男はそういい残し、部屋をでる・・・
妻をホテルに残し、表通りにでる。
3連休の真ん中である。
たくさんの人が通りを歩いていた
男は大通りにでると、右手を上げた。
タクシーが一台、男の前に止まる
男は乗り込むと、運転手に何かを手渡した
運転手はそれを上下逆さまにしたり、覗き込んだりしている
それはA4の紙に印刷された地図であった
にさんのやり取りをしたあと、タクシーは走り出した。
札幌駅前を抜け快調に走るタクシー
車内では運転手と男が世間話をしてる
男の目には「札幌市中央卸売市場」の看板が写る
しばらくして、タクシーが停まる
男が降りてきてつぶやく
「さぁ どっちだ」
2~3分前
タクシーの中では・・・
「お客さんこの近辺のはずですけどねぇ~」
「もうちょっと先行ってみますか」
「後ろの建物が「これ」(地図上の建物)なんでこの近くのはずなんですが・・・」
「ありがとう 後は歩いて探します」
男は地図を片手に歩き出した。
しばらくして、目的の建物を見つけ、中にはいる
そう 男の目的地は・・・
「橙ヤ」さんである。
先日から
あ~んな人や
こ~んな人のブログに触発され、行動を起こしていたのであった。
しかし、その後、驚愕の事実が男を襲う!
なんと! シャッターが降りているではないか!
営業時間は22時までのはず なぜだ!!
と 男の目にある文字が・・・
「ラストオーダー21時30分」
とっさに時計を見る男・・・
「21時35分」であった。
その場に立ち尽くす男・・・
タクシーが迷わなければ・・・
いや タクシーの運転手さんを責めることはできない・・・
「どうする 俺」とつぶやいた そのとき
お勝手口から若い男性がでてきた
男:「あのぉ~ もう終わったんですか?」
若い男:「すいません 今日は終了しちゃったんですがぁ」
男:「タクシーでここまで来たんです・・・」
若い男性はしばらく考え込み「お待ちください」と言い残して店内に消えた
「ガラガラガラ」お店のシャッターが上がる
「どうぞ!」の声が店内からひびく
先ほどの若い男性が笑顔で迎えてくれた
男はあのおっきい体をおもいっきり恐縮させながら店内に入る
そしてメニューを見ながら先ほどの男性と会話を交わす。
オーダーしたのは・・・
「Wチャーシュー味噌」である。
「お待たせしました」
「時間を気にせず ゆっくり召し上がってくださいね」
すると男が注文していない「煮たまご」がのっているではないか!
「せっかく来ていただいたのでたまごはサービスです」
男は感動した
閉店後に押しかけた客に対しさらにサービスまでしてくれるとは・・・
でも最近
にたようなことがなかったっけ?
細めん、中ふと麺があるそうだが、男は中ふと麺を選択した。
若い男性もいつも中ふと麺を食べているそうだ。
バラ肉が3枚、肩ロースが3枚の計6枚
しかも皆肉厚である。
味噌スープも懐かしい感じがしておいしい
若い男性は途中でも
「スープの加減はいかがですか?」
「もっとコクが欲しいようでしたらダシを追加しましょうか?」
といろいろ気遣いをしてくれた
男はおなかがいっぱいになった
そりゃそうだ
ジンギスカンをおなかいっぱい食べてきたあとだ。
いや それだけではない
はやり若い男性の心やさしい対応も満足の一因である。
北海道はでっかいどー である 人の心もでっかいくて暖かい
やはり北海道まできて正解である
たかが「らーめん」いっぱいでこんな思いができるとは・・・
男は帰りの電車の中でその余韻に浸っていた
しかし、彼の奥さんは、この事実をしらないのであった
つづく
Posted at 2010/07/19 03:09:25 | |
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