ずいぶん時間がかかりましたが、ICウインカーリレーが完成しました。
まだ、3日ほどしか経っていませんが、問題なく動作しています。(写真は開発中のものですが・・・)
ここでは、仕様について紹介します。
自分としては、かなり満足のいく作品に仕上がったので、いずれは製品化して・・・なんてことは、ないですね (^_^;)
◆◆ 仕 様 ◆◆
●LEDバルブへの対応
ウインカーバルブをLEDにすると、ハイフラ現象が起きます。
マイコンで制御することで、バルブの種類に関係なく設定したタイミングでウインカーが動作します。
ただし、バルブ切れを知らせてくれる機能はありません。もっとも、ウインカーバルブが切れることはほとんどないと考えられる(?)ので、あまり問題はないでしょう。
実際、私自身切れた経験はありません。(でも、もしかしたら知らないうちに車検時に交換されていた?)
LEDバルブにすれば、その可能性はより低くなるでしょう。(たぶん (^^;) )
●点滅時間調整機能
道路交通法ではウインカーの点滅時間は1分間に60~120回と定められているようです。
この範囲(+α)の中で自由に調整することができます。また、点灯している時間と消灯している時間の比率も変更することが可能です。
LEDバルブを使って、フラッシュ発光・・・あこがれ(?)の機能が実現します。
もっとも、私の妻に言わせれば「何のためにそんなことするの?」「チカチカすればいいじゃない・・・」ということになってしまいますが・・・
●ワンタッチ車線変更ウインカー機能
ベンツなどの高級車にある機能です。
高速道路などの車線変更時、ウインカーレバーを一瞬押す(ロックしない程度に軽く押す)だけで、指定回数点滅してくれます。(初期設定で7回)
車線変更が終わった後、ウインカーレバーを戻す手間がなく車線変更に集中することができ、安全性も高くなります。( 本当(?_?) )
点滅回数は自由に設定することができます。(1~20回。1回は機能オフと同じ。当初は、8ビットの最大値255回でしたが、そんなに点滅させても意味はないですね (^^;) )
点滅中に同様の操作をすることで、途中キャンセルが可能です。また、点滅中にレバーをロックするまで押し込むと、そのまま通常の点滅に移行します。無ければ無いで済んでしまいますが、使い始めると手放せなくなる機能です。
この機能をつくるにあたり、こだわったことがあります。単機能として作った「ワンタッチウインカー」ユニットは、1回目の点滅だけ他の点滅とタイミングが違っていました。1回目だけは、手で押してから離すまでの時間に左右されることや、ウインカーリレーの出力に割り込んで動作していることも原因です。プログラムの工夫で解決できないこともないのですが、かなり複雑になるのでそのままにしていました。また、途中キャンセルも、押すタイミングによってはうまくいかないことがありました。しかし、RGステップワゴンのウインカーリレーは6P化され、トリガー端子、バルブへの出力端子が左右独立となりました。トリガー端子には、ウインカーレバーが押されている間は常に12Vが出力され、バルブへの出力端子だけがパルス波になっています。これは、プログラムを組む上では非常にありがたい構造です。また、割り込みではなく、リレーそのものを制御するわけですから扱いも楽になります。1回目から常に同じタイミングで点滅するワンタッチ機能にすることができました。
●サンキューハザード・アンサーバック機能
サンキューハザードについては、特に説明の必要はないと思います。
特別にスイッチを設けることなく、純正のハザードスイッチを一瞬押すだけで指定回数点滅します。(初期設定で3回) 実際には、ワンタッチウインカー機能の延長線上にある機能です。ただし、点滅回数はワンタッチウインカーより少ない1~10回の設定範囲にしてあります。
純正仕様で、キーレスのロックで1回、アンロックで2回ハザードランプが点滅するアンサーバック機能が付いていますが、これはサンキューハザード機能に置き換えられます。ロック時はサンキューハザードの設定と同じ回数点滅します。アンロック時は、2回目の点滅動作を途中キャンセルと判断するため、純正と同様の2回の点滅になります。ただし、点滅時間の設定によっては、1回目の点滅時間と2回目の点滅時間が変わる場合があります。
