを支障しないよう、前後を掘削してしまったのでしょうか?

取りあえず、「現存していない。」という答えは得られたので、これで終わりとします。いつか「同業者」の方が何か発見してくれることを期待します。

最後に牛ノ谷隧道の牛ノ谷駅側坑口へと向かいます。

その前に牛ノ谷駅に立ち寄り、トイレと手洗い。




駅からもう少し奥へと入り、高速道路の側道へ車を停めておきます。


牛ノ谷隧道の牛ノ谷駅側坑口へとやって来ました。


昨年来た時は10月。1か月遅い分だけ、多少は見晴らしがよくなっています。


坑内は相変わらずの水没です。












多少は水位が下がっていないかと期待していましたが、昨年10月と変わっていませんでした。




ということで、この地点で長靴が限界。引き返しました。




多分、梅雨時などの雨が多い時期は煉瓦の地が見えている高さまで増水するんでしょうね。


チョークで引いたような線が付いていますが、これも水面の跡なのでしょう。


この奥の閉塞地点まで行くことができたら、破壊されたうえで埋め立てられたのか、単に埋め立てられただけなのか、わかるかもしれませんけどね。
Posted at 2019/11/23 22:00:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 北陸本線 鉄道・廃線跡 | 日記

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