●その他
①バッテリーへの負担
ウインカーリレーのB端子(バッテリー端子?)には、常時12Vがきているようです。ということは、ウインカーリレーには常に電流が流れたままということになります。バッテリーへの負担が心配ですが、マイコンのスリープモードを使用することで、待機時の電流値は実測で0.15mAでした。この程度であれば、ほとんど問題にならないでしょう。それよりも、ナビやセキュリティアラーム等の待機電流の方が大きいと予想されます。実際、既に製作済みのサイレンバックユニットにも、その性質上、常に電流を流しておく必要がありますが、今までバッテリー上がり等はありませんでした。
②耐久性
リレーそのものはウインカー用というわけではありません。富士通製の「長寿命車載用電装リレー」で、機械的寿命1000万回以上、電気的寿命10万回以上ということで購入しましたが、実際の使用でどの程度の寿命があるのかは不明です。しかし、基板に付いている純正リレーと比較しても、あくまでも見た目ですが、それ以上の品質があると思われます。今後、検証を進めていく最重要課題だと思います。
③カチカチ音
リレーが動作中であることを確認するため、カチカチ音がすることは重要であると考えます。その点で言うと、ステップワゴンの純正ウインカーリレーのカチカチ音はやや小さめでした。(レビンに比べても明らかに小さい音でした。)今回使用した富士通製のリレーは、音がしっかりしています。純正の「カッチン・カッチン」ではなく、「カチッ・カチッ」と小気味よい感じがします。静音形のリレーもあったのですが、こちらにして正解でした。
◆◆ それぞれの機能の設定の仕方 ◆◆
●点滅時間・比率
①ウインカー、ハザードがついていないことを確認して調整モードスイッチをオンにする。
②右ウインカーを出し、時間調整VRを回して点滅時間を調整する。(点灯してから消灯し、次に点灯するまでの時間)
③左ウインカーを出し、時間調整VRを回して点灯時間と消灯時間の比率を調整する。(10~90パーセント程度に調整可)
④調整モードスイッチをオフにすると、EEPROMに設定した時間が保存される。
この機能により、バッテリーを外しても設定が消えることはありません。
EEPROMには書き込み回数に寿命があり(約百万回。そんなに書き込むことは通常ないと思いますが・・・)、書き込みミスも多少はあるようです。書き込んだ後すぐに呼び出して元のデータとの比較し、一致しない場合には再度この動作を繰り返します。5回繰り返しても一致しない場合には、左右のウインカーの交互点滅で異常を知らせてくれます。
●ワンタッチウインカー
①右または左ウインカーを出す。(調整モードスイッチはオフのまま)
②調整モードスイッチをオンにする。
③必要な回数点滅させたら、調整モードスイッチをオフにする。スイッチオフと同時に、EEPROMに設定した回数が保存されます。
※点灯する瞬間に回数がカウントされます。タイミングよくスイッチをオン・オフすることが必要です。
●サンキューハザード
①ハザードスイッチをオンにする。(調整モードスイッチはオフのまま)
②以下はワンタッチウインカー機能と同様。
◆◆ 今後の展望 ◆◆
あと一つ、欲しい機能があります。
それは、高速走行時(時速70km以上)に、自動的に点滅速度を速くする機能です。高速走行時のアピール度を高めてくれます。
制作途中から追加機能として考えていたのですが、車速パルスを検出するための端子が、8ピンのPICマイコンでは不足しました。かといって、18ピンのマイコンでは大きくなりすぎます。10ピンのマイコンがあればいいのですが・・・。調整モードスイッチ、またはVRの端子と兼用でどうにかならないかと検討中ですが、ぜひ実現したい機能ですね。
だらだらと、長い文章になってしまいましたが、最後までお読みいただいてありがとうございます。
m(_ _)m